2023年08月03日
Alchemy of Actor channeling – emotion
Alchemy of Actor channeling – emotion
アナンダミド /アナンダマイド anandamide) は、
神経伝達物質あるいは脂質メディエーターの一種で、
内因性のカンナビノイド Cannabinoid 受容体リガンド(内因性カンナビノイド)。
動物体内にあり、特に脳に多い。
快感などに関係する脳内麻薬物質の一つ、中枢神経系および末梢で多様な機能を持っ。
内因性カンナビノイド endocannabinoid
エンドカンナビノイドは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称。
大麻草(学名:Cannabis sativa)に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して
内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。脳内マリファナ類似物質。
主要なものとして アナンダミドと 2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)あり、
どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質。
アナンダミド(anandamide)という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。
この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど
数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。
現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。
脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。
アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、
エンドバニロイドとしても知られる。
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。
どちらも膜のリン脂質から2つの酵素反応によって生成される。
アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、
2-AGはホスホリパーゼC(PLC)とジアシルグリセロールリパーゼ(DGL)によって生成される。
中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。
しかしグリア細胞も作ることができるとの報告あり。
どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。
アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)、
2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)によって分解される。
これら主要経路以外にシクロオキシゲナーゼー2(COX-2)による酸化により代謝される。
また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素 ABHD6とABHD12が同定された。
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類があり。
CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現。
CB1受容体は脳内に広く分布し、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。
興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、
その発現パターンは脳部位によって異なる。
例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、
コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現し、選択的な発現パターンを示す。
ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行う。
主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮。
CB1受容体は中枢神経系において
Gタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、
その発現領域も脳全体にわたる。
そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、
記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる。
エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、
海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たす。
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは
逆行性伝達物質としての役割。
2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化す。
活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介して
シナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制す。
2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、
あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。
シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入。
細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といった
Gq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。
この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない。
上記受容体以外にも
オレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体1型、
エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。
さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、
2-AG産生が相乗的に促進。これは、
PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、
PLCβ活性が増強するため。
エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。
最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された。
2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。
2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに
海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの
様々な脳部位で報告されており普遍的な現象である。一方、
アナンダミドはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く。
2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制す。
短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)。
2-AGによる長期のシナプス伝達抑制は、多くのシナプスで長期抑圧(long-term depression: LTD)の誘導にCB1受容体の活性化が必須である。
多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。
このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、
エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしている。
大脳皮質体性感覚野5層の低頻度発火型の抑制性ニューロンでは
エンドカンナビノイドが自己分泌によって作用す。
抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、
長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。
脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、
最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされる。
海馬や大脳皮質において
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは
直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなく アストロサイトのCB1受容体にも作用し、
シナプス伝達を調節する。
アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出され
シナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体
