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2022年になって始まったウクライナ戦争については、いろんなことで驚かされています。
そんな中で4月14日になって、黒海でスラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」が撃沈?沈没したという情報を聞いて大変おどろしています。
図1 スラヴァ級ミサイル巡洋艦
引用wiki
あのスラヴァ級巡洋艦だぞ!対艦ミサイル2発ごときで沈んでいい船じゃなだろう(驚愕)?!
まさかまさかの事態に、ただ驚くしかありません。
(前回記事):『【軍事技術】イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!』
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現職時代には、第3護衛隊群の護衛艦に勤務しておりましたのでロシア太平洋艦隊が当面の目標でした。
図2 ワリヤーグ
引用wiki
日本訪問をしてきた太平洋艦隊旗艦「ワリヤーグ」を見ながら、いつか絶対ミサイルを撃ち込んで見せる!と思っていたものです。
1.1 黒海で撃沈されたぁ?!
そんな中で2022年4月14日の朝になって、海外のTwitterを見ていると信じられない文書が投降されていました。
『スラヴァ級ミサイル巡洋艦が対艦ミサイル攻撃を受けて炎上中』
そんなアホな!あのスラヴァ級巡洋艦だぞ!黒海艦隊旗艦「モスクワ(旧スラヴァ)」だぞ!
その後も段々と情報が入ってきて、ロシア国防省も艦船炎上を認める発表をしました。
1.2 ウクライナの対艦ミサイル「ネプチューン」がやった?
ウクライナ軍が対艦ミサイル攻撃2発を行って成功したとの情報も入り、さらに混乱します。
ネプチューンミサイルは、ウクライナが新規開発して2021年に最初のユニットが納入されたばかりのものです。
図3 ネプチューンミサイル
引用URL:https://external-preview.redd.it/jzrNucrIdn2MlreQwI5lHSTh-0fYPamnr0y-wOQchvQ.png?auto=webp&s=615e1cc7d707aa87c9777a5e9aa98e54000ebd24
ミサイルの大きさも、ハープーンミサイルより一回り大きいほどで重量約900kgの亜音速ミサイルです。
だからこそ世界中の海軍関係者にとっては、時代遅れとも言われる亜音速対艦ミサイルでの撃沈はとんでもない衝撃となっているはずでしょう。
1.3 作戦分析幕僚部(S-8)あたりはてんてこ舞いだろうなぁ〜
たぶん今頃海上自衛隊の自衛艦隊司令部にある、オペレーションズ・リサーチ(OR)を担当する作戦分析主任幕僚(S-8)あたりはひっくり返って泡を吹いているぐらいに驚愕しているかもしれません。
図4 めまいを起こす
引用URL:https://www.irasutoya.com/2013/07/blog-post_2135.html
『スラヴァ級がたった2発の対艦ミサイルで沈むはずがないんだ!』
『これは夢だ!悪い夢以外の何物でもないんだ!』
そんな感じになっているかもしれません。
自衛艦隊司令部に増強幕僚として出たとき、艦艇を大破撃沈に持ち込める必要ミサイル数のOR分析を聞いたことがあります。
(参考記事):『【幕僚編F】反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!』
スラヴァ級巡洋艦の場合は、迎撃されることを前提に1艦につき30発以上撃ち込む必要があると聞いています。
そんなOR分析を乗り越えて、たった2発で大破炎上沈没したのは非常に衝撃的です。
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ロシア国防省が発表している以上、スラヴァ級巡洋艦が炎上して沈没したことは間違いないでしょう。
図5 ヘネラル・ベルグラノ
引用URL:https://fotos.perfil.com/2019/05/02/trim/950/534/este-2-de-mayo-es-el-37-aniversario-del-hundimiento-del-crucero-ara-general-belgrano-684880.jpg
1982年のフォークランド紛争以来の大型艦撃沈となります。
2.1 艦内火災?対空ミサイルの発射失敗?
