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2020年02月28日

幕僚編完統合演習終了!浮上する海自の課題!

『なんちゃって後方幕僚も終了!』
(2018年投稿記事です。)
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自衛隊統合演習が終了して、所定目標を達成したJTF演習部!

演習終了後、すぐに事後研究会にて問題の洗い出しを行います。

浮上する課題は、中期防などの防衛政策に反映されるため大事な作業です。

それでは、長く続いた後方幕僚編完結です!
(前記事):幕僚編I敵水上艦撃滅!SSNの反撃!そして目標達成へ!
(最初の記事):艦補処自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)
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(1)演習の答え合わせは問題噴出の時間!

自衛隊統合演習終了後、数時間の休憩をとってからすぐに事後研究会が開始されます。

各員の記憶が鮮明な間に事後研究を行う、HOT WASH UPというやり方で行われます。
(米海軍の目標管理・状況分析手法に倣った方式です)

しかしSF司令部の事後研究会は、毎回荒れることで有名です。
(指揮官経験のある1佐が、壇上で怒鳴られまくるのは毎回のお約束)

1.1 敵X国総指揮官は海上自衛隊幹部学校長!

事後研究会には、敵X国を指揮した統裁部(審判)が加わり会議が行われます。

開戦当初から、(イジワルな)数々の行動をしてくれやがった統裁部はどんな悪人が指揮していたのでしょう?
『そのイジワルな顔を拝んでやるぜ!』
そう息巻いていたペンギンでしたが、統裁官の顔を見て驚きました。

図1 驚愕するペンギン
CAT9V9A9181_TP_V.jpg
引用URL:https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/CAT9V9A9181_TP_V.jpg

どこかで見たことある人だと思ったら、海上自衛隊幹部学校長(海将)!

ついでに言うと、ペンギンが幹部候補生だったころの幹部候補生学校長でした・・・
『おうおうペンギン、統裁官に文句言ってやるって息巻いてなかったか〜?』
統裁部にいた後方幕僚部の先輩が、茶化してきますがそれどころじゃね〜!

1.2 演習経過リプレイに演習部は阿鼻叫喚!

事後研究会は、演習経過の再生と統裁部がここで何を判断・行動したのかを突き合わせて検証します。

演習経過が進むにつれて、演習部の幕僚たちは阿鼻叫喚の状態になっていきます。

『ぎょえ〜!ここに配置してたのかよ!』
『なんじゃこりゃ〜!』


演習部の行動が、統裁部によって弄ばれる様子が投影されます。

攻撃側は、フリーハンドで行動すると強い!というのがよくわかります。

1.3 やはり連動攻撃作戦だったか・・・!

演習部の幕僚間で、判断しかねていた事項がありました。

『BMD攻撃とゲリ・コマによるSF司令部攻撃の連動性』
(関連記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・

事後研究会で、やはり統裁部による連動作戦だったことが判明しました。

かなりやってくれるぜ!

1.4 敵SSN失探情報を全員が見逃すという大失態!

事後研究会はで、演習部幕僚全員がとんでもない大失態を起こしていたことが判明しました。

SFへのゲリコマ攻撃で通信機能が低下しているときに、
『CTF70から敵SSN失探(ロストコンタクト)情報が入っていた』
という、重大な情報を演習部全員が見逃していたことが判明しました。
(MOFシステムの情報入電ログには記録されていた)

図2 アレ?俺の存在は?(敵SSNを模擬した米SSN)
SSN.jpg
引用URL:wiki

SF司令部攻撃で演習部がパニック状態になっていたため、全員が敵SSNの行動に注意が向いていなかったのです。
『SSNの位置確認を怠るのは、幕僚要務の重大な要改善点である!』
演習統裁官からの、厳しい指摘が飛びます。

敵SSN失探情報に気づかないまま、演習部は重大な判断ミスを犯し対艦攻撃を続行!

結果として第1次対艦総攻撃にて、TG21.1を壊滅させる結果となりました。
(関連記事):
【幕僚編D】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
【幕僚編F】反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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(2)各種戦闘・作戦準備をめぐり大激論!

演習経過の進捗と共に、各種戦闘・作戦準備にて課題点が続出しました。

2.1 横須賀陸警隊の技量不足と陸自守備隊連携不徹底

問題になったのは、横須賀地区での警備体制でした。

当時横須賀警備隊隷下の横須賀陸警隊は、64式小銃を装備していました。

図3 演習当時の陸警隊の装備風景
2000年代の陸警隊装備.jpg
引用URL:https://scontent.cdninstagram.com/vp/6b54b2d46e4b18635720828896a16bf3/5C9762A3/t51.2885-15/e35/19624441_242967509552275_967697333410070528_n.jpg?_nc_ht=scontent.cdninstagram.com

市街地戦の研究も進んではいたのですが、演習では陸警隊全滅判定となりました。

単純に言えば、ゲリコマ対処技量の不足がありました。

さらに、増援の陸自守備隊との連携が不徹底となり、陸自守備隊の弾薬不足に補給ができない問題が出てきました。

対策として、陸警隊に89式自動小銃配備・市街地戦闘訓練の徹底という課題が出ました。

図4 横須賀陸警隊の市街地戦闘訓練
横須賀sigaiti.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/butai/img/y-agg/y-agg2.jpg
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2.2 対空・対艦ミサイル即応弾の不足

演習の中で、大きく問題視されたのが即応弾ミサイルの不足です。

図5 対艦ミサイル
danyaku_6.jpg
引用URL:https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/26/eef249e63aa78511cf5f62804b21b507.jpg


以外に思うかもしれませんが、ミサイルは即応弾にしないと発射できません。

ミサイルの備蓄はあるのですが、発射できるようにするには整備時間が必要です。

図6 対艦ミサイルの整備
taikan.jpg

弾薬庫の拡張、整備済みの即応弾備蓄量の増加が課題として出されました。

2.3 輸送能力の不足

海上自衛隊の宿命というべき問題として、輸送能力の不足が課題として出ました。

今回の演習では、おおすみ型輸送艦1隻と空自輸送機CH-130Hを使用しました。

これでは、陸自1個中隊戦闘団を輸送するのが精一杯です。
(当時、海自航空輸送機はYS-11のみ)

将来的にWairの増強が行われるときに、輸送・補給能力の不足が懸念されます。

大型の輸送補給を行える多用途輸送艦が欲しいとの見解が、陸自からも出されました。

現在構想に挙がっている多用途輸送艦の原点は、この時の演習の問題点から出てきたのです。
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(3)指揮統制と共同交戦能力について

離島奪還については、陸自との共同作戦が不可欠になります。

また、BMD対処で空自との指揮管制についても重要になります。

演習当時は、COP(共通作戦図)が司令部レベルでは可能でした。

しかし米軍はすでに、CEC(共同交戦能力)まで進んでいました。

図7 海上自衛隊の指揮通信システム
CSC.png
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/frdc/whatsnew/csc/mars.files/image002.png


最近になり、ようやくCECまで指揮管制システムが進化しはじめました。

陸自との通信に、四苦八苦していた当時の演習からは進化したといってよいと思います。

自衛隊統合演習にて出された課題は、中期防に装備品として反映されます。

3.1 勤務の糧となった後方幕僚体験

海上自衛隊勤務時代に幕僚業務を体験できたことは、非常に有意義でした。

その後の勤務の糧となり、いろんな仕事で経験を反映させ、中級課程での訓練に役立ちました。

1週間という時間でしたが、とても濃密な時間でもありました。

これが海上自衛隊だ!というべき体験です。

SF司令部の指揮所は、機密レベルが高く写真が公開されたことがありませんが、「ひゅうが」型のFIC(旗艦司令部作戦室)を何倍も大きくしたような部屋です。

図8 「ひゅうが」FIC
ひゅうがFIC.jpg
引用URL:wiki

いつか写真で公開される日が来るのを待っています。

さあ、艦補処の仕事に戻るぞ〜!
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幕僚編I敵水上艦撃滅!SSNの反撃!そして目標達成へ!

『ようやく離島奪還作戦の目標達成!』
(2018年投稿記事です。)
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JTF再編成と再補給を経て、ついに当初目標の離島奪還作戦が実施されます。

残存する敵部隊を撃滅・陸自部隊を離島に逆上陸させる作戦ですが、最後まで戦闘が続きます。

防空戦、水上戦・対潜戦・支援砲撃、何でもありの最終決戦です!

ついに作戦目標を達成するJTFの活躍に注目だ!
(前記事):幕僚編H再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!
(次記事):幕僚編完統合演習終了!浮上する海自の課題!
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(1)残存敵水上艦を撃滅せよ!(第2段作戦)

JTFによる第1次対艦総攻撃の結果、敵水上艦部隊は7隻まで減少しました。
(残存敵水上艦:CV×1、DDG×2、DD×4)

かなりの敵戦力を削ることに成功しましたが、再度敵水上部隊が離島近くに集結しました。

離島奪還作戦の為には、少なくとも敵水上艦部隊の壊滅が必要です。

戦果情報などを総合すると、いまだ長射程対艦ミサイルが残存とのこと。

我の対艦ミサイルよりも長射程であるのが厄介です。

1.1 味方潜水艦の追尾攻撃が振り切られる!

