2020年11月06日
お代はお心のままに(十一月三日)
二年前の夏、サマースクールに向けて必要なものを買い始めた頃から、定期的に服や靴などを買うようにしている。買った時期が違えば、一度に駄目になってまとめ甲斐が必要になると言う事もあるまい。あの時期は、着るもの履くものが一度に必要になって、面倒くさいと思いながら買い物をしていたのだが、行きつけの店を決めてしまえば、定期的に一つ、二つ必要になりそうなものを選んで購入していくのはそれほど苦痛でもない
それで、ここ二年ほどは、年に二、三回、冬の前後と夏の初めに、まずおっちゃんの店に足を運んで、何かかにか見繕って買っている。今年の夏向けに買ったのは、猛暑に備えて、汗をかいてもすぐ乾くというスポーツウェアの素材で作られたポロシャツだった。おっちゃんは、チェコのゴルフ場で倍以上の値段で売られているのを見たといって笑っていた。そのポロシャツはスウェーデンのものらしい2117という会社のもので、おっちゃんの店についていた看板も、チェコのノルトブランから、その2117のものに変わっていた。
スポーツシューズの取り扱いも始めたみたいなので、そのうちにあまり派手ではないサイズ39のがないか見に行こうと考えていた。冬も近づいて気温も下がり始めて、そろそろ冬物の服も一枚、二枚買っておいても悪くない。カーディガンほしいし、なんてことを考えていたら、武漢風邪の流行状況が急速に悪化して、再び小売店の閉鎖が決まってしまって、買い物にいけなくなった。
それと、どちらが先かは覚えていないのだが、いつもはおっちゃんの店の後に足を運ぶピエトロフィリッピのオンラインショップから奇妙な案内が来ていた。「Jak se cítíte, tolik platíte」というキャンペーンを始めるというのである。ようは買う側が、気分に応じて値段を決めてもいいということのようだが、もちろんいくらでもいいというわけではなかった。
定価を基準にして三つの値段設定がされていて、買う人はその三つの中から気分によって一つをえ選ぶことができるというものだった。最初、意味がよくわからなかったのだが、先行き不安にさいなまれているという人は、定価の半額、調子は上々と感じている人は、定価の2割引、ピエトロフィリッピを支援したいと考えている人は、定価の1割増しの価格で購入するようだ。その代わりに割引の値段のついた商品は姿を消しているようだった。
支援というなら、1割り増しで買わなくても、商品を購入すること自体が支援になるだろうと考えて、何か買うことにしたのだけど、送料無料になる買い物額が以前より高くなっていてためらっていたら、10月末まではすべて送料無料とか、閉鎖された店舗での受け取り可能とか、次々にメールが届いた。いろいろ変わりすぎである。定期的に観察していればいいのかもしれないけどさ。
これで送料を気にせず買えるということで、いろいろ見ていると、二日以内に発送という商品と、八日以内に発送という商品があって、カーディガンは八日のほうだった。二日以内ならこちらが午前中うちにいられる月曜から木曜の間に配達されるように調整できそうだけど、八日だと不安である。それで、何枚あっても困らないワイシャツとポロシャツを一枚ずつ注文した。もちろん非常事態宣言のせいで先行き不安の気分は最悪である。
それが届いたのが昨日の月曜日のことで、商品自体はワイシャツの生産国がマケドニアだったのに何でだよと言いたくなったのを除けば問題はなかったのだが、ワイシャツのほうになぜか店舗で販売する商品につけられている防犯用のICタグが残っていた。どうやって外すんだと、押したり引いたりするけどどうにもならない。破りたくないので無茶なことはしていないけど。
お店でなら外してもらえるかもしれないと考えて、シャントフカにある店に足を運んだ。それなのに、立ち入り禁止のロープが張ってあって、ネットショップの受け取り窓口としては機能しているはずの店の前までたどり着くことが出来なかった。まだ店舗での受け渡しを始めたばかりで、オロモウツの店での受け取りで買い物をした人がいないからかも知れない。いっそのこと、買うつもりだったけど諦めたカーディガンを店での受け取りで購入してついでに外してもらおうかと考えた。
いや、その前に、念のためにEショップに問い合わせのメールをする。もしかしたら自分で外す方法があるかもしれない。答は、なかった。お店までもって行けば外してくれるというのだけど、たどり着けるかどうか心配であるという口実を設けて、カーディガンを買ってしまった。受け取りは来週かな。
2020年11月4日21時。
八日以内発送は店舗での受け取りでも適用されるのかと思ったら、今朝届いたという連絡がお店から来た。火曜日の深夜に購入手続きをしたから、実質1日ちょっとで受け取れるということになる。ワイシャツのICタグも無事に外してもらえたし。言うことはない。ちょっと文句を言いたいのは、カーディガンに、イタリア製と自慢げにタグがついていたことで、ほしいのはチェコ製なんだと叫びたくなった。ネットショップには同じカーディガンの色違いしかなかったから、どれを買ってもイタリア製だったのだろう。男物のカーディガンってあんまり見かけないんだよなあ。11月5日追記。
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