沈没まで至った大きな原因は、艦内に火災がまん延して手が付けられなくなったためと考えられます。
図6 シェフィールド
引用URL:https://img.ww2facts.net/img/war-2019/gibel-korablej-epizodi-folklendskoj-vojni-7.jpg
1982年のシェフィールド撃沈も最終的には、艦内火災により電気・動力系統がすべてダメになり消火不能となった結果と言えます。
ロシア国防相の言い分を信じて、艦内火災だとすると超射程ミサイル(SA-N-6(S-300F))の発射失敗という可能性もあります。
コールドランチ方式だと、点火ミスで甲板上にミサイルが落下して破壊される可能性は十分あります。
図7 コールドランチ
引用URL:https://p1-tt.byteimg.com/origin/tos-cn-i-qvj2lq49k0/313d7dd3cd2c4cb8a23334bc6492bd09.jpg
ただし甲板上でのミスファイヤーでの事故は十分考慮されているはずですので、考えにくいところがあります。
2.2 ホントに対艦ミサイルが命中した?
もしかするとほんとに対艦ミサイルが命中して、最終的に艦内火災にて沈没に追い込んだ可能性もあります。
図8 艦内図
引用URL:https://p3dm.ru/uploads/posts/2019-08/1565190815_unknown.png
スラヴァ級巡洋艦の艦内図を見ると、P-1000「ヴァルカン」ミサイルは艦橋下に集中していますが対空ミサイルは後部に集中しています。
P-1000「ヴァルカン」の誘爆と見ることもできますが、それでは火災発生から沈没寸前まで通信ができていた説明が付きません。
図9 S-300F
引用URL:https://sohanews.sohacdn.com/thumb_w/640/2013/ezuojg3-1372001189907.jpg
S-300Fや中距離対空ミサイルがほとんどむき出しで格納されている部分に命中して、艦内火災を起こさせたと考えるのが自然と思います。
後部ミサイル格納区画の近くには、主エンジン区画もあり艦内爆発の時はエンジンや電気系統が一気に失われる可能性が高いといえます。
後部に被弾した可能性が高いといえます。
2.3 マジの現場猫案件だったかもしれない?(4月16日追記)
ロシア艦の艦内防御について、少しはちゃんとしているだろうと思っていたのですがステレグシュチイ級フリゲートの内部写真が出てきて考え方を変えました
図9−2 艦内の砲弾
引用URL:https://twitter.com/WarshipPorn/status/1514718250411638787
なんで艦内にA-190 100mm単装速射砲の砲弾が、整理もされず乗員居住区の近くにゴロゴロと転がっているんでしょうか(恐怖)〜?
WarshipPorn:https://twitter.com/WarshipPorn
というツイッターに投稿された写真を見たとき、頭が真っ白になりました。
サイサリス様が見たらなんてコメントするんだろう(汗)?やべえってレベルじゃね~ぞ!
2.4 モールス通信から艦内の様子を読み解く!
情報では、火災が発生した「モスクワ」からモールス信号での通信で火災や総員退艦命令などの通信が行われていたとあります。
この情報について、「いまどきモールス信号?」なんて声が出ているようですが艦内電源が失われた状態でも通信ができるモールスは貴重なものです。
図10 モールス通信
引用URL:https://park.org/Japan/NTT/MUSEUM/images/ST_final_2_1.gif
簡単な電池と、「トン・ツー」の送信を行う送信機があればすぐに通信ができます。
艦内火災で電気系統が止まっていて、なおかつ通信室の乗員が無事であった可能性を物語る証拠といえます。
大抵の場合、通信室は艦橋構造物のところにあるので対艦ミサイルの炎上は発生していない可能性があります。
今後はっきりした情報が出ることで、対艦ミサイル攻撃の効果が分かります。
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ウクライナ戦争が始まってから1か月以上が始まりましたが、スラヴァ級巡洋艦の撃沈は戦局を大きく変える可能性があります。
少なくともウクライナ軍は、クリミア半島を含む南部への航空攻撃がしやすくなりました。
3.1 南部戦線の維持は難しいか?
黒海艦隊は、今後防空の要であった巡洋艦を失い出撃できなくなる可能性があります。
クリミア半島から出撃した、ケルソン州での陸上攻撃部隊にも動揺が広がる可能性が大きいでしょう。
図11 戦況
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FQXJKA4aIAkqG6i?format=jpg&name=large
戦況が一気にウクライナ側に有利な状況といえます。
まさかのスラヴァ級巡洋艦という衝撃が、戦局を大きく揺るがす事態になるか今後注目です。
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