TF15(潜水艦)が敵CVを含めた残存部隊を追跡していましたが、通常動力潜水艦の泣き所である速力差により追尾できなくなりました。

苦し紛れに、UGM-84(潜水艦発射型対艦ミサイル)を発射しましたが迎撃されました。

図1 潜水艦からの対艦ミサイル発射
UGM-84.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/tYj913i_VdA/maxresdefault.jpg
(参考動画):

こういうときほど、SSNの航行性能がうらやましいです・・・

味方潜水艦は、作戦海域に時間内に間に合いそうにありません。

1.2 水上艦・航空部隊による第2次対艦攻撃!

敵水上艦部隊には、TF10(護衛艦部隊)と航空自衛隊のF-15、F-2を使用していきます。

CTF-70から、F/A−18の防空カバーが入る共同作戦となります。

図2 米海軍戦闘機F/A-18
640px-Drawing_of_FA-18E_Super_Hornet_with_armaments_1997.png
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/F/A-18E/F(航空機)#/media/File:Drawing_of_FA-18E_Super_Hornet_with_armaments_1997.png


しかし航空自衛隊F-2の対艦攻撃は、第1次攻撃より発射弾数が少なくなりました。

図3 航空自衛隊F-2
F-2.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-2/images/gallery/photo01.jpg


理由としては即応弾数の不足!

第1次対艦攻撃で、相当数の空対艦ミサイルを発射しました。

そのため、次弾をすぐに用意できないとの連絡です。

意外と思いますが、ミサイルはそんなに簡単に使用状態にはできません。

即応弾を使い切ると、予備弾薬が即応弾化するまで時間が掛かります。

とにかく、TF10と空自F-2による第2次対艦総攻撃を行いました。

F-15は、残存CV艦載機に対する護衛機です。

1.3 CV大破!しかし敵艦数隻残存したあ?!

第2次対艦総攻撃は、弾数不足の中で決行!

その結果、
『敵CVにミサイル着弾!大破判定です!!』
何とか、敵主力CVの大破・その他数艦の撃沈に追い込みました!

しかし、敵防空能力の高さもあって数艦が残存する結果です。

こうなったら畳みかけるように連続攻撃だ!
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(2)有視界水上戦!敵SSNの反撃!何でもありの決戦!

敵側の対艦ミサイルの反撃も、何とか電子戦(ESM)と防空戦により迎撃成功!

しかし残存艦を排除しないと、離島奪還の障害になるため指揮官は決断します!

(SF)
『TF10は突入して、水上戦にて敵残存艦を撃破せよ!』

ESMにて双方のミサイル戦が不調に終わり、ついに有視界戦闘に突入!

2.1 有視界水上砲撃戦にて敵水上艦撃破!

『ここはレイテ沖海戦か〜!』

まさか現代戦において、有視界砲撃戦になるとは思いませんでした。

しかし高度な電子戦(ESM)の応酬の果てに、原始的な有視界戦闘になる皮肉です。

図4 砲撃戦
砲撃.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DoK5i-HV4AAHnEs.jpg

何とか残存艦の撃破に成功しました。

2.2 SSNの反撃!何としても見つけ出せ〜!

水上艦を撃破したと思ったその時に!
『米軍CTF70、潜水艦から魚雷攻撃被弾!』

図5 魚雷攻撃を受ける駆逐艦
魚雷攻撃.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/duDbl6oSPjM/hqdefault.jpg

取り逃がしていた敵SSNが、米海軍CTF70を攻撃する事態が発生!

CTF70と護衛艦が必死に対潜戦を実施します。

図6 対潜戦実施中
対潜戦.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/operation/cooperate/kaga-inazuma-suzutsuki/img/0913/1-06.jpg

しかし探知できない!

既に離島奪還作戦も進んでいるので、対潜戦と並行して逆上陸準備を開始します。

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(3)掃海完了!陸自が上陸して目標達成!

第3段作戦である離島奪還逆上陸作戦には、掃海が必要です。

LCACや揚陸船を狙った機雷敷設に対し、徹底的に掃海部隊(TF14)が掃海します。

図7 機雷処分
機雷処分.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/sf/whatsnew/images/y320.jpg

後は陸自Wairを上陸させれば、目標達成です。

3.1 離島揚陸終了(目標制圧完了)!

TF13の揚陸部隊から、陸自Wairが出撃していきました。

揚陸後、しばらくしてSF司令部に
『Wair離島揚陸完了。(目標制圧完了した)』

図8 揚陸完了
640px-WAi-NS-3_(遊泳・上級上陸訓練)_R_教育訓練等_87.jpg
引用URL:wiki

ようやく、JTFの作戦目標を完遂いたしました!

3.2 簡単にはいかない離島奪還

よく自衛隊の能力であれば、敵を完全に封殺できる!という方がいます。

しかしSF司令部で体験した演習上の離島奪還作戦では、そう上手くいかないことがよくわかりました。

今回は最後まで、敵SSNを取り逃がす結果となりました。

その他、いろんな事象にて損害多発・弾薬不足による作戦変更などが発生しました。

補給面でも、弾薬不足・燃料不足その他もろもろが出てきます。

この体験を知っていただければ、
『思っているよりも、作戦行動は簡単にはいかないこと』
と感じていただければ幸いです。

さあ、あとは事後研究会だ!
(次記事):幕僚編完統合演習終了!浮上する海自の課題!
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幕僚編H再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!

『いよいよ離島奪還への決戦に向けて最終準備だ!』
(2018年投稿記事です。)
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TG21.1の壊滅など、多大な損害を出しながら着々と離島奪還作戦を行うJTF!

ついに集結地点の硫黄島に各部隊が集結して、再補給と部隊再編を行います。

後方幕僚部の腕が試される、弾薬・燃料の再補給と出撃前整備の時!

最終決戦前の、知られざる後方の闘いをご紹介!
(前記事):幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!
(次記事):幕僚編I敵水上艦撃滅!SSNの反撃!そして目標達成へ!
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(1)前線集結点:硫黄島に集結完了!

ついに前線集結点と定めた、硫黄島に各部隊の集結が完了いたしました。

TG21.1の壊滅・多数のP-3C撃墜という犠牲を払いながらの集結です。

図1 日米統合演習中のワンシーン
輸送艦.jpg
引用URL:https://farm8.staticflickr.com/7500/15801695261_2ca8285f4f_o.jpg

硫黄島周辺にて、艦隊の燃料再補給や消費弾薬の補給を実施していきます。

1.1 馬鹿にできない弾薬の再補給!

皆さん、弾薬の補給って簡単にできると思っていませんか?

実際は簡単にできない大変労力のいる作業です!!

特に対艦ミサイル・対空ミサイルの再補給は、大掛かりです。

図2 対艦・対空ミサイルの補給
DSC00048.JPG
引用URL:https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/020/200/348/d80b6e1faf.jpg

ミサイルは、1発ずつ再補給をしていきます。何発も同時にできません。

VLSに収納される対空ミサイルも同様に、1発ずつの補給です。

ここで後方幕僚部の、作業配分の手腕が問われます。

・この艦に何発のミサイルを配分して、作業時間はどれくらいになるか?
・その間に故障部品の交換やエンジン整備がどれだけできるか?
・20隻以上の護衛艦等に対して、どの艦を優先して行うか?
・必要な弾薬がそろっているか、出撃時間に間に合うか?

後方幕僚部の腕の見せ所です。

1.2 やはりミサイルが足りない!?

硫黄島に部隊が到着し始めて、順番に補給作業を行っていきますが、後方幕僚部の懸念が的中します。
『やはり必要な対艦対空ミサイルが不足している!』
(参考記事)
幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
にて、後方幕僚部はミサイルの不足を懸念していました。

予感は的中して、集結した艦隊全艦艇にて対艦対空ミサイルの不足が発生しました。

事前に予測しており、硫黄島にミサイルを集結させていました。

しかし演習での連続交戦により、予想を上回る消費が起きました。

TG21.1の壊滅結果が、所要弾薬数の不足を招く事態となりました。

全国からの弾薬集積もやや遅れ気味であり、出撃予定時刻までに間に合わないと見積もられました。

『優先順位をつけて、艦隊にミサイルを再分配する!』

後方主任幕の決断により、弾薬消費の少ないTG21.3から弾薬を引き抜くことにしました。

1.3 不足分は米軍に頼め!

CTF70の米海軍には対艦ミサイルがありますが、すぐに海自艦に搭載できません。

そのため、対艦攻撃や対空防御について米軍の援護射撃を期待することになります。

艦艇の必要燃料についても、随伴した補給艦だけでは足りません。

米海軍は、空母打撃群に補給してなお余裕があるほどの補給能力があります。

図3 米海軍からの洋上補給
米軍補給艦.jpg
引用URL:wiki

不足する燃料について、ACSAに基づき補給要請を行うとすぐに了承が得られました。

恐るべし米海軍の補給能力・・・

どうにか燃料のめどは立ちました。
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(2)JTF再編成!離島奪還に向けた陸海空部隊!!

硫黄島での再補給・出撃前整備に併せて、JTF(統合任務部隊)の再編成となります。

今までは、防衛出動後の応急部隊編成により
・JTF1:陸上部隊(陸上自衛隊)
・JTF2:海上部隊(海上自衛隊)
・JTF3:航空部隊(航空自衛隊)

の編成にて作戦を実施してきましたが、ここで目的型統合任務部隊に再編成します。

※JTF再編成を行う意味
司令部の作戦立案・決定において、JTF(統合任務部隊)には部隊に番号を配分します。
目的型統合任務部隊に編成する場合、新しいJTF編成番号を付与して、任務付与を実施します。
今まで使用してきた番号(TG21.2・TF25)から、敵に部隊状況を察知されない防諜の意味もあります。


2.1 離島奪還部隊はJTF1と決定!

