アフィリエイト広告を利用しています
<< 2024年02月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

posted by fanblog

2021年01月29日

だからスポーツ選手崩れは(正月廿六日)



 ミラン・フリニチカというと、元アイスホッケー選手で、チェコリーグだけでなくアメリカのNHLでも活躍し、チェコ代表としては長野オリンピックの優勝メンバーの一人で、世界選手権でも三度の優勝を誇っている。数あるチェコのゴールキーパーの中でも、有数の実績を誇るのだが、現役引退後、なぜか政治の世界に足を踏み入れ、2017年の下院の総選挙でANOから出馬して当選し、下院議員に就任した。

 同じ選挙では、スキーのジャンプのヤンダも市民民主党から出馬して当選しているし、アイスホッケー出身なら、すでに2000年代にシュレーグルが社会民主党から下院議員に選出されれているから、プロのスポーツ選手が下院議員になるのは、初めてというわけではない。シュレーグルはその後、政界の恩師であるパロウベク元首相と共に社会民主党に反旗を翻して、独自政党の設立に参加したり、その新政党を離れて社会民主党に戻ったりとわけのわからないことをしている。
 フリニチカが、ヤンダ、シュレーグルと違うところがあるとすれば、それは下院議員をつとめながら、バビシュ政権によって新設されたスポーツ庁とでもいうべき役所の長官に就任して、積極的に活動をしているところだ。規制、規制でにっちもさっちもいかなくなっているスポーツ界を代表して、政府と交渉して規制緩和を求めたり、最近はチェコ代表レベルのスポーツ選手に優先的にワクチン接種を求めるような発言もしていた。それで、スポーツ界では一定の支持を集めているのだが、人気スポーツの調査で、サッカーが下位に沈むという意味不明なアンケート結果を発表して物議をかもすなんてこともあった。

 そのフリニチカが、スポーツ選手出身の政治家らしく、お馬鹿なスキャンダルを起した。非常事態宣言下で営業が禁止されているホテルで行われた秘密のパーティーに参加しているところをゴシップ紙「ブレスク」に撮影されてしまったのだ。去年の秋に当時のプリムラ厚生大臣の辞任につながるスキャンダルも「ブレスク」紙上に発表された写真だった。普段は芸能人のあることないこと書き散らすメディアだが、たまに政治家や官僚のスキャンダルを報道して首を取ることがある。現在は芸能活動も規制されていて標的にかけるから政治家が重点的に狙われているようである。
 秘密のパーティーは北ボヘミアのテプリツェで当地の政界に大きな影響力を持つ実業家の誕生パーティーで、元首相のパロウベク、元下院議員のシュレーグルも参加していたらしい。フリニチカ自身は語っていないが、スポーツ選手的なつながりで先輩のシュレーグルに誘われて、ことの是非も考えずに、のこのこ出かけていったというのが真相じゃないかと見ている。

 元首相のパロウベクにいたっては、営業していないはずのホテルに宿泊したという情報もあるのだが、シュレーグルと二人で、パーティーではなく仕事上の交渉に出向いたのだという見苦しい言い訳を重ねている。シュレーグルも当選したときは、政治の素人であることを生かして面白いことをしてくれるかもと期待したのだが、すぐに完全にパロウベクに取り込まれて、古いタイプの政治家に成り下がってしまっていた。
 それに対してフリニチカは、下院の会議に出席して、「これが自分の最初の過ちではないし、最後の過ちでもなく、今後も間違え続けていくだろう」と語り、今回犯した過ちは言い訳のきかないもので、その責任を取って辞任することを他の議員の前で発表するために会議に出席したと語って辞任した。辞任の弁としては悪くない印象を与えたけど、アドバイザーが着いているんだろうなあ。

 その一方で、スポーツ庁の長官に関しては、スポーツ界の反応を見たいとして辞任を拒否している。バビシュ首相もフリニチカを強く批判して、最初は長官の職も解任するとか、人人させるとか言っていたのだが、前言を翻して選挙も近いこの時期に長官が交代するとスポーツ界に混乱を巻き起こすとして解任はしないと言い出した。
 スポーツ界の反応としては、同じく下院議員のヤンダが痛烈に批判して辞任を求めているのに対して、アイスホッケー協会や、ホッケー界の英雄ヤーグルはフリニチカ支持を表明している。サッカー界では協会はフリニチカ支持で、スパルタとスラビアは反フリニチカと態度が分かれている。

 フリニチカがこの秋の選挙で再び議員の座を目指すのかどうかは知らないが、せっかくスポーツ界から政治の世界に足を踏み入れて、スポーツと関る要職についてスポーツ界の代弁をしているのだから、長官の職は継続してもいいと思う。えらそうに批判している政治家たちの多くだって、これまであれこれ問題を起こしてきていながら、国会議員の職にしがみついているのだから。
2021年1月27日23時。










この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10503810

この記事へのトラックバック
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。