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2020年04月10日
自宅監禁日記(四月七日)
チェコ政府は4月11日で切れる予定の非常事態宣言を1ヶ月延長する方針のようである。これがさらに一ヶ月も続くのかと思うとうんざりするのだが、存在感を失いつつあることに危機感を覚えているらしい野党が、非常事態宣言の延長自体には賛成しながらも、延長期間の1ヶ月は長すぎると反対しているのが救いではある。
問題は野党の主張する2週間の延長になった場合に、再延長があるのかどうかということで、ずるずると何度も引き延ばされるぐらいなら、急速に事態が悪化しない限り延長はしないと言う条件で、政府の求める5月11日までの延長にした方が、国民の精神衛生上はよさそうだ。あとは、非常事態宣言を解除しても国境の封鎖は周囲の国の状況が落ち着くまでは継続するというのが条件になるだろうか。
今日の下院での審議で、政府の提出した5月11日までという主張は認められず、最終的には共産党が提案した、野党の主張する2週間よりは長く、与党の一月よりは、短い四月末までの延長という案が可決された。政府では現時点で四月末になったら再延長を求める方針を固めている。時期がどうこうでもめるより、宣言を撤回する条件について話し合ったほうがいいと思うのだけどね。
日本には緊急事態宣言が出ればすべては解決すると思っているおつむの軽い人たちがいるようだが、チェコの現状を見ればわかるように、そんなことはありえないし、一度出てしまうとずるずると引き延ばされる傾向があるから、お先真っ暗である。チェコの野党の、何のために非常事態宣言が必要なのか、非常事態宣言などなくても今の対策は継続できるだろうというのにはもろ手を挙げて賛成なんだけど……。
さて、今回の日本も含めた各国の対策で、現時点で遅かったと指摘できそうなこととしては、一つは散々繰り返している高齢者と病気持ちの人たちに対する保護策が上げられる。チェコでは老人ホームなどで、老人の介護に当たっている人たちが感染していないかどうか確認するために、関係者全員の検査をすることに決めたようだ。この人たちが感染していた場合には重症化しやすい高齢者の中に感染が急速に広まる恐れがある、というより広まりつつあり感染者中の高齢者の割合が増えているのだから、感染の疑いがない場合でも念のために予防的に検査を行なう意味は大きい。
それに対して、感染を疑う理由のある人に限定して検査を行なっていながら、陽性だと判定される割合が5パーセントちょっとでしかなく、その中で入院が必要だとされた人の割合が10パーセントちょっとでしかないことを考えると、高齢者でも病気でもない人が検査を求めて病院に押しかけるのが、いかに迷惑な行為であるかがはっきりする。チェコの場合は陽性と判定されても、症状が軽ければ入院しないのだから、体調が悪かったら風邪薬飲んで家で寝ていればいいのである。
その点で、元大阪府知事の橋下氏の対応は賞賛に値する。この人が政治家としてどうなのか評価できるほど知っているわけではないが、コロナウイルス関連の発言では、専門家も含めてこの人の上を行く発言は存在しなかった。当初から、健康で若い奴は、感染しても家で寝てろと主張していたし、それっぽい症状が出ても検査を求めて病院に出かけるなんて愚かなこともしなかったようだ。
チェコでは、検査のための検体を採取する人は上から下まで完全防護装備で、採取場所も病院の入り口や他の病棟とは離れたところに置かれ、検査希望者は専用の駐車場まで自家用車で来ることを求められ、行列も2メートル以上の間隔で並ぶように求められているから、陽性の人がいたとしても、検査の際に他者、特に病院関係者や病気で病院に来た人を、感染させる恐れはほとんどない。日本でこんな安全対策を取れるのだろうか。取れないなら検査の数など増やさないほうがましである。
昨日だったかな、チェコのコロナウイルス対策の責任者の1人、プリムラ氏が面白いデータを紹介していた。重症化の危険がもっとも高いグループは高齢者だとは言い切れないのだという。高齢者でも持病がなく医者にかかる必要がないぐらい健康な人は、感染しても軽症で終わることが多く、重症化して集中治療室に入るのは、高齢者の中でも重い持病を抱えている人ばかりらしい。
そして、こんなデータをもとに持病を抱えている人の多い老人ホームなどの職員の一律検査を決めたということのようだ。日本がマスコミの大騒ぎに巻き込まれて緊急事態宣言を出してしまったのと比べると大きな違いである。バビシュ首相は、このコロナウイルスに対する対応においても、いろいろな点で批判されても仕方がないと思うが、非常事態宣言期間の前半、感染症の押さえ込みが対策の中心となる時期に、プリムラ氏を対策本部の長に任命した人事だけは、賞賛に値する。そして、打てる対策を打ち終わり、いかにして非常事態宣言を終わらせるかが問題になってくると、内務大臣のハマーチェク氏に交替させた判断も悪くない。
いや、そもそも厚生省の次官として感染症、伝染病の専門家が仕事をしていて、いざというときには対策の指揮をとれる体制にあったところがすごいというべきか。日本の官僚制って、政治もだけど、突発的な危機にうまく対応できていないような印象を与える。チェコの官僚制も欠点は日本以上に多々あるのだけど、今回は日本よりはうまく機能している。日本と違って足を引っ張るマスコミが存在しないのも大きいかな。頭の悪い素人の愚見を公共の電波に乗せるワイドショーなんてゴミは存在しないからさ。
