(2018年投稿記事です。)
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自衛艦隊後方幕僚部の幕僚となったペンギンは、いよいよ動き出します。
JTF編成下の中で、JTF2部隊の任務と目標が定められます。
任務・目標を元に各種作戦、後方支援の任務作戦策定が必要です。
さあ、どのようにして作戦立案をしていくのかご紹介!
(前記事):艦補処自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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(1)想定状況付与!占拠された離島を奪還せよ!
自衛隊演習において、演習のシナリオは毎年変化します。
私が参加した年の、演習シナリオは奇襲占拠された(架空の)離島奪還です。
実動演習の前に、図上演習にてある程度の状況推移が行われています。
1.1 図上演習は、戦略(政策)レベルでの動きを決定!
図上演習では、外交情勢の悪化から(対抗国)の軍事行動までが行われます。
実動演習では、図上演習での結果を受けて実動演習にて対処します。
防衛省本省や関係省庁・統幕などが参加して実施されます。
図1 図上演習装置(東京目黒「海自幹部学校」にある)
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/organization/o-05.jpg
1.2 統制部と対抗部隊の存在
演習の大きな特徴として、統制部と対抗部隊の存在があります。
統制部は、審判と演習統制の2つの役目を持ちます。
統制部がシナリオを進め、演習部が状況判断・作戦行動を行います。
対抗部隊は、統制部が演習を進めるうえで、敵役として行動を行います。
(自衛隊統合演習では、3自衛隊の一部部隊および米軍の一部が対抗部隊となります。)
図2 図上演習および実動演習の流れ
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/mdgs/mdgs03.png
1.3 演習部に陸・空の部隊も配属!
自衛隊統合演習では、海上自衛隊部隊のみで演習を行うわけではありません。
統合運用のために、JTF2には陸・空の一部部隊が配属されます。
※統合部隊における配属とは?
統合任務部隊で陸・空の一部部隊は、JTF2(海上部隊)に配属言う形で派出されます。
配属は、一定期間の間にJTF2の指揮下に置かれることです。
(作戦が終わったら、元の指揮官の指揮下になります。)
反対用語として隷属があり、恒常的に指揮下に置かれる部隊等を指します。
今回は、空自からC-130輸送機1〜3機、陸自から西方普通科連隊1個中隊が配属になります。
図3 西方普通科連隊(WaiR)
引用URL:wiki
最終的に、西普連(WaiR)を上陸させて離島奪還が目標です。
陸・空からも連絡幕僚がSFに常駐して、統合作戦が行われます。
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(2)弾薬・燃料が予想よりキツイ!(後方主任幕僚)
実動演習の作戦計画は、一応事前にある程度準備されています。
しかし、図上演習の結果を踏まえて、(最新の想定)一般状況が改めて示されます。
ここで演習部は、(最新想定の)彼我部隊の状況を把握して修正します。
2.1 弾薬・燃料が予想より少ない!
最新の状況想定付与が示されたとき、(演習部)後方幕僚部全員が息を呑みました。
後方主任幕僚の「弾薬・燃料が予想よりキツイな・・・」という言葉が、(想定)状況の悪化を示していました。
演習だから、弾薬・燃料全て満タンで開始されるわけではありません。
図4 対艦ミサイル8発フル搭載の状況
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6d/JS_Yugiri_Mk_141_Harpoon_Launchers.jpg
図上演習の結果、いくらかの弾薬変化、各艦各基地の備蓄量が変化しています。
2.2 ゲリ・コマによる備蓄の減少!
中には、ゲリ・コマにて破壊工作により使用不能の、燃料タンクが発生していました。
図5 燃料タンク(想定:ゲリ・コマにより使用不能)
作戦開始前に、かなり後方支援に痛手となる状況付与が行われました。
2.3 想定数量に従い、後方支援作戦計画を修正!
とにかく、急いで作戦計画を修正して、全般作戦計画に反映させる必要があります。
自衛艦隊(SF)JTF2の作戦計画に基づいて,、各隷下部隊の作戦が決まります!
演習部の後方幕僚部(S-4)は、大急ぎで修正計画を作成します。
CJTF2(自衛艦隊司令官)の作戦計画決裁を受けて、作戦準備が整いました。
後は、実動演習の発動を待つのみです!(実動演習24時間前)
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(3)想像よりエグイ自衛隊演習の想定状況!
今回は、実動演習開始直前の司令部の動きを記事にしてみました。
(まだ演習開始前なのに、いろんなことがあり過ぎます。)
図上演習によるいろんな状況の推移の結果、実動演習で行動を起こします。
この中で、ちょっとぼやかして書かざるを得ない部分があります。
政治が関わる、防衛出動待機命令等の部分です。
3.1 政府からの命令に関するタイミングが・・・
今回、あいまいに表現して書いているのは、自衛隊の行動に関する部分です。
・『武力攻撃事態等に関する各種命令指示』
・『防衛出動待機命令 (自衛隊法第77条)』
・『防衛出動命令 (自衛隊法第76条)』
・『防衛出動時の武力行使 (自衛隊法第88条)』
などについてです。
どの時点で、何の命令が出ているかはちょっと書けない話です。
どのようなプロセス、タイミングなのか作戦行動と連結するためです。
3.2 防衛出動待機命令は出ないものと考えよ!
現在は、有事法制が整備されましたが、ひと昔はかなり異なっていたそうです。
『防衛出動待機命令は、出ないものと心得よ』
『防衛出動命令発令は、戦闘に間に合わないと思え』
昔の状況を知っている後方主任幕僚の、重い言葉が突き刺さります。
今の時代は、ちゃんと適時適切に政府の命令が出てくれることを願います。
(後方幕僚部の演習体験で実感いたしました・・・)
さて、ついに実動演習の開始だ!
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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