2010年03月22日
イチロー、松井の赤に「全然似合ってねーよ」
エンゼルス−マリナーズ(21日・アリゾナ州テンピ)イチローと松井秀がすれ違ったのは二回終了時、マウンドのやや後方だった。右翼から三塁ベンチに向かう51番に、残塁で二塁から一塁ベンチに戻る55番が声を掛けた。「『赤、どうですかー』ってね。全然似合ってねーよって言っておきました」。イチローは松井秀の声音を繰り返しまね、朗らかに笑った。
フィールドでは、順調さを躍動感で表した。ハイライトは七回、右中間に放った走者一掃三塁打。大きく伸びやかにダイヤモンドを駆け、一気に三塁も回ろうとした。コーチが止めランニング本塁打はならなかったが、松井秀は「今までと全く変わらず、素晴らしい」と感心。満員の観衆が、最も沸いた瞬間だった。
過去6年で5度地区優勝のエンゼルスは、同地区のマリナーズにとって避けて通れない大きな壁。その強敵から主砲ゲレロが抜けた代わりに松井秀が入った。だが、今季初顔合わせの印象を問われたイチローは「エンゼルス? どうでしょうねえ。ここ何年かずっと勝っているわけだし」と言っただけだった。
たった1試合、しかも開幕前の探り合いでは答えようがなかったのか、それとも…。日本のファン注目のカードはオープン戦で2日後にもう1戦、公式戦では19試合ある。この日の主役は、核心には触れず笑顔でチームバスに乗り込んでいった。
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