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2017年05月24日

日本で見たいチェコドラマ(五月廿一日)


Aさんに

 二つ目のコメントをもらってしまった。ありがたいことである。コメントの返事代わりに、新しい記事のねたにさせていただく。正直、「ラビリント」、いやAXNミステリーでご覧になったようだから「ラビリンス」の記事に反応があるなんて思ってもいなかった。日本での放送は終わったみたいなので、記事を読んで、見たいと思われた方には、お詫び申し上げる。
 気になるのは、日本で放送されたときにどのぐらいの人が見たのかである。AXNの関係者が、たまたまこのブログを見て、情報を提供してくれるなんて偶然はないだろうし、問い合わせたら答えてくれるのだろうか。視聴者数が多ければ、再放送もされるだろうけど、よく考えたら、そこまでして知りたい情報でもなかったや。

 ただ、せっかくチェコのドラマが放送されたのだから、単発で終わらずに、「ラビリント2」は、いまいちだというので、同じストラフ監督の「悪魔の罠(デャーブロバ・レスト)」と「失われた門(ストラツェナー・ブラーナ)」も放送してもらえないものだろうか。「ラビリント」より、こっちの方が面白いと思うんだけどなあ。

 もしくは伝奇色が強い同じアルノシュト・バシーチェクが原作を書いた「ストラーシュツェ・ドゥシー」でもいい。こっちは、UFOとか宇宙人とかが出てくる話だっただろうか。ラングマイェルと並ぶ80年代後半のアイドル、バツリークが、こっちも渋くなりきれないおっさんを演じている。バツリークのパートナーを演じるズザナ・ノリソバーは、スロバキア人だけど、このドラマでは、チェコ語で話していたような記憶がある。ノリソバーは、邦題詐欺ミュージカル映画の「プラハ!」で主役の女の子の一人を演じているから見ればわかる人もいるかもしれない。

 いや、警察ドラマ、推理ドラマということで、ここはやはり「チェトニツケー・フモレスキ」の日本進出を目指すべきだろうか。大戦間期のヨーロッパが舞台になっているのは、日本人にとっても魅力的だろうし、比較的時代考証もしっかりしているので、当時のチェコスロバキア国内の情勢も、楽しみながら認識することができる。っていうとあんまり娯楽作品にならないか。

 同じモスカリク監督の「犯罪捜査における冒険」も捨てがたい。一話完結方式で、犯罪捜査に画期をもたらした技術が導入された経緯を描くドラマである。全部で26作、舞台となる国も、時代も(近代以降ではあるが)、登場人物もみな違っている。だから、全部まとめて放送する必要もない。
 もちろん出演者はチェコ人でチェコ語で話しているのだけどね。毎回見ないと話がわからなくなるということもないので、再放送のたびに、時間があって面白そうな内容の回だけ見ている。最近見た戦後すぐのオランダで発覚したフェルメールの贋作事件を描いた回は、面白かったなあ。

 ところで、よく考えたら、日本語でチェコの映画やドラマを見たことがないのだった。日本のテレビで見たのは、せいぜい「モグラと自動車」ぐらいのもので、これは子供向けのほとんど無声アニメだったから、日本語もチェコ語も関係なかったし。東京のチェコ大使館では、日本在住のチェコ人、チェコ語を勉強している日本人向けに、チェコ映画の上映会を行なっていたけれども、基本的に英語の字幕つきだったはずだ。だから、チェコ語で聞いても、英語を読んでもほとんど理解できないという状態で、苦しみの度合いは一年目のサマースクールと同様だった。
 当時ビェラ・ヒティロバーの「パスティ・パスティ・パスティチキ」を見たのは覚えているけれども、衝撃的な映像以外、ストーリーなどはまったくといいほど覚えていない。また見たいとは思えなかったのでチェコに来てからも見ていない。それにしても、「セドミクラースキ」などで、チェコ映画の「新しい波」の代表的な監督の一人だと目されていたヒティロバーが、あんなとんでもない女性だったとは、予想もしていなかった。というのは、チェコに来て、トーク番組や政治的な対談番組に登場したのを見ての感想である。

 特に映画ファンというわけでもなかったので、「つながれたひばり」や「厳重に監視された列車」なんかの存在は知っていたが、何としてでも見ようなんて気にはなれなかったし、見ようと思えば見られたはずの「コリャ」は、「コーリャ、愛のプラハ」という邦題のこっぱずかしさに見たいとは全く思えなかった。
 チェコに来てからは、チェコ語の勉強もかねてという言い訳で、テレビで映画やドラマをあれこれ見るようになった。アメリカの映画やドラマも、日本ではほとんど見ていないからチェコ語で見たものの方が多い。さすがに日本の番組は、と言いかけて、テレビドラマはともかく、映画はチェコ語吹き替えで、もしくはチェコ語の字幕つきで見たものの方が多いかもしれないことに気づいた。日本ではテレビなんか見ない人間だったのに、どうしてこうなってしまったのだろう。

 当初の予定では、コメントを残してくださったアッキーさんの住まれているというターボルについて書くつもりだったのだけど、枕が長くなって一回分になってしまった。ということでターボルについては、またの機会に。

5月23日10時。



 おっ、メンツル(メンツェルではない)の映画が日本でも買えるみたいじゃないか。字幕作るの大変だったろうなあ。ついでなので「セドミクラースキ」も。こっちは言葉なんて不要だったかな。5月23日追記。

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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



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