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自衛隊装備品に関わると、良く現場からこれ何とか改修しろ!なんてよく罵倒の声が上がります。
しかしながら、現場の声を実際に改修作業まで持っていくには結構煩雑な手続きが必要になります。
図1 64式小銃
引用wiki
64式自動小銃は、あれだけ文句を言われたのに大改修せずに来ています。
おかじ事業部の組織内の論理や、改修上申までの手続きが長すぎるんですよ!
(前回記事):『キャハ♡!T-14アルマータ戦車を全○にしてみました♡【軍事技術】』
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(1)装備品改修要求制度はあるけど途中で途切れるのよね
〇〇は使い物にならね〜!製造業者はクソだ!なんてのが世間をにぎわせています。
図2 M2洋上射撃
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sf/news/images/y1099.jpg
海自にいたペンギンも、M2機関銃の銃架でえらい目に遭いました。
1.1 装備改善提案制度はあるけど上層部で立ち消えになる
陸海空自衛隊にも、ちゃんと現場から装備改善提案を受け付ける制度は存在します。
図3 装備改善提案に関する達
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/2009/fy20100301_00061_010.pdf
一例として陸自の装備改善に関する達では、隊員及び部隊から装備改善提案を出すことができるとなっています。
陸士個人でも、装備改善提案を部隊に提出してゆくことが可能なんです。
現場部隊からの提案は、ここが使いづらい!このように直して!と簡単な内容で上級部隊に提出できます。
図4 装備改善提案書
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/2009/fy20100301_00061_010.pdf
経費などの話は、小隊長以上の幹部が調べて書き添えておくだけで十分提案書になります。
しかしながら、師団・旅団・大隊長などの上級部隊を経由していくといつの間にか提案書が立ち消えになっているのが多すぎるといえます。
部隊からの改善提案書は陸自補給統制本部にも通知されますが、師団・旅団から正式提案が無いと正式に動けません。
合議の合間に、いつの間にか立ち消えとなり結果として製造メーカーへの罵詈雑言しか残らない状況です。
おかじ事業部やうみじ水上事業部は、そんな装備改善提案が数多くあります。
(そらじ事業部は、改善提案がすぐに審査・改善する傾向があります)
1.2 ECP(技術変更提案)も嫌う組織体質は改善しないといけない
〇防関連企業の方にも見ていたく事の多い本サイトですが、あのECP(技術変更提案)がなかなか通らないなんて経験も多いかと思います。
図5 軽装甲機動車
引用wiki
軽装甲機動車なんて、市販部品が多いためECPでの製造中止品対策が連発した装備品です。
企業側はいろんなECPを提案して、整備保守体制をしてくれるのに防衛省側があんまり乗り気ではありません。
担当者のヤル気と、変化を嫌う組織の論理(金が無い!でごまかせる)も問題と言えます。
1.3 装備改善提案をもう少し真剣にやろうよ!
概算要求にて、装備品の不稼働という醜態をさらしたのは組織として恥じるべきことでしょう。
図6 装備品不稼働
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf
本来なら、しっかりと予備品を確保して活動できるようにするのが正常な組織です。
装備改善提案を毛嫌いして、予備品の確保もおぼつかない状況になっていたわけです。
P-1はおろか、P-3C哨戒機のエンジン数が足らなくて可動哨戒機が減少していたのがようやく表に出たといえます。
マジに装備改善提案に真剣に向き合おう!
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(2)防大の期別なんか装備改善に役立たねえんだよ!!
装備改善が進まない組織的な欠陥は、防大出身幹部が面子を気にして行動しないところにあると思います。
図7 防衛大学校
引用wiki
私ペンギンも防大出身者が原因で、装備改善が進まない体験をしたことがあります。
2.1 地雷の磁気センサー改修が進まない?!
防衛省に出向して、装備関連業務に従事していた時の話です。
ある時担当していた防衛装備製造企業から、陸自対戦車地雷の装備改善について相談を受けました。
図8 対戦車地雷
引用wiki
写真は72式演習用対戦車地雷の写真ですが、92式対戦車地雷には磁気センサーが装着されています。
そんな対戦車地雷について、磁気センサーを製造する企業が〇防産業から撤退することになりました。
主契約会社からの相談は、磁気センサーを自社生産品に置き換えるECPを提出したけど装備本部(現防衛装備庁)の担当者が取り合ってくれないという物でした。
(海自の機雷磁気センサーについてはすでにECP適用済み)
図9 レールガンおじさん
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/D_bKPTXU0AUC-az?format=jpg&name=medium
どうやら装備本部の担当者が、銀英伝の「レールガンおじさん」のように聞く耳をもってくれないようです。
私ペンギンの仕事にも関わるため、製造企業と共に市ヶ谷の装備本部にて担当者と会議をするとにしました。
そこでまあ、防大出身陸自幹部のわがまま非理性的な行動に直面します。
2.2 お前防大何期よ?それ装備改善に必要ありますかぁ?