もう一つ遅れたと言えるのは、国境を越える移動の禁止であろう。今回は中国からの感染者の入国を防げなかったことが日本の問題で、チェコの場合にはチェコでイタリア帰りの感染者が出てからもイタリアに旅行に行く人がいなくならなかったことが、ここまで感染者の数が増えた原因となっている。経済活動や、国際関係を考えると国境の封鎖というものが軽々しくできるものではないことは重々承知しているが、国境を封鎖して、感染者を中に入れなければ、そして国民を感染の恐れのある国外に出さなければ、ここまでひどいことにはならなかったはずだ。
EUの枠内、シェンゲン圏内で早期に国境の閉鎖をするのは、実際、チェコが三月中旬に国境の封鎖を決めたときでも、かなりの批判を受けていたし、制約が大きくて不可能だったのかもしれないが、この事実は今後また同じような感染症が流行し始めたときには教訓とすべきものだろう。まあ、日本ならやれたと思うのだけど、あちこちから批判が飛んできただろうという点では同じか。個人的には学校の閉鎖よりも国境の閉鎖を先にやるべきだったと思う。
2020年4月8日9時。
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2020年04月09日
自宅監禁日記(四月六日)
久しぶりに、短時間だけだったが職場に出た。印刷して署名したものをスキャンして日本に送る必要が出てきたのだ。プリンターはあるけどさすがにスキャナまでは自宅にはない。ということで、昼過ぎにうちを出ると、完全に春の暖かさで、上着は要らないほどだった。日が照っていたのも、風が冷たくなかったのもありがたかった。
いつもはフローラの公園の中を突っ切って旧市街に向かうのだが、何となくトラム通沿いを歩いた方がいいような気がして、停留所のほうに足を向ける。このあたりの人出は平日の昼間と比べてもそんなに大きな差はなかったのだが、いまだに運行を続けているトラムに乗っている人の数に驚いた。2両編成の1両目に1人、2人乗っているだけで、2両目には1人も乗っていなかったのだ。こんな状況でも運行を続けなければいけないのが公共交通機関の辛いところである。
フローラの会場に向かう途中の昔麦芽工場があったところでは、マンションの建築工事が非常事態宣言が出る前と同様に進められている。工事現場で働く人たちはもともと防塵用のマスクをつけているだろうから、コロナウイルスがあってもなくても装備に違いはなさそうだ。工事現場の砂埃が風に吹かれて道路に流れ出してくる中を歩いて、マスクをしていてよかったと思った。
その後も、フローラの会場で花壇の手入れをしている人や、自転車で運動不足の快勝のためにかサイクリングをしている人等を見かけ、そんなに普段と変わらないと思っていたら、旧市街に入る直前のオカムラ党の事務所がある近くに数人の人が固まっていた。ひとつのグループと言うには、二人ずつに分かれて距離をとっている感じである。この人たちの脇を通り抜けるときに確認したら、喫茶店の店頭販売で、コーヒーか何かを買うために並んでいた行列だった。推奨の人間距離2メートルというのを守った結果、人数もあまり多くなかったし、不思議な集団に見えたのだろう。
喫茶店は、店頭で持ち帰り用の、もしくはセボウ用の飲み物や食べ物を販売することは許可されているとはいえ、外出禁止令で人出そのものが減っている中、買い物に立ち寄る人は少ないだろうから、経営的には大変だろう。入り口のドアを利用して作った販売用の窓口のところにクッキーなんかを置いて少しでも客の目に止まるようにしているところもあったが、効果のほどは不明である。
旧市街に入っても人の少なさは変わらず、こちらはいつのも平日の昼間とはまったく違っていた。週末の、何のイベントも行なわれていない週末の人出よりも少なかった気がする。ほとんどのお店が閉店中だからそれも仕方のないことか。うちのが行列ができていたといっていたマスク用の布地を売るお店も営業はしていたが、行列はできていなかったし、店内に人がいるようにも見えなかった。マスクの自作ブームも落ち着いたのかな。
ホルニー広場を抜けて、コーヒー豆屋のコドーに向かう。豆はまだ残っているがフィルターが切れているし、次にいつ外に出るかもわからないので、機会があれば立ち寄って買い物するしかない。コドーの在庫は十分にあるのだろうかと考えて、一瞬いつもより多めに買かおうかとも思ったが、買い物客も減っているだろうし、ひいてから一ヶ月もたったようなコーヒーを飲むのは避けたいと思い直した。窓口に置かれている呼び鈴を鳴らして、奥の豆のおかれたところにいる人に注文を注げる。遠いのとマスクをしているのとで大声を出さなければならなかった。
旧市街は、外側よりは人出は多かったが、歩いている人たちが、いつもよりも他人との距離をとることに気をつけているように見えた。どのお店が営業中なのかもわかりにくく、すべての店が閉鎖されているようにも見えて、これでは買い物に来る気にもなれないだろうという印象を抱いた。新しい眼鏡を作りたいんだけど、眼鏡屋も開いているのかどうか判然としなかったり、営業時間が短縮されたりで、営業禁止が解かれるのを待った方がましに思える。
職場は、うちのに警告されていた通り、寒かった。非常事態宣言が出されて、原則在宅勤務に切り替えられた際に、暖房を落としてしまったらしく石造りの建物が冷え切ってしまっているのだ。ついてすぐは歩いてきたおかげで体が火照っていたので気にならなかったが、時間が経つにつれて寒さが辛くなっていった。3時間ほどで用件を片付け、寒さから逃げるように職場を後にした。外の方が暖かいというのは夏場ならば歓迎なのだけど、この時期ではやめてほしいとしか思えない。
帰りはフローラの公園を通ったのだが、意外と散歩やジョギングなどに出ている人が多く、非常事態宣言下の外出禁止に人々がなれてきたことがわかる。ほとんどみな手製のマスクをつけていたし、グループは子供連れ以外は最大でも2人だったしさ。マスクをして走るのは心肺機能の訓練にいいんじゃなかったっけ? これは長距離選手にとっては災い転じて福となすじゃないかい?
