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2019年01月01日

失われしもの1本の話(十二月卅日)



 USBがいかれたことに気づいたときには、もう一度書き直せばいいやと思ったのだが、やはりなんだか気力がわかない。もしかしたら他もPCにつないだら読めるかもしれないという根拠のない希望も感じるし、一篇だけならともかく、数篇、一から書きなおすとなると、何を書いたかおぼえていないことも多い。覚えていても書き直すと違うほうに話が展開していくのだけどさ。
 ということで、USBを復活させられたらこれまでに書いたものを投稿するだろうし、駄目でも同じテーマで書き直すかもしれないけど、念のためにどんなことを書いたかだけ紹介しておこう。

 一つ目は、久しぶりにチェコ語の本を買ったという話。3冊で合計1300コルナほどだったのだけど、支払ったのは100コルナほどだった。100コルナ分のクーポンを12枚使ったのである。これは職場の福利厚生の一環で毎年もらっているもので、毎年、あまらせることも多いし、使い方に苦労しているのだが今年は本屋で本を買うのにも使えるようになっていた。これまでは、薬屋とかマッサージ、フィットネスセンターなんかでしか使えなかったから、使い道を探すのが大変だったのだ。
 国外に旅行をするというのなら、旅行代理店なんかでも使えるのだけど、原則として国内しか動かないから、電車のチケットを旅行代理店で買うのもバカらしい話である。眼鏡屋もあるけど、眼鏡なんて毎年飼うようなものでもないしって、もう十年以上同じ眼鏡をかけているのか、久しぶりに新しい眼鏡を買うのもいいかもしれない。同年代の知り合いが老眼が入って大変なんだとか言っていたことを考えるとやめたほうがいいかなあ。

 それはともかく、プリオール、ではなくてその跡地に建ったガレリエ・モリツの中に入っている書店に本を探しに出かけた。この本屋は、出版社と組んで刊行した本を、会員向けにカタログを送りつけて割安で販売しているクニジュニー・クゥプという組織の直売店も兼ねていて、定価と会員価格の二つの値段が書かれた本が多い。会員ではないのだけど、このクルプの本を選んでしまった。会員制で売り上げが計算できるおかげか、よその出版社が出さなさそうな渋い内容の本が結構あるのである。

 選んだのは以下の三冊。

 1Encyklopedie šlechtických roů
 これは、中世のプシェミスル王朝以降のチェコ(ボヘミア、モラビア、シレジア)に領地を持っていた貴族についての事典である。貴族家の中でも重要な150家ほどが取り上げられている。プシェミスル王朝初期に断絶した貴族家については資料が少ないせいか、名前が知られているものでも取り上げられていないものもあるようだ。
 この本を選んだのは、ひとえにジェロティーン家について知りたかったからである。いずれこの本をもとにジェロティーン家についても書くつもりだが、オロモウツにジェロティーン広場があり、コメンスキーの伝記にも登場してくるのに、ジェロティーン家については、あまり知られていない。オロモウツから北に20キロほど行ったところにあるジェロティーンは、小さな村で、大貴族の本拠地にふさわしいようなお城があるわけでもない。

 2Šternberkové
 1冊目と同じ著者の本で、副題に「ボヘミアとモラビアの貴族家」と付いているが、ボヘミアにも、モラビアにも、家名のついた町シュテルンベルクがある、シュテルンベルク家についての本である。この貴族家も名前は有名なわりに、その実態についてはあまり知られていない。そんなことを言うと、ほとんどの有名なチェコの貴族家がそうなのだけど、同じ棚に並んでいたシュバルツェンベルク家、ロプコビツ家と比べたら、断然シュテルンベルク家について詳しいことを知りたかったのである。

 3Císařův levoboček
 三冊目は、読みきる自信はないけど、以前読みたいと書いたマサリク大統領の出生を巡る歴史小説である。時代小説の方がいいかもしれないけど。マサリク大統領本人が、自らの出生の謎を探るというから推理小説仕立てになっているのだろうか。ちなみに題名は『皇帝の私生児』とか『皇帝の庶子』なんて訳せるだろうか。

 以上が、消えた一回目の内容である。かなり変わっていると思うけど、
2018年12月31日23時。




中世チェコ国家の誕生―君主・貴族・共同体 (静岡大学人文社会科学部研究叢書)







タグ:貴族
posted by olomoučan at 07:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ
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