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2021年06月19日
安全牌がない時の対処
前回はスリムな手牌にして安全牌を何枚か抱えておいて
他家からのリーチや鳴きに対応すると言いました。
そうは言ってもいつも都合よく安全牌を抱えているわけでもないですし、
相手から急にリーチが入る機会の方が多いのではないでしょうか。
相手リーチが下のような捨て牌で入った時
9p 西 白 9m 発 6p←リーチ
自分が次のような手牌だったとしたら何を切るでしょうか?
22267m4467p1468s ツモ1m ドラ7s
この手牌だと2mがアンコで1mはワンチャンスになります。
ワンチャンスというのは同じ牌は4枚しかないために他家が持っているとすれば残り1枚しかなく、
待ちとして使われる確率はかなり低くなります。
リャンメン待ちであれば当たる可能性はかなり低いと言えます。
1mタンキ待ちは現実問題としてまず考えにくく(チャンタや純チャン、ホンロウ等の手役が否定されるから)、
捨て牌から見てもタンピン狙いだろうという見方はできます。(ピンフがつかなくてもタンヤオ)
1や9の牌であればカンチャン待ち(2〜8)やペンチャン待ち(3か7)にならないので多少切りやすいとは言えます。
つまりワンチャンスの外側の牌は比較的通りやすい牌になります。
ワンチャンスの例をもう1つ。
他にも7778999mといった風にアンコとアンコで挟まれた牌なども、比較的通しやすい牌だと言えます。
このケースは8mなら切りやすい牌になります。
他にも↑のリーチの捨て牌に対して自分の手牌が
222267m4467p468s ツモ1m ドラ7s
であったとすると、2mは自分から見て4枚見えています。
この時2mはカベ(=ノーチャンス)と言って23mといったリャンメンは存在しないのが見えているので1mは比較的安全な牌だと言えます。(タンキ・シャボ待ちしか存在しない)
これは自分の手にカンツで4枚持っているケースですが、自分の手にアンコ+捨て牌に1枚、トイツ+捨て牌に2枚、1枚+捨て牌に3枚、捨て牌に4枚といった風に自分から同じ牌が4枚見えている時、その外側(5真ん中として1と9が外側)の牌は比較的安全な牌になります。
例えば8mが4枚見えた9mとか、3mが4枚見えた2mとか。
今度は少し違うリーチの捨て牌を見てみましょう。
9m 西 白 発 8s(ツ) 北 北 3m 2s(ツ) r5p←リーチ ・牌右側のツはツモ切り
赤5p切りリーチでr5pが手牌の関連牌だとわかり、13r5pやr579pの形から切った可能性を疑ってしまいます。
こんなリーチに一発でスジの2pや8pを切るのはちょっと問題ありではないでしょうか?
リーチ者の現物のスジを頼りに切っていく人がいますが、捨て牌をちゃんと見ていないと、
こんなリーチに一発で放銃してしまう人にもなりかねません。
特に赤5切りリーチであれば3−6や4−7待ちを否定しやすいので
なおさらカン2やカン8待ちを意識しておかねばなりません。(必ずしも3−6や4−7が通るとは限らない)
↑の例は5が宣言牌になるリーチですが、5が切ってあるリーチの場合は
他にもマークしておく待ちがあります。
では次の捨て牌ではどの待ちを考えるでしょうか?