ところで、日本政府が非常事態宣言みたいなものを出すことに決めたらしい。衆愚政治もここに極まれりである。非常事態宣言を出した場合には、真っ先に、真よりも偽の情報を垂れ流して、人々の恐怖を煽っているマスコミに活動停止命令を出すべきであろう。特に非常事態宣言を出せと主張したメディアに対しては、先ず隗より始めよで、他の規範となるべく活動を強制的に停止させて、事態の深刻さを訴える必要がある。取材と称して動き回る連中、スタジオに集まってあることないこと喚きたてている連中が感染源となる可能性は高いのだから。
そもそも外出を自粛しろと本気で思っているのなら、まず自分たちが外出をやめるべきだと思わないのかね。そんな頭があったら頭の悪い批判を繰り返したりはしないか。一回聞いただけならアホかと思うようなことでも、何度も繰り返されると信じてしまう人も出るんだろうな。戦前の亡霊が再び立ち上がったというところか。いやな時代になったもんだぜ。
昨日書いたフランスの患者の受け入れは、フランスの病院で十分対応できるようになったということでマクロン大統領から断りの連絡が入ったらしい。マクロン大統領がバビシュ首相に借りを作るのを嫌ったのかな。ドイツとフランスの医療における協力関係に、チェコという異分子が入り込むことを警戒したドイツが横槍を入れたかな。
2020年4月7日9時30分。
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2020年04月08日
自宅監禁日記(四月五日)
今日はうちのの発案で、郊外のショッピングセンター、ツェントルム・ハナーに入っているテスコに買い物に行くことになった。普通は土曜日に行くのだけど、今回は日曜日の買い物である。ごみ捨てのように短時間では終わらないので、うちののお手製のマスクをつけた。日本にいたころは、花粉症の時期にはマスクが手放せなかったけど、チェコでは花粉症にはならないので、かれこれ20年ぶりぐらいのマスクである。
午前8時から10時までは、65歳以上の高齢者しか店に入れてもらえないので、10時過ぎに到着するように時間調整をした。8時前に行くってのは、起きたのが7時半過ぎだった時点で、不可能である。土曜日の午前9時ごろに行くと、建物の近くでは止めるところを探すのが大変で、最初から離れたところに車を停めることになり、帰りの10時ごろには、離れたところも車で一杯になっていることが多いのだが、今日は初めてと言っていいぐらいすいていた。
店内もいつになく人が少なく、買い物をするのが楽で、いつもこのぐらいの人出ならいいのにと思ってしまった。ただ、店内で義務付けられているビニール製の使い捨ての手袋をはめて品物を取っていたうちのは、汗をかいて仕方がないとぼやいていた。買い物が終わるころには客も増えてレジで並ばなければならなかった。印象的なのは2メートルの距離をとって並ぶように線が引かれていたことで、大半の人たちはその人間距離を守っていた。
行き帰りの道路わきを歩く人たちを含めて、この半月で一番たくさんの人を見た。マスクなどで靴と鼻を覆っていない人は一人もおらず、大部分は市販のものではなく手作りのものと思しきマスクを使用していた。現状では市販の工業製品のマスクは、医療関係者などの本当に必要としている人のところに分配されているだけなので、市場に出回っていないのである。生産者によほどのコネがあれば販売している店もあるかもしれないけど。
大きなショッピングセンターで、開いているのが一番奥にあるスーパーのテスコと、ペットショップ、携帯の店に新聞や雑誌を売るキヨスク的な店だけというのは、何とも不思議な気分である。多くのお店が閉店していたおかげで、買い物が楽だったと思えばいいのだけど、閉店中の店の今後が気になる。政府がこの手の施設の閉鎖中のテナントの賃貸料に関して、一律で支払いを猶予させる政策の導入を計画しているが、賃貸料を取っている側からの反対もあって現時点ではまだ決まっていないようだ。
現在のチェコは、狭い国土に郊外型のショッピングセンターが雨後のたけのこのように林立した状態で競争も激しいから、景気の悪化で倒産するところも出てきそうである。どこも、一番奥にあるスーパー以外はテナントに変わり映えがしないから、一つ二つ消えたところで消費者としては困らないのだけど、当事者としてはたまったもんじゃなかろう。
帰宅して午前中は昨日と同様だらだら、午後からもだらだとしてしまっている。今はベッドにサブのPCを持ち込んでこの文章を書きながら、詰まったらリーダーで小説を読むというだらけぶりである。明日は久しぶりに職場に出る予定なのだけど、その前に済ませておかなければならないことがあるから、夕食後には始めないと間に合わないんだよなあ。我がナマケモノ生活は風前の灯である。
夜のニュースで、バビシュ首相が、フランス大使の要請でフランスの重症化した患者を十人ちょっと、チェコの病院で受け入れることにしたと発表したというニュースが流れた。チェコは重症化する患者の数を比較的低く抑えることに成功しているから、病床にはまだかなり余裕があるようだ。それを見込んでのフランス側からの依頼ということなのだろう。
バビシュ政権側も、ここでフランスに恩を着せることでEU内での立場を確保しようという目論見があるのだろう。ドイツなら何をしても恩に感じてくれそうにないけど、第一共和国時代の関係もあるからフランスに期待したくなるのはわかる。それに、終焉が近づきつつあるようにも見えるEUという幻想に、コロナウイルス対策で国家間の協力関係が深まったというありきたりの物語で、希望を付け加えるのにチェコ政府が加担するという意味もあるのかな。
スポーツニュースでは、最悪のニュースが聞こえてきた。今年のハンドボールのエクストラリガは、再開を断念して現時点の順位で終了ということになったというのだ。プレーオフも始まっていないので、優勝チームはなしで、順位だけが有効ということになるようだ。ヨーロッパのカップ戦の出場権なんかはこの順位で決めるけど、優勝チームや準優勝チームに対する賞金は出ないということかな。降格チームもなしにするらしい。
これ以前に、女子のチェコとスロバキアが合同で開催しているインテルリガも打ち切りを決定して、中断時点の順位を最終順位にすることを決めているから、今シーズンはもうハンドボールは見られないようだ。これでまだリーグの再開をあきらめていないのは、サッカーの1部リーグだけということになる。これも打ち切りの検討を始めたという話もあるしなあ。憂鬱である。
2020年4月6日10時。
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2020年04月07日
自宅監禁日記(四月四日)
土曜日である。掃除機をかけるだけでなくごみ捨てにも出たから、監禁生活開始以来一番運動したといってもいい。それ以外は、何もせずに回復に努めることにした。肉体的な疲れはともかく、精神的な疲れまで取れるかどうかはわからないが、PCを使う時間を減らせば、目の疲れだけは押させることができる。その意味ではこんな駄文も書かないほうがいいのだろうけど、ここでやめると、コロナウイルスごときに屈したことになるので、それは避けたい。