JTF再編成の結果、
・離島奪還任務部隊については、JTF1(指揮:SF司令官)
・沖縄・九州防衛部隊について、JTF2(指揮:陸自西方総監)

という内容に再編されます。

JTF2には、TG21.2がSF司令官の指揮を離れて配属となります。

また、沖縄・九州の海自・空自の航空部隊も、JTF2配属となりました。

JTF1には、本州の空自部隊が配属となります。

併せて輸送部隊に乗艦してきた、Wair(西方普通科連隊)が指揮下になります。

またJTF1はCTF70(米海軍第7艦隊主力)と、協同部隊で任務に当たります。

2.2 JTF1編成内容

JTF1(離島奪還任務部隊)の編成は、

※JTF1編成

CJTF1(SF司令官)
・TF10(護衛艦部隊)---TG10.1(元TG21.3):TG10.2(元TG21.4)
・TF11(海自航空隊)
・TF12(空自航空隊
・TF13(輸送奪還部隊)--TG13.1(Wair):TG13.2(おおすみ)
・TF14(掃海部隊)
・TF15(潜水艦)

という編成になります。

水上艦部隊は3個TG編成の予定でしたが、TG21.1の壊滅により兵力が少なくなりました。

作戦準備中には、海自艦艇通信系と陸自通信系の連接も実施されます。

図4 陸自海自通信系の連接調整
通信系.jpg
引用URL:https://www.shoshin.co.jp/products/jpg/20130610_01%E6%94%B9.jpg

意外と手間取るのが、通信系の確立です。
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(3)SF幕僚長(想定)戦死!それでも作戦開始だ!!

再補給と作戦準備の時間は、意外と長い時間を必要とします。

そのため、SF司令部とその他(EF・AF・SBF)部隊司令部との間に焦りが出てきます。

色々な調整事項で、指揮官の了承が得られないなど各部隊も焦燥してきます。

各部隊を落ち着かせる為に、SF幕僚長が他の部隊に出向いて話をすることになりました。

しかしここで、演習中最大の大ハプニングが発生します。

3.1 SF幕僚長戦死判定になりました〜(泣)!

CTF70との最終調整のためSF幕僚長が、米軍基地に停泊している「ブルーリッジ」に出発しました。

指揮官クラスの移動は、細かく出発時刻や到着予定時刻を通報します。
(何かあった時すぐに対処するため)

ゲリ・コマの活動が続いていたため、夜間に特別機動船(SB)で移動させます。

しかしいくら待っても到着報告が来ない!

どうなってるんだと司令部内がざわつき始めたとき、米軍派遣幹部から一報が!

『SF幕僚長、米軍警備部隊に誤射され想定戦死判定です〜(泣)!』

こんな所で米海軍が、凡ミスで誤射をやらかしてくれやがりました(怒)!

図5 米海兵隊艦隊保安チーム(FAST)(1980年代の写真)
FAST.jpg
引用URL:https://cdn10.picryl.com/photo/1989/01/01/a-marine-of-4th-platoon-fleet-anti-terrorist-security-team-fast-company-prepares-80057b-1600.jpg


近づいてきたSBをゲリ・コマと間違えて、対戦車ロケット弾の模擬攻撃をやらかしました。

誤射とは言え警備訓練の最中の為、SF幕僚長は3時間米軍に拘束されました。

SF司令部内では、幕僚全員が「なんじゃそりゃあ〜(怒)!」の状態です。
(後で米海軍横須賀基地司令がSFに謝罪する羽目に・・・)
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3.2 バタついたけど、出撃だ!

SF幕僚長(想定)戦死という、大ハプニングが発生しましたが出撃準備は整いました。

敵残存部隊は再び集結、取り逃がしたSSNの行方も不明です。

しかし作戦遂行に問題なしとして、離島奪還作戦第2幕の開始です!

さてどうなることやら・・・
(次記事):幕僚編I敵水上艦撃滅!SSNの反撃!そして目標達成へ!
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2020年02月27日

幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!

『SBUを投入して商船に偽装した情報収集艦を拿捕せよ!』
(2018年投稿記事です。)
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第1次総攻撃によって、敵X国艦艇に多大の損害を与えることができました。

しかし、TG21.1が壊滅する被害を受ける事態となっています。

下手人の商船に偽装した敵情報収集艦(AGI)を、SBU投入にて排除します!

知られざる、戦時での司令部計画のSBUの作戦演練をご紹介!
(前回記事):『海上自衛隊の燃料なめてんじゃねーよ(激怒)!!
(前記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
(次記事):幕僚編H再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!
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(1)なぜTG21.1は壊滅した?目標誘導艦の存在が明らかに!

前回計画した第1次総攻撃において、敵TGα・敵TGβへの攻撃戦果確認が実施されました。

結果として、半数以上の敵艦艇を撃沈・撃破することに成功しました。

しかし、敵TGβと対決したTG21.1は対艦ミサイルの反撃と敵SSNの攻撃で壊滅です。

この状況に、SF司令部は情勢見積もりの再検討を行います。

1.1 TG21.1へのターゲティングが正確すぎる!

連続情勢判断において、TG21.1への敵TGβの攻撃が適格過ぎる点を指摘されました。

併せて、敵SSNが都合よくTG21.1に近接していることについて、作為的との見解が情報見積もりで導出されました。
『TG21.1への対艦ミサイル誘導など、商船偽装情報収集艦がいるのでは?』

通常の情報収集艦(AGI)は、軍艦として行動しており識別が容易です。

図1 情報収集艦
640px-PLANS_Beijixing_(AGI-851)_20120514.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/中華人民共和国海軍艦艇一覧#/media/File:PLANS_Beijixing_(AGI-851)_20120514.jpg

国際法やサンレモ・マニュアルでは、発見しだい即時撃沈が可能です。

しかし、商船に偽装した情報収集艦であると状況が厄介になります。

商船の場合、まずは警告・臨検が基本となります。

敵X国商船が、当該演習海域内にいてもすぐに撃沈できません。

警告なしに、撃沈してしまうと重大な戦争犯罪になります。

とにかく、情報本部など各所から航行船舶の情報を集めます。

1.2 やはりいた!不審な敵X国商船から軍用電波を傍受!

情報本部電波部に要求した、情報要求(EEI)に対して回答がありました。

『TG21.1の近くに敵X商船が存在、対艦攻撃前後に不審な軍用電波を発信』

やはり、偽装商船の情報収集艦(AGI)が存在していました。

図2 偽装商船(イメージ)
Bundesarchiv_Bild_146-1985-074-27,_Hilfskreuzer_Kormoran.jpg
引用URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Kormoran_(ship,_1938)?uselang=ja#/media/File:Bundesarchiv_Bild_146-1985-074-27,_Hilfskreuzer_Kormoran.jpg

こいつがTG21.1への目標誘導を行った犯人で、次の目標は奪還部隊輸送艦と推定されます。


しかし、すぐに急行できる艦艇が近くにいません。

さらに偽装商船であるため重要情報や暗号書など、押収したいものもあります。

そのため、JTFは決断しました。
『SBU(特別警備隊)を投入して、偽装AGIを拿捕する!』

1.3 SBU作戦投入準備!

SBUを投入して、偽装商船(AGI)を拿捕することが決まりました。

この作戦は、奪還部隊の硫黄島到着を遅らせるわけにいかないので、スピード勝負で作戦を展開します。

S-3(作戦部)にいる特警隊運用幕僚が中心となって、作戦計画が練り上げられます。

ここでの作戦は、単にSBUだけを偽装商船(AGI)に降下させればよいわけでありません。

支援ヘリの投入・水上艦による支援態勢・部隊の回収など必要な後方支援もセットです。

特警隊幕僚からの要請で、艦艇を3隻(DDH×1、DD×2)を支援に回します。

特にDDについては、「CIWS BLOCkTB」搭載艦を派遣することになります。

図3 CIWS(BlockTB)
CIWSBlock1B.jpg
引用URL:wiki

「CIWS BlockTB」では、水上目標への精密射撃が可能となってます。

SBUの突入を援護する為に、「CIWS BlockTB」搭載艦の投入が前提となります。

RHIBによる近接は、相手に対応する時間を与えてしまいます。

各部隊に、作戦準備指示を発令していきます。
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(2)SBU偽装商船に突入!重要情報を確保せよ!

SF司令部で計画された、偽装商船(AGI)拿捕作戦の概要は、

・SBU(特別警備隊)2個小隊を投入
・第111航空隊がSBUをTG21.4のDDHに輸送
・TG21.4のDDHを作戦拠点として、HS(SH-60J)に乗せ換え
・DD×2は、偽装商船に近接・臨検と停止の警告、水上射撃支援
・SBUはHSから降下して、速やかに偽装商船(AGI)を制圧
・制圧終了後、DD×2によりSBUを回収
・AGIの制圧が難しい場合、SBUを撤退させDD×2により撃沈
・P-3C×1を現場上空に張り付け、敵SSNの攻撃から防御
・負傷者等は、父時分遣隊又は硫黄島分遣隊に搬送

SBUを作戦投入する場合でも、概略としてこれだけの準備が必要になります。

SBUなど特殊部隊の投入をすることは、全く簡単なことではありません。

米海軍はこのような作戦について熟練していますが、海自ではまだ不慣れな状態でした。

2.1 ついにSBU突入!

