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2018年01月03日

ボホウシュ、もしくは大晦日のチェコテレビ(十二月卅一日)



 早いもので今日で2017年も終わりである。去年がどうだったかは覚えていないが、今年はちゃんと大晦日の夜に、お調子ものどもが無駄金をはたいて購入した必要以上に強烈な花火を打ち上げて騒音公害を撒き散らしているのにいらだちながら書いている。チェコでも近年は規制が厳しくなったようだが、禁止されている火薬量の多い中国製の花火も出回っているようで、毎年酔っ払って打ち上げに失敗した挙句に救急車で運ばれるという悲劇が起こっている。
 チェコでは禁止されていないものでも、隣接するドイツでは禁止されている、正確にはドイツの法律を満たさないような花火もあるようで、毎年年末になると、チェコからの密輸が頻発するため警察が国境に検問を設置することが多いらしい。ドイツ人も日本で思われているほど規律を守るわけでもないのである。それから、チェコで許可されているものがドイツで禁止されているのは、花火の火薬を、自家製の爆弾を作るために利用されれないようにだという話もある。
 規定を設けて、ヨーロッパ中のブロイラーの鶏のケージの最低限の広さを統一する暇があったら、花火の販売に関するヨーロッパ統一の基準を設けてた方がはるかにましだと思うのだけどねえ。EUとはいえ、政治家や官僚のやることはどこかピントがあっていないのである。

 思い返してみれば、去年は年末に体調を崩して、元日から始めたプロジェクトを一年完走することができなかったのだ。だから二年目も毎日書くことにしたわけだし。あれ、ということは大晦日の記事は書いていないということになるのか。それに、今年の初めも何日か休んだから、今日の記事を書いて一年連続ということにはならないのか。
 一年連続で書き通せたからといってそこでおしまいにする気はないけれども、休みを入れるかなあ。毎日書くのが習慣になったところはあるからこのまま惰性で行けるところまで行くかなあ。その辺は実現してから考えよう。始めたときには自分の飽きっぽさを考えたらこんなに続けられるとは思えなかったから、それなりの感慨はある。

 それはともかく、大晦日のテレビの話である。クリスマス前から続く童話映画の洪水に、毎年何度同じ映画を放送すれば気が済むんだろうと思ってしまう。これはうちのの実家に帰るとケーブルテレビでスロバキアのテレビ局も、国営放送だけでなく民放も入るために、クリスマスの時期だけで同じ童話映画を、特に名作と言われるものは最低でも二回目にすることになるのも影響しているのだろうけどさ。
 それでも、クリスマスの時期は、家族みんなで楽しめる童話映画を放送するのだと思えば理解できなくもない。毎年、ハズレも多いけれども新しい童話映画も制作されてクリスマスの24、25、26日の夜にチェコテレビで放送されているわけだし、それがチェコの伝統なのである。ただ、この期間は何日も続くし、テレビ局も複数あるので、新しいものだけというわけにも行かず、毎年同じものが繰り返し放送されることになる。それを視聴者が求めているのも確かなのだろう。

 ところで、毎年大晦日に決まって放送される番組の中に、どうして大晦日に、しかも毎年放送するのだろうと不思議に思わざるを得ないものが一つだけある。それが表題の「ボホウシュ」という番組なのである。一回だけなら見てもいい。最初に見たときには、なかなか面白いと思ったかもしれない。共産党支配下のチェコで、何でこんな番組が作れたんだろうと不思議に思ったのも確かである。
 しかし、毎年放送され、何度も見ていると、見なければいいだけなのだが、うんざりしてしまう。ここ数年は見ていないのだけど、番組表で目にするたびに、どうしてという疑問が沸き起こってしまう。

 このボホウシュというのは、犬の名前である。番組は一言で言えば、ブラディミール・メンシーク演じるおっさんと、犬のボホウシュの大食い競争である。最初の部分でどうして大食い競争をすることになったのか事情が語られるはずだけれども、覚えていない。ボホウシュに勝てたら宿代をただにするとかいう話だったかな。
 その部分を除けば、メンシークとボホウシュがひたすら食べ続ける番組だった。実際に食べているかどうかはともかくとして、次々に出てくる料理を片っ端から食べていくのだけれども、メンシークが次第に苦しそうになるのに対して、ボホウシュはいつまでもぺろりと食べつくして平然としている。結末は覚えていないけど、ボホウシュが勝つのかな。
 25分ほどの短い番組とはいえ、こんなのよくと思ったら、撮影されたのが1968年だった。これも「プラハの春」の自由化の成果だったのだろうか。興味のある方はこちらから。
http://www.ceskatelevize.cz/porady/137219-bohous/26853130163/
短いし、話の種に一回だけなら見てもいいかも。

 大晦日の番組といえば、ビロード革命前のものも含めて、大晦日の夜に放送された特別番組をしばしば再放送するのはどうなんだろう。日本で紅白歌合戦の再放送をするようなものだと思うのだけど、やってるのかね。

 十二時過ぎて花火がうるさくなってきた。除夜の鐘ならまだしも、こんな無秩序な冬の花火に情緒なんて感じられない。やはり花火は日本の夏に見るべきものであるのだなあ。とはいえ日本の暑すぎる夏が恋しいなんてことはないのだけど。
2017年12月31日24時。





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