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2021年05月02日
規制緩和の動き(四月廿九日)
チェコでは感染者数が増え、ワクチン接種も進んでいるおかげで、感染状況は一時期に比べると大幅に改善され、規制緩和の動きか進んでいる。平日の新規感染者数は2500人ぐらい、一週間だと1万5千人ぐらいとなっている。これを人口10万人当たりにすると、一週間で150人ぐらいという数字になるが、現時点ではこの一週間の新規感染者の数値が、人口10万人当たり100人以下というのを規制を解除して小売店などの営業を再開させるための条件になるようだ。そして全国一律ではなく、地方単位での規制の緩和解除も計画されている。
とまれ、来週の月曜日5月3日から許可されるのは、なぜか去年も規制緩和の最初の部分に含まれていた理髪店と美容院などの美容関係のサービスである。ただし、利用客に対しては検査を受けて陰性の証明を提示することが求められるという。この手の店は顧客管理をしているはずだから、感染者が出たときの追跡がしやすいと考えているのかもしれないし、個人経営の店が多いから、優先的に営業再開を許可したのかもしれない。
学校も授業が再開される見込みなのだが、さすがチェコで子供たち用の簡易調査キットが足りないと言う声が各地から上がっている。現在は月曜と木曜の週二回の検査が行われているが、それを一回にしてもたいした違いはあるまいという意見もある。また、先日授業が再開された際に、親が検査を拒否した子供の登校を認めたことをとがめられて校長が解任されたなんてニュースもあった。特殊な教育法を取っていることで知られる「シュタイナー学校」でのできごとだったようだ。
子供たちのスポーツも規制が緩和されて、20人以下のグループであれば集団で練習してもかまわなくなるのだったか。ただし、これは感染状況が改善されて一週間の新規感染者数が、人口10万人当たり100人以下になった地方だけかもしれない。室内でのスポーツは依然として対象外となっているが、本来は屋内のスポーツでも、子供たちは屋外で練習することもあるから、どうしようもないというわけではないようだ。
その一方で、5月1日から厚生省とサッカー協会の共同プロジェクトとして、観客を入れての試合開催が再開されることになった。これは、スタジアムのキャパシティの10分の1を上限にして、入場に際しては、陰性の検査結果か、ワクチン接種済みであること、もしくは最近90日以内に感染したことを証明する書類の提示を義務付けるというものである。財政基盤が最もしっかりしているサッカーを使って、観客を入れて試合を開催するための実験という意味があるようだ。
当然、入場者は身分証明書の提示も求められることになろう。これが定着すれば、フーリガン対策の切り札といわれながら、悪質ファン集団の反発が大きく導入が進まないチケットの記名販売につなげられそうである。サッカー協会としても得るところはあるのである。現在でもスタジアムによっては、近くの建物のバルコニーとか、駐車場とか、中に入らなくても試合が見られる場所があって、そこにかなりの数の人が集まって観戦しているから、ちゃんと入場させて、十分に間隔を取って座らせたほうが感染症対策としてはましだという判断もあるのかもしれない。
スポーツ界では、サッカーも含めて、子供たちからスポーツする機会を奪うなだったか、子供たちにスポーツを返せだったか、とにかく子供たちのスポーツを再開を求めたキャンペーンをやっているのだから、観客を入れることよりも子供たちのスポーツの全面再開に力を入れてほしかったと思う。
とまれ、感染状況がいいのは、一時は最悪の状況にあって、オクレス閉鎖も実施されたカルロビ・バリ地方やフラデツ・クラーロベー地方、プラハなどボヘミアの地方が多く、これらの地方では博物館や美術館も屋外展示に関しては、営業の再開が許可されることになっている。さて、モラビアのオロモウツ地方の数字が改善されて、規制緩和が大きく進むのはいつになるのだろうか。最近の問題は、ワクチン接種の予約が可能になった場合に、申し込むべきかどうかである。
2021年4月30日24時。