硫黄島への作戦資材の集積が進む中で、偽装商船(AGI)拿捕作戦は決行されました。

この作戦が成功しないと、離島奪還の任務の大きな障害となるためです。

ついにSBUが偽装商船(AGI)への突入を開始しました!

図4 特別警備隊のHSからの降下(公開訓練)
HS降下.jpg

この演習の中で、衛星通信によるリアルタイム送信実験が行われていました。

SBU隊員のヘルメットにつけたカメラ映像が、リアルタイム衛星通信で司令部に伝送されてきました。

偽装商船(AGI:多用途支援艦が模擬)に突入していく様子が、SF司令部作戦室に流れます。

私も、艦発隊で録画画像でしか見たことのなかった突入の瞬間を初めて見ました。

2.2 作戦成功!重要情報確保!!

突入後制圧完了までは、まるで映画のような状況でした。

制圧後、SBUから「敵X国の暗号書・作戦指令書」等の情報が転送されてきました。

やはり奪還部隊への攻撃意図を持っており、敵SSNへの作戦指令も実施していました。

※この時の多用途支援艦(偽装商船模擬)
敵艦役だった多用途支援艦には、模擬重要書類・模擬通信機を乗せていました。
突入が始まったら、破棄するよう指示が出されていました。
しかしあまりにも早いSBUの制圧で、ほとんど破棄できなかったそうです。


また公開訓練では登場させていなかった狙撃銃も、訓練の為しっかり使用していました。

図5 上空支援の特警隊狙撃手(公開訓練では89式自動小銃)
HS射撃.jpg
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTntUgiP76vf3DXoqsSjn4DicwPGLoVHOtMc1IB4Trd_JbS8FnbkA
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(3)SBUの防衛出動下の運用法は手探り状態!

今回の自衛隊統合演習では、SBUを偽装商船(情報収集艦:AGI)の制圧に投入いたしました。


SBUの本来任務は武装不審船の制圧となっていますが、防衛出動下での運用については、現在でも手探りの状態です。

・偽装商船(AGI)の制圧に使用するのか?
・離島奪還の先遣偵察隊として使用するのか?
・その他、基地防備の主力として使用するのか?


私の現役時代から論議されていました。

SF司令部では、強行制圧部隊として運用するという考えが流れています。

今後特別警備隊の防衛出動隷下での運用方法を、再検討すべき時期かもしれません。
(次記事):幕僚編H再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!
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幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!

『反撃の狼煙は、同時弾着対艦攻撃だ!』
(2018年投稿記事です。)
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味方部隊の集結と、反撃の準備を着々と整えるJTF!

敵水上部隊は、ついに味方の作戦に誘引され2つの部隊に分離します。

反撃開始の狼煙は、海空部隊による総攻撃!しかし落とし穴が!

ついに反撃を開始した、JTF演習部隊の様子をご紹介!
(前回記事):ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!
(前記事):幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
(次記事):幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!
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(1)敵水上部隊に対し、海空同時TOT攻撃を開始!

前回までの我の行動により、敵水上部隊がついに2部隊に分離してきました。

敵CV(空母)を主力とする部隊(TGα)は、TG21.2とCTF76の沖縄救出部隊を攻撃する意図のようです。

また、もう一つの敵TG1個部隊(TGβ)は、TG21.4が護衛する奪還部隊を攻撃する意図であると判断されました。

この状況に対し、ついに反撃作戦の第1段作戦を実施することになりました。

1.1 敵2個水上部隊に同時弾着対艦攻撃!

当面の脅威目標である、敵CVを主力とした部隊(TGα)に対し、

・沖縄から:F-15、P-3Cによる対艦攻撃部隊
・九州から:F-15、F-2、P-3Cによる対艦攻撃部隊
・展開が完了した、TF25(潜水艦部隊)2隻による水上攻撃

での同時弾着(TOT)攻撃を計画しました。

敵CV搭載戦闘機部隊による航空脅威を警戒して、F-15戦闘機を護衛に付けます。

航空部隊による、対艦攻撃に合わせて潜水艦による魚雷攻撃で壊滅を狙います。

また奪還部隊を狙った、水上部隊(TGβ)に対しては、

・TG21.1による対水上攻撃(対艦ミサイルSSM)
・本州から:F-15、F-2、P-3Cによる対艦攻撃部隊

での同時弾着攻撃(TOT)を計画しました。

第1段作戦では、可能な限りの水上艦の壊滅を狙います。

併せて、奪還部隊を狙う敵SSの撃破を意図しています。

1.2 総数70発以上の飽和攻撃!

第1段作戦では、空対艦・艦対艦ミサイルが70発以上の飽和攻撃となります。

敵水上部隊(総数19隻)に対し、これだけの数を発射するのか疑問に思うかもしれません。

実は対艦ミサイル1発そのものの破壊力は、あまり大きくありません。

さらに戦闘不能:大破以上に追い込むまで、複数発の着弾が必要です。

敵水上艦の迎撃能力を飽和させて、着弾させるために多数の発射が必要です。

特に侮れないのが、イージス級の防空能力を持つ艦の存在です。

図1 (仮想)敵水上イージス級防空艦DDG(052C型)
640px-CNS_Haikou_(DDG-171)_in_Rim_of_the_Pacific_(RIMPAC)_Exercise_2014.jpg
引用URL:wiki


敵水上部隊には、イージス級防空艦が存在します。

バカにできない防空能力を持っているため、優先して攻撃対象とします。

まずは、即応能力が高い空対艦ミサイルによる攻撃が主力です!

1.3 第2段作戦に向けての準備も怠らず!

併せて第2段作戦に向けての準備も同時並行で進めます。

・日本海に展開していたTG21.3を硫黄島周辺に移動
・硫黄島への作戦資材の集積
・TG21.4と奪還部隊を硫黄島に回航
・CTF70が小笠原列島西側に進出できるよう、敵SSNの探知・撃破


第1段作戦と並行して、第2段・第3段作戦の準備で大忙しです。

さあ、まもなく第1段作戦の攻撃時間です!
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(2)壮絶!太平洋での大海空戦勃発!!

同時攻撃前にTG21.1が、敵SS×1の撃沈に成功しました。

少なくとも、敵SSの脅威に怯えることは無くなりました。
(そう思っていたのですが・・・)

ついに第1段作戦の攻撃が開始されます。

2.1 敵TGαへの攻撃成功!しかし損害多数!

沖縄方面の、敵TGαへの攻撃はおおむね成功!

しかしCVを主力とした部隊への攻撃の為、味方にも多数の損害が発生しました。

戦果として、
・敵TGα:9隻中5隻の撃破・撃沈に成功(4隻残存)
・CV艦載機多数を撃墜・CVへの攻撃失敗
・イージス級DDG2隻中1隻の撃沈に成功(潜水艦)
・P-3C複数が、敵SAMにより被撃墜
・味方SSについて、1隻が攻撃成功後敵艦に探知され被撃沈


敵水上部隊(TGα)は、強力な防空能力により多くのミサイルが撃破されました。

何とか5隻を撃沈・撃破まで追い込みましたが、味方に損害多数の状況です。

しかし、TG21.2及びCTF76攻撃の意図を挫き、撤退に追いやることに成功です。

2.2 敵TGβへの攻撃は、相討ちか?!

同時に行われた、敵水上部隊(TGβ)の攻撃は、ほぼ相討ちの状況です。

戦果として、
・敵TGβ8隻中5隻の撃破・撃沈に成功(3隻残存)
・P-3C哨戒機1機の被撃墜
・敵TGβからの対艦ミサイル攻撃により、TG21.1に多数の被撃沈発生
・TG21.1 7隻中4隻被撃沈(3隻残存)
(被撃沈:DDH×1、DDG(はたかぜ型)×1、DD(むらさめ型)×2)

敵水上部隊(TGβ)の対艦ミサイル攻撃がTG21.1に集中した結果、被撃沈艦が多数となる損害です。

2.3 恐るべしSS-N-22(サンバーン)の威力!!

TG21.1の被害は、SS-N-22(3M80)(通称:サンバーン)によるものです。

図2 SS-N-22の水上艦発射シーン
SS-N-22.jpg
引用URL:https://image02.seesaawiki.jp/n/2/namacha2/c717c5fd6a07f335.jpg


亜音速の対艦ミサイルに混合して発射された、超音速対艦ミサイルSS-N-22は大変な脅威です。

各艦とも異なる2種類の対艦ミサイル迎撃に苦戦を強いられました。

結果、TG21.1は4隻被撃沈の損害です。

特にDDH×1とTG21.1の半数が失われたのは、緒戦から厳しい状況となりました。

第1段作戦の海空同時対艦攻撃は、なかなか厳しい結果となりました。

しかし、第1段作戦終了に気が緩んだところに追い討ちが待っていました。
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(3)イージス艦撃沈!!敵SSNの時間差攻撃!

JTFを指揮するSF司令部では、攻撃後の戦果確認に追われていました。

後方幕僚部でも、撃墜機乗員救助・撃破撃沈艦乗員救助など多忙を極めていました。

この時のSF司令部は、ひと時の気の緩みが発生していました。

そこに、突然TG21.1の残存部隊からの緊急無線が入りました。

(TG21.1)
『イージス艦被弾!敵潜水艦からの魚雷攻撃!!』
『魚雷2発被弾!船体急速に傾く!総員退艦命令発令!』
『敵潜水艦1隻を探知、敵SSNの模様!』

完全にSF司令部が凍り付いた瞬間でした。

まさか、CTF70を追尾していると考えていた敵SSN(米原潜が模擬)がいるなんて・・・

その後必死の対潜捜索が行われましたが、敵SSNを取り逃がしました。

残存部隊が3隻で、DDが2隻(HS×2)の状況では、再探知および攻撃が難しい状況でした。

3.1 恐るべきSSNの水中速度30ノット以上!