9m 西 白 発 8s(ツ)北 北 2s(ツ)5m 6p←リーチ ・牌右側のツはツモ切り
宣言牌の6pのソバ待ち(4−7pと5−8p)や2−5p、スジのペン3pと直前の5m切りが気になります。
5m切りの場合、235mや578mからの5m切りの形をすぐに想像できる人はあまり放銃しない人です。
ですのでこのリーチがマンズ待ちなら1−4mや6−9mをまず最初に考えます。
リーチ者の捨て牌のスジ待ちの可能性と5切りの待ちのパターンは頻出なので頭に入れておきましょう。
今回のまとめ
・ワンチャンスの外側の牌は通しやすい(222m外側1m、888mの外側9mなど)
・ワンチャンス同士で挟まれた牌も通しやすい(1112333mの2mなど)
・135や579からの5切りのスジのカン2、カン8待ちに注意
・5切りリーチの場合、1−4、6−9待ちを最初に考える
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2021年06月18日
スリム
まずはあるリャンシャンテンの手牌を見てもらいます。
34m334678p33488s ドラ2m
この手牌からはメンタンピンドラやメンタンピン三色といった手役が見えます。
プロの方でもこんな感じのリャンシャンテンに受ける人が結構な割合で存在します。
こんな形の手牌で持っていると、3pや3s、8sを引いてアンコになったり、
ポンやチーのできる形で、一見、攻めるのに良い形だと思っている方も多いかもしれません。
ですが、こんな形で持っている必要がないケースが何割か存在します。
1つの例はシュンツ場の傾向が強い時です。
シュンツができやすい場であればトイツ→アンコになるケースはかなり少なくなり、
上の手牌であれば3pや3sといった余剰牌(余っている牌、遊び牌とも言う)は
持たなくていいと言えます。
もう1つの例は、前回や前々回で言った、不調の時です。
不調時には自分のテンパイ打牌で放銃したり、イーシャンテンから押した牌で放銃したりと
何かと放銃する確率が上がっている状態で、普段よりも放銃に気をつけなくてはいけない時です。
こんな時に余剰牌を残しているのは自分から「振込みます」と言っているようなものです。
こういうケースでも3pや3sのような牌は残さずに早めに切っておくのです。
その余剰牌を切っておいた場所に安全牌候補を残しておき、将来、他家から入るであろうリーチに備えておくのです。
上の手牌から3pや3sを切っておくとこんな形
34m34678p3488s西北 ドラ2m
このようにあらかじめ余剰牌を切っておいたこんな形にすることを「スリムにする」とか「スリムに構える」と言います。
3pや3sといった余剰牌を切った分、2枚の安全牌を抱えられて不意のリーチや鳴き仕掛けなどが入っても二巡はやり過ごすことが可能です。
MリーガーでもS崎(なんとかナイツ)さんがこれを使っているのを見かけます。
他家から鳴き仕掛けが入ってテンパイを目指すのに切るには厳しい牌が残っている時とか、
他家が好調で苦しい展開が続いている時、攻めるにはスピードで遅れている時などにあらかじめ複数枚の安全牌を抱えておき、近い将来の相手の攻めに対して受け流そうとするのが目的になります。
今回のまとめ
・シュンツ場の傾向が強い時は余剰牌を持たずリャンメン(両面)固定でスリムに構える
・自分が不調だと感じた時、他家のスピードに乗り遅れている時、他家からの鳴き仕掛けで追い込まれた時にもスリムに構える
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2021年06月17日
好調と不調のサイン#2
今回も好調と不調の時に起こりやすい事象について少し書いていきます。
まずは好調な時に起こる事から。
好調な時にはリーチして一発のアガリが多くなります。
つまりリーチ一発ツモやリーチ一発ロンアガリの出現率が上がります。
出アガリに関してはたまたまその牌が出た、ツモアガリの際にはたまたまそこにアガリ牌があったという見方もできますが、一発ツモが出る時には間違いなく調子が上向きになっている証拠で、その上に裏ドラが乗ったりカン裏ドラが乗ったりする事も多くなります。
ツモアガリが増えてくる=その打ち手の調子が良くなってきている証拠で、以前自分が言いましたがロン<ツモと表現したのはそういう意味もあります。
ツモアガリが自分の調子を計るバロメーターの1つにもなる上に、ツモアガリが増える状態を目指す事が打ち手自身の最終目的でもあります。
自分の調子が最高潮にまで達すると、10万点を超えるようなデカトップを取る事も容易になってきます。
そうなる時にはほぼ他家を見なくて良くなってきます。
その逆に不調になる時には、他家リーチの当たり牌を一発でつかむケースが多くなってきます。
不調になる=相手の当たり牌をつかみやすくなっている状態なので、一発で当たり牌を引いてしまうケースが普段よりも多くなってしまいます。
そんな時にはリーチに対して放銃しないように気をつけながら進めて流局を目指し、流局した時にリーチ者の手牌をよく観察して「一発で当たり牌をつかんだ」という事実を頭の片隅に置いておき、次局からは「少し引き気味に打とう(放銃に気をつける)」という意識で進めるわけです。
そんな不調もずっと続くわけではないので、様子を見ながら進めて勝負所でアガリを取りにいけばいいでしょう。
一発でアガる人と一発で相手のアガリ牌を引く人とでまったく逆の意味になってしまうわけです。
これを意識すれば、今後の皆さんの押し引きにも活かせるのではないでしょうか?
