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2019年11月23日

ロビイストという名の詐欺師(十一月廿一日)



 ロビイストというものの存在については、すでに1980年代に、アメリカの政治と日本の政治を比較する新聞記事かなんかで読んだ記憶がある。その記事は、アメリカの政治を称揚して、日本の政治はこのままではいけないと主張していたのだが、どう読んでもロビイストという存在が政治家に寄生する寄生虫のようにしか理解できず、日本のほうがマシじゃないかと思ったんじゃなかったか。いくつかの記事を読んだときの記憶がごちゃ混ぜになっているかもしれないけど。

 そのときは、ロビイストというものの存在を知っただけで、具体的にどんなことをしている、どんな連中なのかというところまでは知らなかった。そしてチェコに来て、ロビイストというものの実態を知ることになるのだが、文字通り政治家に寄生する詐欺師だった。これがアメリカと同じだというつもりはないが、同様の傾向はあるはずである。こんなのを日本にも持ち込もうなんて主張していたやつらは頭がおかしいとしか思えない。
 政治家の側も、ロビイストの存在を悪用して、自らの汚職の罪を他人に擦り付けたり、汚職自体が成立しないようにしたりしているから、合法的に汚職をするためのシステムだという印象も持ってしまう。日本の場合には、例の「秘書が……」という言い訳が出てくるわけだけど、議員と秘書に間には密接な関係がある。それに対してロビイストの場合には、表面上は直接の関係がない。だから発覚しにくいという面がある。日本で政治家の汚職の発覚が多いのはロビイストがいないおかげだと、独断と偏見をもとに断言しておく。

 さて、チェコのロビイストというと、二人の大物の名前が挙がる。プラハの市政、とくに交通局を食い物にしていたイボ・リティク氏と、ロビイストとしての活動よりも、ベトナム人の女性を車で跳ね飛ばして逃走し、政治的な影響力を駆使してなかったことにしようとしたことで知られているロマン・ヤノウシェク氏である。どちらも市民民主党、とくにプラハ市長で疑惑のデパートともいうべきだったパベル・ベーム氏との関係の近い人物である。市民民主党は、この手の過去を何らかの形で清算し限り、バビシュ氏を追い落とすのは難しいだろう。

 同じ市民民主党でも、元首相のトポラーネク氏の側近として活動していたのが、マレク・ダリーク氏である。最初に話題になったのは、トポラーネク氏が、いろいろと疑惑のある実業家の金で、イタリアのどこかにバカンスにでかけたときに同行していたというニュースだったかな。このときはそれほど大きな問題にはなっていなかった。
 次にニュースになったのは、当時アメリカ資本の傘下にあったトラックメーカのタトラに対して、軍用車両を軍で採用するように首相に話を付けてやるから、金を出さないかという交渉を持ちかけたというニュースだった。アメリカの経営陣がこれをばらしたんだったかな。最初は首相の代わりに賄賂を要求したと大騒ぎになったが、トポラーネク氏が関与を否定し、それが認められた結果、どういう経緯で認められたのかは不明だが、詐欺罪で裁判を受けることになった。

 この手のロビイスト、政治家もそうだけど、の特徴として、あれこれ理由を付けて裁判を長引かせ、判決が出てからも、あれこれ理由を付けて収監されるの延期しようとするのだが、このダリーク氏は比較的素直に、裁判を受け収監された印象がある。ひどかったのはヤノウシェク氏で知り合いの医者に診断書を書かせて、何度も収監を延期したり、病気療養名目の仮釈放を求めたりしていた。
 とまれ、ダリーク氏は、2017年に懲役4年か5年の判決を受けて、ズノイモの刑務所に収監された。それが最近、模範囚だということで、刑期の短縮が認められ、半分の2年か2年半で釈放されることになった。刑務所内での行動が模範的で他の囚人たちにいい影響を与えたのなら、釈放に反対する理由はない。おそらく保釈ということで、残りの刑期中に犯罪を犯したら問答無用で再収監ということになるはずだし。

 とここまでは、元犯罪者が見事に更正して社会復帰が認められたいい話だったのだが、それに水を差すような疑惑が漏れてきた。本来チェコの刑務所に収監された人たちは刑務所内で労役にたずさわる。ただ、模範囚など一部の囚人は、刑務所と協力関係にある工場など、刑務所外で労役をすることが認められている。ダリーク氏もこの例外にあたり、ズノイモ市内のペンションで仕事をしていたというのである。
 そのペンションではこれまでも何人かの囚人を受け入れており、そこで労役を果たしたこと自体は大きな問題ではない。問題は、その刑務所外での労役が、ダリーク氏の場合には収監直後から始まっていることと、刑務所の職員の監視がなされていなかったことである。ペンション内ではオーナーが監督の義務を負うという契約になっていたようだが、四六時中監視することができるわけもなく、ダリーク氏がその気になれば、本来は禁止されている電話などを使っての縁者や関係者との連絡も取れたのである。

 さらに問題なのは、刑務所からペンションまで、ダリーク氏は一人で歩いて通勤しており、電話どころか直接の接触も可能だったことである。これはダリーク氏自身が直接的に悪いことをしたというわけではないが、ロビイストとしての影響力を駆使して、自分の労役がザル監視の下で行われるようにしたという疑惑は消せない。一番の問題は刑務所は何を考えてこんなことをしたのかということだけど。
 この疑惑のせいで、ダリーク氏の釈放が撤回されることはないという。ただ法務省ではダリーク氏に刑務所外での労役を許可した経緯などを詳しく調査して、問題がある場合には担当者を処罰し、このような問題が二度と起こらないようにすると言っていた。実効性はあまりないだろうけどさ。

 ちなみに、服役中に刑務所外で労役を務める例は多く、元政治家がサッカーのスタジアムで仕事をしていたり、元サッカー選手がパン屋でパンを焼いていたりする例があるようである。
2019年11月22日17時。




ちょっと修正(2021年1月1日)






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