結果として、SF司令部の読み違いが原因でした。
『SSNは、CTF70の妨害に専念するだろう』

敵の行動を読み切れなかったのが原因です。

図3 原子力潜水艦SSN(ロサンゼルス級)
USS_Asheville_(SSN-758)2.jpg
引用URL:wiki

S
SNの水中速力は、30ノット以上あります。

この速力で、一気にTG21.1に近接して攻撃に参加したものと考えられました。

その後の演習事後研究会にて、CTF70からのSSN失探情報が伝わらなかった不運が重なりました。

3.2 TG21.1壊滅状態!兵力再編を急げ!

いずれにしても、第1段作戦の戦果で敵水上部隊の半数を撃破しました。

しかし、味方部隊の損害もかなりの状況です。

図4 ここまでの戦闘状況(概略図)
位置状況3.png

特にTG21.1が壊滅状態になったことが痛手です。

反撃作戦の第2段・第3段作戦への修正が必要になりました。

とにかく、硫黄島への集結が最優先!

まだまだ、奪還までの道のりは遠いですよ〜!
(次記事):幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!
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2020年02月26日

幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!

『敵さん、LSFにて奪還部隊を阻止するようだな・・・』
(2018年投稿記事です。)
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奪還作戦に向けて、ついに動き出したJTFと米軍部隊!

しかし敵も作戦阻止に向けて、正規・非正規戦を織り交ぜて攻撃を開始。

国際法と国内法の枷に縛られた、JTFを襲う数々の攻撃!

小説より混沌とした、現代の複合海空戦の様子をご紹介!
(前記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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(1)高速自爆ボート出現!JTFは攻撃できるか?!

反撃作戦が開始され、各部隊が行動を開始いたしました。

しかし行動を開始すると、通信量の増加・基地活動の激化により情報を察知されやすくなります。

今回は呉から奪還部隊が出撃する、という情報をわざと流出させます。

流出情報を逆用して、敵X国潜水艦を誘因・撃破する戦法に出ました。

1.1 不審高速艇出没!まさか高速自爆ボートか?

JTF奪還部隊が呉から出撃の情報を受けて、やはり潜伏していた敵X国SSが動き出しました。

しかし、JTF側の目的は敵SSを誘引することです。

探知された敵SSは、TG21.4とTF24(航空隊)のHS、P-3Cにより捕捉・攻撃により見事撃沈!
『敵SS1隻撃沈確認!!』

すんなり、呉から出撃する際に邪魔になっていた敵SS1隻の排除に成功いたしました。

これで奪還部隊を、小笠原列島に進出できます!

ところが、すんなりいかないのが現実の作戦です。

(S-2)
『海保より連絡!不審高速艇が海上規制を無視して出航!』
『海自の奪還部隊に向けて高速航行中!!』


JTFと協同関係にある海上保安庁が、海上の警戒や商船・漁船の出港規制を実施しています。

海保からの情報に騒然とするSF司令部!!

(SF幕僚長)
『まさか高速自爆ボートじゃないだろうな・・・』
図1 高速自爆ボート
kousoku.jpeg
引用URL:https://cdn-images-1.medium.com/max/2000/1*2VVjW-p-kSIMIkj-pYwr6Q.jpeg
※高速自爆ボート
イラン革命防衛隊がホルムズ海峡にて、A2/AD戦術の一つとして使用。
2000年にイエメンで発生した、米駆逐艦「コール」爆破事件が一例。
現代軍艦の弱点となる、超小型目標に対する防御を突いた戦法

1.2 高速自爆ボートを撃破!

(S-2)
『海保より至急電!不審高速艇より海保巡視艇攻撃を受けた!』
『海保は追跡を中止、高速艇はX国旗を掲げている!!』


追跡していた海保が攻撃を受ける事態となりました。

ただし海保は、X国旗掲揚という貴重な情報を伝達してきました。

不審高速艇がX国旗を掲げたということは、高速自爆ボートと判断できます。

SF司令官より命令が発せられます。
『TG21.4は、高速自爆ボートを撃破せよ!』

高速自爆ボートは、目標として小さいため対艦ミサイルが使えません。

よって主砲・CIWS・自衛用火器にて、対処となります。

何とか出現した6隻の撃破に成功しました。

敵味方不明・本土から出たゲリコマの場合、すぐに攻撃できません。

当時のROE(部隊行動基準)では、SF司令官の判断を仰ぐ必要がありました。
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(2)悲痛!LSF(Low Slow Flyer)対処遅れにより損害発生!

敵X国の攻撃は、さらに不正規戦を利用した厳しいものになってきます。

次に始まったのは、LSF(低空低速飛行体)による攻撃です。

(空自連絡幕僚)
『空自JADGEより連絡!日本本土より、識別不明の航空機離陸!』
『当該航空機低速にてTG21.1作戦海域に近づく!緊急発進にて対応中!』


正体不明機が、横須賀を出港して対潜行動中のTG21.1に近接するとの連絡が来ました。

(S-3)
『来たぞ!LSFの可能性がある!敵味方識別を急げ!』
※LSF:Low Slow Flyer(低空低速飛行体)
911事件以降、新たな脅威として認識された目標
小型軽飛行機・ヘリコプター等で軍事目標へ、緊急事態を装い着陸・自爆攻撃等の攻撃
民間識別IFFのまま飛行するため、判断が非常に困難
米海軍では、150ノット以下の飛行速度機をLSFの基準として対処

LSF対処の動画(蘭海軍)


図2 LSFの対象となりやすい機体(An-2)
An-2.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f0/Antonov_An-2R_on_ski_Ryabtsev.jpg

LSFは、艦隊に接近して重要目標(HVU)を攻撃する可能性があります。

しかし本当に民間機である可能性もあり、非常に判断が難しい状況です。

2.1 こちら報道ヘリ、緊急事態により着艦許可を求める!

LSFの可能性がある機体は、ヘリコプターと判明しました。

対処は、ROEに従い当該空域から離脱するよう警告を行います。

(TG21.1)
『飛行中のヘリに警告する!現在作戦行動中につき撃墜される危険がある!』
『直ちに管制官の指示に従い、この空域から離脱せよ!』

(民間ヘリ?)
『こちらは報道ヘリである。現在空撮取材中である。自衛隊の管制に従う義務はない!』
(統裁部が模擬HSの無線交信を演習部と実施)

だあああ!管制に従えよ〜!

さらにエスカレートしてこんなことまで言い始めました!
(民間ヘリ?)
『こちら報道ヘリ、機体に不具合発生。自衛艦への予防着陸を求める!』
『緊急事態宣言!直ちに近くの護衛艦への着艦を要請する!』

さあいよいよ混沌としてきました。

2.2 撃墜か?追い払いか?揺れるJTFの判断!

SF司令部内では、LSFに対する処置で大揉めとなります。
(S-3)
『CTG21.1からも撃墜許可を求めています!撃墜の判断を出すべきです!』
(S-0:法務)
『完全に敵味方識別ができていない!ホントに民間機だと違法行為になるぞ!』

司令部内では、撃墜か?追い払いかで大激論となりました。

その間にも、LSFがどんどんと近づいてきました。
『LSF、短SAM射程圏内まで近づきました!』
『国交省からは、報道ヘリの離陸を確認していないといってきています!』


ついに、SF司令官の決心と命令が下されます。
(SF司令官)
『LSFに対し、主砲による威嚇射撃を実施。』
『CIWS射程内まで進行した場合撃墜を許可する!』

とうとう、撃墜命令が発せられました。

2.3 LSF、DDGに急降下!ついに被害が・・・

撃墜命令が発令され、TG21.1がLSFに対処を開始します。

主砲による威嚇射撃が開始されても、TG21.1に近接を続けます。

ついに最悪の事態に・・・
TG21.1『緊急!LSFがイージス艦に向けて急降下〜!撃墜する!』
TG21.1からの絶叫に似た衛星無線通信が、SF司令部内に響き渡ります。

図3 LSF(ヘリ)が突っ込んできた!(イメージ)
LSF攻撃.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/mHjXmv7VoTo/hqdefault.jpg

統裁部の審判結果として、
『LSF撃墜成功、ただし攻撃したDD1隻に残骸落下』
『DDは中破判定、自力航行可能・対艦ミサイル発射不能』

SF司令部では、一時演習中断となりLSF対処の問題点洗い出しとなります。

『撃墜判断時期が遅すぎたのではないか?』
『CTG21.1に、射撃権限を委譲すべきでは?』


国際法と有事法制、国内各種法の狭間により判断が遅れる事態となりました。
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(3)戦時国際法と有事法制・国内法に揺れる現場


演習での、高速自爆ボートやLSFなどの攻撃対処を経験して気付いたことがあります。
『法律が、前線の混沌とした状況から完全に遊離している』

戦時国際法(特に海戦部分)では、高速自爆ボート・LSFへの攻撃は認められています。
(特にサンレモ・マニュアルに、自隊防護で規定があります。)

※サンレモ・マニュアル(海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル)
戦時国際法の海戦に関する部分は、多くが「慣習法(不文法)」である。
この慣習法を明文化・条約化する目的で、1994年に起案された。
現在まで条約として成立していないが、多くの国がROEの基準としている。

サンレモ・マニュアルでの規定を適用すると、国内法に引っかかる状態が現場にあります。
(LSF対処は、特に国内法との相反が激しい)

政治の世界で、政治家が勇ましいことを発言していますが国際法を読んだことがあるのでしょうか?