午前中は寝転がってリーダーで読書。完全に壊れてしまった1号機に続いて3号機も電源関係がおかしくなりつつあって、フルに充電してからカラになるまでの時間が大幅に減っている。毎回かなり差があるのだけど、ひどいときにはほとんど使用しなかったのに一日で再充電しなければならないなってこともあったか。これは、購入から十年近くの間、ほぼ毎日使用して頻繁に充電を繰り返してきた結果なのだろう。ソニーの製品だということを考えると、意外と長持ちしたと評価できるのかもしれない。
3号機にはもう一つ不具合が生じつつあって、下部についているページ送りと戻しのボタンが機能しないことがある。これは何ヶ月か前に誤って水をかけてしまったせいだろうか。1号機のボタンが機能しなくなったのも風呂場に持ち込んで湿気に当てすぎたせいだと思われるし。画面を触ってのページめくりはまったく問題ないので、読むには困らないが、収録した本の一覧表示でページを移動するのが厄介である。次のページに進むボタンを押しても前のページに行ったり、いったん進んだように見えて元のページに戻ったりする。サイドバーを使ってのページ移動は、1ページ分よりも太い指でタッチするので一度に何ページも進んでしまうことがある。
とりあえず、今のところは1号機のような壊滅的な状態ではないし、2号機があるから読書生活に支障があるわけではない。ただ、2号機はメインで使っているPCと相性が悪く、充電のために接続するとPCのリセットが始まるだけでなく、記憶媒体として認識されないので、新たなファイルを追加することができないという問題がある。サブのPCなら問題ないのだけど、太ももの上に乗っけて文章を書いているときに充電するのは危険である。
それで、以前も検討したことのある最後の4号機投入について考えているのだが、ソニーがリーダーの生産を停止するという愚行に走った結果、次が手に入らないと思うと、決断しかねるのである。読むためにしか使う気はないし、1号機、2号機の使用を通じて、どんなことをすると不具合が起こりやすいかというのは把握しているから、3号機では失敗したけど、4号機は長く持たせられそうな気もする。
一番いいのはソニーが、本当に本当に読むことだけに機能を絞った電子書籍リーダーを再度発売してくれることなのだけど、本屋ではないソニーには無理だろうなあ。だからといって出版社にやらせると、無駄にコピーガードに力を入れて使いようのないものが出来上がるのは明らかである。どこかの隙間産業が、電子書籍リーダーではなく、PDFを読むための端末として読むことに特化した製品を出してくれないかなあ。カラーにする必要もないし、辞書も通信機能も要らないからさ。その上でPCを通して、機器登録すればその店で買った電子書籍も読めるという形にすれば、読書家の需要はあると思うんだけどなあ。漫画好きはカラーを求めるかな。
とまれ、昼食時には録画してある「チェトニツケー・フモレスキ」を見た。精神病院を抜け出して東京オリンピックに行くと大騒ぎをしてルハチョビツェで募金を募っている人が登場する回だった。作中の時間は1937年だけど、その人日本にはまだ将軍がいると思い込んでいるという設定だったかな。この回のために復刻された東京オリンピックのポスターを実は持っていたりする。
その1940年に予定されていた東京オリンピックは、今年のと同様開催されなかったのだが、1980年の西側がボイコットしたモスクワオリンピックとあわせて、40年に一回オリンピックの開催には問題が起こるなんてことをいう人がいるようだ。ただ、その伝で行くと次のパリオリンピックも危なくないか? 1944年は第二次世界大戦の真っ最中で開催どころではなかったし、84年のロサンゼルスも、米軍が東側に口実を与えるためにグラナダ侵攻なんかしたもんだから、報復のボイコットが起こったわけだし。
この巨大化して開催質の負担ばかりが増大していく現代のオリンピックで、二回連続味噌が付いたら、開催を継続していくのは難しいんじゃないかなあとひそかに期待しているのだけど、どうなるだろうか。その前に、来年に延期された東京オリンピックが本当に開催されるのかどうかも、現時点では何ともいえないか。
午後からもソファーで横になって、リーダーで読書していたような気もするけど、半分以上は寝ていたような気もする。久しぶりにって、先週の週末もナマケモノ化していたけど、ここまでじゃなかったから、久しぶりに頭と目を休めることができた。これで体を動かしていれば完璧なのだろうけど、そこまで勤勉にはなれない。明日は……、明日ものんびりしたいなあ。
2020年4月5日9時。
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2020年04月06日
自宅監禁日記(四月三日)
日本では安倍内閣が、マスクを各家庭に配布するという政策を発表して賛否両論、否の方が多いようだけど、続出しているようである。国が、国の責任で不足しているマスクなどの医療用品を確保しようとするのは、間違っていないと思う。ただ、その行き先が、何で感染者がいるかどうかもわからない各家庭になってしまうのだろうか。
チェコ政府も、中国の中国が世界を救うキャンペーンに協力するために、大金をはたいて中国から大量のマスクを輸入しているが、それを家庭に配るなんてことはしていない。マスクの行き先は、高性能の医療用は、直接コロナウイルス感染者を扱う病院と、検査のための検体の採取をする人とたちの元に送られ、普通の花粉症を避けるために使うようなマスクは、警察や軍、消防署などの国境で検問をはったり、市中警備を行ったりしている人たちに与えられている。
さすがにチェコテレビのニュースのアナウンサーや、政治家たちの多くは市販のマスクを使用していることが多いが、一般の人々は運よく手に入れられたという人たち以外は、自家製のマスクを着用している。政治家の中にもお手製のマスクを使用している人もいるし、サッカーチームなどではチームカラーのマスクを作成して関係者に配布しているところもある。政党カラーのマスクってのもあったなあ。
劇場が閉鎖されて演劇関係の仕事が消えた劇場の衣装担当の人たちが、設備を利用してマスクを作成して、中国からの輸入があっても足りない医療関係者や必要とする人たちに配布したなんて話もあるし、服飾企業が服の縫製を停止してマスクを作ったり、マスクを作るための布地を無料で配布しているなんて話もある。マスクがなければ作ればいいだろうということで、みんなで工夫しているのである。うちのもミシンがうまくいかないとブーたれながら何枚かマスクを縫い上げて、外出するときには利用している。
