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2023年02月03日
フクロウ考
これまで、猛禽類のうちの昼行性のもの、タカ、ワシの仲間について、日本語での名称とチェコ語での名称を検討してきたのだが、毒を食らわば皿までで、夜行性の猛禽類、つまりはフクロウ、ミミズクの仲間についても取り上げることにする。
昔話、それをモチーフにした映画なんかにもよく登場するから、チェコ語でフクロウのことを、一般的にはsovaと呼ぶということは知っている人も多いだろう。ただし、今回知ったのだが、フクロウというフクロウの仲間の個別の種も存在していて、そちらはチェコ語では、sovaではなく、puštík bělavý(bělavý=白っぽい)と呼ばれるようである。チェコ語でpuštíkと呼ばれるフクロウの仲間には、puštík obecný(モリフクロウ、obecný=普通の)、puštík vousatý(カラフトフクロウ、vousatý=髭を生やした)も存在する。
フクロウの仲間として、名前を知っていたものとしては、光瀬龍の『ロン先生の虫眼鏡』に登場したコキンメフクロウがある。最初にこの名前を見たときには、カタカナで書かれた「コキンメ」が理解できずに、どんなフクロウだろうと頭をひねったのだが、考えてみれば「小金目」で、小さな金色の目をしたフクロウなのだろうと思い至った。そそて、コキンメフクロウがいれば、キンメフクロウもいるはずである。チェコ語だと、どちらも同じ名前でコキンメの方に、「malý」か「menší」つくのではないかと予想しておく。
しかし、調べてみると、日本語の「コ」を示すのは、後ろにつく形容詞ではなくて、名詞の方だった。つまりキンメフクロウ(sýc rousný)の指小形がコキンメフクロウ(sýček obecný)になっているのである。
他にも、スズメフクロウに使われるkulíšek、シロフクロウなどのsovice(sovaの指小形か)もフクロウの種名に使われるようである。一般的なsovaを使うものには。メンフクロウがあるのだが、ウィキペディアの写真を見ると、フクロウと聞いて普通にイメージするものとはちょっと違う。
フクロウ puštík bělavý
モリフクロウ puštík obecný
カラフトフクロウ puštík vousatý
キンメフクロウ sýc rousný
コキンメフクロウ sýček obecný
スズメフクロウ kulíšek nejmenší
シロフクロウ sovice sněžní
オナガフクロウ sovice krahujová
メンフクロウ sova pálená
続いて、ミミズクだが、こちらは一般的に使われるチェコ語はvýr。個別の種名として使われる名詞としては、その指小形だと思われるvýrečekとkalousがあるようだ。オオコノハズクは日本に典型的なミミズクだとみなされているのか、「japonský」という形容詞がついている。残念ながら、以前から名前だけは知っていたアオバズクのチェコ語名は確認できなかった。
ワシミミズク výr velký
コミミズク kalous pustovka
トラフズク kalous ušatý
オオコノハズク výreček japonský
コノハズク výreček malý