2017年09月15日
投手の緊張要因(2)
「試合状況」と「心拍数」(高低で「緊張度」を推察)の関係から「ストレッサー」を抽出している。また、緊張度は、「個人差」があり、「ストレッサー」の"強さ"や"認知"について検討がいるのだという。
1投手の緊張に影響を与える要因抽出
(試合状況を表す要因)
@ボールカウント
Aストライクカウント
Bアウトカウント
C得点圏走者の有無
D得点差
(認知的要因)
試合状況の認知を質問した。
E主観的緊張度(3段階評価)
F主観的勝率
(実験詳細条件は、引用文献を・・・)
従属変数:「心拍変化量」
独立変数:上記7変数
として、重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。
その結果、「心拍数変化量」に有意な変数として、次の3つが抽出された。
(1)ボールカウント
(2)主観的緊張度
(3)主観的勝率
だという。試合状況としては「ボールカウント」のみが、「心拍数変化量」に影響を与えたとのこと。しかし、重回帰の決定係数が低値であることから、モデルの見直しを考察しているが・・・。
2「個人差」を加えたモデルの検討
1で抽出された、独立変数に投手のダミー変数を用いて、重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。
「個人差」として、投手が有意な変数として、抽出されたという。
「投手の緊張には個人差の要因が最も影響を与える」とのこと。投手の「性格」が、緊張度に影響するということだナ。強気な子と弱気な子で、緊張の度合いが変わるのかナ。本論文では、パフォーマンスについては、言及していないので・・・。
緊張しても、ピンチを押さえれば問題はない。最悪なのは、緊張してパフォーマンスも下がることなので。メンタル面のトレーニングも、必要なのかもしれない。
また、生体信号計測とその応用ということで、昨年の日本野球科学研究会でも講演があったナ。
とても、興味深い研究だと思う。この試合に勝たないとという心理的な圧迫、プレッシャー等がモデルとして組込められるといいナ。
(引用文献)
橋本泰弘、山田憲政:試合中の投手の緊張に影響を与える要因の抽出、コーチング学研究、Vol.30 No.2 pp.159-165、2017
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