我々、一般の自宅に監禁された人間が外出するときにマスクの着用を求められているのは、マスクをつけた人が感染するのを防ぐためではない。チェコ政府、もしくは厚生省の説明によれば、市販のものも含めて、普通の布のマスクでは、感染を防ぐのには足りないが、感染者がマスクをしていれば、他の人を感染させるリスクをほぼなくせるらしい。よくわからんけど、布のマスクをウイルスは通り抜けるけど、感染者が出すウイルスを含んだ唾液などの飛まつは布に引っかかるから、結果として外に出るウイルスはほとんどなくなるなんてことを言っていた。
その意味では、特にマスクである必要はなく、マフラーやスカーフなどで口と鼻の周りを蓋ってあれば問題ないという。チェコのマスク令でも、マスクがない場合には、何かの布で口と鼻が隠れていれば問題ないことにされている。だから、ごみ捨てなどでちょっとしか外に出ないときには、マスクなんかしないでマフラーで顔を覆っている。眼鏡が曇るので眼鏡を外しているけど、これは普通のマスクでもそうだったかな。窮すれば通ずってことで、何でマスクマスクと大騒ぎをする人たちがいるのか全く理解できないのである。
日本で、マスクを各家庭になんて発想になるのは、日本社会で平等という概念が誤って受け入れられている証明なのだろう。何せ、噂によれば平等の美名のもとに運動会の徒競走さえ廃止して、みんなでお手手つないで一緒にゴールするなんて形にしてしまったらしいし。現時点で戦略物資になっているといってもいいマスクに関しては、みんなに配布するのではなく、本当に必要なところに必要なだけ提供するのが政治の仕事というものではないのか。チェコの政府ですら、自慢するほどうまく行っていないとはいえ、誰にでもなんてアホなことは考えずに、必要なところに優先的に送っている。
全国の学校を休校にしたのも、全国で平等にという意識が働いたのだろうか。田舎の小学生、中学生なんて、平日はほとんど家と学校を往復するだけの生活をしているんだし、高校生でも校区の外までわざわざ遊びに出かけるなんてことはできないんだから、少なくとも市町村内、校区内に感染者が出ていない学校は休校する必要なんかなかったのにさ。一律で休校にするから春休みが早く来たと考えてあちこち出歩くやつが出たり、家族で旅行に行くようなアホが出るのである。
平等主義といえば、今回は補助金をコロナウイルス騒ぎで収入が減った家庭限定でばら撒く方針のようだが、2008年のリーマンショックで景気が落ち込んだときには、全国民に一律で現金を配布したらしい。知らんかったぜという感想で済ませかけて、気づいた。国民のはずだけど俺そんな金もらったか? 平等平等といいながら、国外に住んでいる日本国民については除外しているんだよなあ。税金払ってないから、金くれなんていうつもりもないけどさ。
2020年4月4日10時。
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2020年04月05日
自宅監禁日記(四月二日)
さて、この似非日記いつまで続けたものか。最初はすぐにやめるつもりだったのだが、外出禁止を食らった現状では、ほかのことについて考える気にもなれず、三月の晦というきりのいい日を越えて、四月まで続けてしまった。こういうのは非常事態宣言と同じで、一度始めてしまうとなかなか撤回できないものなのだろう。こうなったら非常事態宣言が撤回されるまで、この題名で羊頭狗肉な日記もどきの戯言を書き続けてやろうかとも思う。
今日もまた一日自宅仕事で、午後からビデオ会議が入っている。午前中能率が上がらないとぶーぶー言いながらいくつか書類を処理して昼食。毎日移動することなく同じ場所で同じようなことを繰り返す日々が続く。午後からオンラインで話をした知人は、二週間ぶりに外に出たと言っていた。何をしにと聞いたら、突然チョコレートがどうしても食べたくなって、チョコレートを買うためにだけ買い物に出たのだという。
昼食時にテレビをつけて、フランスの刑事ドラマの再放送を見ていたのだが、ヨーロッパの人って、日本人の感覚からすると過剰に身体的な接触をするのが気になった。日本人同士なら恋人同士でもない限り、身体的な接触は握手でお仕舞いである。握手すらしない人だって多い。それを無視して相手に触れたがる人は、変人扱いされても不思議はない。
今までは特に気にしたこともなかったけど、コロナウイルス関連で、他人と会うときには相手との距離を2メートル以上とれなんてことが命令として出されるような状況で見ると、違ったものが見えてくる。こんな習慣もまた、今回の件に限らず、欧米で感染症が流行しやすく、流行が大きなものになりやすい原因なのだろう。多くの日本人にとっては、当然と言うか、習慣になっている外出から戻った後の手洗いとうがいも、している人なんてほとんど見かけなかったし。花粉症対策のマスクもそうだけど、日本人は、普段から感染症対策をしながら生活しているようなものなのである。
それに対して、対策が全くできていないようなのが、マスコミと政治家で、感染症の危険を煽っている連中が政治家の記者会見に押しかけて、いつも通りに場所の奪い合いで押し合い、へし合いしていたのには、こんな連中に自粛しないことを批判されても、お前が言うなとしか思えない。ニュースやワイドショーなんかのテレビ番組でもスタジオの様子が変わったという話は聞かないから、今でもマスクもしないで、すぐ近くに座って唾を飛ばしながら論戦しているのだろう。
その場にいる人は誰も感染していないという確信があるからそうしているのだろうか。しかし、今の日本は誰がどこで感染するかわからない状況になっているなどと言って不安をあおり、検査ができないことを批判しているのはお前らじゃないのか。それなら誰が感染していたとしても、他の人の感染させないような対策をとった上で、記者会見に臨んだり番組の撮影をするべきであろう。それをしないで、他者の批判ばかりしているからゴミ以下だと言われるのである。
チェコは政府が外出する場合、公共の場に出る場合にはマスクの着用を義務づけたからという理由はあるけれども、ニュースでも討論番組でも命令が出て以降に制作された番組では、アナウンサーだけでなく、インタビューを受ける政治家も含めて出演者はみなマスクをしている。テレビ局のアナウンサーはともかく、政治家や一般の人が出てくると聞きにくくて仕方がないからチェコ語がおぼつかない人間としてはできればやめてほしいのだけどね。
日本でも聞きにくくなるという理由でマスクの使用をしていないのかもしれないが、政治家の記者会見なんて事前に原稿ができていて配布されているのだから、特に聞き取れる必要はないし、質疑応答にしても事前に台本ができていたり、無意味なくだらない質問だったりすることも多いし、テレビ番組にいたってはアナウンサー以外は発音が悪くて何いっているかわからないから字幕が濫用されるのが日本のテレビなんだから、マスクつけて聞き取りにくくなったとしても大差はない。本当にコロナウイルスが危険だというならそれぐらいのことはしてほしいものだ。
さらにチェコテレビでは、政治家や関係者のインタビューを屋外で行なうようになり、マイクもマイクスタンドの先につけてレポーターが離れたところから差し出すという形になっている。最初に見たときにはそこまでするかと思ったのだが、こういう政治家やマスコミの連中が対策をとった上で記者会見をしたり報道をしている様子を見せられると、コロナウイルスの危険性に懐疑を抱いている人間でも、警戒感を高めるというものである。