今回のまとめ
・一発アガリは好調のサイン
・ツモアガリは自分の調子を計るバロメーター(ロン<ツモ)
・一発で相手リーチの当たり牌を引くのは不調のサイン
・一発で当たり牌を引く時は引き気味に進める
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2021年06月16日
好調と不調のサイン
タイトルから想像できる事がいくつもある人は実戦的な打ち手の方なんだろうと思います。
実戦中に出てくる事象で、こんな時は好調、あんな時は不調だとわかるサインがいくつかあります。
本来はこういうものを自分で感じ取られる人でいて欲しいのですが、実戦で打つ時のちょっとしたヒントになればいいと思い、このテーマにしてみました。
例えば、自分がこんなテンパイをしたと仮定します。
22567m234567p56s ドラ7m
この手でリーチすると高目の7sでアガればメンタンピン・三色・ドラの跳満以上が見える手です。
このテンパイ前に他家の捨て牌が
1p 西 2m 8p 白 4m 3p 7s(←自分のテンパイ一巡前)
こんな捨て牌であればどう感じるでしょうか?
7s切りで高目の牌が1枚なくなった、他家が放銃を回避したと感じるでしょう。
他家の意図がどういうものかはわからないまでも、他家が自分のテンパイ前に切った幸運を感じます。
同じ牌は4枚しか存在しないのでその中の1枚が切られただけでも大きな事件です。
しかも高目の牌が自分のテンパイ前に処理されたのは、自分にとっては良くない出来事だと言えます。
こんな時は他家の追っかけリーチに負けてしまうかもしれない、という意識でいた方が良いんじゃないでしょうか?
いわゆる不吉な予感というやつです。
リーチ前に当たり牌を他家に処理されるのは自分にとっては不都合な出来事ですよね。
では好調な時のサインについても1つ。
例えば自分がリーチしてツモアガリしたと仮定します。
111m34588p23s発発発 1sリーチツモ ドラ4m 裏ドラ発
リーチ・ツモ・発・裏ドラ3の跳満のアガリです。
こんなアガリを雀荘でかましたら、「おっと裏3♪」と上機嫌になってしまう人もいるんじゃないでしょうか?
チップのあるルールならちょっとした小遣い程度にはなります。
裏ドラが1枚乗るのはよくある出来事ですが、何枚も乗るのはそう多くはない出来事です。
2枚乗るのも結構な出来事ですが(チートイツで裏ドラが乗るとか)、3枚も乗るとなると大事件です。
こんな時はツキが自分の方に向いていると言えるでしょう。
自力でアガったと言うよりは、ツキに押し上げられたような、そんなイメージを持つといいかもしれません。
今回のまとめ
・自分のテンパイ一巡前に当たり牌を切られるのは不調のサイン(切られた相手に注意)
・裏ドラが複数枚乗った時は好調のサイン
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2021年06月15日
配牌から見た方向性の続きの続きの続きの続きの続き(まだある?)
今回の配牌から見た方向性の続きの続きの続きの続きの続きで解説していきます。
ケース18
446799m1569p56s南 ドラ8s
最初に見えるのは567の三色。
ピンフにしたいが3mや5mを引く必要があり、マンズを伸ばして34567mという形にしたい。
それならツモれる公算が高く、567の三色も残る。
4mや9mがアンコになればリャンメン待ちリーチをかけてツモりにいく。
5mや4p、4sを引けば456の三色にもなるが、その3枚の内、最低2枚を引かなくてはテンパイしない苦しさも意識。
それなら無理に三色を狙う必要はない。
まったく役にも関係ない1pと9pがいらないが下(1〜3)の牌が孤立しているから第一打は1p。
↑のように説明しました。
例えばこのケース18の場合、567の三色同順狙いの時に必要な牌は67m、56p、56sがあるので残りの5m、7p、7sの3枚で、アガリ牌がこの3つのうちの1枚になる場合、残りの2種類が必ず必要になります。
例えばケース18から少し進んで7pと7sを引いてテンパイしたとします。
具体的にはこんな形
4446799m567p567s ドラ8s
これで5−8m待ちの5mならダマ(ヤミ)テンでもアガれる形(役あり)ですが、8mではダマテンでは役なしでアガれず、リーチをかけても8mアガリでは三色同順がなくなって二飜下がり(マイナス)となり大幅なアガリ点数ダウンになってしまいます。(5mで子なら5200点、8mならリーチのみで1300点と4分の1になる)
三色同順という役は例えば567の三色であれば567m、567p、567sの9種類のうち最低8枚を手牌に持っている必要がある(アガリ牌と合わせて9枚そろう)ために、少し限定された状況であると言えます。