(NMDA型グルタミン酸受容体or代謝活性型グルタミン酸受容体)を活性化しシナプス可塑性を引き起こす。
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいての
アナンダミドが仲介する長期シナプス抑制/LTD 。
シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、
細胞内でシナプス後部のTRPV1(一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1
(Transient receptor potential cation channel subfamily V member 1 TrpV1、タンパク質、
記憶形成に関連(ヒトでは)TRPV1遺伝子によってコードされる )を活性化することで引き起こされる。
TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となって
AMPA型グルタミン酸受容体のエンドサイトーシスが起こる。
と たのしい演劇の日々
アナンダミド /アナンダマイド anandamide) は、
神経伝達物質あるいは脂質メディエーターの一種で、
内因性のカンナビノイド Cannabinoid 受容体リガンド(内因性カンナビノイド)。
動物体内にあり、特に脳に多い。
快感などに関係する脳内麻薬物質の一つ、中枢神経系および末梢で多様な機能を持っ。
内因性カンナビノイド endocannabinoid
エンドカンナビノイドは生体内で作られるカンナビノイド受容体のリガンドの総称。
大麻草(学名:Cannabis sativa)に含まれる生理活性成分の総称名カンナビノイドに対して
内因性のカンナビノイドであることから名付けられた。脳内マリファナ類似物質。
主要なものとして アナンダミドと 2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)あり、
どちらもアラキドン酸を含む脂質性の物質。
アナンダミド(anandamide)という名はサンスクリット語で「至福」を意味するanandaから取られた。
この他にも、ノラジンエーテル、N-アラキドノイルドーパミンなど
数種類がエンドカンナビノイドとして報告されているが生理的に機能しているかどうか明らかでない。
現在のところアナンダミドと2-AGが生理的に主要なエンドカンナビノイドと考えられている。
脳内の含有量は2-AGがアナンダミドに対しておよそ数十から数百倍多い。
アナンダミドはカンナビノイド受容体以外にもバニロイド受容体のアゴニストとしても働くため、
エンドバニロイドとしても知られる。
アナンダミドと2-AGの生合成には複数の経路が知られている。
どちらも膜のリン脂質から2つの酵素反応によって生成される。
アナンダミドはN-アシル転移酵素とホスホリパーゼD、
2-AGはホスホリパーゼC(PLC)とジアシルグリセロールリパーゼ(DGL)によって生成される。
中枢神経系においてエンドカンナビノイドはもっぱらニューロンで作られる。
しかしグリア細胞も作ることができるとの報告あり。
どちらのエンドカンナビノイドも加水分解によって代謝される。
アナンダミドは脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)、
2-AGはモノアシルグリセロールリパーゼ(MGL)によって分解される。
これら主要経路以外にシクロオキシゲナーゼー2(COX-2)による酸化により代謝される。
また最近2-AGを選択的に分解する新たな酵素 ABHD6とABHD12が同定された。
カンナビノイド受容体は7回膜貫通型のGi/oタンパク質共役型受容体でCB1とCB2の2種類があり。
CB1は中枢神経系に、CB2は免疫系に多く発現。
CB1受容体は脳内に広く分布し、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、大脳基底核、視床、小脳などに多い。
興奮性、抑制性のどちらのニューロンにもCB1受容体は発現するが、
その発現パターンは脳部位によって異なる。
例えば海馬では、一部の抑制性ニューロンに強く発現、これに比べて興奮性ニューロンには一様に低く発現。海馬の抑制性ニューロンのうちでも、パルブアルブミン陽性バスケット細胞にはCB1受容体が存在せず、
コレシストキニン陽性バスケット細胞に強く発現し、選択的な発現パターンを示す。
ニューロン内では、神経終末及び軸索に豊富に局在し、細胞体や樹状突起の発現は極めて低い。
エンドカンナビノイドは脂質メディエーターとして中枢神経系においてさまざまな神経伝達調節を行う。
主にCB1受容体の活性化を介してその効果を発揮。
CB1受容体は中枢神経系において
Gタンパク質共役型受容体の中でも最も発現量の多い受容体として知られており、
その発現領域も脳全体にわたる。
そのためエンドカンナビノイドの生理的作用は、
記憶・認知、運動制御、鎮痛、食欲調節、報酬系の制御など多岐にわたる。
エンドカンナビノイドは病理的な条件下でも重要な役割を担っており、
海馬でてんかん発作時に神経保護的役割を果たす。
エンドカンナビノイドの脂質メディエーターとしての働きで最も詳しく調べられているのは
逆行性伝達物質としての役割。
2-AGはシナプス後部から産生・放出されて逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化す。
活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介して
シナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制し、神経伝達物質の放出を抑制す。
2-AGはシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、
あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって産生される。
シナプス後ニューロンで強い脱分極が起きると電位依存性カルシウムチャネルが開いてカルシウムが流入。
細胞内カルシウム濃度がマイクロモーラー以上に達すると、2-AGが産生される。また、
グループI代謝型グルタミン酸受容体やM1/M3ムスカリン受容体といった
Gq/11タンパク質共役型受容体の活性化によってPLCβを介する経路で2-AG産生が引き起こされる。
この場合、細胞内カルシウム上昇は必要ない。
上記受容体以外にも
オレキシン受容体、セロトニン受容体、オキシトシン受容体、プロテアーゼ活性化受容体1型、
エンドセリン受容体などによってもエンドカンナビノイド産生が引き起こされる。
さらに、こういった受容体の活性化と脱分極による細胞内へのカルシウム流入が同時におこると、
2-AG産生が相乗的に促進。これは、
PLCβがカルシウム感受性を持つため、受容体活性化と同時に細胞内カルシウム濃度が高まると、
PLCβ活性が増強するため。
エンドカンナビノイドは脂質であるため細胞外へ放出される際、受動的に細胞膜を通り抜けると考えられる。しかしトランスポーターを介する可能性も否定できない。
最近アナンダミドのトランスポーターの候補と考えられるFLATという分子が同定された。
2-AGに関してはトランスポーターの存在は現在報告されていない。
2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制はこれまでに
海馬、小脳、大脳基底核、大脳皮質、扁桃体、視床下部、脳幹などの
様々な脳部位で報告されており普遍的な現象である。一方、
アナンダミドはごく一部のシナプスでのみ逆行性伝達物質として働く。
2-AGによる逆行性シナプス伝達抑制は短期あるいは長期にシナプス伝達を抑制す。
短期のシナプス伝達抑制としてdepolarization-induced suppression of inhibition/excitation (DSI/DSE)。
2-AGによる長期のシナプス伝達抑制は、多くのシナプスで長期抑圧(long-term depression: LTD)の誘導にCB1受容体の活性化が必須である。
多くの場合、LTD誘導刺激によって2-AGが逆行性シグナルとして働く。
このようなLTDは海馬、小脳、線条体、大脳皮質などで詳しく調べられており、
エンドカンナビノイドが記憶・学習、運動学習や運動制御、認知機能に重要な役割を果たしている。
大脳皮質体性感覚野5層の低頻度発火型の抑制性ニューロンでは
エンドカンナビノイドが自己分泌によって作用す。
抑制性ニューロンに繰り返しの脱分極パルスを与えると、
長時間に渡ってその細胞の膜電位が過分極する自己抑制が起こる。
脱分極によって放出された2-AGが自身の細胞体のCB1受容体を活性化し、
最終的に内向き整流性カリウムチャネルが活性化されることで引き起こされる。
海馬や大脳皮質において
ニューロンから放出されたエンドカンナビノイドは
直接ニューロンのCB1受容体に作用するだけでなく アストロサイトのCB1受容体にも作用し、
シナプス伝達を調節する。
アストロサイトのCB1受容体の活性化によってアストロサイトからグルタミン酸が放出され
シナプス前終末、あるいはシナプス後部のグルタミン酸受容体
(NMDA型グルタミン酸受容体or代謝活性型グルタミン酸受容体)を活性化しシナプス可塑性を引き起こす。
海馬歯状回、側座核、分界条床核の興奮性シナプスにおいての
アナンダミドが仲介する長期シナプス抑制/LTD 。
シナプス後部で作られたアナンダミドが細胞外に放出されずに、
細胞内でシナプス後部のTRPV1(一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1
(Transient receptor potential cation channel subfamily V member 1 TrpV1、タンパク質、
記憶形成に関連(ヒトでは)TRPV1遺伝子によってコードされる )を活性化することで引き起こされる。
TRPV1を介した細胞内へのカルシウム流入が引き金となって
AMPA型グルタミン酸受容体のエンドサイトーシスが起こる。
と たのしい演劇の日々
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