\PR!/
2021年10月20日に、ついに海上自衛隊初の油槽船が進水式を迎えました。
補給艦でもなく輸送艦でもない支援船となりますが、燃料輸送という大事な後方支援体制整備の第一歩です。
4900トンの支援船という異例の状態ですが、時をみて給油艦(自衛艦籍)になるかもしれませんね?
新時代の油槽船は、なかなか注目度が高いものになりそうです!
(関連記事):『【防衛省】油槽船建造所決定!だけど書類地獄だぞおお!』
\こちらもご参考に!PR/
(1)祝!油槽船YOT-01進水式!
31大綱にて計画されていた、後方支援体制の拡充の一つとして計画されていた油槽船がついに進水しました。
海上自衛隊として初めて導入する船舶となります。
1.1 輸送艦(ゆそうかん)と油槽船(ゆそうせん)は紛らわしいね!
平成31年度予算にて計画された油槽船2隻のうち1隻が、愛媛県今治の「株式会社新来島波止浜どっく」にて進水式を迎えました。
図1 進水式
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/kure//info/gallery/img/2021_10/20211020b.jpg
YOT-01という新しいタイプの支援船となります。
今後もう一隻の進水式を迎え、2022年3月にYOT-01は海上自衛隊に編入されます。
(関連記事):『【防衛省】油槽船(仮称)が概算要求項目に登場したよ!』
(関連記事):『【防衛省】油槽船は結構デカい船になるようだね?!』
1.2 サイドスラスター付きでカッコいいね!
油槽船については、艦首と艦尾にサイドスラスター付きの構造となるようです。
狭い港内にて自在にタグボートなしでも運用することを考えたのでしょう。
まあ、通常の内航船バンカーでは当たり前の装備なので本気でNK規格で整備を考えたのでしょう。
今後もがみ型護衛艦と共に、サイドスラスター付きの船舶が増えてくるでしょう。
1.3 どの部隊で運用するんだろう?
問題はどの部隊で運用するか、今後もめるのではないかと思います。
通常では油船(YO)を運用するのは、各総監部警備隊の港務隊が行います。
図2 油船YO
引用wiki
しかしながら、これほど大きい船を運用するにはいろいろ苦労しそうです。
警備隊直属の船舶(多用途支援艦や輸送艇)のような運用になるかもしれません。
あるいは、設立される共同部隊海上輸送隊群に編入されることも考えられます。
今後どのように運用していくか楽しみですね〜!
\かつての給油艦もいいかもね!PR/
敷設艦 工作艦 給油艦 病院船 表舞台には登場しない秘めたる艦船 (光人社NF文庫) [ 大内建二 ] 価格:825円 |
\PR!/
(2)なかなか興味深い船となったね〜!
油槽船については、民間タンカーを基本として商船仕様を使って建造されています。
そんな中でも、興味深いところがいくつもあります。
2.1 株式会社新来島どっくの特許技術使用!
進水後の油槽船の写真を撮った方がいて、なかなか興味深い技術が使われているようです。
油槽船のプロペラの上に何やら妙な構造物があるため、これはいったい何だろう?と思いました。
どうやら株式会社新来島どっくの特許技術による、トンネルフィンと呼ばれる抵抗抑制技術のようです。
図3 トンネルフィン
引用URL:https://www.skdy.co.jp/images/patent/patented_technology_img5.png
確かに、この位置にフィンを付けておくとプロペラに入らない水流による抵抗を抑えることができます。
なかなか考えられた構造で、効率もよさそうです。
さらに小型化した、チップフローフィンという設計もあるようです。
2.2 ナゾの艦橋構造物はいったい?!
油槽船については、船橋構造物についてもナゾが多そうです。
図4 進水式左舷
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FCInPyyVEAcXbIQ?format=jpg&name=medium
普通の構造物かと思えば、後部はいろいろ複雑な状況となっているようです。
貨物を搭載するスペースを確保するのか?作業艇収納も考えているのか?
今後の続報を待ちましょう!
2.3 燃料ホースも凄そうだね〜!
