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2018年08月07日

十日目、あるいはプシェクバペニー〈LŠSS2018〉(八月三日)



 うちの先生はしばしば今日はプシェクバペニー(překvapení)があるんだということを言う。この日は三つあると言っていたかな。プシェクバペニーというのは動詞「překvapit(驚かす)」から作られた名詞で、日本語に訳すと「驚き」とすることが多いけど、日本語の驚きよりも使用の幅が広く、本当に驚愕するような出来事から、ちょっと意外な予想外な出来事まで表現することができる。一週目の金曜日のプシェクバペニーは、教科書を捨て教室を出て、教会に出向くことで意外ではあったけれども、驚愕というほどではなかった。

 十日目のプシェクバペニーの一つ目は、二週間でサマースクールを終える人に二週間コースの修了証明書とプレゼントが渡されたことだった。そのうちの一人のカロリーナが来ていなかったのはこれまで無欠席だっただけにちょっとした驚きだったが、リュバがもらった修了証明書がカロリーナのものだったのの方が大きな驚きだった。十数年前のサマースクールの運営であれば意外でもなんでもないんだけど。

 二つ目のプシェクバペニーは、テストだった。先生はプシェパドフカ(přepadovka)なんて、銀行強盗なんかにも使うような言葉を使っていたが、ようは抜き打ちのテストである。抜き打ちとは言っていたけど、最初の授業で二週間目の終わりに、最後のテストがどんなものか体験してもらうために模擬試験のようなものをやると言われていたのだ。木曜日もリュバが、最後の試験を受けられないからできればテストのようなものを受けて帰りたいと主張していたし、抜き打ちでもなんでもなかった。
 テストは文法問題と読解問題でそんなに難しくなかったのだけど、本試験ではこれに聴解とエッセイが加わるらしい。 内容にはちょっとプシェクバペニーがあった。日本語でいう感動詞的な表現が出ていて、ちょうど休んでしまったところだったので、答えが思いつかないところがあった。そうだよね。美味しいものを食べたときには「mňam」っていうよね。「ty vole」なんて言わないかなあ。言う人もいると思うんだけど、正解にはなるまい。

 三つ目のプシェクバペニーは我々学生が先生に内緒で準備した。前日先生不在の間にドイツのアナとインガの発案で、学生たちがそれぞれ自分の国の音楽ファイル、歌であればビデオでも可を持ち寄って、チェコ語で言う「フラシュカ(USBメモリー)」に入れて、感謝の印として先生に贈ろうということになったのである。授業中毎日のようにチェコの民俗的な音楽とフォーク・ロックが融合したような曲、もしくはシンガーソングライターの曲を披露してくれていたから、そっち系がお気に入りなのだろう。ということで70年代の日本のフォークとロックの中から二つ、自分が昔90年代によく聞いていた歌を選んでおいた。他の人たちが選んだ曲を聴く機会がなかったのはちょっと残念だったが、さすがに授業つぶしてチェコ語ではない歌を聴くわけにもいかないからなあ。
 アナたちの仕組んだプシェクバペニーは大成功で、先生がUSBメモリーをなくしたばかりで新しいのをどうしようか悩んでいたというおまけもついた。もう一つ残念といえば、欠席者が三人もいたことだろうか。ドイツから来たもう一人の男フェルディナントは金曜日から週末にかけてプラハに行くって言ってたなあ。ポーランドの二人は前夜行なわれた「会合」の結果、学校に出られる状態ではないのではないかと、出席した唯一のポーランド人アリツィアが推測していた。先生はそれに対して、「チェコ語における生格と対格の使用について検討する会合だったんだよね」と返していた。

 最後の先生が仕組んだプシェクバペニーは、これまでで最高のプシェクバペニーだった。教室を離れて街に出たところまでは先週の金曜日と同じ。ただ歩いて数分かかると言って、聖ミハル教会のあるジェロティン広場を越え、坂を降りてドルニー広場に出る。そこからテレジア門の方に小さな通りに入ったのだが、どこに向かっているのか予想もつかなかった。この暑さだからどこか地下の涼しいところを目指しているのだろうとは考えたけれども、目的地はヴィノテーカというワインを販売しているお店。普通の酒屋とは違って樽に貯蔵されたものを量り売りもしてくれる。というか、チェコには日本的ないろいろな種類のお酒だけを売っている酒屋はないなあ。
 ハナーツカー・レストランの角を入った通りにこの店があるのは知っていたけれども、地下にワインの貯蔵庫があって、その前でワインが飲めるようになっているのは知らなかった。先生もオロモウツの人間でも知らない人も多いんだよと言っていたけれども、もっとオロモウツの店について情報を集めるべきだろうか。とまれ先生との最後の授業はワイン蔵でということになった。これには、みんな驚いていたので、先生のプシェクバペニーも大成功だったということになる。

 ワイン蔵にいるのだから、当然モラビアのワインについても勉強して、モラビアのワインが登場し、「dá se」「nedá se」「pro Pražáky」の三種類に分類されるとか、ワインの味わい方とかを「勉強」したあと、最後のプシェクバペニーとして、先生が子供の頃に遊んでいたというゲームが登場した。手元にある大きなカードに描かれたえと、小さなカードの山から一枚引いて同じ絵があったらもらえて、自分のカードにある江をすべて集めたら勝ちというゲームなのだが、そのままではチェコ語の勉強にはならない。カードを引いた人は、それが何なのか言葉を使って説明し他の人が当てるという形になった。カードは当てた人がもらうのではなく、大きなカードに同じ絵がある人がもらう。
 最初は快調だったんだよ。残り4枚とか3枚辺りまではダントツで一番だったのだけど、そこからカードが出なくなってどんどん追い抜かれて結局最下位に終わってしまった。最後の一枚になってからが長かった。アイロンが出なかったんだよなあ。一位になったのは、最初は出遅れていたポーランドのアリツィア、この子、最初は自分のカードにあるのを三回ぐらい連続で引いて皆に、何か怪しいぞとからかわれていた。

 この日の話は、時間が前後するけどもう少し続く。
2018年8月5日7時10分。










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