3.1 政治家たちへの提言!

現場にいたものとしては、現代の戦闘に合致した国内法の整備をしてほしいものです。

政治家の戦争観は、第2次世界大戦のままで止まっているとしか思えない現状があります。

せめて、現代の戦闘に合致した法律整備をお願いしたいものです。

さあ、どんどんと反撃作戦を進めていきますよ〜!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

『闘いは前線だけじゃない、司令部でも起きているんだ!』
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演習が始まり、敵X国の攻勢に苦闘し続けるJTF!

敵は2正面作戦を意図しているか?米軍との衝突を避けているのか?

戦況の混迷と、混乱する中で情勢判断を行い、敵の真の意図を見抜く必要があります。

反撃作戦のため、敵意図を探り作戦立案を行う幕僚達の闘いをご紹介!
(前回記事):『ウクライナからの軍事技術移転防止政策を!
(前記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・
(次記事)幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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(1)敵X国の意図・反撃目標の方針を見つけよ!

敵X国の攻勢が一段落して、2正面作戦の様相を呈して生きた演習です。

しかし敵X国の行動に不審な点を指摘する、,SF司令官の指揮官意図が示されました。

敵X国は、本当に2正面作戦を意図しているのか?

司令部では情勢判断を行い、判断結果から反撃作戦を計画していきます。

まずは、彼我(敵と味方)の行動結果を列挙して、情報再整理をします。

1.1 現在までの情勢結果

情勢判断を行うとき、現在までの行動結果を列挙します。

この作業は幕僚として、見落としが無いように書き出していきます。

1.1.1 敵X国の行動

・離島の占拠を継続
・水上部隊、SS(潜水艦)部隊が展開
・沖縄への航空攻撃・九州への弾道ミサイル発射
・在日米軍基地への直接攻撃は未実施


1.1.2 我(JTF)の行動

・最初の目標離島を占拠された状態
・沖縄への航空攻撃により、沖縄地上部隊が孤立状態
・弾道ミサイルにより、九州からの航空作戦能力減衰
・沖縄救出・離島奪還の2正面作戦を強いられる可能性
・沖縄もしくは離島への奪還部隊目標選定必要性あり

1.1.3 米軍の行動

・沖縄の米空軍は、制空戦闘に参加
・米海兵隊31MEUは、沖縄に健在
・CTG76(佐世保)の揚陸艦は無事であり、沖縄に弾薬輸送を希望
・CTF70は、小笠原列島東側に健在・敵SSの存在により西進阻害


1.1.4 現在の位置関係
図1 演習時の位置関係(仮想)
位置状況2.png
引用URL:http://www.gsi.go.jp/common/000087768.jpg

1.2 敵X国の意図

これらの行動情報から、敵の意図を推察していきます。
・敵X国は、2正面作戦を我(JTF)に強要する意図を作為
・敵X国は、米軍の全面介入を避けつつJTFと米軍を地理的に隔離
・2正面作戦は、敵X国の真の意図を隠す布陣
・敵X国の真の意図は、沖縄〜離島間でのJTF挟撃撃破
・米国の本格介入前に、作戦を終了させる意図


このように、敵の意図を導きだし、我(JTF)の作戦立案に役立てます

1.3 我(JTF)の行動方針
敵の意図を導きだした後、我(JTF)の行動方針と作戦方針を導き出します。

・主任務は離島奪還であることを再確認
・沖縄部隊の救出を、米軍CTF76と共同で部分作戦として実施
・敵SSの脅威を排除して、JTFとCTF70を合流、離島東側より奪還作戦実施
・作戦の前線集結・補給拠点を硫黄島に決定
・硫黄島への部隊集結行動により、敵水上部隊を誘因・分離撃破

1.4 我(JTF)の作戦方針
これらの情勢判断により、JTFは次の作戦方針を決定します。

・敵に対し、逆2正面作戦を強要
(沖縄救出を作為、さらにCTF70との合流を作為して、水上部隊撃破)
・離島奪還拠点として、硫黄島に部隊・作戦資材を集結
(敵SS部隊を誘因・撃破して、米軍西進を可能にする)
・離島奪還は東側より、米軍CTF70と共同で実施
(米軍CTF70との合流により、補給面の増強を行う)

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(2)弾薬を輸送せよ!後方の妙を見せるとき!

JTFの行動方針が決定いたしましたが、ここからさらに作戦計画の詳細を立案します。

この時、S-3(作戦)部門が作戦を立案します。

さらにS-4(後方)部門が、いかにして現実的な補給計画を用意するか、後方幕僚の手腕が問われます。

『後方活動範囲の限界が、作戦活動の限界点』
立派な作戦を立てても、後方の活動限界を無視していては、作戦が成り立ちません。

2.1 水上艦用対艦対空ミサイルを集積せよ!

後方幕僚部には、重要な役目が出てきました。
『水上艦の対艦対空ミサイルの再補給弾薬を硫黄島に集積』

作戦立案に伴い、いろんな分析が行われます。

その中で作戦分析幕僚部(S-9)と呼ばれる、軍事ORによる分析を行う部門があります。
※軍事ORについて
OR:オペレーションズ・リサーチのこと
数学的・統計モデル等を用いて、計画の効率的決定を行う科学的手法
引用文献:『軍事OR入門: 情報化時代の戦闘の科学』(飯田耕司著)

軍事ORのS-9部門から提出された作戦分析の結果、
・硫黄島集結までに、2〜3回の水上艦部隊の海戦事象発生
・3個TGを運用して、対艦攻撃・防空戦闘により多数の弾薬を消費
・硫黄島集結時、再補給をしなければ決戦時にJTF側に弾薬不足が発生

という結果が提出されました。

これに基づき、備蓄ミサイルの輸送を計画することになります。

2.2 対艦ミサイルが足りない!

後方幕僚部で輸送計画を立てたときに、ある問題が発生します。
『所要の対艦ミサイルが、必要分だけすぐに確保できない!』

対艦ミサイルといってもいろいろあります。

図2 対艦ミサイルいろいろ
191px-AGM-84_Harpoon_launched_from_USS_Leahy_(CG-16).jpgSSM-1B.jpg

引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/pg/hayabusa/img/main_825.jpg
https://www.mhi.com/jp/company/location/nagoyaguidew/history/images/index_pic_012.png


対艦ミサイルといっても、ホントにいろいろあります。

この中でRGM-84ハープーン・SSM-1B(90式艦対艦ミサイル)などが、水上艦で使用します。

『航空用対艦ミサイルをすぐに水上艦に乗せればいいじゃないか!』
そんなことを思う方もいるかと思います。

実際、可能なことは可能ですが簡単には実施できません!

また陸自の対艦ミサイルを、すぐに水上艦に乗せられるというわけでもありません。

さらに奪還部隊の陸自補給物品も、一緒に輸送する必要があります。

海自輸送艦では、陸自部隊輸送に四苦八苦する状態です。

以前の記事で、補給艦が足りない〜!と書いた記事を実感する状態です。
(関連記事)海上自衛隊は空母より強襲揚陸艦が欲しいのが現場の本音!

2.3 対艦ミサイルをたくさん撃ち込む必要あり!

敵水上艦に対して、対艦ミサイル1発だけで撃破できるわけではありません。

1隻に対して複数発射撃をして、ようやく撃破できます。
(敵艦からの迎撃・撃破効果には複数発の発射が必要)

色々、時間的制約などを考慮した結果
『所要の少ない水上部隊から、対艦ミサイルの一部を引き抜く!』
という荒業に出ました。

時間的余裕があれば、ミサイルを増やすこともできますが、時間優先です!
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(3)C-130Hを3機貸してください!!

何とか弾薬を確保したところで、今度は輸送手段の問題です。

当時、海自輸送機はC-130R導入前でした。

複数の対艦ミサイルを、短時間で大量に輸送するには空輸しかありません。

ということで、SF司令部に派遣されている空自連絡官のところに駆け込み、
『C-130Hを3機ほど貸して下さい!(はよ貸せやぁあああ!!)』
図3 空自C-130H
空自C-130.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/yusouki/C-130H/images/gallery/photo03.jpg
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何とか(交渉?乱闘?)の末に、C-130H輸送機が3機派遣されることに!

この時海自にも、C-130Hぐらいの輸送機があれば!と思いました。
(当時、海自輸送機はYS-11のみ)

何とか、反撃作戦の計画は整った!次は行動開始だ〜!
(次記事):幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで!

『BMD演習事項発生!墜とせえぇぇ!!!』
(2018年投稿記事です。)
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自衛隊統合演習が開始され、序盤から防戦に苦闘するJTFと米軍部隊!

しかし、防戦一方の部隊に対し、ついに弾道ミサイルに対するBMD演習事項が発生!

我が方の作戦妨害を狙い、沖縄九州戦線を分断される可能性が出てきました。

沖縄九州戦線を維持しながら、作戦目標達成に奮闘するJTFの奮闘をご紹介!
(前記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
(次記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
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(1)BMD演習事項発生!このタイミングかよ!

