新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2020年10月17日
懐かCDを買うD 関口誠人「千夜一夜」
元C‐C-B関口誠人さんの1992年のアルバム。現在廃盤。
配信もされていないので、聴くには中古盤を手に入れるしかないのだが、価格の相場は最低でも1,000円前後からといくらかお高め。
しかし某中古屋さんをのぞいてみたら、なんと700円というお値打ち価格で売っていた。
買い物下手な私ですが、たまにはヒット打ちます。
さて、肝心のアルバムの内容ですが・・・
「ロシアの少女」という民族音楽風の楽曲にはじまって、佐野元春風あり、オールドジャズ風あり、はたまたエア・サプライ風バラードありetc・・・と、とにかく一曲一曲のジャンルが幅広い。収録曲は全部で10曲だが、それぞれに個性が際立っているから、通しで聴いていても飽きない。
おまけに歌詞カードには一曲ごとに自作の短編ストーリーまでが添えられている。10曲でひとまとまりの続きものになっているようなのだが、一遍一遍がなんとなくそれぞれの曲の歌詞に呼応している感じの内容。谷崎潤一郎の小説をモチーフにしたものらしい。
思えば、C-C-B時代から異彩を放っていた方でした。
中森明菜に提供した「二人静」がヒットした頃は、「このまま名音楽プロデューサーの道を突き進むかも」と思っていたんだけどなあ・・・。
ちなみに関口誠人さんが他のアーティストに提供した曲の中で、ご自身でもかなり気に入っているのが、俳優の木村一八さんに提供した「台風野郎」という曲だそうです。
(どんな曲だろ?)
2020年09月29日
懐かCDを買うC マラ・ゲッツ「IN YOUR EYES」
マラ・ゲッツ(Mara Getz)というシンガーをご存知でしょうか。
という私自身も、正直言いますと、アメリカのシンガーという程度のことしか知らないのですが・・・
その昔「IN YOUR EYES」という曲が2時間ドラマのテーマ曲に使用されて、ちょっとだけ有名になった。
今回はその「IN YOUR EYES」がひさびさ聴きたくなって、同名タイトルのアルバムを購入。
1989年の作品です。
実はこれも昔持ってたアルバムなのだけど、とっくに手放してしまってたみたいで、またも懲りずに買戻し。
以前は「IN YOUR EYES」一曲目当てに購入したような気がするが、あらためて今聴き直してみるとどの曲もなかなかいい(全8曲入り)。シンプルで美しいメロディーライン。透明感あふれるボーカル。正統派シンガーの作品という感じ。なんで手放したんかな?
現在は配信もされているアルバムだが、今回もあえてまたCDを中古盤でゲット。
理由は、けっこう長めのライナーノーツが付いていたことを思い出し、それをもう一度読んでみたいと思ったからなのだが、いざ読み返してみると、長いわりには知りたい情報がほとんど書かれていなかったという・・・( ̄▽ ̄;)
でも肝心の曲の方が良かったので満足しております。
2020年08月16日
懐かCDを買うB 松田聖子「We Are Love」
松田聖子の1990年のアルバム。
これまで未聴のアルバムだったが、収録曲の中にどうしても聴いてみたい曲があって、今回資料用的に購入した。
松田聖子のオリジナルアルバムは、今や新旧問わず、大概のものはダウンロードで買える感じなのだが、どういうわけかこのアルバムだけがぽっかり空いたエアポケットのように音楽配信が見送られている。(というか、何らかの事情で今後もされることはないのかもしれないが)
そんなわけで今回CDでもって購入してみたわけなのだけれども、いやはやこれが。
全曲、Seiko Matsuda名義で松田聖子ご本人が作詞を担当しているのだが、聴く曲聴く曲、盛りのついたネコのような調子の歌詞で、どうにもこうにも面食らってしまう。松田聖子の書く詞ってこんなんだったっけ??比較対象が早世のアイドル岡田有希子さんに提供した「くちびるNet Work」ぐらいしか思いつかなくてもどかしいのだが、良く解釈すれば、洋楽のラブソングを和訳したときのようなテイストがしなくもない感じなので、もしかしたらそのへんの雰囲気を狙っていたのかもしれない。1990年といえば、松田聖子のアメリカへの傾倒っぷりがますますヒートアップしていた頃だったように思うので。
