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2019年12月26日
名詞について――薀蓄系〈いんちきチェコ語講座〉(十二月廿三日)
かなり間が空いてしまったのは、この手の記事をどのような体裁にするか決め切れていなかったのと、チェコ語の固有名詞のカタカナ表記をどうするか悩んでいたからである。クリスマス進行が近づきそんなことも考えている余裕がなくなったから、再度見切り発車である。
@「いんちきチェコ語講座(二) 名詞」
チェコ語について書いた二つ目の文章がこれ。日本人がチェコ語を勉強する際に最初に覚えなければ行けないことの一つが、名詞に三つの性があり、そのうち男性名詞にだけ活動体と不活動体の区別があるということである。当然、納得できないこと、女性名詞が男性の名字になったり、男性名詞が女性の地名になったりすることなども指摘してある。格変化についてはさわりだけで詳しいことは書いていない。
A「いんちきチェコ語講座(三) 名詞の格変化」
具体的な個々の名詞の格変化についてではなく、チェコ語の名詞の格変化について概説したもの。このころはまだ、チェコ語の詳しい説明をした文章を書くつもりはなかったと記憶する。一年以上続けられるとも思っていなかったし。
妙に具体的なことも書いてあるけど、それは「困ったときのU」という学習者への助言? を導き出すためである。格に関しては、数字を使った呼びかただけでなく、ラテン語起源の学術的な呼び方も覚えておいた方がいいと言うのは、チェコに勉強しに来る人向けのアドバイスである。
B「複数の迷宮」
チェコ語の名詞を複数で使うときに問題になることを簡単に説明したもの。単複の区別とは別に、二つの場合に特別な形を使う名詞とか、単複で性が変わる名詞、数詞と結びつけたときに5以上は単数扱いになるとか、チェコ語の複数にはややこしいことがたくさんあるのである。
C「チェコ人も知らないチェコ語」
チェコ語の名詞の中には、複数でしか使わないものがある。ここで取り上げたのはそれではなくて、複数で使うことが多い名詞で単数の形がわかりにくいもの、つまり男性名詞なのか女性名詞なのかわからないものである。代表格の「フラノルキ」はチェコ人でも単数一格の形に戻せないことが多い。例によって枕が長すぎてあれだけど。
D「チェコ語における外来語と外国の固有名詞」
チェコ語の名詞の中でも特に外国語に起源をもつもの、チェコ語の文章に表れる外国語の固有名詞に関して問題点を指摘したもの。どちらかというと発音のところに入れたほうがよかったかもしれない。フランス語の固有名詞の語尾の発音されない子音は、1格では発音されないが、2格以降で語尾がついた場合には発音されるというのは覚えておいたほうがいい。
E「チェコで書かれたチェコ語の教科書」
日本のチェコ語の教科書では、名詞の格変化を変化の種類ごとに、1格から7格までまとめて勉強するのに対して、チェコで書かれた教科書では、1格から7かくまで、それぞれの格ごとに、すべてのタイプの格変化をまとめて勉強する。つまり日本では格変化表を縦に勉強し、チェコでは横に勉強するのである。チェコ語の名詞の格変化を身につけるためには、どちらかではなく、どちらも使うのがいいというお話。
F「略語、略称2?」
チェコ語には、アルファベットを並べた略号だけでなく、略号を許に普通の名詞が作り上げられたものや、名詞に形容詞がついたものから、一単語の略称となる名詞が作り出されたりするという話。略称ともともとの形容詞+名詞の間に性の一致はあるのかなんてことも考察してみたけど、あるとは言い切れないという中途半端な結論になってしまった。
G「地名の迷宮――名詞の問題」
男性の人名が地名やお店の名前となっている場合に、どのように格変化させるべきなのかという問に答えた(つもりの)文章。このやり方は、格変化のさせ方のわからない外国の地名、特に日本の地名を文中で使う場合にも援用できるというお話。
H「飲み屋の名前――名詞の問題」
Gとつながる問題で、飲み屋の名前が「U」とか「V」などの前置詞で始まる場合に、文中で使うためにはどうするのかという話。この辺は好みもあるけれども、個人的にはGで紹介したやり方を使うことのほうが多い。
I「牛の話」
チェコ語で動物を表す名詞を使用する場合に、日本語なら迷わず「ハチ」とか「ワニ」と言って済ませられるのに、具体的な種類まで考えなければならないのが困るという話を枕にして、牛を指す名詞がたくさんあって、悪口としてつ変わられることが多いというのを経て、間投詞的に使われる「ボレ」という名詞の5格について語った文章。
J「お金に関する俗語」
知らなきゃ使えないどころか、聞いても理解できないある特定の金額を表す名詞を集めたもの。
K「名字の女性形」
男性の名字から、どのようにして女性の名字が作られるかについての説明。チェコ語では男性と女性の名字が全く形になるのは例外的である。
名詞の格変化についてはまた次回。
2019年12月23日24時。