政治家もマスコミも平生どおりにしている日本で、当事者意識がないとか、危機感がなさるぎると批判したところで、天に唾するようなものである。本当の意味で当事者意識も危機感も持っていないのは政治家とマスコミ、それに寄生する連中なのだから。高齢者ではなく持病も抱えていない人にとっては、今回の感染症がインフルエンザと大差ないというのも、一面の真実ではあるのだしさ。
繰り返しになるが、チェコで行なわれていることを、日本でもやれと主張するつもりは毛頭ない。何が正しくて何が間違ってるなんてことは、流行が終わって、結果の分析が済んで初めて言えることである。個人的には、日本には世界中からの同調圧力を撥ね退けて、高齢者に対する対策を徹底した上で、学校やスポーツイベントを再開して、一刻も早く普段の生活を取り戻すような政策を取ってほしいと考えてはいるけど。
今更非常事態宣言を出して封じ込め政策に転じたところで、短期的に流行を終わらせることは難しそうなんだから、逆に行くしかなかろ。どっちに行ってもトータルの死者の数はあんまり変わらんだろうし。病気で死ぬか、経済で死ぬかの違いがあるだけで、死のうは一定ってなもんさ。自分が病気で死にたくないからってギャーギャー喚くのは醜態というもんである。
2020年4月3日8時。
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2020年04月04日
自宅監禁日記(四月朔日)
弥生はその半ばを家から出ずに過ごすことで終わったが、卯月はいかなる事態が起こるのであろうか。何が起こっても不思議はない今の世界ではあるけれども、問題はその自体そのものよりも、それに対する人間の反応にあるような気がしてならない。
今年の四月一日で、よかったと思えることがあるとしたら、コロナウイルス騒ぎで余裕がないのか、エイプリルフールの頭の悪い冗談を聞かされずに済んだことぐらいだろうか。仲間内での話であれば、自分だけが面白いと思っているつまらない冗談でも、笑い話として済ませられるけど、そんな冗談を世界にさらして喜んでいる連中がいるのが信じられない。さらに信じられないのは、それを誉めそやして自分は冗談のわかる人間だと自慢したがる連中が多いことである。
日本のネットのニュースの見出しを見ていたら、非常事態宣言を出すことを求めたり、東京のロックダウン(またまた意味不明な外来語にすらなっていない外国語の濫用である)を求める声を上げている人が多いのが目に付く。実際に非常事態宣言が出されて外出禁止状態に置かれている人間としては、行動に制限を受ける側が制限してくれと求めるのには、少々信じ難い思いがする。こんなのは、政府が決断してから、仕方ないなあと受け入れるものじゃないのか。
恐らく、こんなことを主張している人たちは、非常事態宣言が出て、行動の自由が規制され、経済が停滞しても全く問題のない恵まれた生活をしている人たちなのだろう。経済的に余裕のない人々の中には、非常事態宣言が出たら生活が立ち行かなくなるという人もいるはずなのに、そんな経済的弱者の声があまり聞こえてこないのが不思議である。
政府が、非常事態宣言と引き換えに、積極的な経済支援策を打ち出しているチェコでさえ、倒産の危機に悲鳴を上げている中小企業や、収入を失って困窮しそうな個人事業主たちがたくさんいるのだ。各家庭にマスクを配るなんていうエイプリルフールの冗談としか思えないような対策しか出てこない日本でやると、倒産やら破産やらが続出して、ただでさえ多いと批判されている自殺者数が激増することになりかねない。
極論すれば、病気に対する弱者を守るために経済的弱者を切り捨てるのか、経済的弱者を守るために病気に対する弱者を切り捨てるのかという選択になる。お金よりも命が大事なんてのを正論だと思って、お題目のように唱えている連中もいるようだけど、この耳障りのいい言葉を使うということは、経済的弱者を切り捨てろと言っているに等しいことに気づかないのだろうか。ついでに言えば、金がなければ救えない命というものもあるし、多くの人が求めてやまないマスクなんかの医療品も金がなければ手に入らない。企業に金がなかったら生産すらできないということになるのだ。
自粛ブームで経済的に困窮する人が増える中、何の対策もない状態で、非常事態宣言とか外出禁止令を求める人たちに対しては、金持ちはいいねえという感想しかでてこない。いや、混乱を利用して更なる金儲けをたくらんでいるんじゃないかという疑いさえ感じてしまう。
仮に、この手の金持ちたちが私財の大半をなげうって、非常事態宣言で経済的に困窮することになりそうな人々を救うための基金を設立した上で、非常事態宣言を求めるのであれば、もろ手を挙げて賛成する。民間人がそんな基金を立ち上げたら、政府も対策しないと言うわけにはいかなくなるだろうしさ。ただ、そんな奇特な人たちは、非常事態宣言、非常事態宣言と騒いだりしないよなあ。
非常事態宣言や外出禁止令で、最悪なのは、一度出してしまうと、撤回するタイミングを見極めるのが難しいところである。リトベルとウニチョフの地区閉鎖措置は、幸い延長されることなく解除されたけれども、非常事態宣言と外出禁止令は期限が来ても延長されるのは明らかで、撤回される見通しは立っていない。いつまでと期限を切られてその日までとがんばっていたのが、やっぱり延長と言われると、どっと疲れる。
もし出すなら、事前にどんな状況になったら解除するという条件と、最短だけではなく最長の期日を決めておいたほうがいい。いつまでもずるずると延長を繰り返していくと、経済だけでなく、社会を構成する人々の気持ちが持たない。そうなった場合に苦しむのは、非常事態宣言によって守られる経済的にゆとりのある金持ちの高齢者ではない。
日記といいつつ、またまた駄弁を積み重ねてしまった。今日は午前中真面目に仕事をしたせいで、午後から頭痛でPCの画面を見ていられなくなった。職場に出ていれば気合で無理して仕事を続けたのだろうが、自宅ではそこまでする気にもなれず、ソファーで昼寝をしてしまった。これは在宅勤務のいいところかもしれない。まあ体調が戻った夕食後に午後やる予定だった仕事を片付けたから、なんとも言い難いのだけど。これは残業か? 手当てが出ないのは確かである。
2020年4月2日10時。
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2020年04月03日
自宅監禁日記(三月卅一日)
家から出ない日々が続いて一番の問題は、何がいつ起こったのかわからなくなることだろう。チェコでコロナウイルス関連の死者が出てからすでに一ヶ月ぐらいたっているような気がするけど、一ヶ月前、三月一日に明らかになったのは、亡くなった人の存在ではなく、チェコで最初の感染者だった。時間が経つのが早いのか遅いのか、自分の感覚すら信用できなくなっていく。