↑のテンパイのケースのように、仮にテンパイしても高目(飜数が高くなる方)と安目(飜数が低くなる方)が存在するため、必ずしも三色同順が成立するとは限りません。
特に↑のテンパイであれば高目の5mよりも8mの方が他家からは出てきやすい場合が多く(真ん中の5に近くなるほど通常は利用価値が高い牌だから)、実際にアガるケースは8mの方が多くなります。
三色同順は満貫・跳満・倍満が欲しい時に飜数をアップさせる為の役という認識でいるといいでしょう。
例えば下の手牌であれば
356m34588p344556s ドラ6s
通常なら3m切りリーチでメンタンピンドラの満貫で十分で、他家に点差で大きく離されている状況であれば跳満狙いで6m切りリーチでツモ狙いしたり、少しダマで6s引きを待って2飜アップさせてみたりします。(メンタンツモ三色ドラ、メンタンピンイーペードラ2など)
例えば123や789の三色狙いする時には
12m123456p12366s
789m12389p11789s
といったテンパイのようにペン3・ペン7待ちになる機会も多く、アガりやすい待ちになるとは言えません。
特に高目が純チャン・三色になるような時なら高目と安目で大きくアガリ点が変わるので、安目が出た時の対応をあらかじめ考えておく必要があります。
例えば
23m123789p12399s
789m1178p123789s
上の手牌で123の純チャン・三色狙いや789の純チャン・三色狙い時に安目の4m、6pが出たらピンフのみになってしまい、5飜下がり(純チャン・三色同順が消える)でアガリ点にすると子で1000点、リーチしてやっと2000点の手になってしまいます。
このように三色狙いする際のメリット・デメリットをよく意識して手作りする必要があります。
今回のまとめ
・三色狙いには必要牌9枚のうち8枚以上集める必要がある(限定された状況)
・三色狙いすると愚形待ちになるケースも多い(ペンチャン・カンチャン)
・三色狙いすると高目(高い方)・安目(安い方)で大きくアガリ点が変わる時もある(純チャン・三色など)
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2021年06月14日
配牌から見た続きの続きの続きの続き(orz)
今回も配牌から見た方向性の続きの続きの続きの続き(長っ!)ということで話を進めていきます。
ケース17
14457m99p1229s東西 ドラ7s
配牌から3トイツあり、トイツ系の手役(チートイツやトイトイ)を意識。
配牌の時点で「トイツが増えればチートイツ、アンコが増えればトイトイでいこう」と考えておいて、ツモ牌がその構想通りに動いてくるのかを確かめていきます。
ここに3−6mや3s、7sと8sといった牌を引いてくるようなら、ピンフ狙いに修正していきます。
ピンフは以前、シュンツ場の代表格の役だと言いました。
その反対はトイツ場で、チートイツやトイトイがトイツ系手役の代表的なものです。
では、シュンツ場とトイツ場をどうやって見分けるのか?
そんな疑問が湧いてこないでしょうか?
場を見分ける一つの方法は、捨て牌に注目する方法です。
極端に分かりやすい例をあげると、
1p 1p(ツ)中 中(ツ)南(ツ)8m 5m(ツ)8m(ツ)発(ツ) ・捨て牌右の(ツ)はツモ切り
自分の捨て牌で何度もトイツかぶり(手にあればトイツになっていたはずのもの)しています。
こういう捨て牌がトイツ場だとはっきり示しているものになります。
あるいは、四家全体の捨て牌を見ても判断できる時があります。
東家
2m 北 西(ツ)南 3p 9s
南家
1p 白(ツ) 中 南 4s 中(ツ)
西家
9p 発(ツ)1m(ツ)西(ツ)9p(ツ)1s
北家
1p 東 7m(ツ)東(ツ)南 2p(ツ)
上の四家の捨て牌を比べてみると、南家と北家の1p、西家の9pがトイツかぶり、北家の東がトイツかぶり、 東家と南家と北家の南、東家と西家の西、南家の中がトイツかぶりと、同じ牌が何組も切られているのに気づくでしょうか?
こんな捨て牌の時はトイツ傾向の強い場ではないのか?と疑ってみるといいでしょう。
上のような捨て牌を見ながら自分の配牌と照らし合わせてケース17のような配牌であればトイツ系の役を狙おう、と決断ができるわけです。
ケース17
14457m99p1229s東西 ドラ7s
今回のまとめ
・配牌で3トイツ以上ならトイツ系の手役を見る
・自分の捨て牌にトイツかぶりがいくつもあるとトイツ場の傾向が強い
・四家の捨て牌を合わせてトイツがたくさんあるのもトイツ場の傾向が強い
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2021年06月13日
配牌から見た方向性の続きの続きの続き(どこまで続くんや!)
