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2018年07月23日

クラス分けテストLŠSS2018(七月廿一日)



 続くかどうかはわからないが、毎日サマースクールでの出来事を日記風(あくまで日記風であって日記そのものではない)に書いてみようと思いついた。授業で勉強したことの中で気になることを書き出しておけば、勉強のタシになるのではないかという色気もないわけではないけれども、最近早起きの早起きの弊害か、ねたはあるけれども、考えをまとめきれなくて書ききれないという事例が続いているので、書きやすいねたを探す必要があるのである。

 サマースクール開始前の週末は、参加者登録とクラス分けのテストが行なわれる。事務局からのメールで、できるだけ早い時間のテストを受けてくれということだったので、一番最初の土曜日の午前11からのテストに登録した。なんだかよくわからないネット上のシステムで登録することになっていて、登録が終わったらチケットみたいなものがメールで送られてきた。これを印刷して持ってこいというのか? この手のコンピューターでの管理ステムというのは、管理する側にとっては手間が減って便利なのかもしれないが、される側にとっては便利なのかどうなのか微妙である。
 事前に送られてきていた日程によると、参加者の登録も11時からになっている。登録が11時からでテストを11時に始められるとは思えないので、早めに出向くことにした。どうせ担当者着ているはずだから、時間になっていなくても手続きをしてくれるだろう。この辺の融通は、他の町は知らず、オロモウツではきかせてくれるのである。パラツキー大学も例外ではない。

 会場のコンビクトに11時半過ぎに到着すると、何日か前までは存在しなかった案内の紙が貼ってあり、事務局のある階までは問題なくあがれるようになっていた。そこから右か左かの表示が叶ったような気がする。早く行き過ぎて準備ができていなかったのかもしれないけどさ。事務局にはすでに人がいて、多分一番乗りで登録をすることになった。
 何枚もの紙に署名をすることになったのだが、その理由は最近EU主導で各国で施行された個人情報がどうたらこうたらいう法律だということだった。EUが決めた原則に対して各国で個々の事情に応じて多少(あくまで多少であって大きく変えることは許されていないはず)変えた法律を制定することになっているらしいが、ご存知の昨年の下院の総選挙以来の政局の混乱に次ぐ混乱で、EU法の施行にチェコ独自の法律の制定が間に合わず、チェコではEU法がそのまま適用される状態になっている。まあ、サインしたものがすべてこのEU法に関係するとも思えなかったけど、EUというのはこういうときの言い訳には最適なのである。

 登録が終わってプログラムなんかももらって、時間も11時に近くなっていたので、テストが行われるという一階上の教室に向かったのだけど、そこには誰もおらず何の表示もなく教室には鍵がかかっていた。後から上がってきた年配の女性と、「もう11時なんだけどねえ」、「まあチェコですから」なんて会話をしていたら、テストを担当するらしい若い女性がやってきて教室に入れてくれた。この時点で、参加者の数は3人。この時間に登録した参加者の数は16人だというから、なかなかの割合である。多分正直に11時に登録に来たのだろう。もうしばらく待って8人ぐらい集まったところでテストが始まった。
 テストはPC上で行なわれ、一番簡単な1から一番難しい10まで、制限時間10分で回答し、合格したら次のテストに進み、不合格だったらそれで終わって、別室で行なわれる口答のテストに向かうようになっていた。予定では120分の時間が設定されていたけれども、早ければ10分+口答テスト(面接といったほうがいいかも)でおしまいになる。PC上で答を書いて採点までするから、結果のデータもPCで集計して面接担当の先生のところに行くのかと思ったらそんなことはなかった。結果は担当の女性が、個々の参加者のところに出向いて手書きで名簿に書き入れていた。うーん。事前に参加者の使う席が決められていたのは何のためだったのだろう。こんなデジタルとアナログが渾然としているところが、オロモウツのサマースクールなのである、って他も同じかもしれないけど。

 さて、テストは簡単に言えば穴埋め問題で、しかも自分で書き込むのではなく四つの選択肢の中から正しいものを選ぶというものだったから、文法に厳しい日本の学校でチェコ語を勉強してきた人には簡単だっただろう。外大で専門的に勉強している人(一年生は除く)だったら全問正解していても不思議には思わない。もちろん初心者にはちんぷんかんぷんだろうけど、そんな人はテストは受けなくてもいいことになっている。
 一つのテストにつき問題は10個で、70パーセントというから、3つまでは間違えられる。最初は簡単な名詞の単数の格変化、動詞の現在活用なんかから始まって、10では、個人的にはプラハ方言が全国展開したものと認識しているオベツナー・チェシュティナ(普通は一般チェコ語とか訳すのかな)が登場していた。こんなの勉強したくないんだけど。ということで面接のときに、これ嫌いと言っておいた。

 気になったのはテスト3だったかな。フランスからチェコの知り合いに書いた手紙という設定の文章だったのだが、前半と後半で内容に、というよりは場所と時制に齟齬があったような気がする。最初はパリで手紙を書いているんだと思っていたら、いつの間にかニース行っていてそこから飛行機に乗ってプラハに帰るという話になっていた。さらっととしか読んでいないので勘違いという可能性もあるけど、過去形を入れようと思ったら、選択肢に現在変化しか出てこなくてあれっと思ったのは確かである。
 もう一つは、テスト9。2006年と2016年の株価総額の大きな企業の業種を比較して、10年前には影も形もなかったような企業が上位に入っているから、世界の変化というのは予測がつかないものなんだねえという内容の文章で、末尾に「皆さんも2016年の世界がどうなっているか予想してみませんか」的な文章があった。でもこれ文章の流れを考えたら、「2016」ではなくて「2026」ではないのか。2016年はすでに確定しているのだから予測もくそもない。上の問題も含めて面接で聞いてみようと思っていたら待ち時間の間に忘れてしまった。

 テストで間違えたかという問には、もちろん間違えたと答えておく。間違えなくてもかなり悩んだのもあるし、完全に楽勝だったというわけではない。この辺真面目に勉強している人には勝てないのである。間違いに関しては、オベツナー・チェシュティナで間違えたのは特に気にもならないのだけど、デシリットルの話し言葉的な「deci」の扱いを間違えたのはちょっと悔しい。「decilitr」は男性名詞だから、「deci」も男性だと思ったんだけどなあ。
 面接では特にテストのような質問はなく、どこでチェコ語を勉強したとか、誰に習ったとか、仕事の話も含めて、なんか昔飲み屋で見知らぬチェコ人相手に散々繰り返したような話になった。違うのはちょっとだけチェコ語の師匠の話ができたことだろうか。師匠はパラツキー大学を離れて久しい蹴れども、師匠を知っている人と話せるのは嬉しい。これでクラス分けのテストはすべておしまい。日曜日には開会セレモニーみたいなものがあるのだけど、どうしよう。正直面倒くさいのでサボってしまおうかと考えている。
2018年7月22日14時15分。








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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



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