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2016年09月15日

チェコの選挙――大統領選挙(九月十二日)



 当初の予定に反して、チェコの選挙制度適当解説シリーズになっているので、毒を食らわば皿までで、大統領の選挙についても概説しておく。
 もともと大統領は、国会議員による選挙で選出されていたのだが、ハベル以後の大統領選挙が二回とも、一度で終わらず二回、三回と選挙をやり直さなければならなかったこともあって、国民による直接選挙を求める声が高まった。以前から検討されていたのだろうが、議論が本格化したのは、クラウス大統領の任期が二期目に入った2008年以後のことだったと記憶する。当時盛んに議論されたのは、選挙を一回の投票で済ますのか、二回目の決選投票を行うのかということと、決選投票を行う場合に、誰が決選投票に進むのかということだった。
 議論の詳細は覚えていないが、いろいろな政党がそれぞれ念頭にあった候補者に有利になるような主張をしていたのは確かである。結局、上院の選挙とほぼ同じ制度という無難なものに落ち着いた。つまり、決選投票に進むのは上位二名だけ、ただし、一回目で過半数を取る候補者がいた場合には、二回目は行われないというものである。上院議員の選挙との違いは、一回目と二回目の投票の間が一週間ではなく、二週間あるという点である。
 立候補するための方法は二つあって、一つはこれまでの選挙と同じで、政党、もしくは国会議員のグループによって推薦されること。これに必要な議員数は、上院議員の場合には十名以上、下院議員の場合には二十名以上である。もう一つは、一般の有権者による推薦で、こちらは署名を五万人分以上集める必要がある。

 2013年の第一回の直接選挙による大統領選挙では、有権者推薦で八人、国会議員の推薦で三人の合わせて十一人が立候補した。しかし、有権者推薦で集めた署名にかなりの割合で、無効なものが発見され、三人の候補者の立候補が無効とされた。署名が無効になったのは、実在しない人物だったり、同一人物が複数回にわたって署名したりしていたのだろうか。ここで立候補を無効にされたうちの一人が自称日系人政治家のオカムラ氏である。
 三人のうち、ボボシーコバーというテレビ関係者から政治の世界に足を踏み入れた女性だけが、憲法裁判所に申し立てた異議が認められ、立候補も有効とされた。ただ、このボボシーコバー氏もよくわからない人物である。一時はEU議会の議員になっていたこともあるようだが、2008年の大統領選挙に、共産党の推薦で立候補しておきながら、直前になって辞退した。その後、自らを党首とした政党を設立し、大統領退任後市民民主党との関係が悪化しているクラウス前大統領にすり寄って市民民主党から離れた支持者を取り込もうとしていたが、共産党に推薦された過去は何だったのだろう。最近はさまざまな選挙に立候補しては落選しているようだから、資金源が気になる。
 無効になる署名が予想以上に多かったことを受けて、現在法律の改正が進められている。いろいろ案は出たようだが、結局必要な署名数は五万で変わらないが、署名の際に身分証明書を提示させての本人確認と、出生番号の記入を求める方向で話がまとまりそうである。これで無効になる署名が減るかどうかは、再来年のお楽しみということにしておこう。

 2013年の選挙では、事前の調査で一番有力だとされていたのは、チェコがEU議長国を務めていたときに内閣が倒れた後、暫定内閣を組織してその期間を乗り切ったヤン・フィシェル氏だった。大半の世論調査では、ゼマン氏やシュバルツェンベルク氏を押さえて、一番高い支持率を誇っていたのだが、ふたを開けてみたら、社会民主党から離れたとはいえ党内に支持者も多いゼマン氏と、TOP09の党首シュバルツェンベルク氏が、上位二位に入り、決選投票に進出した。フィシェル氏は三位に終わったのだったのかな。
 二週間後に行われた決選投票では、僅差でゼマン氏が勝利し大統領に就任した。就任直後は高い支持率を誇っていたのだが、それ以後は本人や側近の失言続きで、支持率は下降中である。最近は国民の投票で選ばれた大統領は、国会議員の投票で選ばれたこれまでの大統領よりも大きな権限を持つべきだとか主張しているが、議会制民主主義の考え方としては正しいのかね。
 今日は今日でオーストリアの極右の大統領候補をプラハ城に招待して物議を醸していた。二人とも怪我の後遺症で杖を手放せないという共通点以上に、難民問題で意見が合う国の元首、元首候補が他にいないということなのかもしれないけど。スロバキアの大統領は比較的穏健な思想の持ち主だというし。

 二年後に予定される次の大統領選挙でゼマン氏が再選を目指すのかどうかはわからないが、現在のチェコの政界には、誰もが、支持者じゃなくても、この人なら仕方がないと言えるような大物候補がいない。そうなるとまた消去法でゼマン氏になるのかなあ。反対陣営の人たちでも、ある意味でチェコ人の典型で、ある意味でチェコ人にふさわしい大統領であるという点は否定しきれないようだし。それが将来につながるかと言われると否と言うしかないのだけど。
9月13日16時。


この記事へのコメント
チェコと国際親善交流をしています。面白いお貴重な日本語リハビリ便り期待しています。
Posted by 小口 久光 at 2017年09月16日 05:56
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