しかし、詞はともかくとしても(ごめんなさい)、作曲家陣には、原田真二、上田知華、鈴木祥子など名うてのシンガーソングライターが名を連ねてそれぞれに手腕を振るっており、また、当時、格好のワイドショーネタにされていたいわくつきの米国人男性とのデュエット曲も収録されているなど、ある時期一定の話題性を提供した作品といった意味でも、全く聴きどころのないアルバムというわけではないということだけは申し添えておきましょう・・・。
なんだか失礼なことばかり書いてしまったが、このアルバムに対する巷の評価は意外と高いようだ。
きっと私がひねくれているだけなんだろうな
2020年08月09日
懐かCDを買うA 高橋真梨子「Sweet Journey」
高橋真梨子さんの1991年作のアルバム。
前に所有してたものの買戻し。
このアルバムに入っている「流れる・・・」という曲がとっても好きだったのが、以前、引越しのタイミングでCDを大断捨離したときに、知らず知らずのうちにこのアルバムも処分してしまっていたようで、久々に聴き返そうと思った時にはすでにCDは手もとになく、買い戻そうにも廃盤になっているしでちょっと後悔していた。
「旅」がテーマになっているアルバムで、全編にそこはかとないエキゾシチズムがあふれている。前述の「流れる・・・」の他に「カイロから来た男」という曲もとても良く、この2曲だけでも買い。と言いながら、一度は手放してしまっているんだけども・・・。説得力まるでなし
今となっては配信でも買えるアルバムなのだけれど、今回はネットの中古市場で再びCDをゲット。
今度は大切に聴かなくちゃ。
2020年07月18日
懐かCDを買う@ サマンサ・ジルズ「PARTY」
PARTY
サマンサ・ジルズ
Samantha Gilles
80年代バブル期に人気を博したハイエナジー(ユーロビート)系のシンガー、サマンサ・ジルズのアルバム。1989年作。現在絶版。今回、夫のリクエストにより中古盤で購入。10代の頃によく聴いていた思い出の一枚だという。ひょんなことからふと思い出して無性に聴きたくなってしまったらしい。
ダサい。今聴くととってもダサい。特に3曲目なんかクラクラするほどだが、「何?このイントロ」などと毒づきながらも(失礼)、なんだかんだと懐かしさのあまりついつい最後まで聞き入ってしまった。メロディーラインはキャッチ―だし、歌がけっこう上手いのだよね・・・( ̄▽ ̄)
少しでも安くと探しに探して、今回、ネット上の中古市場にて約500円でゲット。
この「PARTY」は比較的安価なほうだったが、サマンサ・ジルズの過去作品(CD)はどれもプレミアがついてけっこうな高値になっている。一部の楽曲は配信でも聴けるようだが。
ところでサマンサ・ジルズって今どうしているのか気になって調べてみたのだが、驚くほどにこれといった情報が見つからない。それでもとりあえず2000年頃に、2nd Floorというベルギーの音楽ユニットに在籍していたらしいことだけはわかった。でもって、当時CDもリリースしているようなのだが、ジャケットの写真が私が見知っている頃よりかなり大人の顔立ちになってしまっているので同一人物なのかがいまいちよくわからない・・・。
YouTubeにも上がってたので、いちおうリンクだけこそっと貼らせていただきます。
I Want You(2nd Floor )--YouTube
あのサマンサ・ジルズなのかな?あのサマンサ・ジルズだよね?うぅぅ・・・よくわかりません!
2019年09月13日
聴くに聴けないアルバム
ブライアン・ジョーンズの「ジャジューカ」というアルバムがそれ。
The Pipe of Pan AT JAJOUKA
Brian Jones
中島さんはこのアルバムのあやしげなモロッコ音楽の世界にすっかり魅せられてしまって、霊感の強い友人に「これはおそらくあまり縁起のいい音楽じゃない」と忠告されながらもかまわず聴いているうちにとんでもない恐怖体験にみまわれたらしい。そのときの事の顛末は中島さんのエッセイ「獏の食べのこし」の中の「ロックンロールの呪い」という項に詳しいのだが、それを読んでからというもの、ローリング・ストーンズにも民族音楽にも興味があるので聴いてみたい気持ちは山々なのだが、怖くて聴くに聴けないアルバムになってしまった。悪魔的誘惑にかられお店で何度か手に取ってみたことはある。しかしいざとなると「獏の食べのこし」を思い出し、今一歩レジに持ち込む勇気が出ない。そうこうしているうちに当の中島らもさんが不慮の死を遂げたことでさらに恐怖は倍増。結局今の今まで聴けずじまいにいるというわけです・・・。
