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2020年05月21日
半自宅監禁日記(五月十八日)
今日から非常事態宣言なしの生活が始まるのだけど、規制の緩和が進んだわけではなく、レストランやホテルの営業再開も、マスクの着用義務の解除も来週の月曜日まで待たなければならない。ということで、ちょっとだけ記事の題名を変更した。二ヶ月近くもこのスタイルで文章を書いていると、規制がすべて解除されて、日常生活が戻ってきた後、かつての毎日テーマを決めて文章を書くというスタイルに戻れるかどうか不安である。
たまに確認のために自分のブログを見て、カテゴリー別に表示をさせるのだけど、中途半端なところで止まっている「企画」が山のようにあるのに頭を抱えてしまう。思いつきで始めて、思い付きがきれたところで中断させてしまい、始めたこと自体を忘れる悪癖はなかなか直らない。三つ子の魂百までという奴で、ブログが続いていることが不思議で仕方がない。
それはともかく、イタリアから驚きのニュースが入ってきた。六月の初めに国境の閉鎖を解いて、出入国を条件付で認めることを決めたというのだ。これは、観光業が国の最大の産業のひとつであるイタリアで夏の観光シーズンを失うことは、国家財政の破綻を意味しており、それを避けるためにも本格的なシーズンの開幕前にホテルやレストランなどの観光資源の営業を再開しておく必要があったのだろう。
状況はいい方向に向かっているとはいえ、完全に流行が終息に向かっているわけでもない現状で、こういう決定を下せるというのは、その決定が本当に正しいかどうかは時間がたたないとわからないわけだけども、政治家の力量を感じさせる。完全に終結するまで規制を解除しないというのであれば政治家など不要である。
ドイツでも流行が完全に終息したわけでもないのに、サッカーリーグが再開されたし、チェコでも今週末から再開の予定である。娯楽としてのプロスポーツが無観客であれ行われているというのは、そのスポーツのファンだけでなく、国民全体の精神の安定に寄与するはずである。だから、ドイツでは選手の中から感染者がでも再開が延期されることはなかったし、チェコでもムラダー・ボレスラフの選手が陽性だと判定されたようだが、現時点で再開を延期する予定はない。
チェコではすでに一部のマイナースポーツの大会は開催されている。11日の規制緩和で100人以下のイベントが解禁された結果、オロモウツの近くで30人ほどの選手を集めて、自転車のロードレースのタイムトライアルが行われた。大会関係者などの存在を考えると、出場選手がこれくらいというのが上限になるのだろうか。国外のチームに所属するような選手たちは参加しなかったが、国内的には大物選手も何人か出場していたようである。
自転車競技界は、人が集まっての大会が禁止されていた時期から、知恵を絞ってネット上でアマチュアも参加できる大会を開催していた。それは流行のシミュレーターを使ったものではなく、チェコ各地に同じ距離で同じような難易度のコースを何箇所か設定して、出場登録した人が自分の都合のいいときに走って、タイムを計測するという方式で行われていたようだ。特別なアプリケーションを使ってタイムを計測しそのまま結果として登録されるんだったかな。コースはロードレースではなく、マウンテンバイクかシクロクロス用だったと思う。
チャリティーも兼ねた企画だったので、誰が優勝したとか、どこのコースのタイムがよかったとか、そんなことはどうでもよく、参加者達は自分のタイムと他の出場者のタイムを比べて満足していたようだ。そんな努力がイベント解禁とほぼ同時に実際のレースを開催できることにつながったのだろう。大会関係者の数も普通のレースよりは減らしていただろうし、準備も大変だったに違いない。
翻って、日本の状況を見ると、政治が決断しないもんだから、ほとんどのイベントが夏や秋のまだまだ時間があるものでさえ中止を決め始めている。夏の甲子園さえ中止の可能性が高いというのだから困ったものである。高校野球だから特別扱いして開催しろというつもりはない。高校野球ですら開催できないとなると、あらゆるイベントが自粛の名の元に中止を強要される事態に陥りかねないのを危惧するだけである。
原子力発電所の放射線もそうだが、この世界に100パーセント安全だなんてことはありえないのである。それならば、100パーセントを求める人たちには、勝手に自粛と自主隔離を継続させることにして、規制を解除する決断をするのが政府の仕事のはずなのだけど……。自粛好きは声が大きいから、衆愚政治の現政権では無視するのは難しいのかなあ。そんなに自粛が好きなら声出すのも自粛しろといいたくなるけどね。
マスコミの好きなヨーロッパ規準で言えば、今の日本の感染者数の動向は、規制を解除する理由にはなっても、継続する理由にはならない。人口が十分の一の以下のチェコでも毎日何十人かの新しい患者が確認されている。それでも規制解除の動きは止まらないし、今後も全国的な規制は導入せずに局地的な規制で対応する方針のようだ。新しい患者の増加が大きくなっているのは、西ボヘミアのヘプ地方や、オストラバの近くの炭鉱などで局地的な集団感染が発生しているせいで、それを理由に全国的な規制を導入してもしょうがないのである。
2020年5月18日9時。
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2020年05月20日
自宅監禁日記(五月十七日)
非常事態宣言最終日の今日は、宣言に敬意を表して外出しないことにした。まあ、言い訳だけど。それはともかく、チェコだけでなく周辺諸国でも規制の解除が進み、オーストリアとドイツが国境の完全閉鎖をやめたらしい。チェコ側は現在も入国規制を続けているので、国境の出入りが完全に自由になったわけではないが、これまでチェコ側とオーストリア側の二箇所で行われていたチェックが、一箇所になったことでかかる時間が短くなったようだ。もちろんこの二カ国が無条件で出入国を認めるようになったというわけではなく、一部の規制は残っていて、国境でチェックを受ける可能性もあるようである。
