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2020年03月04日

北朝鮮イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

『イスカンデルミサイルもどきはどこから来た?!』
(2019年投稿記事です。)
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北朝鮮が2019年5月に再びSRBM(短距離弾道ミサイル)を発射しました。

再び発射したミサイルは、ロシアのイスカンデルに酷似しています。

韓国弾道ミサイルのコピーではないか?との憶測も呼んでいます。

このイスカンデルもどきは、どこから来た?
(前回記事):『防衛省で新インセンティブ契約品が増えてるね〜!
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(1)北朝鮮が発射したイスカンデルもどきは?

まずは、2019年5月4日と5月9日に北朝鮮が発射したミサイルについて観察!
図1 北朝鮮が発射したミサイル(5月4日発射の分)
5月4niti.jpg
引用URL:https://img3.yna.co.kr/etc/inner/JP/2019/05/09/AJP20190509004500882_01_i_P4.jpg

まあ、軍事を齧った人ならば、ロシアイスカンデルMミサイルのコピーと読み解きます。

装輪式移動発射装置(TEL)も、イスカンデルMミサイルそっくりです。

図2 ロシアイスカンデルMミサイル
9M723.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/185/QypLC.jpg

1.1 一部違うところも?

北朝鮮の研究をしているTarao Goo@NK Watcher氏のTwitterに、違いが判る写真がアップされていました。
図3 イスカンデルもどきの後部写真
イスカンデルもどき後部写真.jpg
引用URL:https://twitter.com/GreatPoppo/status/1126731555441741825

オリジナルのイスカンデルミサイルにはない、外部ケーブルカバーが見えます。

完全なイスカンデルのコピーというわけではないようです。

となれば、北朝鮮のイスカンデルもどきはいったい何なのか?

ここで、本家ロシアのイスカンデルミサイルについて整理してみます。
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(2)イスカンデルミサイル本体は4タイプある!

9K720(イスカンデル)は、ひとくくりにされているところがあります。

ただ、細かい部分ではいくつか差異が存在します。

大きく分けて3タイプのシステムがあります。
・イスカンデルM(ロシア本国用)
・イスカンデルE(輸出用)
・イスカンデルK(巡航ミサイル搭載型)

今回は、ミサイル本体の9M723に標準を合わせます。
(M、E型にあるSRBM)
2.1 9M723に4タイプの派生型

ミサイル本体は、9M723と呼称されています。

図4 9M723ミサイル搭載車両(ロシア)
9m723orizinaru.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/185/TYYPG.jpg

現状で判明している、9M723の派生型は4つ存在します。
・9M723:オリジナル版(イスカンデルEにも使用)
・9M723-1:イスカンデルMに搭載されるミサイルユニット
・9M723K1/9M723K5:クラスター弾搭載型
・9M723 2016ver:2016年に登場した新タイプのミサイル

図5 9M723K5(イスカンデルとよく紹介されるタイプ)
K5.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/185/OxSKB.jpg

2.2 初期型9M723の設計図を疑ってみるべきか?

今回いろいろ検討をしてみた結果、初期型の9M723に酷似しているように感じます。

図6 9M723の状態
syikigata.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/816/8yqqh.jpg

輸出用のイスカンデルEにも使用されており、情報に接しやすいと考えます。

2.3 KN-02の技術を堅実に拡張したか?

今回のイスカンデルもどきについては、北朝鮮で全く新しい製造ラインで作ったとするのは早計です。

北朝鮮が保有する、KN-02(SS-21)の生産基盤が使われたと考えられます。

イスカンデルミサイル本体も、SS-21をベースに作られているためです。
図7 SS-21
SS-21.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/191/v5rjj.jpg
技術面で堅実にKN-02製造技術をベースとすれば、それほど生産が難しいとは言えません。
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(3)韓国から外観設計図が漏れたと考えるべき

2018年2月の北朝鮮軍事パレードにて、イスカンデルもどきが登場していました。

図8  イスカンデルもどき?(軍事パレード)
2018年登場.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DVjkbtFV4AAgLMs.jpg

この時登場したものと、2019年5月発射のミサイルにはややデザインの違いがあります。

2018年登場時は、KN-02(SS-21)に近いデザインでした。

3.1 韓国から外観設計図が漏れたとみるのが自然

今回、急に登場して発射が成功したのは、韓国から設計図が漏洩したとみて間違いないと思います。

しかし全て韓国の玄武2Bのコピーと考えるべきではないでしょう。

弾道飛行コースは、玄武2Bとは違うものです。

全体的には、
・ミサイル外観:韓国のコピーによるもの
・ミサイル本体:KN-02をベースとした開発
・誘導システム:ロシア・中国からプログラムを入手

このような形が、イスカンデルもどきになったと考えます

3.2 射程は1000kmを見ておくべき!

今回の北朝鮮版イスカンデルもどき(KN-23)についての射程は、予想より長い可能性があります。

5月9日の発射では420km飛行したとあります。

ロシアのイスカンデルは、公称450Kmとなっていますが実際は、1000km飛行する能力があるとの報道です。
(グルジア紛争で、850km飛行した形跡あり)

現状では、射程1000kmを見ておくのが最善でしょう!

今後、イスカンデルもどき(KN-23)が、日本の安全を脅かす可能性があります。
(ノドンなどに代わって配備が進む可能性)

留意していくべきでしょう。
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posted by sstd7628 at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術
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