今回も「配牌から見た方向性#1〜4」で出てきた配牌とそこからの狙いについて細かく掘り下げていきます。
ケース12
1m347788p4556s東西 ドラ7p
この手ですが、ここから有効牌(手牌で使える牌)を引いて次の形になったとします。
347788p45566s東西 ドラ7p
ここから8pポンで鳴いて3900、赤引きや7pポンしての8000のアガリ形を描けない人はスピードで乗り遅れる人です。
プロの中でもこういう手牌から門前(メンゼン)のテンパイでリーチしか見ていないような人を時々見かけますが、そういう人は門前(メンゼン)に固執し過ぎな人で、鳴きをよく使う人を相手にした時、鳴きを入れた相手にどんどんアガリを取られてしまい、終始何もできずに(手が入らないまま)ラス(四着)や三着で終わってしまう人です。
そういう人がよく「門前(メンゼン)で大きくしてリーチするから!」と言いますが、リーチと鳴きの両方を同じくらいの割合(50:50)で使えない人はどちらかに偏っている人だと言えます。
Mリーガーの中でも門前(メンゼン)寄りの打ち手が何人かいます。
○○熊さんとか村○さんとか黒○さんとか。
こういう方々の負けパターンは鳴きが得意な相手を敵にした時です。
逆に、鳴きばかりというのもバランスの悪い打ち手だと言えます。
Mリーガーの中では黒いデジタルと言われている○橋さんです。
彼は鳴かなくてもいい所で鳴いてしまうのが欠点です。
点数が欲しい時に鳴いてしまうと、どうしても安くなりがちです。
鳴くとリーチの一飜がなくなり、ツモの一飜がなくなり、裏ドラを見る権利と一発の権利もなくなります。
戦術書やYouTube動画で「先制テンパイしたら愚形でもリーチ!」とよく言われるのはこういうリーチの利点があるからというのが大きいのだと思います。
鳴きは主に牌勢(良い配牌やツモ牌を引くようになったりする)を良くする時や相手の親やリーチを流す時に使うもので、東1局からでも積極的に鳴いていける人が牌勢を得られます。(何でも鳴けばいいわけではないですが)
アガリ点が低くなるからというのはいいわけに過ぎません。
鳴きを効果的に使える人がトップを取る機会も多くなります。
では、ケース15についてもう少し考えてみましょう。
267m168p238s東北白白 ドラ西
最初に見えるのは白の子なら1000点。
8sに6sや7sがくっついてくれば678の三色も考えたり、ドラを引いて重なれば白・ドラ2の子なら3900狙い。
67mで1ブロック、68pで1ブロック、23sで1ブロック、白ポンで1ブロックで残りの牌を重ねて頭を作る。
基本的には他家の高い手やリーチを流す為のかわし手だという意識で。
第一打はメンツに関係のない1p。
↑以前、こう解説しましたが、ドラを引いて重ねて頭にしたりとかツモ牌によっては678三色同順狙いで進めるというのも一つありますが、赤入りルールであればいつ赤を引いても使える形を意識しておくというのも鳴く際のポイントになります。
赤5を引いても牌の3・4・6・7を手牌に残しておくと使えるわけですが、↑の手牌であれば67mや68pの部分は安易に切らないわけです。
23sの部分は例えば1sが捨て牌に3枚や4枚切られていれば35sの形を残しますし、逆に4sが3枚や4枚切られていれば、23sの形で残します。(1、2枚の時は手役などと天秤にかける)
仮にメンツが完成していても234sなら2s切りで赤5sが使える形で、あるいは678mなら8m切りで赤5mが使える形だと言えます。(これを俗にスライドと呼ぶ)
これを利用して相手が鳴いた時などで「赤5とのスライドだな」と読める時があるので、相手のツモった後に切られる牌をよく見ておく必要があります。(?の牌を引いて手牌に入れての2、8切り)
よく安手の24のカン3待ちや68のカン7待ちで即リーチする人がいますが、234三色同順や678三色同順といった手役に関係のない時は5がくっつく形も意識して少し待ってみるのもいいんじゃないかと思います。
特に5を固めて持っている相手でもいない限りは、即リーする必要はないんじゃないでしょうか?
それよりも他に役がつかないか?とか待ちの変化を待ってみるとか、赤引きやドラ引きを待ってみるとかそういう部分に意識を向けてみるのもいいんじゃないでしょうか?