チェコ側では、医療関係者や警察や消防などで仕事をしてる人たちを例外として、外国から入国した場合に、14日間の隔離が義務付けられているのは変わらない。ただ最近、過去4日以内に発行された検査で陰性を証明する書類がある場合だけ、隔離なしで普通に生活することができるようになった。これは地上の国境を越えた場合だけではなく、飛行機で入国した場合にも適用されるのだが、飛行機の便がほとんど運行停止になっている現在、国境を出入りしてドイツ、オーストリアに仕事に向かう人向けの規制となっている。
その結果、感染の疑いはもたれていないのに検査を受ける人の数が増えているらしい。チェコでは以前から感染の恐れがあり、防疫上の理由で検査が必要だとみなされた人に関しては無料で検査が行われてきたが、個人的な理由、外国での仕事に必要だとか、ある漠然とした不安からとかの場合には、実費の支払いが求められていた。
最近問題になっているのは、その検査費として取られている額が高すぎるという声が上がっていることで、場所によっては一回3000コルナ近く取られるところもあるらしい。それで厚生省が、最高額を1700コルナぐらいに設定したのに、その後も2500コルナ取られたと不満を漏らす、検査を受けた人の声が、金曜日だったかのニュースで流された。それに対して、検査を担当している病院側は、1700コルナでは検査の実費もまかなえず、ないよりはマシとはいえ、検査をすればするほど赤字がかさむことになると反論していた。
国全体の感染防止につながらない、個人的な事情で検査を求める人に費用を請求するのは正しい。特に仕事に必要だとかいう理由もなく、ただ安心感を得るためにだけ検査を求める人に関しては、実費以上の高額の費用を請求して病院や健康保険の赤字の穴埋めに使ってもかまわないと思う。どうせそんな無駄な検査を求める人は暇と金をもてあました連中に決まっているのだから。そんなののために保険も含めた医療システムに負担をかけるのは避けるべきであろう。金を出させれば経済的な負担だけは多少なりとも解消できる。
一方で、仕事のために国境の出入りが必要な人に関しては多少の配慮があってもいいように思う。検査の有効期限が四日と短いのも問題で、これでは一週間に一回以上の検査が必要になってしまう。規制の全面解除も近づいた今となっては遅いかもしれないけれども、せめて週に一回の検査で済むような配慮があってもよかっただろう。検査も二回目以降は多少国から補助するとか、ドイツ、オーストリアの要請でこの国境を越えての通勤を全面禁止にしなかったのだから、勤務地のある国から金を引き出してもよかったかもしれない。
この検査費用の問題、最終的には厚生省の指定額以上の請求をしていた機関も、料金を改正して厚生省の指示に合わせるという形でけりがついた。採算が取れないとして個人的な検査の受け入れをやめたところもある。せっかく臭いものにはフタ扱いされている部分が話題になったのだから、このような検査の個人負担がどうあるべきか議論を深めればよかったのにと残念に思う。今回の武漢風邪の第二波の到来も予想されているし、グローバル化のせいで今後も局地的に発生した感染症が世界に広がる恐れがあるのだから、今回の騒ぎを元に規準めいたものを作成しておくと役に立つはずである。
その意味で、あらゆるものの生産を中国に依存する現状を見直す動きが出てきたのは悪くない。マスクなどの医療品が、感染症が世界的に流行した場合には戦略物資となりうることが明らかになった以上、その供給を一国、しかも中国のような国に握られてしまうのは最悪である。それで、EU内に生産拠点を確保する方向に進んでいるようだ。
経済的な効率と利益だけを追い求めて、中国に媚を売ると大きなしっぺ返しを食うという教訓を世界が得たというのが、今回の武漢風邪流行のもたらした唯一のメリットだろうか。日本も中国の生産拠点を引き払って国内に移した企業には補助金を出して支えるなどのことをしないと、何かあるたびに中国のほしいままにされてしまいそうである。ヨーロッパはまだ距離がある分ましだけど、日本は近いから、慎重になるに越したことはないはずなのになあ。
かくて非常事態宣言最後の日もしょうもない内容になってしまうのであった。
2020年5月18日9時。
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2020年05月19日
自宅監禁日記(五月十六日)
久しぶりの晴天に、朝起きたときには、今日こそ外に出るぞと思ったのだが、この二ヶ月で体に染み付いた怠け者の気性が許してくれなかった。何かこれからしばらく同じような書き出しが続きそうでいやになるけど、これも明日までの辛抱である。二度にわたって延長され、二ヶ月以上も我々チェコに住む人間の心を蝕んできた非常事態宣言は明日で効力を失うはずである。
非常事態宣言が解除されても、緩和されながら継続しているさまざまな規制は継続されるから、日々の生活に大きな変化はない。いや、自分のことだけを言うなら、規制があってもなくても大差はないと言ったほうが正しい。ただ、毎日職場に出るか、自宅で作業をするかの違いだけである。その違いが意外に大きく、運動不足となって体を蝕んでいるから、自宅監禁生活で身も心もぼろぼろになりつつある。
日常生活には大きな影響を受けていない人間ですら、二ヶ月もたつと、非常事態宣言とさまざまな規制が存在するという重みに耐えがたい気分になるのである。実際に影響を受けて逼塞を余儀なくされた人たちの耐え難さは想像にあまりある。こういう厳格な規制というのは、やはり一ヶ月以内に終わらせるのが理想であって、ずるずると引き延ばすべきではないのだろう。一ヶ月を超えると経済的な問題以上に、人々の心の安寧にあたえる影響が大きい気がする。
