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2020年02月12日
サッカーリーグ再開近し(二月九日)
夏のオフシーズンよりも長いのが、チェコのサッカーリーグの冬休みだが、昨年からリーグの開催方式が変わった結果、半月ほど冬休みが短くなり、2月中旬の週末から春の部が再開される。シーズンの後半戦ということなのだが、冬休み中の選手の移籍で、前半戦とはまったく違うチームになることもままある。リーグ再開の前に、話題を呼んだ移籍をいくつか紹介しておく。
ほぼ優勝が確定したといってもいいスラビアからは、チームの中心選手が3人、移籍した。一人目は、今年は出場機会を減らしていたが、スラビアの低迷期の攻撃を支え、2年程前には中国移籍が決定的だとも報じられたシュコダ。トルコへ移籍した。今回はクラブも、功労者の移籍を邪魔することなく、できるだけいい条件で移籍できるように尽力していたようである。
その結果、移籍直後から、ゴールを決めるなどの活躍を見せている。これはトルコリーグがチェコリーグより下と言うわけではない。今のスラビアのとにかく運動量の多いサッカーにベテランのシュコダが合わなくなった結果、移籍が認められたのであって、チェコリーグでもスラビア以外のチームであれば、まだまだ十分以上に活躍できたはずである。だからこそ、国内ではなく国外に移籍先を探したということもできる。
同じく今のスラビアの戦術に合わなくなったフシュバウエルも、ドイツ2部のドレスデンに移籍した。こっちはレンタル移籍かな。スパルタとスラビアの両チームで中心選手として活躍し、両チームでリーグ優勝を経験している。一度、スパルタからイタリアに移籍したものの泣かず飛ばずで、スパルタに戻った後、スラビアに禁断の移籍をした選手である。スパルタを出されたときには、ファンからも不要な選手、もう終わった選手扱いをされていたのだが、見事に復活を遂げた。
この二人は、ベテランがキャリアの晩年に国外移籍というチェコではよくあるパターンの移籍だが、現在チェコ最高の現役サッカー選手だとみなされているトマーシュ・ソウチェクがついに国外移籍を決めた。行き先は最近鬼門のイングランド。チームはウエストハムだから、最近まで刑務所に入っていて労役としてパン屋でパンを焼いていたトマーシュ・ジェプカが活躍したチームである。チェコ人が活躍した前例があるのはちょっと期待できる。すでにリーグ戦にも出場したようだ。
ソウチェクは、スラビアではなかなかAチームに上がれず、レンタルで出された2部のジシコフで今のスラビア監督のト
スラビアOBのシュミツルは、ソウチェクの次に化けるスラビアの選手について聞かれて、昨年のヨーロッパリーグのチェルシー戦であわやハットトリックの大活躍をしたシェフチークの名前を挙げていた。シェフチークもリベレツからスラビアに移籍したのだが、もともとはオロモウツ育ちなので、スラビア育ちのソウチェクよりも応援しているのだけど、なかなか化けてくれない。
そのオロモウツから、スラビアが秋にリーグデビューを果たしたばかりのセンター・バック、ジマを獲得した。去年の夏にデリとヌガデウという二人のアフリカ人選手を失って以来、クーデラとか代わりのディフェンスの選手も頑張っていたけど、アフリカ選手二人の安定感はなかった。それで将来性豊かな若手選手を育てようということなのだろう。ジマにとっても、チェルシーに買い取られたものの、なかなか出番がもらえず、レンタルでたらい回しにされて普通の選手になってしまったカラスの二の舞を避けるという意味でもいい移籍になるのではないかと思う。心配はオロモウツのディフェンスである。
さて、監督のブルバをブルガリアに送り出したプルゼニュだが、ここ数年攻撃の中心だったクルメンチークをベルギーのブリュージュに移籍させた。確か去年も国外への移籍が確実視されていながら、具体的な移籍話が出る前に怪我で立ち消えになったと記憶する。監督交代もあったし、いいタイミングではあったのだろう。メンバーが固定されすぎている嫌いがあったし。国外への移籍を許可したのは功労者に対するご褒美の意味もあるようだ。
そのクルメンチークと得点王を争ってきたムラダー・ボレスラフのコムリチェンコも、母国のロシアのディナモ・モスクワに移籍した。スラビアやスパルタへの移籍もうわさされていたのだが、結局ロシアに戻ることになった。スラビア移籍に関しては、古典的な点取り屋のコムリチェンコは今のスラビアのプレースタイルには合わないだろうという評価も多かった。
最後にチェコ的な移籍のごたごたを挙げておこう。スパルタのマルティン・ハシェクがチームともめている。シーズン再開前のスペインキャンプへの出発を拒否し、国外移籍を求めてごねたようだ。この時点では具体的なオファーはなかったようだが、最終的にイスラエルのハイファからオファーがあって、チーム同士の移籍金の交渉はまとまったものの、何を考えたのかハシェク本人がイスラエルまで出向いておきながらこの話を蹴ったらしい。一説には給料が安すぎるのが気に食わなかったのだとか。チェコレベルでもそこまで特別に優秀な選手と言うわけでもないのに、思い上がりも甚だしい。スペインへの出発を拒否した時点でBチームに降格されたいたが、今後もAチームにあがってくることはあるまい。自業自得としか言いようはない。チェコ人だなあ。
他にもいろいろ出入りはあるのだろうけど、そんな細かいところまでは追いかけていられないので、今日はこの辺でおしまい。
2020年2月10日24時。
スラビアの監督の名前を間違えて覚えていたので修正。