2018年03月25日
パスポート更新(三月廿二日)
6月末までだと思っていたパスポートの有効期限が、5月中旬に切れることがわかってあわててプラハに向かうことにした。ぎりぎりになって申請しようとして書類が足りないだの、写真がいまいちだの言われたら間に合わなくなる恐れもある。
在チェコ日本国大使館のホームページで確認したところ、有効期限が一年以内になったら新しいパスポートの申請ができるようだ。6か月前からだと思っていたのだけど、こんなことなら12月の初めに珍しく平日にプラハに行ったときに申請しておけばよかった。あのときは大使館のほうまでいったのだ。
大使館のページによれば、外国在住者だけが使えるオンラインの申請用紙があるようなので、大使館で手書きで書くよりは印刷して持っていったほうが見た目がいいから、使ってみることにする。困ったのは自宅の電話番号が必須項目になっていたことで、携帯だけで固定電話は引いていないからどうしようと考えて、携帯の番号を記入した。その下に連絡先として携帯の番号を書くところがあったけれども必須項目ではなかったから、こちらを空白にした。
戸籍上の住所の番地表示にもちょっと悩んだ。普段は数字だけで、1−1−1とか書いているのだけど、戸籍上では1番地とかになっているかもしれない。いや、なっているはずである。この手の表示は全国で統一されているというわけではないから、他の人の戸籍の番地表示は参考にできない。ということで、昔日本から送ってもらって結局使用しなかった戸籍抄本を探すために家捜しすることになってしまった。
埃まみれになっているのを発見したのはいいのだが、明らかに現在発行されているものとは違う縦書きの奴が出てきた。一度新しい横書きのものを送ってもらった記憶があるから、いつのものだろうと確認したら14年前のものだった。肝心の番地表示は「番地」が使われているのは確認できたが、数字が漢数字、しかも「一、二、三」ではなく、「壱、弐、参」の類が使われている。さすがに今の横書きのでこれはないだろうと考えて、書類には算用数字で記入しておいた。
住所に関してもう一つ気になったのは、うちの田舎は田舎なので住所表示に未だに昔ながらの「大字」を使っている。いや、14年前までは確かに使っていた。新しい戸籍でこれがなくなっている可能性もあると考えて、実家のある自治体のホームページで役所の住所を確認したら、未だに「大字」が使われていた。ほっと一安心である。
例の平成の大合併で多くの市町村が合併したときに、うちの田舎の町も周囲の町との合併を画策していたらしいから、それが成功していれば住所表示の変更も行われたのかもしれないが、周囲の町と条件で合意できずに失敗に終わったらしい。合弁がうまくいっていた場合には本籍地の住所が変わったということで大使館に届ける必要があった可能性もあるのか、失敗していてよかった。
必要事項の記入が終わって出来上がったPDFファイルを印刷するのだけど、カラー印刷が推奨されていた。しかたがないので職場のカラープリンターを拝借して印刷した。特にカラーでなければならないところがあるような書類ではなかったのだけど……。
次は写真である。チェコでは写真の鮮度(へんな言い方だけど)にはあまりうるさくないので、多少白髪が増えたぐらいであまり見た目の変わらない人間は、何年も前の写真を使いまわすことができるし、今までは使いまわしてきていた。今回もそうしようと思っていたのだけど、使いまわしていた写真が、今使用しているパスポートの写真と同じものであることに気付いた。さすがにこれでは、6ヶ月以内ではないということが明らかである。
すぐに証明写真を出してくれるお店を探して、撮影してもらう。三回撮影をして、一回目のは眼鏡に光が反射しているから使えないけど、二回目と三回目は使えるからどちらがいいかと選ばされてしまった。手前の顔写真のよしあしなんざ、わかりゃしないのだけど、というかどっちも武作田という点では大差ないわけで、三回目のが笑っているようにも見えたから、使えないといわれるの恐れて真面目な顔をしているよう見えた二回目を選んで印刷してもらった。
これで必要なものは全部そろったということで、次の日早朝からプラハに向かった。申請書の署名欄に署名をしていなかったので、慌てて大使館についてから署名したのだけど、そのときチェコの習慣に倣って青のボールペンを使ったら、後で受付の人に黒で署名しなおすように言われてしまった。チェコではコピーでなくオリジナルであることがわかりやすいように、青を使うように言われるので、日本もてっきりそうだと思い込んでいたら、日本は何でも黒で書く国だった。
危惧していた書類や写真の不備もなく、午前中で手続きが終わってしまった。これもすっかり忘れていたのだけど、パスポートの値段は10年物で3500コルナほど。受け取りのときでいいとはいえ、最初に料金表を見たときにはぎょっとしてしまった。財布にそれだけの金額を入れていなかったし、ATMを探すのも面倒くさかった。
それはともかく、またまた近いうちにプラハに行かなければならないのである。面倒だなあ。とはいえチェコに帰化するよりは手間はかからないはずだから10年に一回ぐらいだったらいいと思うことにする。
2018年3月22日24時。
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