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2019年01月30日
ハンドボール男子世界選手権2019閉幕2(正月廿八日)
二次グループの結果、準決勝はデンマーク−フランス、ドイツ−ノルウェーの対戦となった。会場は、ケルン(思わずチェコ語風にコリーンとか書きそうになってしまった)からドイツ国内を移動してハンブルクである。金曜日に行われたこの試合、どちらもチェコテレビで放送されることになっていたから、テレビの前にかじりつきたかったのだけど……。久しぶりのお酒の誘惑に負けて、飲みに行ってしまった。
デンマークとフランスの試合は、デンマークが勝つと予想したけど、フランスはしぶといチームだから終盤まで大接戦になるのではないかと期待していた。それだけに見られないのが残念だったのだけど、ふたを開けてみたらデンマークが前半からフランスを圧倒して、圧勝とか完勝という言葉が似合う試合だったようだ。フランスも世代交代期に入ったのかなあ。
ドイツ−ノルウェーの試合は、ノルウェーの勝ち抜けを予想。ドイツは悪いチームではないし、地元の観客の後押し(ちょっとだけ審判も)を受けているけれども、テレビで見る限りチームを支える大黒柱的な選手が欠けているような印象を受けた。手詰まりになったときに、一人で状況を変えてくれるような、昔のチェコ代表のイーハとか、デンマークのハンセンとか、そんな選手がいないので状況が悪化したときに、立て直すのに時間がかかることが多かった。
ノルウェーも、チームとしてはドイツに似ていると言えば、似ているけど、センターのサゴセンが大黒柱になりつつある。今大会はサイドのヨンダールも絶好調だったから、中途半端なドイツが勝てるとは思えなかったのだけど、予想通り負けた。さすがにこのレベルになると、審判も開催国よりの笛は吹けなかっただろうしね。多少のドイツよりの笛では勝てなかっただろう。
土曜日からは会場をデンマークのヘルニンクに移して順位決定戦である。決勝が首都のコペンハーゲンで行われないのは、チェコテレビのアナウンサーによれば、ヘルニンクではデンマーク代表が負けたことがないからだという。一次グループのコペンハーゲン会場をスウェーデンに譲ったのも、ヘルニンクなら負けないという「神話」があるからなのだろう。
チェコテレビでも、ウェブ上でも放送されなかった7位決定戦は、スペインとエジプトの対戦。ここは順当にスペインの勝ち。前半は健闘したエジプトはヨーロッパ以外では最上位ということになる。5位決定戦はスウェーデンとクロアチアの試合。スウェーデンやっぱり強いわ。言っても詮無きことながらノルウェー戦での落ち込みがなかったらと思ってしまう。ノルウェーも十分以上にいいチームで準優勝に値するチームではあったけどさ。
日曜日は2時半という早い時間帯から三位決定戦。スキー、バイアスロン、フィギュアスケートなどなど大会が目白押しで、テレビの放送プログラムに入りきらなかったためウェブ上での中継となった。ドイツとフランスは一次グループでも対戦しており、そのときは予想に反してフランスがぐだぐだで、ドイツにリードを許し最後の最後に同点に追いついて引き分けたのだった。この試合にベテランのカラバチッチが出ていなかった(と思う)から、今大会は欠場しているのだろうと思っていたら、三位決定戦には出場していた。
途中経過はおくとして、試合終盤はフランスが1点、2点リードしてドイツが追いかける展開が続いたのだけど、最後の最後にカラバチッチが大仕事をやってのけた。残り1分でドイツが同点に追いつき、残り15秒ぐらいでフランスの攻撃が失敗に終わってドイツがボールを獲得した。これでゴールが決まればドイツの勝ちだったのだけど、土壇場を任せられる選手のいない悲しさ、まだ時間はあったのに速攻から無理にポストに通そうとしたボールを奪われたのだ、残り5秒。そこからカウンターを食らって、最後はそれまであまりいいところのなかったカラバチッチに9メートルからのシュートを決められてお仕舞。審判が念のためにビデオでゴールの時間を確認したけど、残り1秒だったらしい。
カラバチッチは怪我で状態が上がらず、あまり活躍できなかったらしいが、頼りになる存在なのである。最後の瞬間まで出場させた監督の采配が素晴らしかったと言っていいのかな。ああいうこれですべてが決まるという瞬間に落ち着いてシュートを打てるのは、やはり経験に裏打ちされた実力というものであろうか。
決勝は、デンマークの圧勝ということでいいだろう。一次グループでの対戦よりも大差がついたし、最後はノルウェーボールだったのに、残り5秒ぐらいには、ノルウェーの選手たちが、デンマークの選手たちに祝福の握手を始めていたからなあ。細かい点数などの結果はこちらをご覧頂きたい。
次の大会は、どこで行なわれるか知らないが、サゴセンが経験を積んで大黒柱に育ちそうだから、優勝候補の筆頭はノルウェーかなあ。デンマークのハンセンはまだ現役だろうけど、スウェーデンのアンデルソン、フランスのカラバチッチというそれぞれ一時代を築いた選手たちは引退しているだろうし。ここにイーハの名前が挙げられないのが悲しすぎる。
見ることができた試合の中で一番面白かったのは、二次グループのスウェーデン−デンマークの試合かな。実力のあるチームが正面からぶつかり合って、デンマークが力でねじ伏せたという感じの試合だった。やっぱ、見て面白いのは北欧のハンドボールだわ。フランスも面白いけど。バルカンやアジアのハンドボールは……。その中でも日本は悪くはないのだけど、決定力がなあ。
それはともかく、一月にして今年のハンドボール界の最大のイベントが終わってしまった……。今年の12月の女子の世界選手権や、オリンピックで、朝鮮似非合同チームという愚行が繰り返されないことを改めて願っておく。
2019年1月28日23時18分。