例えば
1124567m888p西西西 ドラ8m
これは役なしのカン3mテンパイですが、これで即リーチするのはちょっともったいなく感じます。
ここに5−8mや6mを引けばリャンメン待ちのテンパイになりますし、ドラも使えます。
例えば
1145567m888p西西西 ドラ8m
1145678m888p西西西 ドラ8m
これなら3−6m待ちやドラを使った3−6−9m待ちになり、ツモアガリも多少は狙えます。
あるいは1mを引けばアンコになって
1112456m888p西西西 ドラ8m
この形で2m3m待ちになります。
同じリーチのみのアガリ点ですが、1mアンコで2mを少し使いづらくなっているのも一つのポイントです。
アガリ率を上げたいのならこういう形もできます。
また、2mを引けばトイツが1つ増えて
1122456m888p西西西 ドラ8m
これならツモり三暗刻が見えます。
出アガリなら安いままですが、ツモなら満貫になりました。
カン3やカン7待ちはどうしても手牌の中の急所になりがちで、「流局して3000点もらえればいいや」なら即リーチでもいいですが、少しでもアガリを取りたいのであればこういう形もありますよ、という自分からの提案です。
即リーチするばかりではなくて、他の選択肢も探してみるのも面白いですよ。
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2021年06月12日
配牌から見た方向性の続きの続き
これもまた「配牌から見た方向性#1〜4」の続きの続きになります。
この記事は単独でも読めますが、理解度を深めたい方は「配牌から見た方向性#1〜4」から見て下さい。
ケース6
東1局東家
233r567m288p35s東東北 ドラ1m
この手はダブ東が鳴けるかどうかが一番大切だと言いました。
ダブ東さえ鳴ければ、1ブロックが解消でき、残りブロックも鳴いていける分だけ、テンパイスピードも早くなって他家からリーチが入っても戦いやすくなります。
ダブ東+マンズホンイツ+赤=12000以上のアガリ点になります。
さらにドラを引けば18000くらいまでは現実的に計算できます。
では、ダブ東が鳴けなかったらどうでしょうか?
ダブ東が鳴けない時でも233r567mの形は23m、3r5m、67mという3ブロック計算ができ、残りの牌で頭(マンズか字牌の)を作れば、マンズのホンイツにはなり、ホンイツ・赤の5800にはなります。
マンズか字牌の頭さえあれば233r567mの形で一番の急所のカン4mから鳴くのはいいでしょう。
それなら残りは両面受けで1−4m、5−8m鳴きも可能です。
ダブ東が鳴けない時には門前(メンゼン)でリーチを目指す方法もあります。
リーチしてドラを引いてツモったり裏が乗ったり一発でアガったりすれば、4000オール以上も目指せる手です。
リャンメン(両面)待ちにしてツモを目指す計画で進めるといいでしょう。
具体的にはこんな形
12233r567m888p東東 4mリーチツモ ドラ1m リーチ・ツモ・ドラ・赤の4000オール
12334r567東東北北北 8mリーチツモ ドラ1m リーチ・ツモ・メンホン・赤・ドラの6000オール
ケース8
145m22599p南白白中中 ドラ1m
この手牌からはホンイツ+白+中、2p9p白中を全部ポンしたホンイツ・トイトイや門前でトイトイ・三暗刻、更にアンコができれば四暗刻、他の色が重なってのチートイツ、あとはピンズか字牌のトイツが増えればメンホン(門前混一色)+チートイツ、ドラトイツ以上+トイトイと大きく分けて7通りのアガリ形を描けるでしょうか?
