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2017年11月01日

「大通りの店」――チェコ映画を見るなら(十月廿九日)



 またhudbahudbaさんからの情報で、「大通りの店は、前売り券持ってても入れないケースが予想されるので絶対見たい人は早く来い」というメッセージが出たという。席数以上に前売り券を売ったということかという疑問はさておき、あの九本のラインナップの中で、一番人気があるとすれば、メンツル監督、ネツカーシュ主演の「つながれたヒバリ」だろうと思っていただけに、ちょっと意外である。

 アカデミー賞かなんかを取ったんだったっけ? でもあれも、ノーベル平和賞とかユネスコの世界さんとかと同じで、結構政治的な判断が入るから、必ずしも作品の優劣を示しているわけではないと思うのだけど、よく考えたら自分にも作品の優劣なんて論じる力はないのだった。見て気に入ったとか気に入らなかったとかなら言えるけどさ。それにしても、この映画について、チェコ語を勉強していた頃に誰も話していなかったのはなぜだろう。日本で勉強していた頃に聞いていた可能性はあるけれども、日本語だとこの特徴のない題名では覚えられなかったに違いないし、チェコ語だと普段使わない言葉が出てくるから、こちらも覚えられなかったはずだ。
 チェコに来てからは、サマースクールで夜に行われていた映画の上映会でも取り上げられなかったし、師匠との授業の間に話題になったこともない。チェコ人ってビロード革命前に外国の映画賞を取ったというのは結構誇りに感じていて、その手の映画は、何年のどこの映画祭で賞を取ったとかいう説明付きで見せられたのだけど、この映画については言及さえされた記憶はない。スロバキアで作られた作品だからだろうか。

 では、自分がこれまで見てこなかった理由を考えると、一番は題名の魅力のなさかなあ。「大通りの店」という日本語題はもちろん、チェコ語の「Obchod na korze」もあまり魅力的に響かない。いや、「Obchod」はいいにしても、「na korze」と言われても何を思い浮かべればいいのかわからないのである。邦題から大通りなのだろうとは思っても、どんな大通りなのかイメージがわかないと、映画の内容をイメージすることができない。
 むしろ日本語の「大通りの店」に引きずられて、いわゆる正常化の時代の1977年に制作されたテレビドラマ「カウンターの向こうの女性」(Žena za pultem)と同じような内容なんじゃないかとイメージしてしまう。このドラマは、かつてのチェコに多かった自分で商品を取って買うのではなく、カウンターの内側にいる店員に、あれがほしいとか、あれを見せてほしいとかいうと、背後の棚や奥の倉庫から取り出してきてくれるタイプのお店で働いている女性を主人公にしたもので、「ゼマン少佐の30の事件」と並んで共産党政権のプロパガンダ臭の強い作品だといわれている。

 「ゼマン少佐」と同様に現在でもたまに再放送されているようだが、このドラマ見るぐらいだったら「ゼマン少佐」を見る。「ゼマン少佐」は、少なくとも犯罪ドラマとしては、その犯罪が共産主義に対する犯罪である場合もあるけれども、なかなか出来がいいらしいし、カウンターの向こう側にいる店員は、愛想がなくて接客態度が悪くて買い物のあとは感謝よりも腹立ちを感じるのが普通だったというし。
 つまり、「大通りの店」というタイトルに、そんな愛想のない店員がやる気のない様子で仕事をしているお店を想像してしまって、そんな店を舞台にした映画を見たいとは思えないのである。邦題がいけないと言えばその通りなのだけど、そもそもこの邦題、どのぐらいチェコ語の題名にあっているのだろうか。

 場所を表す「na」がついているということは、「korze」は6格である。女性名詞かなと考えて、一格は「korha」だろうかと思いついた。プラハの6格は子音交代起こして「Praze」になるわけだし。でも辞書で引いても出てこない。仕方がないのでうちのに質問してみたら、中性名詞の「korzo」だろうという。こちらもチェコ語−日本語の辞書には出ていないのだけど、ルハチョビツェなどの温泉地の中心部にある散歩のための広い道で、両側にお店が立ち並んでいるところをさすのだという。地面は舗装されておらず、自動車の侵入が禁止されているところが多い。
 念のためにチェコ人向けのチェコ語の辞典を引いてみたら、「promenáda」という説明が出てきた。ということは日本だとカタカナで、プロムナードとかいうものかな。「大通り」というと、プラハやオロモウツなどの街の幅広い自動車の通行量も多い道を指しているような気がしてしまう。チェコ語だとその手の道のことは、「třída」とか、つづりは覚えていないのだけど「ブルバール」とか呼んでいたはずである。
 一度ついてしまったイメージはなかなか拭えないので今更見る気になれるとは思えないけど、「プロムナードのお店」という題名だったら、少しは心惹かれたかもしれない。邦題をつけるってのも難しいんだよね。予定ではチェコ語を勉強していた頃に見た映画の話にまでいくはずだったのだけど、見たことのない映画について、あれこれ思いつきで書いているうちにこうなってしまった。うーん。

2017年10月30日24時。




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