厚生省のページで、快癒者の数が一気に増えていた。オロモウツ地方でも三人目が出たとして、知事が喜びのコメントをしているけれども、この人は入院患者ではなく自宅療養というか、自宅待機をしていた人らしい。これで、この完治者の数がなかなか増えなかった理由がわかった気がする。入院している患者であれば、症状が消えた時点で検査をするのは簡単だが、自宅にいるとなるとそう簡単にはいかないのである。
感染が明らかになっている人に対して、症状がおさまったからと言って病院に検査に出向くように求めるのは、これまでの厚生省の対応から見てありえない。そうなると、検査する側が出向いて検体を採取するということになるのだが、政府の方針で検査の延べ人数ではなく、絶対的な人数を増やすことが求められていたから、完治したかどうかの在宅検査は後回しにされていたのだろう。
それが、感染症が老人ホームや、老人で長期的に入院が必要な患者を専門に扱う入院病院に蔓延し始めた結果、亡くなる人の数も増え始めており、死者の方が感知者よりも多くなると、社会に更なる不安を与えかねないと判断した厚生省が在宅の症状の出ていない、もしくはおさまった患者の検査を始めたということだと見ている。今後も、完治者の数の方がある程度多いという状態が維持されそうである。
件のページでも、亡くなった方の情報、居住していた地域と、年齢層の発表を始めているが、圧倒的に60歳以上の高齢者が多く、50歳以下は3人しかいない。年齢の区分をもう少し細かくしてくれるとありがたいのだけど。オロモウツ地方でもついに一人目の死者が出てしまったようだ。ただし、これについては、オロモウツ地方が開設した情報ページでは触れられていない。二つのページの情報がずれていることもあるから、仕方ないのだろう。オロモウツ地方でも入院者と重症者の数を表示してくれたらいいのにとは思う。
コロナウイルス関連の報道では、イタリアで死者何人、スペインで死者何人なんて、亡くなった人の数がものすごく多いかのように報道されているのだけど、実際はどうなんだろう。コロナウイルスなんてものがなかったとしても、人は毎日亡くなっていくわけである。今回コロナウイルスで亡くなる人の多くが、高齢者で重い持病を抱えている人だという事実は、その中にはコロナウイルスに感染していなくても亡くなっていた可能性の高い人が含まれるのではないかという思いを抱かせる。
チェコでは、今年インフルエンザで亡くなった人の数が、60人弱だったらしい。流行がはじまったころにコロナウイルス騒ぎが起こり、対策として手洗いうがいが強調された結果、今年のインフルエンザの流行は、それほど大きなものにはならかなったから、亡くなった人の数も例年より少ないのだろう。その分、コロナウイルスで亡くなる人が増えたんじゃないかなんてことも考えてしまう。統計からこの3月の高齢者の病気での死亡者数の出して、今年の死亡者の数がどのぐらい多いのかなんてデータが知りたい。
イタリアや、スペインでは、医療関係者の中からも犠牲者が出ているから事情は違うのかもしれないが、客観的な評価を下すためにも、例年の病死者数との比較はあったほうがいい。何倍、何十倍という数字が出てくるのか、それほど大きな違いはないのか、気にならないのかなあ。数字だけ見ると凄く多く見えるけど、その印象が正しいとは限らない。そういうのを報道するのがマスコミの役割だと思うんだけどなあ。
またまた日記からずれていく。今日は夕方からビデオ会議で、それまではひたすらPC上で書類やら文書やらをいじっていた。肝心のビデオ会議は、途中から回線の状態が不安定になって、なんだか中途半端な、尻切れトンボなものに終わってしまった。また明日ではなく、また来週ということになったのはありがたい。こんなの毎日やっていたらストレスで、おかしくなりそうである。
なんか、日記というのが名目だけになりつつある。バカの考え休むに似たり日記だったら正しいか。
2020年4月1日22時。
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2020年04月02日
自宅監禁日記(三月卅日)
朝起きたら、ラジオのニュースで、リトベルとウニチョフ地区の閉鎖が延長されることなく終結したというニースが流れているのを、寝ぼけ頭で聞いた。起きたのは7時前、先週までの時間だと6時前ということになるから、久しぶりの超早起きである。今週は、夏時間一週目で多分体調はよくないままだろう。
ゴミがたまっていたので、ごみ捨てで何日かぶりに家を出る。通りを歩く人の数は、それほど多くない。前回出たときは、指定された時間に買い物に向かうお年寄りをちらほら見かけたのだが、今回はいなかった。時間が違ったのか。普段職場に向かう時間と同じぐらいの人通りだったと言っていいか。
後でテレビのニュースで聞いたところでは、リトベルとウニチョフ地区の閉鎖が解かれた理由として、公式には感染の経路がほぼ完全に確定できたことが上げられていた。でも、延長されたら地区の人たちの精神の安定に大きな悪影響を与えることも考慮されたのだと思う。非常事態宣言下で外出禁止されているだけでも、気が重いのに、その上に閉鎖措置も加わったらと思うとぞっとしない。
ただ、当初の千人単位で感染者が出る恐れがあるというのは、今のところ杞憂に終わっていて、出張検体採取所を軍が設置して、地区の人たちを優先的に検査しているわりには、感染者の数は増えていないようにも思える。今日の時点で、この二つの地区だけで、120人ぐらいというのは、人口一万人あたりにするとリトベル地区が35人、ウニチョフ地区が18人ほどで、これはプラハよりもはるかに高い数字になっている。
コーヒーを飲んでから、仕事開始。今日はビデオ会議がないので、一日中文書の処理。そこの抜けた柄杓で水を汲むようなむなしさに、すべてを投げ出したくなる。隣の部屋で仕事をしているうちのもあれこれいらだつことがあるのか、こちらまで聞こえてくるような声で罵りの言葉を投げている。別の部署のアホからすでに何年も前に提出した情報を再度まとめて提出することを求められたのだとか。これもまた、自宅待機やら在宅勤務の弊害である。することのないアホが余計な仕事を増やすのだから。
オンラインで在宅勤務というのは、使用するソフトが問題なく使え、ネットの回線が安定していることが前提となる。それがないものねだりなのはいうまでもないことで、頻繁に保存していかないと書いたものが、時間をかけて書いたものが消えてしまうことになるし、オンラインでビデオ会議をしていても、相手が何言ってるかわからず、こちらの言っていることもわかってもらえないということになってストレスがたまる。
これもまた在宅勤務が職場に出ての仕事よりも疲れる理由のひとつだけど、今日は特にPCかソフトの調子が悪いようで、うちのの罵りが響く機会が多い。こっちは、問題が起こると、罵りの言葉を投げるよりは、PCの電源を落として、しばらく休ませるという名目で休憩することにしている。頭に血が上った状態で仕事をすると間違いが増えるし、血圧も上がるような気がする。
