2010年03月26日
高橋、二人三脚で手にした快挙/フィギュア
イタリアのトリノで開催されているフィギュアスケートの世界選手権で、高橋大輔(関大大学院)が日本男子初の世界王者に輝いた。快挙の陰には中学生のころから苦楽をともにしてきた長光歌子コーチ(59)の存在があった。
親子のような関係だ。25日のフリー。演技直前まで4回転ジャンプの種類や、挑戦か回避かで悩む高橋に、長光コーチは内心、「来季は4回転フリップをやらせたいし、試す舞台にしてもいいかな」と思っていた。
だが、「滑り出してから決めたら?」と判断を押しつけなかった。コーチの思いに、高橋は「3回転で失敗したら悔いが残る」と挑戦で応えた。2人の強固な信頼関係を物語る一幕だった。
バンクーバー冬季五輪では、高橋のスケート靴のひもが摩耗して切れそうだったことに長光コーチが気づき、内緒でSP後に交換していたという。しかも新品ではなく、使用済みのひもに。小さな変化も気にする高橋の性格を知る同コーチが、動揺させないために取った措置。長年の師弟関係が強みになり、銅メダルにつながった。
2連覇が懸かる来年の世界選手権は東京で開催される。五輪が終わった直後の今大会を欠場した有力選手も集結するであろう大舞台に向け、24歳の教え子は「また金メダルを取りたい」と誓った。二人三脚で歩む道は、まだまだ続く。
【15秒バージョン】
【このカテゴリーの最新記事】