特にここからピンズや字牌のトイツが増えた形のメンホン・チートイツであればリーチしたりツモや一発・裏ドラ・赤が絡むと最高で三倍満までは視野に入ります。(カンが入れば役満も)
例えばこんな形
22r5599p南南北白白中中 北リーチ一発ツモ ドラ1m 裏ドラ9p リーチ・一発・ツモ・メンホン(門前混一色)・チートイツ・赤・裏2の三倍満
ケース9
5m48p12235678s東南西 ドラ1p
この手ではソーズのホンイツかチンイツまで見える手で、門前(メンゼン)のホンイツの例だけ挙げましたが、鳴きのパターンも考えられます。
鳴きホンイツ+一気通貫+ドラ(赤)=満貫、鳴きホンイツ+役牌+ドラ(赤)=満貫、鳴きホンイツ+ドラ2=満貫この3通りの鳴きホンイツのパターンや、鳴きチンイツ+一気通貫=跳満、鳴きチンイツ+ドラ(赤)=跳満、鳴きチンイツ+タンヤオ=跳満(厳密には鳴きチンイツ+トイトイや鳴きチンイツ+純チャンもありますがかなりレアなので省略)の鳴きチンイツの3パターンを把握しておけばいいでしょう。
具体的にはこんな形
1234r5678s西西 9sツモ 南南南ポン ドラ1p ホンイツ・一気通貫・赤の満貫
1122335678s r5sツモ 白白白ポン ドラ1p ホンイツ・白・赤の満貫
1111223345s 6sツモ 978sチー ドラ1p チンイツ・一気通貫の跳満
3334455s 6sツモ 222sポン 888sポン ドラ1p チンイツ・タンヤオの跳満
このように、鳴いて進めるパターンと鳴かずに門前(メンゼン)で進めるパターンの両方の手牌を具体的にどこまで描けるかだけでも第一打から切る牌は変わってきます。
例えばドラの重なりを見落とす、役牌の重なりを見落とすといった一つの事がアガリを逃すというマイナスにつながってしまう時だってあります。
「重なってしまったらしょうがない」で済まさず、配牌から1つでも多くのアガリ形を描けるようにしておきましょう。
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2021年06月11日
配牌から見た方向性からの続き
今日の前の四回の「配牌から見た方向性#1〜4」で実例を挙げて何が言いたかったのかといいますと、配牌のパターンを知って自分の手と他家の手のテンパイスピードを比較してみたり、配牌から想定していた手が完成した時、相手に対してどの程度押す(攻撃)のか、あるいは受ける(守備)のかという押し引き等の指標を自分の中で作っておきましょうという事です。
例えばケース1で出た
689m2p19s南南西北白発中 ドラ5m
こんな形であればどう見ても自分のテンパイスピードが遅い(6シャンテン)で、配牌での平均シャンテン数が3〜4の間と言われていて、その平均よりも明らかに遅れているのがわかっているから、守備的に戦うんだろうなという想像ができるわけです。
ただこの手牌は国士無双の3シャンテンにつき、オリるように捨て牌を切りながら国士狙いする事は可能です。
ケース2の
1235689m146p67s ドラ7p
この形にしても一気通貫には4−7mの両方が必要で、仮に4−7mのどちらかを引いてテンパイしたとします。
12345689m44p567s ドラ7p
これだとペン7mで待ちとしては不安が残る形です。どうしても満貫が必要な時ならリーチで攻めていくでしょうが、決してアガりやすい待ちとは言えません。
また、7mを引いた形
12356789m44p567s ドラ7p
こんなテンパイになったとして、今度は4−7mのピンフしかない形でリーチをかけても安目の7m(一気通貫にならない方)なら子で2000点の手になってしまいます。
この手でリーチしても他家の満貫、跳満あるような追っかけリーチと戦うには点棒的にも手牌で他家の当たり牌候補をまとめて抱えているわけでもなく、不安が残ります。
あるいはケース3の
355889m367p東西白発 ドラ5m
この配牌から少し進んで
3455688m白白発発中中 ドラ5m
こんな手牌になれば、ホンイツ・役役・ドラ2の跳満やホンイツ・小三元・役役・ドラ2の倍満〜大三元も見え、勝負するなら高くて鳴いていける分、テンパイスピードでも劣らない形だと言えます。(4−7mチー、8m・白・発・中ポンが可能)
他にもケース5の
14578m178p13s西中中 ドラ中
これだとドラで役牌の中さえ鳴ければ頭を作って残りはチーして鳴いていけるのもあり、さほど苦労はしない形だと言えます。(3−6−9m、6−9p、カン2s等鳴ける)
例えばこんな形
456m78p11s 9pロン 978mチー 中中中ポン ドラ中 中・ドラ3の満貫
仮に中が鳴けなかった場合でも頭ができればリーチしてリャンメン待ちにしてツモ狙いでも悪くはありません。
例えばこんな形
345678m78p111s中中 9pリーチツモ ドラ中 リーチ・ツモ・ドラ2の満貫
45678m789p11s中中中 9mリーチツモ ドラ中 リーチ・ツモ・中・ドラ3の跳満
このように同じ配牌からでも門前(メンゼン)・鳴きの両方のパターンを配牌をもらった時点で何通り考えられるか、そこが配牌からの構想力が問われる場面だと自分は考えています。
ツモ牌を何巡も引いて配牌で見えていた形から少しずつ修正して現実的なアガリ形を想像するトレーニングをしてみるのもいいかもしれません。
このトレーニングは牌さえあればコロナ禍の今でもできるのではないでしょうか?