今回の油槽船について、ROKETTOさまから教えていただいた油槽船に搭載する油輸送ホースも凄そうです。
図5 油輸送ホース
引用URL:https://fpec1.co.jp/images/hose/offshore/riberia1.png
すでに、砕氷艦しらせにて使用している強力なホースを使用する模様です。
燃料輸送にかける本気度が伝わってきます。
\PR!/
(3)エンジンその他の性能発表はまだかな?
今回進水した油槽船については、支援船のためあまり詳細な性能が発表されていません。
あくまで、就役するまで補助船舶ですよ〜!という理論を通すつもりでしょう。
3.1 LCACのように自衛艦に編入という可能性も・・・
4900トン型油槽船はこれだけの大きさもあるかとから、就役後に自衛艦に編入される可能性も否定できません。
おおすみ型輸送艦に搭載したLCACが、整備や国有財産の関係から「搭載艇扱い」から自衛艦に編入された前例があります。
たぶん造修補給所の要望で、自衛艦に編入してくれ!なんて声が出るかもしれません。
(年次点検・定期点検予算確保が、搭載艇や支援船だと確保しにくいため)
今後も面白くなりそうですね〜!
\補給は大事だよ〜!PR/
日本海軍ロジスティクスの戦い 給糧艦「間宮」から見た補給戦のすべて (光人社NF文庫) [ 高森直史 ] 価格:957円 |
\PR!/
防衛・軍事ランキング
↑ブログ主の更新意欲維持の為↑バナーをクリック↑
↑していただければブログ主が↑頑張ります↑
米軍MSCのような組織を創設するのが最も理想ですが、海自の現状としてはなかなか難しい感じがしています。
第1種支援船で港務隊の船(YTなどの曳船)を、PFIで運用することが提案されていますが緊急出港などに対応できるかという問題があります。
(東日本大震災で陸上基地給食のアウトソーシングがキャパオーバーになってしまった実例があります)
退職自衛官の受け入れ先として、特別目的会社設立でどこまでやれるか検討するべきかもしれません。
コメントを読んでまして、米海軍だとMSC(Military Sealift Command)の組織があるなと思いました。
米海軍のAGOSはMSCの運用と聞きました。
海自も人員不足が言われるならば、MSCやRFAのような組織の考えはないのでしょうか。
(また聞きですが海洋観測を下請け?に出したとの話も)
(海自AGSはもう一つ大事な作業もあると聞くので難しいのかもしれませんけれど。)
>本省直轄事業として次年度開始予定の社会基盤整備の特別枠扱い
これは防衛省本省・海幕では国交省との管轄が絡むのでやりたがらないでしょう。
今度創設される共同部隊の「自衛隊海上輸送群」に組み込めば、ある程度の予算緩和になるかもしれませんが・・・
予算と管轄権が絡むと、ややこしいのが現状です。
>Royal Fleet Auxiliaryのような「国防省(防衛省)が保有し、海軍本部(海幕)が責任を有し、非組合員の民間人によって運航される」
YOTや輸送舟艇の究極の形としては、RFAが最適であると思います。
ただ日本の場合、太平洋戦争における遺恨から船員組合の協力がどこまで得られるかですね(ご先祖帝国海軍何してくれてんねん!)
海賊対処派遣で、ようやく船員組合と和解の兆しが出ていることから今後じっくり関係修復をして日本補助艦隊精度創設がいいかもしれません。
@点検整備費用で、地方隊予算が圧迫される可能性がある。
→地方隊をまたいだ基地間の輸送もあるのですから、本省直轄事業として次年度開始予定の社会基盤整備の特別枠扱い(南西諸島などの空港や港湾の整備の一環としてのインフラ相当)にはならないのでしょうか?(例示された「しらせ」にしたところで本来は内閣府か文科省が手当すべきものですし)
A乗員養成・配置など人員不足を補えるか不安。
B有事の運用をどうするか?
