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2017年09月06日

くたばれドイツ礼賛(九月三日)



 九月一日の金曜日にプラハで行われたサッカーのチェコ代表とドイツ代表の試合で、ドイツ人どもがあれこれやらかしてくれた。日本ではドイツを無批判に称賛する傾向があるけれども、ここ数年のメルケル首相の言動も含めて、そろそろ目を覚ましてまっとうに評価するようにした方がいい。今年の選挙でもまたメルケル首相ということになりそうで、EU内の弱小国チェコに住む身としては、正直な話、うんざりである。これで、イギリスのEU離脱とフランスの新大統領の誕生によって生じたEUがまともな道に立ち戻るという希望は、ほぼ消えたと言っていい。
 最大の問題は、メルケル首相もその支持者も、自らの正義に陶酔するあまり、周辺に対する配慮が欠けていることである。それが、特に旧共産圏諸国に広がりつつある反EU、反ドイツ意識の原因である。権力者が自己の正義に陶酔してそれに国民を巻き込んでいくというのは、一国の権力を掌握するという点では、きわめて有効な手法である。権力者自身は覚めていて、民衆を陶酔させるという手もあるか。
 その国民を正義に酔わせる政治手法の芸術的なまでの例がヒトラーのナチス・ドイツであることを考えると、 主義主張がどうあれ、どこぞの国の権力者が国民を自らの正義に陶酔させるのは、他国にとっては多大なる迷惑でしかない。第二次世界大戦時の日本も、大東亜共栄圏とかアジアの開放とか耳ざわりの言い正義を叫んで、国民を戦争へと送り込んでいったのだったなあ。宗教的正義に陶酔して中東に惨劇をもたらした十字軍なんて存在もある。

 またまた枕が、無駄に長くなってしまったが、サッカーの試合で問題を起こしたのは、メルケル一派とは、主義主張が全く違い自己陶酔度もうえをいくネオナチの集団である。この試合、開始前になくなったばかりのチェコのサッカー協会関係者を追悼するための黙祷が行なわれたのだが、連中はそれを無視して騒ぎ続けていた。
 それだけではなく、試合中にナチス式の敬礼をして「ジーク・ハイル」と叫んだり、ネオナチの人種差別的な内容を含む歌を歌ったりしていたという。これに対してドイツの選手たちは、抗議の意味で、普通試合後にチームのファンの前で行う感謝の儀式?をボイコットした。その理由としては、ネオナチだけではなくて、ライプツィヒ所属のウェルネルが得点を挙げたのにブーイングにさらされたというのもあるのかもしれない。

 このネオナチのグループは、ドレスデンのサッカーチームのファンだったことが判明している。200人ほどでプラハまで出かけてくるなんてはた迷惑な奴らである。ドレスデンのある旧東ドイツでは、統一後も西側のとの経済格差がなくならず、ネオナチの人種差別的な排斥思想がはびこっているという話は知っていたし、なぜかチェコにも存在するネオナチのグループと親交を結んでいるという話もある。それがサッカーの試合でここまで表に出てくるとは思わなかった。
 今回の件では警察で、カメラの映像をもとに個人を特定して拘束する予定だという。すでに十人以上が捕まったといっていたかな。ということは、いつもは判別されないように顔を隠そうとかぶっている覆面を外していたということだろうか。外国だったので油断があったのかもしれない。

 ここまでは、よくある過激派の暴走だったのだが、この件に対するドイツのサッカー協会の関係者のコメントが最悪だった。それによるとこんな事件が起こったのは、チェコのチケットの売り方が悪かったからなのだそうだ。ドイツだったらこいつらに入場券が販売されることはなかっただろうというのである。ドイツ国内で販売した分は、ドイツのサッカー協会が管理して販売したのでネオナチの手に入った可能性はないが、チェコではドイツでスタジアムに入ることが禁じられているような連中でもチケットが買えるのだとか。
 ドイツ人がチェコに出かけてやらかした迷惑行為の責任がチェコ側にあるなんてことを主張するのが今のドイツなのである。仮にドイツでこいつらにチケットを販売しないと言うのが本当なのだとしたら、スタジアムに入れない連中のリストがあるはずである。では、では、どうしてそのブラックリストに載っている危険なファンの情報をチェコ側に提供しなかったのだろうか。いや、チェコでやっているようにスタジアムでの観戦を禁じられたファンに対して、試合時間中に警察に出頭するように命令しておけばよかったのだ。ドイツとプラハの両方にいることはできないのだから。

 この試合、実はもう一つ大きな問題を起こしていて、それは入場のチェックが厳重すぎて当初の予定よりもはるかに時間がかかってしまい、試合開始に間に合わなかった観客が多数出てしまったのだ。これだけ厳重なチェックが行われるということは、身分証明書の提示なんかをも求められていたはずだし、ドイツ側がブラックリストを提出していれば、販売のところでは止められなくても、入場の時点ではじき出すことができたはずである。

 最近の無責任ドイツというか、よその国に責任を押し付けるのが得意なドイツの面目躍如と言ったところか。こんな連中のまねをしたところで日本がマシになるとは思えない。ドイツを無条件に礼賛してきた連中は恥を知るがいい。
9月5日24時。


 寝ぼけた頭で書いているので支離滅裂になっているかもしれない。9月5日追記。

posted by olomoučan at 05:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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