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2021年06月10日
配牌から見た方向性#4
今回も前の3回と同じく、配牌をもらってから第一打を切るまでに考えることに限定していくつかの配牌のパターンを挙げて説明していきます。
ケース16
23m1178p1129s東中中 ドラ南
手役として見えるのはトイツで持っている中とチャンタ。
ドラが南であることからドラを重ねて頭にした中・チャンタ・ドラ2の鳴きの満貫も。
役なしになっても門前でリャンメン待ちにしてリーチでツモりにいく。
この手牌も他家のリーチや高い手を流しにいくかわし手の意識で。
3pでも引いてくれば123三色も考えるが頭は1pの予定で第一打は9s。
4mや6pを引けばチャンタは諦める。
具体的にはこんな形
11p11s 1sロン 123mチー 978pチー 中中中ポン ドラ南 中・チャンタの子2000 親2900
11178p111s南南 9pロン 中中中ポン ドラ南 中・チャンタ・ドラ2の満貫
23m111678p111s中中 リーチツモ1m ドラ南 リーチ・ツモの子700−1300 親1300オール
ケース17
14457m99p1229s東西 ドラ7s
最初に見えるのは3トイツあってチートイツ、アンコが増えればトイトイ・三暗刻。
3mや9m、3sや7sなどの内、複数を引いてくればチャンタ。
9mや7p、7sなんかを引けば789の三色。
役牌が重なればその役牌ポンでも鳴いていける。
まずはチートイツを見ながら進めて第一打は5s。
具体的にはこんな形
1144m99p1122s東東西 西ロン ドラ7s チートイツで子1600 親2400
44m99p 9pロン 111mポン 222sポン 西西西ポン ドラ7s トイトイで子2600 親3900
ケース18
446799m1569p56s南 ドラ8s
最初に見えるのは567の三色。
ピンフにしたいが3mや5mを引く必要があり、マンズを伸ばして34567mという形にしたい。
それならツモれる公算が高く、567の三色も残る。
4mや9mがアンコになればリャンメン待ちリーチをかけてツモりにいく。
5mや4p、4sを引けば456の三色にもなるが、その3枚の内、最低2枚を引かなくてはテンパイしない苦しさも意識。
それなら無理に三色を狙う必要はない。
まったく役にも関係ない1pと9pがいらないが下(1〜3)の牌が孤立しているから第一打は1p。
具体的にはこんな形
44456799m56p567s 7pリーチロン ドラ8s リーチ・三色同順の子5200 親7700
3456799m567p567s 2mリーチツモ ドラ8s リーチ・ピンフ・三色同順の満貫
ケース19
4r55578999m3p6s西西 ドラ西
誰が見てもマンズが9枚でマンズや字牌の引きによってはマンズのホンイツやチンイツ狙い。
ドラがトイツですでに鳴いても満貫以上が確定しているから5mや9m、ドラの西が出ればポンで鳴いていく。
上家から6mなら678mでチーしてアンコを生かす。
他に役牌を引いて重ねてポンすればイーハン増えて跳満にもなる。
染め手狙いで3pも6sも必要ないが、より真ん中(5)に近い6sが第一打。
具体的にはこんな形
4r5789m西西 3mツモ 555mポン 999mポン ドラ西 ホンイツ・ドラ2・赤の満貫
4r55578999m 3mツモ 東東東ポン 西西西ポン ドラ西 ホンイツ・東・西・ドラ3・赤の倍満(西家の場合)
ケース20
2346m4567789p9s東白 ドラ7p
すでにシュンツが3つ完成していてピンフが近くに見えている。
役牌が孤立しているが、重なっても悪くなさそうにも見える。
まずはピンフを目指して進め、ドラトイツを生かしたい。
3pや8pを引けば三面張(三メン待ち)になってツモりやすくなる。
他で頭を作れば比較的アガりやすそうな手牌。
まずは第一打9sとして役牌が重なればポンしても良し、切っても好形にはなりそう。
具体的にはこんな形
23466m45677889p 9pリーチロン ドラ7p リーチ・ピンフ・イーぺーコー・ドラ2の満貫
23466m34567789p 2pリーチロン ドラ7p リーチ・ピンフ・イーぺーコー・ドラ2の満貫
234m4567789p 4pツモ 白白白ポン ドラ7p 白・ドラ2の子1000−2000 親2000オール
このようにどんな手牌であっても手役を見たりその先の字牌やドラの重なりを遠くに見て進めるケースもあります。
たとえ役なしの子で1300の手になっても安いからと安易にオリることなく、手を進めていきたいものです。
安手だからとオリていては、他家に大物手をアガられたり、親に連荘を許すことになり、ますます自分の立場を悪くするケースが増えてきます。
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