非常事態宣言を出して、人々の移動の自由を制限するというのは、日本の場合には緊急事態宣言だけど、これは訳語の問題で、いくら言葉をかざったところで憲法で保障された基本的人権の制限に他ならない。言い換えれば政府による人権侵害である。それをマスコミ関係者が政府に求めるというのは、自らの存在意義の否定じゃないのか。
左よりのマスコミの報道というのは、政府が議論をよぶようなことをやろうとするたびに、人権侵害だとか、何とかの自由を阻害していると言って、野党といっしょに大騒ぎするのが定番となっている。それが悪いと言うつもりはない。どの党が政権を握ろうと、あれこれ問題のある決定や法律の制定を行っているのだから、批判するのが共産党だけではないことは重要である。
ただ、民主主義というものを絶対視し、何とかの自由、かんとかの自由というのを金科玉条にしているのが正しいというのなら、今回も政府が緊急事態宣言を出して移動の自由などの人権を制限しようとするのに反対するべきであろう。それなのに、国民の自由を阻害する宣言を出すことを政府に強要し、何でもかんでも自粛すべきだという雰囲気を作り出し、お互いに人権を侵害しあうような社会にした罪は重い。
しかも、その自粛の押し付けを奨励しておきながら、自らはその対象外に置くというのだから、国民に対する裏切り以外の何物でもない。さすがに目のある人たちから批判を受けて後には多少の対応を取るようになっていたようだが、自分たちを特別視するテレビの出演者も含めたマスコミ関係者には、うんざりするとしか言いようがない。
仮に、今回の武漢風邪の危険性を警告するためだとか、国民に危機感を持たせるためだったから仕方がないなどと強弁するなら、もっといい方法があったはずだ。それは、テレビ局なら番組の制作をすべて停止して、再放送だけにしてしまうことで、新聞雑誌なら発行を停止することである。そうすれば、百万言を費やすよりもはるかに、マスコミの感じている危機感が視聴者、読者に伝わったに違いない。繁華街にたくさんの人が集まる映像をニュースとして流すよりも、ニュース自体の制作と放送を自粛した方が、今の状況はやばいと考える人が増えるはずだ。
まあ、他者に営業の自粛を強要しておきながら、自分たちの業界は例外にしてしまう厚顔無恥さからは、その主張する危機感というものもまやかしでしかないように思われる。要は何がテーマであれ、話題性が高くなることが重要で、視聴率と売り上げのためなら何でもするという浅ましさしか感じられない。日本のマスコミにとっては報道の自由というのは建前でしかなく、そもそも必要としていないということなのだろう。不祥事を起しても反省する不利だけで、同じことを繰り返し、同業他社の不祥事も好意的に解釈してかばい合うのだから救い難い。今回も発言の改竄をしていたテレビ局があったらしいし。
またまた以前書いたことの繰り返しになってしまったような気がする。
2020年5月17日11時。
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2020年05月18日
自宅監禁日記(五月十五日)
氷の男たちはすでに姿を消したというのに、今日も肌寒い一日となり、ここ数日と同じように雨が降っていた。今日は昨日サボった分、外に出て歩くつもりだったのだけど、運動不足のなまった体と軟弱な精神の持ち主は、ひよってしまった。週末は、天気がよくなったら、人のいなさそうなところに散歩に行こう。
今年も、二月辺りは雨が多かったような気がするのだが、三月以降雨があまり降らなくなってチェコ各地で水不足の恐れが出始めている。連年の雨量不足で地下水の水が下がってしまって、水道を引かずに井戸水を使用していた村の中には、水道の導入、近くの町から水道管を伸ばして各家庭に供給することを計画しているところもある。ただ、今回のコロナ騒ぎ対策に予算をとられて計画の見直しを余儀なくされているところもあるらしい。
国は国で、医療関係者などの最前線で活動する人たち向けの感染防止対策の装備を確保していたが、地方自治体も独自に医療関係者に配布するために手当てをしていたのである。国は国全体を見て配布先を決めるので、末端まで届かないことがある。その隙間を自治体の活動が埋めていたのだが、経費を後から国が出してくれるということはなく、しわ寄せは他の活動に向かう。
小さな自治体だとそこまで積極的な活動はしていないが、それでも殺菌剤や消毒液などを購入して役所に置いたり何だりで、当初の計画ない支出が発生している。予算規模の小さな村や町だと、その程度でも対応が難しい問題になっている。今後の不景気で町の収入事態が減ることが予想される中、設備投資の計画を見直す自治体が出始めているようだ。
政府は、不況が近づいているからといって、公共投資を減らすなとか、借金を恐れるなとか言っているが、現時点では財政支援をする予定はないようだ。企業や個人事業主に対する支援があるのに、コロナ騒ぎで困窮する地方自治体を支援しないのはけしからんという批判も上がり始めていて、自治体の首長たちが作る団体の代表者と政府との交渉が予定されている。八方美人の現政権のこと、これでまた今年度予算の赤字額が増大することになりそうである。
その赤字額の増大に最大の貢献をしているのが、恩着せがましくマスクなどの医療品を特別価格で販売してくれた中国である。その特別なありえないような高額で購入させられた製品の中に、かなりの割合で不良品やら使用期限切れが含まれていたというからひどい話、チェコ政府にしてみれば泣きっ面に蜂である。きれいごとを言えば商品の価格なんてものは需要と供給の関係で決まるものだということになるが、あまりにもひどいぼったくりぶりだった。返品でもしようものなら、次は売らないと脅しをかけてきたに決まっている。