今回の自衛隊統合演習の中で予定されている演習事項に、BMD演習の予定がありました。

当時は、BMD体制が整備されつつあり、演習も何度か実施しています。

さらに練度向上の為に、自衛隊統合演習での生起事象(イベント)として盛り込まれ始めた時期です。

図1 BMD訓練
BMDPAC3.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/50/Start_to_PAC-3_Intercept_Test%2C_5_February_2000_%282%29.jpg

演習の事前説明会において、BMD演習項目の内容について提示されていました。
・BMD演習は、自衛隊統合演習中に1回生起
・弾道ミサイル発射は、統裁部所定で予告無しに実施
・演習部は、その時点での展開状況によりBMD対処を実施
・シミュレーションにより、BMD演習の結果を判定
・BMD演習の結果にかかわらず、着弾数発(想定)を任意の基地に想定状況付与
・着弾想定状況付与基地は演習内容に盛り込まれ、戦力低下と復旧訓練を演練


BMD対処を行いながら、当初作戦任務離島奪還を実施しなければなりません。

かなり厳しい内容となっています。

1.1 米軍衛星警戒情報!弾道ミサイル発射兆候あり!

前回から、沖縄方面で海空での激しい交戦状態が続くなか、SF司令部の米軍担当幕僚から緊急情報が入電!

(S-2)
『米軍より入電!X国弾道ミサイル基地で活動活発化!』
『弾道ミサイル搭載TEL(移動式輸送発射機)が展開した模様!


ついに来たか?それともブラフ(脅し)なのか?!

とにかく、BMD対処の行動を開始します。

TG21.2およびTG21.4の艦艇が太平洋に展開しています。

さらに米海軍佐世保基地を出港したCTF-76を護衛する、米軍の駆逐艦もBMD対処に入りました。

図2 米軍CTF-76に合流する第15駆逐隊(DESRON15)
640px-USS_Stethem_(DDG-63)_in_2009.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/第7艦隊_(アメリカ軍)#/media/File:USS_Stethem_(DDG-63)_in_2009.jpg

1.2 BOCC(共同運用調整所)は先制攻撃を保留!

さらにBMD演習は進められ、JTF2の上位部隊となるCJTF(統合幕僚長)と米軍の共同運用調整所で協議が進められます。

図3 BOCC(日米共同運用調整所)の位置付け
BOCC.gif
引用URL:http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/image/zuhyo02040305.gif

日米共同作戦の運用は、BOCCによって大方針が決められます。

そこで米軍から提案された先制攻撃によるTEL破壊」は、保留と決定!

その決定事項が通知されたときの、SF司令部の「・・うあぁぁ」という空気は今も覚えています。

沖縄の陸空自・米軍部隊は、すでに迎撃態勢が完了していました。
(S-3)
『弾道ミサイルは、沖縄部隊への発射の可能性が高いと見積もられる』

1.3 弾道ミサイル発射(模擬)!そして着弾!!

とにかく弾道ミサイルは迎撃の方針が決定され、部隊が展開します。

その中で、警報音と共についに緊急情報が!
(S-2)
『緊急!敵X国本土より弾道ミサイル発射!弾数●発!』
『ミサイル着弾予想地点は九州!ミサイル目標は九州!!』


なにい!九州だとおお!!

BMD対処司令官である航空総隊司令官から、撃墜命令が各部隊に発令!
(SF司令官)
『BMD対処!何としても墜とせえぇぇ!!』

SF司令官の絶叫に似た命令が、司令部指揮所に響き渡りました。

図4 イージス艦による迎撃
イージス艦迎撃.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/78/Lakeerie-sm3.jpg/250px-Lakeerie-sm3.jpg

BMD演習は、何とか予定の演練項目をこなしていきました。

そして統裁部より、弾道ミサイル着弾の想定状況が付与されました。

『空自新田原基地にMRBM1発着弾、海自鹿屋基地にSRBM1発着弾』
『弾頭は通常弾頭』『新田原基地は損害軽微、鹿屋基地は滑走路に着弾』


うあああ!航空戦の主力基地に損害が発生しました。

沖縄戦線への、重要な航空拠点にダメージを受ける事態です!

図5 空自と海自の基地
全国基地.gif
引用URL:http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/images/map.gif

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(2)SF司令部ゲリ・コマ攻撃にて通信機能低下!

BMD対処と、ミサイル着弾に伴う被害復旧に追われるSF司令部にさらに試練が襲い掛かります。

S-6(通信)
『先ほどから、MOFシステム及び衛星通信システムが安定しない!』
『MOFシステムと各艦艇をつなぐC2T(指揮管制ターミナル)が不調!』


BMDに続いて、今度は通信システムの故障発生か?!

指揮通信幕僚部(S-6)や整備班が必死になり、故障探求をしますが不具合が治りません!

後方幕僚部(S-4)も、艦補処等に連絡して予備品手配の最中に最悪の報告が!

『横須賀船越地区に、ゲリ・コマ攻撃多数!』
『衛星通信塔・電力施設にロケット弾着弾!』

図6 ゲリ・コマによるロケット弾攻撃!(イメージ)
rpg-7ゲリコマ.jpg
引用URL:http://mil.ru/images/military/military/photo/rpg-7_0003s.jpg


ついにSF司令部にまで、攻撃が及ぶ事態となりました!

可能な限り復旧を急ぐため、S-4(後方幕僚部)による必死の作業調整が続きます。

2.1 移動通信隊による通信網回復作業!

あまり知られていないことですが、海上自衛隊にも移動通信部隊が存在します。

現在は防衛大臣直轄となったシステム通信隊群移動通信隊(下総基地)を、万が一のために横須賀に呼び寄
せていました。

移動通信隊による懸命の移動無線システム稼働により、当面の通信が確保できます!

図7 移動通信隊(海上自衛隊)の衛星通信装備
移動通信隊(海上).jpg
引用URL:https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/19894791_778277525685534_4773605680935930613_n.jpg?_nc_cat=101&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=d68b816378e9e5a4d9e55b4538566f43&oe=5C4310BB


2.2 通信復旧の間に、さらに敵が展開!

BMD対処とゲリ・コマ被攻撃により、混乱する中でも作戦部隊は動いています。

混乱の間隙を突かれて、敵水上部隊主力が占拠された離島近くまで進出してきました。

複合攻撃と同調して離島の守備を固めて、占拠を恒常化させる狙いでしょう。
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(3)混迷と不可思議な戦線、沖縄戦線は囮か?!

早くも沖縄・九州戦線と、離島戦線の2正面作戦の様相を呈してきました。

混乱する戦況の中で、一つの意図的な敵行動が浮かび上がって来ました。

(SF司令官)
『なぜ、沖縄の部隊への敵攻撃が散発的なのか?』
『敵攻撃は、米軍部隊・基地を巧妙に避けている?』
『敵攻撃の意図は、沖縄への戦力分断か?』


どうやら、敵の意図に作為的な部分が見え始めました。

米軍部隊・基地への攻撃が、ほとんど行われていない状況が発生しています。

さらに占拠された離島に、一番近い沖縄への攻撃が散発的です。

情勢分析を再整理して、反撃作戦を立案する重要なヒントかも!

さあ、情報再整理・情勢分析・作戦計画立案の時間だ!
(次記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
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幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!

『交戦事象同時多発発生!これが戦争か・・・』
(2018年投稿記事です。)
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自衛隊統合演習がついに開始となり、次々と交戦事象が発生します。

対抗部隊(敵部隊)による攻勢が続き、JTFは苦境に立たされる!

SF司令部も鉄火場のような状態の中で、必死に敵の目的を妨害!

演習序盤の、苦闘するSF司令部幕僚たちの闘いをご紹介!
(前回記事):『韓国は佐世保にて日米韓旗問題の第2ラウンドか?!
(前記事):幕僚編A実動演習事前準備!任務離島奪還作戦!
(次記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで!
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(1)敵X国SS探知!さらに多数の交戦発生!

演習開始序盤から、敵X国SS(潜水艦)探知の情報が司令部に通報されました。

さらに、敵X国がついに攻勢を開始して、一気に鉄火場のような忙しさに!

(S-2)
『敵SS×2探知、我方EEZ内にて潜航行動中!』
『敵SS×2は、呉〜横須賀の海域にて活動の模様』
『CTF70(米第7艦隊)より、敵SSN×1を探知の通報!』

演習開始直後から、敵SSの探知情報が入ってきました。

演習開始前の情勢見積もりでは、敵SSが2〜3隻ほど我が方の海域に侵入しているとの見積もり通りです。


しかし、探知情報があってもSS攻撃は一筋縄ではいきません。

精密な位置情報を把握して攻撃するしかない・・・

とにかく敵SS部隊の脅威を排除しないことには、味方水上部隊の行動を阻害されます。

1.1 敵本土より航空機・巡航ミサイルの複合攻撃!

(S-2)
『敵本土より航空機・ミサイル探知!沖縄・九州に接近!』
『敵水上部隊、味方TG21.2へ急速接近!』


ついに敵本土から、航空機と共に巡航ミサイルが発射されたとの急報が入ります。

併せて、沖縄近くに展開していた味方水上部隊TG21.2にも攻撃が切迫!

敵X国は、占拠した離島を確実に占領するために戦闘を拡大させる意図か?

そのため、敵X国本土に近い、沖縄・九州の基地機能減衰を狙う攻撃が始まります。

自衛隊・在日米軍が応戦のため出撃して、交戦事象が多発!