装備本部の担当者は陸自特科の若い1尉でしたが、開口一番ケンカ腰の発言が出ます。
(装本1尉)
『ペンギン1尉は防大何期だよ、俺は〇〇期だけどお前見たことないな?』
(ペンギン)
『ああん?ワイが防大出身に見えるか?海の一般大院卒入隊組だワレぇ!』
『ついでに言うなら、おみゃ〜さんの3期上の扱いだコラぁ!』
図9ー2 怒り顔
引用URL:https://www.irasutoya.com/2020/07/blog-post_408.html
装備本部(防衛装備庁)は、陸海空や内局などすべての防衛省の装備調達を取り仕切る組織です。
それなのにいきなり防大期別の話をして、会話の主導権を握ろうという姿勢にあ然としました。
事前に装本担当者の経歴を調べていて正解だったぜ!
防大の期別が上か下なのかが、装備改善につながるとおもってんのかあ!
2.3 コスト増の説明責任を会計検査院に説明できるんか?
その後、話し合いはつつがなく進み決定打となったのは、
『ECPをしないと調達コスト増加になるけど、会計検査院への説明は装備本部は説明できるんですね?』
というダメ押しが聞きました。
図10 磁気センサー
引用wiki
磁気センサー自体はどこでも作れるけど、地雷や機雷用のセンサーとなると耐圧など特殊仕様になります。
どうもその辺の技術的な話を理解しないまま、担当者としての権限を振り回していたようです。
陸自特科の装備に、磁気センサーを使う物なんてないわな。
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(3)製造企業へのヘイトはやめて!改善提案書を出して!
装備品の悪評をよく聞くことがありますが、意外と改善提案を出したという人はいなかったりします。
図11 89式小銃
引用wiki
あれだけ酷評された89式小銃でも、改善提案でセレクタがアンビ化(左右両利き)になったのよ!
せめて改善提案書の怒涛の提出をしてから、文句を言ってください!
3.1 防衛局検査官に文句を言うという方法もある
意外な裏技として、地方防衛局の検査官に装備の苦情を言うという物があります。
図12 U-36定期修理完了
引用URL:https://twitter.com/KinkichubuDB/status/1694575551082893787/photo/2
そらじ事業部やうみじ航空事業部の装備改善提案が次々と行われるのは、防衛局検査官に素早く改善要求が伝わるという部分があります。
防衛局検査官は、防衛装備庁の担当部署に対してすぐに連絡調整して装備改善改修を要求できます。
あんまり全国にいないけど、防衛局検査官は素早く装備改善に対応してくれますよ。
なお検査官と言っても防衛施設を専門とする検査官もいるので、要領よく文句を言いましょう。
(関連記事):『【防衛省】知られざる地方防衛局・防衛事務所という組織のお仕事!』
装備改善の方法は、担当者のやる気次第では素早くできますので根気よく見ていきましょう。
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うみじも艦艇や航空などではBが強いところがあります。
ただ最近はうみじに進むBが少なく、幹部候補生学校では一般大卒(陸でいうU)の方が多くなっています。
また帝国海軍以来の伝統として、技術部門は一般大卒幹部の方が優先される空気があります。
(海軍造船官の平賀譲技術中将を始めとした伝統の強さ)
そこがおかじとうみじの違いとなっているといえます。
段々と自衛隊も大変革の時期となっているので、注目です。
失礼ながらうみじさんはBが強い印象がありました。もともとシーマンシップがあり比較的インテリが行きやすいうみじさんはプライドというか、誇りがあるのでしょうね。
おかじの私達は上から下まであるので能力主義(悪い意味:Bでもエースはエース扱い)だったかもしれません。
これからの自衛隊さんに期待ですね!
そうなんですよね、やる気をもって仕事に取り組んでも組織の論理や惰性で動く現状に幻滅してやめていってしまうのが自衛隊です。
人手不足も、身から出たサビとしか言いようがないです。
自衛隊あるあるですね