→Royal Fleet Auxiliaryのような「国防省(防衛省)が保有し、海軍本部(海幕)が責任を有し、非組合員の民間人によって運航される」しか思いつきません。。。後は第二船籍制度導入(便宜置籍船ではない)くらいでしょうか。
YOT(油槽船)は、現時点では艦艇ではなく支援船として建造・就役となりました。
メリット・デメリットの視点で話をすると、
・メリット
@支援船(YO)の延長として、予算項目に存在する「支援船建造費」として建造できた。
(自衛艦(艦艇)として建造すると、新規予算項目として財務省に要求説明が求められる)
A海上自衛隊地方隊の裁量で、柔軟な運用補給業務ができる。
(統幕などの茶々が入らない)
B燃料輸送コストの軽減が見込める。
・デメリット
@点検整備費用で、地方隊予算が圧迫される可能性がある。
(砕氷艦しらせ整備で、横地隊の艦艇整備費用はいつも大変)
A乗員養成・配置など人員不足を補えるか不安。
(再任用隊員・予備自衛官の民間人配置が検討中)
B有事の運用をどうするか?
(攻撃対象となるYOTに民間船員を配置し続けられるか?)
と言ったところです。
またYOTの船長は三等海佐が配置されていますが、部内幹部もしくは定年後再任用された幹部が配置となる模様です。
警備隊隷下の港務隊所属なので、A幹が配置されることはまずないでしょう。
油槽船YOT-01と02については、支援船として平時運用を考慮しています。
LCACがかつて搭載艇から自衛艦(艦船)に種別変更された理由として、運用上のニーズが増えたことによる対応があります。
将来的に小型船艦船の需要(哨戒艦・FFM・MSO)によっては、艦船に種別変更もあるかもしれません。
ただ洋上補給用装備の後付けなど大掛かりな改装が必要でしょう。
計画されている両用戦群への、小型補給艦として運用する方法や陸自揚陸部隊用給油艦への転身も考えられます。
(陸自車両用に燃料補給ができる艦船が無いのが現状です。)
陸自の要求次第では、艦船編入もあるといえます。
質問ですが、将来的にYOT-01型が艦艇に編入される可能性はありますか?
YOT-01が無事に就役して、何よりといえます。
さすがに4000トンもの船で外洋にも出ることを考慮して、船長については幹部自衛官(3佐)を付けた模様です。
多少、地方隊の艦艇減少に対するポスト補充も面もあるかもしれません。
併せて船を運航できる船舶法に定められた「海技士」に相当する、部内の運航1級(機関1級)資格を充てることになるため幹部が必要となった部分もあります。
ttps://news.yahoo.co.jp/articles/821bd608dec46244c14fe3de773a7fe4f45174ac
>海自初の油槽船「YOT01」就役 呉警備隊に配属
通常の油船は海曹クラスが船長を任されるそうですが、此方では3等海佐の方が就いた辺り
近場の港内のみならずあちこち持っていく前提なようで……(ミサイル艇全廃、掃海艇削減のポスト埋めでは?という見方もあるようですが
想像の範囲ですが、試験艦「くりはま」で実験してその後潜水艦救難艦などに装備した昇降式スラスターがもしかすると装備されているかもしれません。
最初は掃海艇などに搭載するつもりで開発が行われましたが、
船底に穴をあけたくないという理由で見送られ、潜水艦救難艦が位置保持の目的で装備したことがあります。
海洋観測艦「しょうなん」などに装備されたポッド式アジマススラスターだと高価になるので古い装備を転用しているかもしれません。
油槽船のスラスターについてですが、
・スラスターマークがスクリューに近い
・シリングラダーを採用している
ことから横進時に発生する水流に対する注意喚起のためにスラスターマークを記載しており実際にはスターンスラスターは搭載していないと考えていました。
やはりマークが書いてあるということは実際にスターンスラスターが搭載されていると見るべきなのでしょうか?
ホワイトビートの沖縄基地隊への燃料輸送が第一の任務となるでしょうが、 普段からの各総監部基地燃料タンクへの輸送も多くなるでしょう。
また、宮古島平良港(ひららこう)など結構臨時に艦艇補給施設として使えそうな港が南西諸島に点在しています。
今後他の自衛隊の展開状況を見て、運用が決まっていくのでしょう。
ここまでの大規模設備搭載となると燃料輸送の対象はホワイトビーチのみならず奄美基地や硫黄島含む小笠原方面も
対象になりそうですがさてどうなるのか
父島などに空自警戒隊の新規配備も行われる予定な現状、色々予想しにくいにも程がありすぎる