今回のコロナウイルス騒ぎで、高血圧の人も重症化しやすいというデータが出ているのはいいのだが、高血圧の定義もいろいろあるし、どのぐらいの値から危なくなるのか教えてくれんもんかと思う。知人は血圧200近くまで行っていたと言っていたけど、こっちはせいぜい140ぐらいのものである。このぐら一昔前には高血圧の範疇には入っていなかったような気もするんだけど。
夜のニュースで嫌な話を聞いた。世界中のサッカーチームで、選手たちが給与の削減に賛成して、選手以外の仕事をしている人たちの雇用を守ろうとしているってのは、日本でも報道されているいいニュースなのだが、チェコのチームでも、選手側とチーム側で話し合いが行なわれて、合意がなされたところがいくつかある。チームによっては、チーム側が契約解除もちらつかせて圧力をかけたなんて話もなくはないのだけど、これはまだ許容範囲に収まる話。
衝撃のニュースはスロバキアからやってきた。近年のスロバキアリーグで最強チームのひとつであるジリナが清算手続きに入ったというのである。リーグ戦の中断で入場料収入がなくなり、このまま行けば最大の収入源である選手たちの移籍金も入ってこず、経営していけないということでクラブをつぶす決断がなされたらしい。最終的にこの決断に至ったのは、選手たちの団体と給料の削減の話し合いで合意できなかったからだというけれども、チーム側から出されたのは80パーセントの削減と言うもので、とても飲めるものではなかったという話もある。
そして管財人となった人物が、今年の夏、もしくは冬で契約が切れる選手たちに、15人ぐらいだったかな、契約解除を通告した。移籍させても金にならない選手に、今後いつ試合が再開されるか見通しの立たない状態で給料は払い続けられないということなのだろう。その結果、残ったのは若手を中心に契約が何年か残っている選手だけになったようだ。不思議なことに、清算手続きに入っていながら、リーグが再開された場合には残った選手を使って出場することは可能だという。
チェコもスロバキアも、一部を除けば財政的には不安定なチームが多いから、今後もこういうことが起こる可能性は高い。ハンドボールのチームとか大丈夫なのかなあ。入場料収入は高が知れているだろうけど、閉鎖地区内のリトベルのチームとか心配である。
2020年3月31日10時。
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2020年04月01日
自宅監禁日記(三月廿九日)
朝起きたら時計の上では八時過ぎていた。でもなんか感覚が違う。日の当たり方もそんなに遅い時間のような感じはしない。よく考えたら今日から夏時間だった。うちのが昨夜寝る前か、今朝早起きして時計の針を全部動かしたと見える。朦朧とした頭で朝食をとって、コーヒー。ハリオのドリッパーにメリタのペーパーフィルターという組み合わせは、ハリオのフィルターが切れたから仕方がない。
珈琲屋のコドーは、豆の販売は続けているみたいだから、フィルターも行けば買えるんだろうけど、なかなか買い物に出る気になれない。次に豆が切れそうになったら久しぶりに街に出てみようか。コドーはまだ、豆の販売が中心だからいいけど、小さな喫茶店の中には、資金難に陥ってSNSなどを使って、後日使える商品券を買ってくれるように求めているところもある。
チェコは外出禁止命令で商店の売り上げが落ちたことに対して、あれこれ救済策が準備されているのだけど、それでも間に合わないところでは自前で当座の資金を確保する必要があるのだろう。自粛とか要請とか、ぬるいことを言っている日本は、自粛要請によって発生した売り上げの減少や、損失に対して何の補償もないらしい。これじゃあ、自粛しないことを選ぶ人が多くても、非難はできない。
救済策として、商品券とか現金のばら撒きをするというのも意味不明である。今回のウイルス騒動があってなお、経済的な損失を受けていない人たちもいるのである。損失を出した人たちの中にだって、多寡の違いがあるのに、一律で金を出しておしまいってのは政治家として役割放棄しているとしかいえない。日本では悪い意味での平等というのが幅を利かせているということなのだろうか。まあ、マスコミの飛ばし報道という可能性もなくはないか。
うちは、両方とも外出禁止を食らっても自宅で仕事を続けていて、給料が減らされるわけではないから、チェコ政府からの支援は得られないけど、文句を言うつもりはない。直接個人個人に現金を支給するなんてアホなことは検討していないようだし、非常事態宣言で出した命令の責任は自分が負うと断言しているし、バビシュ首相の方が遙にましだなあ。個人的にはこの騒ぎへのヒステリックな対応で、評価を下げたのだけど、有権者の間の支持率は高まっていそうである。
安倍首相が、長期戦を覚悟しろなんてことを言っているようだが、チェコが非常事態宣言を出して、外出禁止命令を出したのは、長期戦にするためではなく、できるだけ早く感染症の流行を撲滅するためである。この非常事態の状態で長期戦になるようであれば、それは封じ込め政策が失敗に終わったことを意味する。
長期戦にするのなら、町の封鎖とか外出禁止なんかはしないで、高齢者と病人、医療、介護関係者の感染を防ぐ対策をした上で、それ以外のある程度若くて健康な人は症状が出ても重症化しない限り、風邪薬飲んでうちで寝てろで十分なはずである。短期戦で封じ込めることを狙ったチェコでさえ、重症化しない患者は原則自宅療養なんだから。
日本の最大の問題は、政府が批判を恐れて、方針をしっかり定められないままに、場当たり的な自粛要請を出し続けているところにある。学校の休校というのも、子供を守れという名目があれば反対は少ないだろうと踏んだとしか思えないし、高齢者が反発しそうな、高齢者の行動を制限する対策がなされなかったのは、選挙で票を失うことを恐れたのだろう。
奇跡的なのは、そんな状態でありながらコロナウイルスで亡くなった人が意外と少ないことで、これはもう医療関係者の努力の賜物でしかない。普段からかなりぎりぎりで回しているとも言われる医療現場に更なる負担をかけないことこそが、安部首相の言う長期戦を戦い抜くためには不可欠なんだから、検査を増やして、陽性の人は全員入院なんてのは、絶対にやめたほうがいい。それやったらチェコでも医療システムは崩壊する。
チェコでは、一ヶ月の予定で始めた非常事態宣言が、延長されることは確実視されているけれども、社会が持ちこたえられるのか、病気の蔓延以上に不安である。非常事態が続けば続くほど、医療現場だけでなく、社会の疲弊は進む。一ヶ月で終結させられれば、政府の勝ち、つまり非常事態宣言が正しかったと評価されるだろうけど、二ヶ月になるとどうかな。三ヶ月以上ということになると、持ちこたえられないんじゃないかと危惧する。
日本も、非常事態宣言を出して外出禁止令や地区閉鎖の命令を出すのはいいけど、長期化したときのことを考えておかないと、国破れて山河ありなんてことになりかねない。
2020年3月30日9時。