このアルバムのジャケットは元々はモロッコの画家が描いたイラスト画だったらしいが、1995年にCDで再発になった際に写真を使ったアートワークに差し替えられている。複数の写真が並ぶなか、ジャケットのちょうど真ん中らへんに小さく、マタギのような恰好をしてすくっと立つブライアン・ジョーンズの姿が映っている。照れ隠しなのか口元には少し歪んだような笑みが浮かび、手もとはよく見ると胸元で合掌させてるようなのだが、なんだかもう体全体に黄泉の国に半分足を踏み入れているような言い知れぬ雰囲気が漂っている。ローリング・ストーンズきっての金髪ハンサムでしゃれ者だったかつての姿は見る影もない。調べてみるとこの写真はマイケル・クーパーという写真家が撮ったものらしい。彼もまた31才の若さでこの世を去っているんだそう。
England's Newest Hit Makers
The Rolling Stones
1964年のアルバム。グループの中心的存在だった頃のブライアン・ジョーンズ(一番左)。音楽性もさることながら卓越したファッションセンスなどビジュアル的にもずば抜けている。
Between the Buttons
The Rolling Stones
1967年のアルバム。死の2年前。この頃からもうすでになんだかかげろうのように影が薄くなり始めてる感じのブライアン・ジョーンズ(中央奥)。ミックとキースの台頭でバンド内での居場所を失くしつつあった頃らしい。
さて「ジャジューカ」だが、先日アマゾンをのぞいたらなんとプライム会員の特典でアルバム全6曲のうち4曲が無料で聴けるようになっていた!私は会員なので再生のボタンさえ押せばすぐにでもこのいわくつき?のアルバムが聴ける環境にあるのだが、ページは開いてみたもののやはり最後の最後でポチっとする勇気が出せずにいる。
自他共に認める無類のビビりな私には、どうやらこのアルバムを聴ける日はこれからも当分やってきそうにないみたい。
2019年06月28日
化粧品のCMソングを調べて聴いてみた【'78〜'79】編
photo by annca@Pixabay
懐かしさからつい思いつきで始めてしまった企画でございます。
曲の批評・解説等ではございません。あくまでもボヤキにも近い個人的感想です。なにとぞご容赦くださいませ。
資生堂 '78 春 キャンペ−ンソング
前年春に引き続き再び尾崎亜美の楽曲(作詞作曲)。引退間近の南沙織が歌っている。「マイ・ピュア・レディ」に比べてちょっとおとなの世界観になっている。
カネボウ '78 春 キャンペ−ンソング
カネボウがこんどは金田一映画とタイアップ。キャッチコピーは「唇にミステリー」。映画音楽にふさわしくドラマティックで壮大な曲です。のびやかなボーカルが胸に迫ります。
資生堂 '78 夏 キャンペ−ンソング
夏のけだるい午後を思わせる。売上63.9万枚のヒットでオリコン年間ランキング9位。
いよいよ化粧品のCMソング、出せば当たる時代に突入してきました。
カネボウ '78 夏 キャンペ−ンソング
原曲はフレンチ・ポップス。当初は「Mr.メモリー」というタイトルだったらしい。サマータイムになってよかったね。今聴いてもおしゃれな名曲。オリコン年間ランキング8位の大ヒット。
資生堂 '78 秋 キャンペ−ンソング
子どもの頃、ジャンヌ・ダルクのことをこの歌で知りました。
売上90万枚超えの大ヒット。
オリコン年間ランキング4位。
カネボウ '78 秋 キャンペ−ンソング
サーカスが歌ってたらしいのですがなぜかほとんど情報がない謎の楽曲。
作詞=なかにし礼、作曲=小林亜聖とのこと。秋っぽいスローテンポな曲らしい。
資生堂 '78 冬 キャンペ−ンソング
阿木燿子さんの詞が色っぽくていいです。
オリコン週間最高位3位。
カネボウ '78 冬 キャンペ−ンソング
これはまた70年代にスゴい人がいたものです。なかなかのインパクトです。
カネボウ '79春 キャンペ−ンソング
布施明はたしかこのCMがきっかけでオリビア・ハッセーと結婚。当時「日本の男もなかなかやるもんだぜ」と子どもながらに生意気に思った遠い記憶・・・。歌唱力がはんぱありません。
ポーラ '79 春 キャンペーンソング
資生堂、カネボウ2トップの牙城についにポーラが切り込んできました。
シティポップの名曲。桑江知子さんはこの曲で日本レコード大賞最優秀賞新人賞受賞。同期は竹内まりや、倉田まり子、杏里ですと。ちなみに同年の日本レコート大賞が「魅せられて」だって。華やかな時代。
資生堂 '79 夏 キャンペ−ンソング