値段が高騰しているのは、マスクなどだけではなく、物流に滞りがでている関係で一般的に物価が上がりつつある。特にひどいのが野菜類で、これは物流だけでなく生産地における人手不足が一番の原因になっているようだ。イタリアとスペインというEU最大の農業生産国二つが武漢風邪によって壊滅的な被害を受けたのが尾を引いている。
国全体が隔離状態に置かれ人の移動ができなかっただけでなく、季節労働者の受入が不可能だったことが農業の現場における人手不足を引き起こし、収穫が間に合わない畑なんてものも出ているようだ。これはチェコでも似たような状況になっているようで、ニュースではイチゴ農家が収穫と出荷の手が足りずにせっかくの実りを朽ち果てさせることになっている様子が紹介された。生産者直売市もいまだにかつての活気を取り戻せていないようだし、農家のかたがたも大変そうである。
こういう生きていくために必要なものの値段が上昇しているというのは、家計にとっては大打撃である。宵越しの金は持たねえじゃないけど、クリスマスプレゼントや休暇の旅行のために借金をするような人の多いチェコである。家計のやりくりに困って自己破産とか増えそうである。自殺者は日本ほどには増えないだろうけど、いろいろ人生が変わる人は出るだろうなあ。
2020年5月16日11時。
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2020年05月17日
自宅監禁日記(五月十四日)
火曜日から始まった氷の男たち三日間の最終日の今日も気温は低く、外に一歩も出なかった。でなかった理由は寒かったからではなく、昨日予定を変更して冷たい雨の降る中、二日連続の散歩にでていたからである。一昨日の時点では、一日おきのつもりだったのだが、どうも体調がすっきりしなかったのと、夕方仕事が行き詰って気分転換が必要になったのとで散歩に出ることにした。
黒い雲が垂れ込め始めていたので念のために持って出た傘はすぐに必要になった。土砂降りにはならなかったが、一時間ほどの散歩の間中、小雨が降り続いた。歩いたのはフローラの公園で、植えられた木が葉を茂らせていて雨を防いでくれるところもあったから、傘なしでも何とかなったかもしれない。
二日連続の散歩ということで、前日と違ってゆっくり歩くことを心がけたのだが、ここ最近の運動不足の賜物で、今朝起きたときには足の筋肉が悲鳴を上げ始めていた。それが今日、出歩くのをやめた一番の理由である。無理をする必要のないときに無理をしても仕方がないのである。二日連続の運動のおかげか、朝昼晩の食事の前にはちゃんと空腹を感じるようになっていたし、日々の運動というものは、やはりあらまほしきものである。今日は休憩の日にしたけど。
ということで、日記的な面では特に書くべきこともない。これで終わってしまっては分量が足りないので、あれこれ取りとめもなく頭に思い浮かぶことをつらつらと書き並べておく。
日本のコロナウイルス感染者数が比較的少ないことに関して、検査数が少ないからだと主張する人たちがいる。それは確かにそうだろう。感染した人を選んで検査できるわけがないのだから、検査で陽性と判明した人以外にも、感染者がいるのは確実である。チェコの隣のスロバキアでも、当初はそんなことを言って、検査を増やせと大騒ぎしている人たちがいた。スロバキアも周囲の国と比べると感染者の数がはるかに少なく、その原因を検査数に求める人たちがいたのだ。
問題は、メディアにしても政治家にしても何の根拠も示さず、実際の感染者数は十倍以上になると主張するアホがいることである。それらしき症状の出ている人や、感染が明らかになった人と接触があった人等、疑いのある人を中心に検査をしていながら、その陽性率は、日本は知らないけれども、チェコでは一番高かった日でさえ、15パーセント程度でしかなかった。これで検査数を増やせば比例的に感染者数が増えると主張するのは、悪い冗談にしか聞こえないのだけど、本気の人もいるようで日本人の科学的な思考能力の低下に頭が痛くなる。これではドイツのことを笑えないじゃないか。
検査の基準を緩めて対象を増やせば、陽性の数が増える以上に、陽性の率が下っていくと考えるのがまともな考え方というものである。チェコでも陽性率が15パーセントと高かった日があったのは、当初の検査数が増やされる前のことで、検査数が増えると、すぐに5パーセント内外に落ち着いたし、その後も低下を続けた。スロバキアでも感染の恐れが高いと考えられていた東スロバキアのロマ人の集落を重点的に検査した結果、恐れられていたほどの感染者が出なかったことで、検査数が少ないから感染者も少ないんだという批判はあまり聞かれなくなった。
チェコやスロバキアの事例を基に考えれば、検査の数を十倍、二十倍に増やしたところで、陽性と判定される人の数が増えるとしても、せいぜい3倍ぐらいのものであろう。日本の人口を考えると、6倍ぐらいになって初めてチェコと同じレベルの感染率ということになるのだが、そんな数字が出てくる可能性があるとは思えない。日本の感染者のうちのかなりの部分が外国人だという話もあるし、正直、緊急事態宣言なんて必要だったのかねと思わずにはいられない。
今回の騒動が明らかにしたのは、日本の政治がマスコミに主導された衆愚政治に陥っているという事実で、一見マスコミとは一線を画しているように見える安部政権こそが、マスコミの作り出す雰囲気(世論ではない)というものを基に政局の運営をしていたという事実であろう。マスクがないとか、マスクを求めて暴動寸前なんて話が出れば、みんなにマスクを配りましょうとか、まともな政治のやることとは思えない。
