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2021年05月11日

子育て世代と再任用職員が職場活性化の鍵

「人材の確保」の続きです。)

子育て世代の支援と年金受給年齢の引き上げに伴う定年職員の再雇用。これらは現代社会の大きなテーマです。

日々の仕事をこなしつつ組織の中での仕事分担の見直しを進めろ、ということになるので、官民問わず、どの職場でも右往左往しながら試行錯誤をしている最中ですね。
これらのスローガンの旗振り役である国は、民間企業よりもむしろ下部組織である地方自治体に対して、お前らがまず真っ先に実践しろ、というプレッシャーを強烈にかけてきます。

そして国の意を受けた県庁上層部のプレッシャーに耐えきれず、仕事分担の見直しを置き去りにしたままで、管理職が子育て世代支援と再任用職員の採用をまず優先してやってしまう。
こうして多くの公務員職場が悲惨な状況に追い込まれているのです。

公衆衛生獣医さんの職場も全く同じ構図です。

保健所は食中毒事件や不良食品調査、動物案件や旅館・ホテルのレジオネラ案件対応等で、日常的に突発的な時間外業務があります。
食肉衛生検査所では四季を通じ、と畜検査で物理的な体力を求められます。また酷暑や厳寒期のと畜検査は、健常な人にとっても過酷な労働環境の所がほとんど。
加えて、マイクロレベルを扱うような繊細な検査技術や日進月歩の試験室内検査もやれと言われます。
また、保健所、検査所ともに、仕事に一貫性を持たせるため、1年間通じて特定の担当者を立てて進めなければいけない仕事も数多くあります。

公衆衛生獣医師職場に限らず、さまざまな係ごとにあるこれらの「重い仕事」は、複数いる部下の資質や家庭事情を見極めた上で、係長や部門の課長といった中間管理職が仕事を割り振り、仕事を進める。
これがこれまでの業務管理のスタイルでした。

そして今。仕事の割り振りを考えなければいけない係長や部門の課長はこう考えます。

子育て世代には、これからは重い仕事を預けられない。
新たに職場に登場した再任用職員をどう取り扱っていくのかは暗中模索の状態だし、上司から特に指示はない。
かつての上司や先輩方なので、怒りを買わないよう、とりあえず無難な仕事だけやってもらおう…。

悲しいことに、子育て世代や再任用職員の仕事の質と量を軽くしてくれるんだったら、係の人数を増やしてあげますよなんてことは、上司は絶対言わない。
それに重たい仕事背負える人減ったんだから、もうやんなくてもいいですよ、なんてことも言わない。住民や関係者の細かいニーズにもっと柔軟に応じろ、という考え方が主流の昨今、重たい仕事はむしろ増える一方だ…。

とにかく仕事回さないといけないんだから、今いる残りのスタッフで背負えるもの背負ってもらったら、残りの重たい仕事は全部俺が被るしかない…。

これが数多くの係で仕事の分配と進捗管理を任されている係長や部門の課長の実態です。

できる人でもそうとう厳しい状況ですが、資質や能力ではなく完全年功序列で係長や部門の課長を決めてる職場では、できる人だから「長」の役職を勤めてる、とは限りません。こなしきれずに係長や部門の課長が崩壊した職場では、あっという間に仕事が止まってしまいます。
見かねた部下の中から自己犠牲の精神のある人が助け船を出し、仕事が再び回り始めることもあるでしょうが、今度はその人がオーバーワークで破綻してしまう…。

仕事に前向きに取り組む人と中間管理職に雪ダルマ式に仕事が覆い被さり、疲れ果ててしまう。
さらに悪いことに、仕事が軽くなった子育て世代や再任用職員の中には、「誰かがやってくれるさ」「言われたことだけやってりゃいいんだ」と、その職場状況から目を背ける人まで出てくる。

俺達が全部背負ってやってんのに、こいつらは組織に守られてさっさと帰っちまう…。
真面目にやってんの、アホらしくなってきた…。

そして職場が全員、無気力な集団と化す。

どうしてこんなことになってしまうのか。
その元凶はただひとつです。
「子育て世代、再任用職員には重たい仕事を背負わせることはできない」と画一的に考え、仕事を割り振ってしまったことにあります。
子育て世代、再任用職員と言っても、個々の能力や資質、家庭事情は全部違うのです。そこをひとつひとつ見極め、仕事を分配しなければなりません。

しかしそもそも係長や部門の課長などの中間管理職は、目の前にいるスタッフをどう組み合わせれば仕事が回るのか、それを考えるのが仕事。中間管理職が必死に個々を見極めて仕事を分配しても、仕事の担い手が全然足りず、係の仕事が回らないケースの方がむしろ多い。
そんな時は、同じ公所の他部門からのトレードや他公所とのトレード、つまり人事異動で新たな担い手を確保したり、個々の事情で重い仕事を背負えなかった子育て世代や再任用職員の個人事情を解消してあげて新たに仕事を担えるように仕向け、仕事の行き詰まりを解消しなければなりません。

そうです。
これは本来、各公所の中間管理職の仕事ではありません。人事権のある管理職の仕事です。

公衆衛生獣医師の職場に立ち戻るならば、人事を統括する主幹課の課長の1局集中管理の下で、食肉衛生検査所の所長、保健所の課長など、人事権限のある役職に就いている管理職こそが対処しなければならない問題なのです。

職場活性化の鍵を握る子育て世代の職員と再任用職員。
公衆衛生獣医師職場での彼らの仕事分担の見直しを、管理職はどう進めるべきか。これを考えていきます。

「再任用職員には最初に引導を渡しておく」に続きます。)
posted by 拓一人 at 04:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦略
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拓一人(たく かずと、ペンネーム) 某県で20数年公衆衛生獣医師として勤務し、退職しました。 食肉衛生検査所、家畜保健衛生所、保健所、県庁での勤務経験があります。 獣医師としての進路に迷っている方、これから公務員獣医師になろうと考えている方や、今現在公衆衛生獣医師として勤務している方々に、何かの形でお役に立てればいいかなと思ってます。 今は家族と共に、地元の豊かな自然の姿と旬の食材を楽しむ日々を送っています。
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