アフィリエイト広告を利用しています
<< 2017年01月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2017年01月14日

クリスマスツリーの行方(正月十一日)



 チェコの各地の町では、中心となる場所に近くの森から切り出してきた針葉樹を立て、電飾をつけてクリスマスツリーにする。市庁舎の前に針葉樹の大木が植えられていて、それにそのまま飾りをつけてクリスマスツリーにする場合もあるからすべての町でというわけではないが、毎年クリスマスのたびに、大量の針葉樹の大木がクリスマスツリーのために消費されることになる。
 また一般の家庭でも、鉄やプラスチックで作られた人工のクリスマスツリーを使っている家もあるが、クリスマスマーケットなどで販売されている小さな針葉樹を購入し、それを台座にセットしてクリスマスツリーにするところが多い。こちらは森林から切り出してくるのではなく、クリスマスツリー用に、特別の畑?で育てたものらしい。

 問題は役割を終えたクリスマスツリーをどうするかである。飾りは取り外して翌年また使用するにしても、切られて根から離れた木を再利用することはできない。家庭の場合には普通のごみとして捨てようにも、ゴミ回収用のゴミ箱の中に入りきらないし、他のゴミと同じように燃やしてしまうのは、もったいないというか、罪悪感を感じるというか、とにかくこれではいけないと考えた人がいたのだろう。
 びっくりするような再利用法を考え出された。初めて聞いたときには耳を疑ったのだが、家庭で役割を終えたクリスマスツリーを、動物園に提供するというのだ。かつては、ゴミの収集場所の大きなゴミ箱の脇に何本もの飾りの外されたクリスマスツリーの成れの果てが積まれていて、それだけを回収するゴミ回収車がこの時期だけは走っていたのではなかったか。
 回収されたクリスマスツリーは、象などの巨大な草食動物の餌として使われていた。熱帯の広葉樹の葉っぱを食べているはずの象やキリンが、針葉樹の松の細くとがった葉っぱを食べるというのがまったくイメージできなかったのだが、ニュースで象が嬉しそうに食べているのを見せられて納得するしかなかった。冬場に青々とした餌が食べられるだけでも嬉しいのだろうか。

 その後、この手の廃クリスマスツリーに飾りをぶら下げるために使った針金が残っていたり、花火の火薬がついていたりするのが問題だというニュースも見たので、現在でも以前のような回収と動物園への提供が行なわれているのかどうかはわからない。ちなみに、チェコでは花火は、人が手に持って火をつけるような花火も冬のもので、特にクリスマスの時期に家の中ですることがある。以前クリスマスツリーの飾りに花火をぶら下げて、それに火をつけているのを見かけて、目を疑ったことがある。
 田舎に行くと、広い庭で野菜を育てている人が多いので、クリスマスツリーも最近流行の有機肥料を作るためのコンポストに切り刻んで放り込むという人が増えているだろうし、最近、ゴミの回収に当たっては、木の枝や草などのコンポストに使えるものを分別して回収しコンポスト化することを自治体に義務付ける法律が施行されたらしいので、それならゴミに出しても、無駄だという印象は小さくなるだろう。

 一方で、クリスマスマーケットに立てられたクリスマスツリーのほうは、今でも動物園に提供されているようで、プラハの旧市街広場のクリスマスツリーが、プラハのトロヤにある動物園に提供され、子象がもらった針葉樹の枝を食べるのではなく、枝で遊んでいるシーンが放送された。さすがに幹や太い枝は餌にはできないので、粉砕して小さなかけらにして別な用途に使用するらしいが、動物達にとってはこの時期の特別な食事となっているようだ。もちろん、家庭から出されたものよりは信用できるとは言っても、動物達に与える前に切り分けながら針金などの動物を傷つけかねないものがついていないかどうか入念なチェックをしているらしい。

 悩ましいのが、この事実をどのように評価するかということだ。針葉樹の大木を高々何週間かのクリスマスマーケットの飾りとして使用して、そのまま捨ててしまうのはもったいないから再利用しようというのにはまったく異論はないのだけど、それを手間隙かけてまで動物の餌にするというのはどうなのだろうか。象やキリンと針葉樹という組み合わせになじめないせいか、他にもっといい再利用の方法はないのかと考えてしまう。
 さらに言えば、一部の自治体のように木を植えてしまったほうがいいような気がする。すでに成長したものを移植というのは難しいだろうから、苗木を植えて、それが成長したらクリスマスツリーとして使用するという長期的な計画はどうだろうか。家庭にしても鉢植えじゃ駄目なのかなと感じてしまうのは、クリスマスツリーなんぞのために、木の命を奪うのはおかしいと考えてしまう日本人的な思考なのだろうか。
 そう考えると、不思議に思われた、シュマバの森の害虫にやられてしまった木々を被害が広がらないように伐採することに対して、強硬に反対している環境保護論者たちが、クリスマスツリーのための木の伐採に対しては特に声を上げていないのも、あいつら日本人的な思考じゃないからと考えておけばいいのか。まあチェコ人だしね。
1月11日23時。



posted by olomoučan at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。