チェコでは優先順位が決められていたから、国民がマスクがないと騒いでも、国や地方自治体が入手したマスクが国民に配布されることはなかった。医療従事者を守ることが、国民の命を守ることにつながるのだからと、国民に対しては、マスクがなければ自分で作れ、作れなければマスクじゃなくてマフラーでも何でもいいから口と鼻を覆え、という指示を出した。それは腐敗したWHOがマスクには意味がないという蒙説を繰り返しても変わらなかった。
その結果、個々の国民だけでなく布を扱っている企業が次々にマスクの生産を始め、配布したり販売したりするようになり、マスク不足は解消され、ショッピングセンターに自動販売機が設置されるまでになっている。最近買い物する機会の増えたネットショップでも、ピエトロ・フィリッピはマスクの販売を始めたし、ブラジェクは購入者にマスクを配布するというサービスをやっていた。
うーん、なんか、すでに書いたことの繰り返しになった気もする。落ちもついていないし。これもまた自宅監禁生活がいけないのだということおしまい。
2020年5月15日9時。
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2020年05月16日
自宅監禁日記(五月十三日)
昨夜は運動の疲れから早めに寝たのだが、今朝起きるのも遅くなった。運動不足で空腹をあまり感じない日が続いていたのだけど、今朝は空腹で目が覚めた。運動というのは偉大なものである。最近あんまり体調がピリッとしなかったのは、やっぱり運動不足のせいだったのだろう。わかっちゃいたんだけどねえ。怠け者というのは我ながら度し難いものである。
昨日の夜のスポーツニュースで、サッカーリーグの1部と2部の再開が決定したことが報じられた。すでに再開の方針は決まっていたのだが、最終的な決定はそれぞれのリーグの参加チームによる採決を待たなければならなかったのである。それが昨日行われ、1部は16チーム中、13チーム賛成、3チーム棄権、2部は15チーム賛成、1チーム反対という圧倒的な差で可決された。1部で棄権したのがズリーン、カルビナー、オパバというモラビアの財政基盤の弱い3チームだったのには何か意味があるのだろうか。
その結果、1部は来週末、5月23日に、以前グラウンドの状態不良で延期されていたテプリツェとリベレツの試合で再開されることが決まった。100人以下という人数制限があるので、当然無観客での再開である。25日からは制限が500人以下に緩和されるが、その後もしばらくは無観客で試合を行なう予定のようである。ドイツの例に倣って再開前に全選手の感染の有無を検査するらしいが、陽性の選手が出たからといって自動的に再開を延期するという考えはないようである。
もちろん、当該の選手やチームは隔離の対象になるわけだが、その規模、選手だけなのかチーム全体になるのかは、チームのある地方の保健所が決定することになる。感染者がいなくなるまで再開しないなんてことにしたら、いつまでたっても再開できなくなるわけだから、リーグで決定した7月中旬に終了するという予定はもちろん、8月上旬に終了するという最悪の想定も不可能になってしまう。
こういう状態になると、「命の方が大事」とか「健康には換えられない」なんて、耳障りのいい、何も考えない人には、ものすごく正しく聞こえそうなことを言う人が出てくるものだが、考えが浅すぎる。プロのスポーツ選手が試合もなく自宅で待機していることが選手達の健康に寄与するとも思えない。最近は練習が再開されたから多少はましだろうけど、賭け事や酒で宇佐晴らしをしている選手もいそうである。
プロのスポーツ選手ってのは、悪い言い方をすれば、酒やギャンブルの依存症予備軍が多いのである。自宅待機をしている間に酒と賭け事で身を持ち崩してしまう選手が出ても不思議だとは思わない。結果として選手生命どころか、命を縮める可能性だってあるのだ。引退後のサッカー選手の自殺の原因の多くは金銭問題で、その原因の多くは酒か賭け事である。トマーシュ・ジェプカのような西ヨーロッパのリーグで活躍した選手でさえ、酒と賭け事にお金をつぎ込んだ結果、一文無しに近いというのだから。ジェプカはまあ死にそうにはないけどさ。
問題は、決定から二週間でチームを立て直せるかどうかだろう。一部リーグの春の部は始まって一ヶ月ぐらいで中断に入って二ヶ月以上、一時はグラウンドでの練習も禁止されていたから、ここの選手がコンディションを取り戻すのも、チーム全体のコンディションを上げていくのも大変なことだろう。ニュースでは、今日から親善試合というか、別のチーム相手の練習試合が開始され、ボヘミアンズとリベレツの一部のチーム同士の試合は引き分けに終わり、我らがオロモウツは、2部のプロスチェヨフとの試合で0-4で大敗したと言っていた。降格はしないと思うのだけど、心配である。
確認したら、時間が少ないせいか、毎週二節ずつというスケジュールで進めていくようである。毎週1試合というのに慣れているチェコの選手達が耐えられるのかもちょっと心配である。そうなると選手層の厚いスラビア、プルゼニュあたりが勝ち続けそうだなあ。スケジュールの変更がなかったとしてもそこは変わらないか。予想外の好成績を残しているブデヨビツェがどこまで頑張るかも楽しみの一つということにしておこう。
ちなみにヨーロッパで唯一サッカーリーグを通常通り継続しているベラルーシだが、国内の感染者数が増えるに伴って、サッカー関係者の間にも感染者が出始めているようだ。選手の観戦が明らかになったチームがあって、そのチームの試合が延期されたとニュースで言っていた。国内の感染者数はチェコの3倍とか言っていたかな。
それでもリーグは観客を入れて続くし、9日の戦勝記念式典は大々的に行われ、大統領のルカシェンコ氏は、モスクワでの式典を中止にしたロシアのプーチン大統領を招待して必要なら飛行機で迎えに行くとのたまったらしい。さすがはEUから存在を無視されている独裁者である。プーチン大統領がベラルーシに向かったかどうかは知らない。