図1 拡大する戦線
拡大する戦線.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/mdgs/mdgs11.jpg

しかし、応戦する味方部隊も徐々に押され始め、損害が出始めます。
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(2)味方DD(護衛艦)被撃沈!ゲリ・コマ出現!

味方部隊は、JTF1(陸自)JTF3(空自)と共同で必死の防戦を開始!

しかしついに損害が・・・!

2.1 味方DD被撃沈!戦闘機被撃墜が増加!!
(S-2)
『JTF3の防空戦にて、被撃墜が増加している!』
『TG21.2のDD×1被撃沈!DD×1も大破!』


ついに我が方(JTF2)のDD(護衛艦)も、対艦ミサイル攻撃を受けて損害が発生しました。

展開していた部隊の防空能力を超える飽和攻撃により、撃沈・大破の損害が・・・

図2 撃沈されるDD(イメージ)
AGM-84_Harpoon-damage.jpg
引用URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:AGM-84_Harpoon?uselang=ja#/media/File:AGM-84_Harpoon-damage.jpg


すぐに、沈没艦の生存者救助・大破した艦を佐世保にえい航する手配をします。

2.2 横須賀にゲリ・コマ部隊出現!!

さらに凶報が連続して飛び込んできます。

横須賀他、各地の基地・駐屯地にゲリ・コマ部隊による攻撃情報が入電しました!

SF司令部のある横須賀地区にも、ゲリ・コマ攻撃が生起!

警備中の陸自部隊および、海自横須賀警備隊が応戦中とのこと!

海自司令部機能をマヒさせるため狙われている模様です。

航空攻撃・巡航ミサイルと同時のゲリ・コマ攻撃にて、混乱と指揮系統の断絶を狙った複合戦となってきました。
図4 ゲリ・コマ攻撃への陸自の反撃!
640px-Japanese_15th_Regiment_conducting_urban_training_11-13-07.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/CQB#/media/File:Japanese_15th_Regiment_conducting_urban_training_11-13-07.jpg

2.3 驚愕のゲリ・コマ部隊の正体!?

横須賀へのゲリ・コマ攻撃は、何とか撃退されたとの情報が入ってきました。

捕虜にしたゲリ・コマ部隊から、敵の攻撃意図を探れるかも?

ゲリ・コマの情報要素要求(EEI)を問い合わせてみると、驚愕の情報が!
(S-2)
『横須賀のゲリ・コマは、Y国特殊部隊およびZ国活動家の模様』

なんだとおおお!!Y国はともかく、Z国がなんで?!

Y国のゲリ・コマは、情報見積もりにあったけど、一応友好国のZ国までもか?!

ここで、私の幕僚としての交代時間が来ました。

演習は、1週間にわたって続くため、幕僚たちも交代制で勤務についています。
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(3)先任幕僚が明かすシビアな現実・・・

演習の担当時間(ワッチ)が終了して、次のワッチまで休息時間です。

この間に、後方幕僚部の先任幕僚がいろいろな話をしてくれました。

『Z国のゲリ・コマ攻撃参加にずいぶん驚いていたな?』

まさか、演習でここまでの想定があり、驚愕していたのを見ていたようです。
『対象国 甲/乙/丙/丁という言葉は知っているな?』『はい。』
『日本が有事になったとき、当該国が何もしてこないと思うか?』


・・・返す言葉もありませんでした。

想像以上に、シビアで現実的な想定に改めて驚愕させられました。

司令部幕僚という仕事が、上辺の情報に踊らされることなく現実を見て準備する重要性を痛感する話です。

さあ、まだまだ演習が続くぞ〜(・・・初日でかなり疲労が・・・)
(次記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・
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幕僚編A実動演習事前準備!任務離島奪還作戦!

『JTFにおけるJTF2(海上部隊)の作戦を準備!』
(2018年投稿記事です。)
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自衛艦隊後方幕僚部の幕僚となったペンギンは、いよいよ動き出します。

JTF編成下の中で、JTF2部隊の任務と目標が定められます。

任務・目標を元に各種作戦、後方支援の任務作戦策定が必要です。

さあ、どのようにして作戦立案をしていくのかご紹介!
(前記事):艦補処自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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(1)想定状況付与!占拠された離島を奪還せよ!

自衛隊演習において、演習のシナリオは毎年変化します。

私が参加した年の、演習シナリオは奇襲占拠された(架空の)離島奪還です。

実動演習の前に、図上演習にてある程度の状況推移が行われています。

1.1 図上演習は、戦略(政策)レベルでの動きを決定!

図上演習では、外交情勢の悪化から(対抗国)の軍事行動までが行われます。

実動演習では、図上演習での結果を受けて実動演習にて対処します。

防衛省本省や関係省庁・統幕などが参加して実施されます。

図1 図上演習装置(東京目黒「海自幹部学校」にある)
図上演習装置.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/organization/o-05.jpg

1.2 統制部と対抗部隊の存在

演習の大きな特徴として、統制部と対抗部隊の存在があります。

統制部は、審判と演習統制の2つの役目を持ちます。

統制部がシナリオを進め、演習部が状況判断・作戦行動を行います。


対抗部隊は、統制部が演習を進めるうえで、敵役として行動を行います。
(自衛隊統合演習では、3自衛隊の一部部隊および米軍の一部が対抗部隊となります。)

図2 図上演習および実動演習の流れ
図演および実動演習.png
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/mdgs/mdgs03.png

1.3 演習部に陸・空の部隊も配属!

自衛隊統合演習では、海上自衛隊部隊のみで演習を行うわけではありません。

統合運用のために、JTF2には陸・空の一部部隊が配属されます。

※統合部隊における配属とは?
統合任務部隊で陸・空の一部部隊は、JTF2(海上部隊)に配属言う形で派出されます。
配属は、一定期間の間にJTF2の指揮下に置かれることです。
(作戦が終わったら、元の指揮官の指揮下になります。)
反対用語として隷属があり、恒常的に指揮下に置かれる部隊等を指します。

今回は、空自からC-130輸送機1〜3機、陸自から西方普通科連隊1個中隊が配属になります。

図3 西方普通科連隊(WaiR)
西方普通科連隊.jpg
引用URL:wiki


最終的に、西普連(WaiR)を上陸させて離島奪還が目標です。

陸・空からも連絡幕僚がSFに常駐して、統合作戦が行われます。
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(2)弾薬・燃料が予想よりキツイ!(後方主任幕僚)

実動演習の作戦計画は、一応事前にある程度準備されています。

しかし、図上演習の結果を踏まえて、(最新の想定)一般状況が改めて示されます。

ここで演習部は、(最新想定の)彼我部隊の状況を把握して修正します。

2.1 弾薬・燃料が予想より少ない!

最新の状況想定付与が示されたとき、(演習部)後方幕僚部全員が息を呑みました。

後方主任幕僚の「弾薬・燃料が予想よりキツイな・・・」という言葉が、(想定)状況の悪化を示していました。

演習だから、弾薬・燃料全て満タンで開始されるわけではありません。

図4 対艦ミサイル8発フル搭載の状況
対艦ミサイル.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6d/JS_Yugiri_Mk_141_Harpoon_Launchers.jpg

図上演習の結果、いくらかの弾薬変化、各艦各基地の備蓄量が変化しています。

2.2 ゲリ・コマによる備蓄の減少!

中には、ゲリ・コマにて破壊工作により使用不能の、燃料タンクが発生していました。

図5 燃料タンク(想定:ゲリ・コマにより使用不能)
nennryou.jpg

作戦開始前に、かなり後方支援に痛手となる状況付与が行われました。

2.3 想定数量に従い、後方支援作戦計画を修正!

とにかく、急いで作戦計画を修正して、全般作戦計画に反映させる必要があります。

自衛艦隊(SF)JTF2の作戦計画に基づいて,、各隷下部隊の作戦が決まります!

演習部の後方幕僚部(S-4)は、大急ぎで修正計画を作成します。

CJTF2(自衛艦隊司令官)の作戦計画決裁を受けて、作戦準備が整いました。

後は、実動演習の発動を待つのみです!(実動演習24時間前)
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(3)想像よりエグイ自衛隊演習の想定状況!

今回は、実動演習開始直前の司令部の動きを記事にしてみました。
(まだ演習開始前なのに、いろんなことがあり過ぎます。)

図上演習によるいろんな状況の推移の結果、実動演習で行動を起こします。

この中で、ちょっとぼやかして書かざるを得ない部分があります。

政治が関わる、防衛出動待機命令等の部分です。

3.1 政府からの命令に関するタイミングが・・・

今回、あいまいに表現して書いているのは、自衛隊の行動に関する部分です。

・『武力攻撃事態等に関する各種命令指示』
・『防衛出動待機命令   (自衛隊法第77条)』
・『防衛出動命令     (自衛隊法第76条)』
・『防衛出動時の武力行使 (自衛隊法第88条)』

などについてです。

どの時点で、何の命令が出ているかはちょっと書けない話です。

どのようなプロセス、タイミングなのか作戦行動と連結するためです。

3.2 防衛出動待機命令は出ないものと考えよ!

現在は、有事法制が整備されましたが、ひと昔はかなり異なっていたそうです。


『防衛出動待機命令は、出ないものと心得よ』
『防衛出動命令発令は、戦闘に間に合わないと思え』


昔の状況を知っている後方主任幕僚の、重い言葉が突き刺さります。

今の時代は、ちゃんと適時適切に政府の命令が出てくれることを願います。
(後方幕僚部の演習体験で実感いたしました・・・)

さて、ついに実動演習の開始だ!
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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