2017年02月09日
スモッグ(二月六日)
咳がとまらない。いや四六時中咳をしているわけではないのだが、何かのきっかけで一度咳が出始めるとしばらく止まらなくなってしまう。年末にこじらせた風邪が長引いているのかとも思ったが、咳とその影響でときに鼻水が出る以外は特に問題はない。ちょっとお腹の調子を壊したこともあるけど、あれは早起きが続きすぎたのが原因だと思う。
テレビのニュースを見ていて、原因らしきものに思い当たった。スモッグである。例年だとオストラバ周辺の地域が圧倒的に状況がひどく、それに次ぐのがプラハ(偏見入りかも)なのだけど、今年は、全国的にスモッグが広がる日が多く、その中でもなぜかオロモウツ地方が最悪の状況にあることが多くなっている。
チェコではスモッグ状態になりやすいのは、冷たい空気が地表に滞留する冬である。実際、朝起きて換気のために窓を開けると咳が出るし、嫌なにおいを感じることもあるので、空気が例年より汚いのは間違いない。原因としては自動車の排気ガス、工場の排煙なんかが拡散せずに地表近くにとどまっていることのようだ。環境を悪化させない程度に排気ガスの浄化機能がついていても、それは普通に大気中に拡散することが前提の数字であって、拡散して希釈されることがなければ、やはり問題になるのだろう。
スモッグ警報が出ると、警報が出た地域の工場に対して生産を減らすように命令が出ることになっている。それによってスモッグの発生源を減らそうというのだろうが、大量に地表を走り回る自動車に関しては野放しのために、即効性のある規制とはなっていない。スモッグが消えるには、太陽の光で地表近くの空気が暖められて上昇し排気ガスが上空に拡散していくか、強風が吹き荒れて街を覆っているスモッグを吹き飛ばすかするのを待つしかない。
ニュースや天気予報の際に、心肺系に問題を抱えている人は外出を控えるようにということもよく言われるのだが、こんなのを聞いて本当に外出を控えられるのは、年金生活者か子供だけだ。本当にスモッグ状態を理由に仕事を休んでいいのなら、うちでのんびりだらだら何もしないで一日を過ごしたいものだが、そういうわけにもいかない。即効性のある対策は存在しないものだろうか。一度のどの調子が悪くなると、空気が多少きれいになっても、症状はあまり変わらないような気もするから、劇的な効果のある対策を望みたいところだ。
以前、プラハの日本大使館の人と話をしていたときに、プラハに来て最初の週は空気の汚さによる体調不良で苦しめられたけど、何週間かで慣れて平気になったという話を聞いたことがある。そのときはスモッグなんて発生していなかった時期なので、すでに慣れてしまって何とも感じなくなっているけれども、チェコの空気は普段から日本よりも汚染が進んでいるのかもしれない。内陸国で、人口が集中しているところが、盆地になっていることが多いので、汚れた空気がたまりやすい面もあるのだろうか。
チェコに来たばかりのころ、のどの調子が悪いことが多くて、原因としては空気が乾燥していることを想定していたのだけど、違ったのかもしれない。常に喉に水分を送り込んでおかないと、喉がイガイガするというか、不快さを感じて、当時は日本的なノド飴に当たるものが発見できていなかったのでユーカリやペパーミントの飴をなめていた。最近は日本でも喉の調子が悪いときになめていたスイスの「リコラ」の飴が、ノド飴なんて名称ではないけど、手に入るようになったので愛用している。問題は買えるお店が限られていることである。
そう言えば、『マスター・キートン』で、チェコが舞台になった回があって、ドイツとの国境地帯の環境汚染がひどいなんてことが書かれていたなあ。あれは北ボヘミアの西のほう、チェコ語でクルシュネー・ホリと呼ばれる山脈のあたりが舞台になっていたんだったかな。チェコに来てこの「過酷な」という形容詞が名前についている山脈の森は、80年代に最大の環境問題の一つであった酸性雨によってほとんど壊滅してしまい現在再生中だという話を聞いて、『キートン』を思い出したのだった。今でもチェコにファンの多いトラバントが出てきたけど、あれも排ガス規制なんてって時代のものだからなあ。
迷走した挙句に当初の予定からは全く違う内容になってしまった。これから書く明日の分、いや今日の分は最初書くはずだったことについて書く。
2月7日16時。
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