2020年5月14日10時。
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2020年05月15日
自宅監禁日記(五月十二日)
午前中、昨日終わらせられなかった仕事を含め、やるべきことを片付けた。昨日の午後から卿之午前中にかけては、久しぶりに追い込みをかけて、頭が疲れてしまった。コーヒーも切れたしちょうどいいということで、昼食後2時ごろにうちをでた。五月半ばの氷の男たちの三日間の初日だからか、気温が下がって肌寒いぐらいだった。山のほうでは雪が降っていたらしい。
涼しいのは運動を兼ねているからありがたいぐらいで、普段よりも速めのペースで歩いて、まずはコーヒーを買いにコドーに向かう。途中で何ヶ所かザフラートカを見かけたが、気温が低いせいか客はあまり入っていなかった。時間が午後2時過ぎという昼食後の時間だったからということもかんがえられるか。
ホルニー広場のカフェ・オペラのサフラートカでは暖房用と思われる火が焚かれていたが、周囲に壁などなく風が拭きぬける状態でどれだけ効果があるのか不思議だった。隣のモラフスカー・レスタウラツェのほうは、周囲を透明なビニールシートで覆って風が入らないようにしていたが、これは許可されているのだろうか。屋外の席とはいえ屋根もあるのだから、周囲を覆ってしまえば、屋内席と環境はそれほど変わらなくなる。遠目から見た限りでは客は入っていなかったようなので、まだ営業を開始していなかった可能性はあるのだけどさ。
コドーに近づくと、ちょうど店から出てくる人を見かけた。自宅監禁生活を始めて何回目かで初めて自分以外の客がいた。中にも誰かいるかと思ったのだが、客は一人もいなかった。品書きをみると二つほど線で抹消されているものがあって、コロナ騒ぎで入荷が遅れているのかとも思わなくはないが、恐れていた完全に品切れになるという自体は起こらなさそうだ。業績悪化で廃業なんてことにならないように願っておこう。ニュースでは廃業を決めた小規模業者の例としてうちのが何度か生産者市で商品を買ったことのある業者が紹介されていたし、コドーもちょっと心配である。
その後、旧市街をあちこち店の様子などを見ながら歩いた。ガレリエ・モリツの近くでトラムの線路の改修工事が行われていて、旧市街を抜けるトラムは運休中のようだ。4月1日から運賃が上がることになっていたのだが、どうなったのだろうか。旧運賃の切符はそれまでに使いきろうと考えていたのに、自宅監禁生活が始まって何枚か残ってしまった。どうしよう。
人出は、平日の午後早い時間、まだ仕事が終わらない時間だということを考えると、コロナ前とあまり変わらないかな。お店の中にいる人の数は少なさそうだけど普段からあまり買い物しないからよくわからない。店によっては入り口に、同時に入店できる人の数が表示されているところもあって、5人までとか書かれていた。何のお店だかは覚えていないが、入り口の前の歩道に外に行列ができている店もいくつかあった。
街を歩くだけでは運動が足りない気がしたのでフローラの公園の中を歩くことにした。運動不足の人のためにいくつかのお散歩コースが設定されていて、地面に色分けして表示されているのである。それが、すべて真っ赤に塗りつぶされていてどのコースなのかわからなくなっていた。取りあえずすべてのコースの基点であるフローラのパビリオンAのところに行ってみたら、白のコースの表示だけが生き残っていた。ちなみに赤い四角の中に白いハートが描かれているのは、心臓の象徴らしい。運動不足ではなく、心臓を鍛えるための散歩コースだったかな。
歩き始めて気づいたのだが、これ一番距離が長くて負荷も大きなコースだった。距離にして2キロほどかな。上り下りも多くなるように設定されていていい運動になった。歩き終えるころには足が痛み始めるほどで、途中から日が照り始めたこともあって、暑いと感じてちょっと汗をかいてしまった。気温が低かったのも歩きやすかった理由なのだけど、うちに帰りついたときには疲れていて、しばらく動きたくなかった。
今後も、毎日は無理にしても、二日に一回、三日に一回ぐらいは、外に出て歩き回ったほうがいいよなあ。というところで今日の日記はおしまい。今日のは自宅監禁日記中始めての純粋日記かもしれない(話の都合上そうしておく)。このブログで純粋日記とは、なかなかにトマソンである。
2020年5月13日12時。
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2020年05月14日
自宅監禁日記(五月十一日)
今日は規制の解除のあり方を確認するために、街に出ようかとも思ったのだが、早めに仕上げなければいけない仕事があって、出るのをやめた。職場に出ていたうちのが言うには、先週までとの一番大きな違いは、レストランや飲み屋の屋外席、いわゆるザフラートカが営業を開始していた点だという。レストランの通常営業までは、まだ二週間必要である。
ニュースでは営業の再開が許可された美容院の様子が紹介され、客はマスクをしているだけだったが、お店の人はマスクをした上に、医療関係者が最大限に警戒するときに使用していた透明のプラスチック製のフェイスガードと薄手の手袋を着用していた。お店の人の話では、特に手袋が、手で触ったときの感触が素手と違っていて仕事しにくいし、お客さんにも不快感を与えるのではないか心配だということだった。
営業は再開したものの、店内に一度に入れられる客の数も減らさなければならないし、処置が終わるたびに、使用した道具、客が触った可能性のある場所をすべて殺菌剤で消毒しなければならず、一日に対応できる数はかなり減っているようだ。当然、その分経費も増えるわけで、それを国が補償してくれるとは思えないし、コロナ騒動の不景気が迫る中料金に上乗せするのも難しそうである。
