新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2020年04月26日
自宅監禁日記(四月廿三日)
昨日チェコのコロナウイルス感染症の流行に収束の気配が見えてきたと書いたが、具体的な数字を挙げておこう。今日23日朝の発表の時点で、感染者総数は7136人、亡くなった方が210人で治療済みが2002人となっている。そこから算出された現時点で感染症を患っている人の数は4924人と、5000人を下回っている。別な言い方をすれば感染者のうち、すでに30パーセント近くは快癒したということになる。
新たな感染者の数も、例外もあるけど100人内外の日が10日ほど続いている。一時は連日300人ほどだったのと比べると大きな減少である。さらに検査数に対する陽性の割合も2パーセント内外におさまっている。これもしばらく前までは5パーセントが平均だったのである。この流行の退潮傾向が非常事態宣言のおかげなのか、以前から指摘されている時期的な問題なのかの評価はまだ早いだろうが、ようやく先が見えてきた感じである。
リトベルなどが封鎖されて、人口当たりの感染者数ではプラハに次ぐ、リトベルなどプラハを超える数値を出している地区もあるオロモウツ地方でも、順調に治療済みの人の数が増え、闘病中の人の数は減り続けている。すでに全感染者の三分の一以上の人が快復しており、病気の人の数は4月10前後の500人ちょっとを最高に少しずつ減り始め、今日23日午前中の時点で、約400人となっている。
チェコ全体よりも早く治療中の人の数が減り始めているのは、リトベルなどの地区封鎖に効果があったということだろうか。今週末からはオロモウツとリトベル、ウニチョフでも、感染検査を受けなかった人を中心にした住民の抗体検査が行われることになっているから、その結果が出ればもう少し言えることも増えるかな。オロモウツ地方では合計7000人の検査が行なわれる予定である。希望者が少ないようだったら、手を挙げてみようかと思っていたのだが、フタを開けてみたら希望者が多すぎて外国人の入る余地はなかった。
以上の数値は、ここ最近、記事の下のほうに毎日リンクを載せている厚生省とオロモウツ地方のコロナウイルス関係の情報を集約したページから抜き出したものである。日本もこんなページないのかな。探せばあるかもしれないけど、マスコミの報道に、検査数に対する陽性の割合がどのくらいなのかってのが全く見当たらないのを見るとないのかなあ。感染者の絶対数以上にこの割合は大切だと思うのだけどね。検査が少ないから感染者も少ないと言うなら、この割合の情報がなければ説得力は全くない。
夜のニュースでは、政府が規制の解除を2週間早めることを決めたようなことを言っていた。6月8日にほぼ全面的に許可される予定だったショッピングセンターなどの大規模店舗やホテルなどの宿泊施設の営業再開が5月25日前倒しされた。その一方で、非常事態の延長を求めることを決めたようだ。規制がほぼ解除される5月25日までは、非常事態を維持する意向のようだ。バビシュ首相がハマーチェク氏に譲歩した形となる。
ここで延長しなかったら、前回の延長の意味が不明になるから、政府としては延長するのがすじではあるのだろうけど、解除まで二ヵ月半か。経済を犠牲にしてまで感染を押さえ込もうとしたわりには長くかかったと思ってしまう。チェコは休業中の収入の補助や、家賃やローンの支払いの手数料なしでの延期を政府が主導して実施しているから、まだましだけど、予算の修正が繰り返されており、赤字額は当初の10倍を越えて、過去最高の額になりそうである。
このコロナウイルスの流行が、今年で終わるのであれば必要な流血だったといえるのだろうが、一部には来年、もしくは今年の冬にもまた流行するのではないかなんてことをいう人たちがいる。そうなったときに、今年と同じような対策をとったのでは、国家経済が破綻しかねない。企業も、政府の支援があってなお、今年の危機は乗り越えられても、二年連続耐えられるようなところは多くあるまい。
先走るのはやめよう。一番いいのはこのままコロナ騒動が終息し、日常の生活が戻ってきて、二度とこんな厳しい対策の必要な感染症の流行が起こらないことなのだから。本当に何が正しいのかは、正しかったのかは、すべてが終わって初めて明らかになるものである。
2020年4月23日24時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/