衣料品店では、今日から試着が許可されているはずである。これまでは、試着ができない代わりに返品しやすくして、返品されたものは二日か三日以上隔離してからでないと再度商品として並べられないというルールになっていたはずだが、客が試着して買わなかった商品は、そのまま商品棚に戻せるのだろうか。今回の規制の解除は大掛かりなので細かいところがよくわからないのである。
室内であっても100人以内であればイベントの開催が許可されたため、映画館も営業を再開している。ただし、違うグループの人とは、2メートル以上の間隔をとらなければならないというルールが存在するために、客席の数が大幅に減らされている。ニュースで紹介された映画館では、数えるほどしか観客が座っていなかった。チェコの映画館もいつでも満員というわけではないし、時には客が少なすぎて上映が中止になることもある。確か上映に必要な最低の人数は10人ぐらいだったはずだから、客席が多少減っても赤字ということにはならないのかもしれない。
それに対して、劇場では現在の規制どおりに客を配置すると、客をれても採算が取れないとして、ほぼすべての劇場でシーズンの終了を決めた。入場料収入だけで運営できている劇場は少数で大半は国からの補助金で経営を成り立たせているのだと思うのだけど、それなら公演を行っても問題なさそうである。現在の逼迫した状況では劇場に演劇を見に行く心の余裕のある人が少なく、営業を再開しても観客が集まらないと考えているのかもしれない。
劇場では、すでに仕事を再開しているが、役者たちが練習しているのは九月からのシーズンの出し物というところが多いようだ。また、劇場によっては、屋内ではなく野外に舞台を設けて公園を行うことを計画しているようで、舞台装置の準備を進めている人たちが紹介されていた。屋外であれば室内の劇場ほど規制が厳しくないらしいのだが、今から準備しているということは、実際の公演が行われるころには規制はすべて解除されているのではないかという気もする。劇場が夏休みに入る夏休みの特別公演の準備なのかもしれない。
大規模ショッピングセンターも営業の再開が許可されたので、食料品店以外のテナントも開店しているはずである。ただ、同時に売り場面積に応じて同時に入店できる人の数が制限されているので、人数のチェックとかどうしているのだろうと不思議になる。ニュースでは、開店前から行列を作っている様子が流され、チェコ人の、日本人並みの行列好きを印象付けていた。一部を除けば流行が完全に退潮に入っているから、これで感染が拡大するということもなかろう。
明日は、運動不足の解消もかねて街に様子を見に行くとしようか。
2020年5月12日10時。
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2020年05月13日
自宅監禁日記(五月十日)
三連休最後の日曜日は、いつもと変わらない非常事態宣言下の日曜日だった。ただ明日の月曜日からここまでで最大の規制の解除が行われることになっている。当初は6月8日から営業が許可される予定だった大型のショッピングセンターも、二度の予定変更を経て明日から営業が再開されることになっている。昨日のテスコの状況があれでいいなら、ショッピングセンター全体の営業が再開されても大差はなさそうだと思える。
ツェントルム・ハナーに入っているテナントうち、開店していたのは薬屋やペットショップなど一部の店だけで、薬屋の前には数人の人たちが間隔を開けて行列を作っていた。それ以外の店はシャッターが下ろされていて、それだけなら普段早めにうちを出たときと同じなのだが、店の中で開店準備をしている人もいなかった。マスクの自動販売機が設置されていたのも、普段とは違うところか。
一番奥のテスコで人の多さに悩まされながら買い物をしていると、他のテナントが開いていたら、そちらに足を運ぶ人もいて、テスコで買い物をする人の数も少しは減っていたんじゃないだろうかという気がしてきた。開いている店が増えれば、一店舗辺りの人の数も多少は減るんじゃないかと思うのだけどさ。
日本で槍玉に挙げられているパチンコ店も、営業禁止させるよりも、全店営業させて入場制限を課した方が客が分散してましなんじゃないだろうか。自粛を求めることを自粛しない人たちも一ヶ所に集まらないから一石二鳥である。パチンコに狂った連中はどうせ営業中の店を求めて東奔西走するに決まっているのだから、近場に開いている店があった方が移動距離が少なく他所に迷惑をかけないと言う意味でもよさそうである。県境封鎖なんてできないんだからさ。
パチンコ店に人が集まるのは、依存症の人を除けば、他に娯楽がないからという面もあるのだろう。そうすると、娯楽を提供できていないマスコミ、特にワイドショーとバラエティばかりでまともに見られる番組を作れなくなっているテレビ局の責任も大きそうである。スポーツも軒並み中止だから、スポーツ番組すら放送していないだろうし。チェコでも状況は同じなので、スポーツチャンネルに合わせる時間がめっきり少なくなった。
それも明日からは少しずつ変わっていくはずだ。百人以下であればイベントの開催が許可されるので、プロのチームだけでなく子供たちのチームでも全体練習が可能になる。そして、このまま行けば、今月末には再開を諦めなかったサッカーリーグの一部と二部の試合が行なわれる予定である。明日以降もスポーツ施設のロッカーやシャワーなどは使用できないことになっているが、リーグ再開までに許可されないと、大変そうである。
もちろん、5月末までに感染者の数がゼロになることはありえないだろうが、ゼロになるまで規制を続けるのであれば、政治など不要である。すでに感染者の増加は、西ボヘミアを除けば微々たる物になっており、治療中の人の数も徐々に減り始めているのである。検査された人のうちの陽性の割合も1パーセントを越えない日が続いている。
こういう数字を見ていると、一部の野党や産業界が主張していたように、規制の解除はもう少し早くてもよかったのかもしれない。周囲の国と比較すると、厳しい移動制限などの対策を導入したのはチェコが一番早く、流行が収束の傾向に向かい始めたのも早かったのだが、規制を緩和していく時期になると、より大きな被害を出したドイツやオーストリアの後塵を拝することになった。当初の計画ほど、大きな差があるわけではないけど。
この辺が、規制規制で経済成長が過去最悪のマイナスを記録するとも言われている現状では、政府への不満となっているのだろうし、補助金の追加が続いて財政赤字が拡大していくのをとめようともしない政府に対する批判につながっている。政府も、さすがに当初の慎重すぎる計画ではまずいということで、規制の解除を大幅に前倒しすることになったのだろう。
非常事態宣言にせよ、様々な規制にせよ、状況が悪化していく中、制定するのは簡単でも、解除するのは難しいのである。その舵取りが政治家の役割であり、手腕の見せ所なのだろうが、ドイツ、オーストリアが拙速なのか、チェコが慎重すぎるのか、答えが出るのは来年になってからだろうか。日本は、政治が感情に引きずり回されて混乱しているように見える。幸い感染が爆発的に広がるという事態には陥っていないけれども、これで緊急事態宣言を解除できるのか不安である。九州は何とかなりそうだからいいか。
2020年5月11日12時。
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2020年05月12日
自宅監禁日記(五月八日)
日本で第二次世界大戦が終わった日というと、8月15日ということになっているが、こちらだと5月8日で、アジアでのことは知ったこっちゃないと言う扱いだった。最近は、多少意識が変わったのか、ヨーロッパで第二次世界大戦が終わった日と言われることも増えているけど、こちらの人にとって第二次世界大戦の太平洋戦線が終了したのは、8月15日ではない。日本人の意識にはあまりない9月2日ということになっている。
こんな歴史認識の違いを責めるつもりはない。日本人だって第二次世界大戦のヨーロッパ戦線が終了した日を普段から覚えている人などどれだけいるだろうか。高校で世界史を勉強した人ならと言いたくなるけれども、大学受験が目標の今の高校の授業では近現代は軽視されるものだから、残りは教科書をうちで読んでおけで終わる可能性もある。
うちの高校の世界史の先生たちも、独自の参考書だったか、問題集だったかを共同で執筆して出版する(我々のころはその準備中だった)ほどの人たちで、熱心に授業をしていたが、正規の授業では第一次世界大戦終了後、ミュンヘン協定ぐらいまでは細かく説明して、第二次世界大戦以後は駆け足で終わってしまった。受験対策の課外授業では試験に出そうなところを中心に、もう少し詳しくやったかな。
ヨーロッパの国の中でも、ロシアが5月9日を終戦の日としているだけでなく、歴史認識が完全に一致しているわけではない。第二次世界大戦について大統領が殊勝なことを言うことの多いドイツも、周辺の被害を与えた国々と歴史認識を完全に共有しているわけではない。殊勝な発言をするのが大統領であって、首相ではないというのもまたドイツのうまいところである。そんな歴史認識の違いを理由に、外交関係を悪化させるようなことはしないのがヨーロッパ諸国で、アジアのどこぞの国との違いである。
それはともかく、国が行う終戦の記念式典は、例年よりもひっそりと開催された。会場となったのはプラハのビートコフの丘の上にある記念碑の前である。ここはもともとフス派戦争のときの古戦場で、チェコスロバキア第一共和国が独立したあとに、第一次世界大戦に参加して亡くなったチェコスロバキア軍団の兵士たちの記念碑が建てられ、以後ヤン・ジシカの像が建てられるなど、チェコスロバキアのために戦って亡くなった人を祭る場所となっている。
日本の靖国神社みたいな場所だと考えてもいいのだが、宗教施設ではなく軍が管理する施設なので教会はなかったと思う。一見これで政教分離が成立しているように見えるが、記念式典には大統領を初めとする政治家が参列したのだが、その中に当然のようにプラハの枢機卿も入っていた。そして演説までしたのだったか。日本で国主催の終戦の式典で神官やら僧侶やらが重要な役割を果たしたら、政教分離の原則に違反すると大騒ぎになると思うのだけどね。
それはともかく、気分転換に漫画を読んでいたら、RENTA!で自転車漫画の『アオバ』を何冊かレンタルしていることを思い出して、親サイトのパピレスを覗いた。ログインすると0だと思っていた残りポイントが7000もあった。二年前にジャパンナレッジに登録したときにクレジットカードが使えるかどうかの確認のために購入したポイントが残っていたのだ。
RENTA!ですでに借りている『アオバ』を何冊か読んだら、新しいのが読みたくなった。当然のことである。それで作者名で検索してみたら、タイトルの新しくなったシリーズが何冊か出ていた。この作者何故だか20巻ごとに単行本の題名を変えるのだけど、4つめの題名の単行本が5巻まで出ているようだった。これは読まずばなるまいとパピレスのポイントを半分ほど、RENTA!のポイントに変更してしまった。
いまさらパピレスで本を買ってリーダーに移して読む気にもなれなかったので、全部変えてもよかったのだけど、全部変えると今日中に使い尽くしてしまう恐れがある。ということで単行本5冊分、3000円ほどにしておいたのである。当然立て続けに読んでしまったら、すでに12時過ぎ。今日の記事を書き上げるのが間に合わなかった理由である。PCで漫画読むと目も疲れるし、一気読みはやめとけばよかった。
2020年5月9日15時。
順番間違えた。
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