「ナツコ」という名前には昔から自分の中で「小麦色の肌の美女」というイメージがあります。おそらくこの曲による刷り込みな気がします。オリコン週間最高位3位。
ブラジルの大御所ミュージシャン、セルジオ・メンデスが自身の曲(※1)をわさわざ日本語にしてカバー。バンドの女性ボーカルのカタコトの日本語がほほえましいです。CM出演の浅野ゆう子のナイスバディばかりが注目されて、曲はあまりヒットしなかったようですが、真夏のディスコチューンという感じで悪くありません。浅野ゆう子もカバーしてて両方ともCMで使われてます。
※1 原曲「SUMMER DREAM」(セルジオ・メンデスのソロアルバム「Magic Lady」に収録)
コーセー '79 夏 キャンペーンソング
70−80年代化粧品メーカーCMソングバトルについにコーセーも本格的に参戦してきました。
昔から都会っぽいイメージの人。シンプルでさわやかです。
資生堂 '79 秋のキャンペ−ンソング
どこか懐かしい感じがするおしゃれカッコいい曲。アメリカっぽい。
カネボウ '79 秋 キャンペ−ンソング
色っぽくてカッコよし。五木ひろしもカバーしてます笑。
オリコン週間最高位1位。
ポーラ '79 秋 キャンペ−ンソング
ちょっぴりスパニッシュ風味。
「あずさ2号」より好きかも。
資生堂 '79 冬 キャンペ−ンソング
ノスタルジックなメロディラインの美しい曲。歌声が澄んでてきれいです。
カネボウ '79 冬 キャンペ−ンソング
ハイトーンボイスと物悲しいメロディーが印象的です。純文学とか70年代の少女マンガを思わすような曲。
2019年06月24日
化粧品のCMソングを調べて聴いてみた【'80〜'81】編
懐かしさからつい思いつきで始めてしまった企画でございます。
曲の批評・解説等ではございません。あくまでもボヤキにも近い個人的感想です。なにとぞご容赦くださいませ。
資生堂 ’80春 キャンペーンソング
安井かずみ・加藤和彦セレブ夫婦コンビ作。竹内まりやは老舗旅館のお嬢さま。そこかしこにただようハイソな香り。懐かしいしかわいらしい。オリコン最高位3位
カネボウ ’80春 キャンペーンソング
あえてお天気の悪い日に聴いてみたい。
真知子の声でぱあっと空が晴れ渡りそうだから。
渡辺真知子作曲。オリコン最高位4位
ポーラ ’80春 キャンペーンソング
竹内まりや、渡辺真知子、庄野真代、それぞれ名前の頭文字とって3M。みんな歌はめちゃ上手だわ曲も作れちゃうわでどうしましょう。CMソングらしく華やかな雰囲気の曲。
庄野真代作詞作曲。オリコン最高位6位
資生堂 ’80春 エクボ洗顔フォームCMソング
じわじわ売れました。子供のころ「青い珊瑚礁」よりこっちが好きだった。
オリコン最高位12位
資生堂 ’80夏 キャンペーンソング
魅惑のハイトーンボイス。♪笑顔が素敵な真夏の女に変わるだろう のところが好き。
オリコン最高位2位
カネボウ ’80夏 キャンペーンソング
あれ、声が違うと思ったら、甲斐よしひろさんじゃなくドラムスの方が歌ってるんだそうです。勉強になりました。
オリコン最高位9位
資生堂 ’80秋 キャンペーンソング
タンゴ調。安井かずみさんの詞が色彩豊かで美しい。バックにYMOのお三人がいます。
「おかえりなさい秋のテーマ」と「絹のシャツを着た女」は異名同曲とのことです。
カネボウ ’80秋 キャンペーンソング
やはりこういう詞を書かせたら阿木燿子さまの右に出る者はいない。
オリコン最高位8位
ポーラ ’80秋 キャンペーンソング
ディスコ&ソウル風でかっこいい。さすが!
資生堂 ’80秋 エクボ洗顔フォームCMソング
そしてここから聖子のオリコンシングルチャート24作連続第1位の大いなる旅路は始まったのであった・・・。オリコン最高位1位。
おめでとう
資生堂 ’80冬 キャンペーンソング
ちょっとどういうこと?まさかのドゥーワップ系。レコードジャケットとまるでイメージ違うぢゃないの。けっこうかっこいいので笑ってしまった。作曲陣に奈良橋陽子さんとタケカワユキヒデ氏のお名前。なるほど・・・。
カネボウ ’80冬 キャンペーンソング
やはりおロシヤのエッセンスが香ります。
資生堂 ’81春 キャンペーンソング
「NEETな午後3時」じゃなく「Neat(”こぎれい”とかの意)な午後3時」なんだそうです。あーびっくりした。予言者かと思った。編曲に早世の天才アレンジャー大村雅朗氏のお名前。かっこいいです。
カネボウ ’81春 キャンペーンソング
春の名曲。子どもの頃「これは宇宙人の音楽なのかな」と思っていた。
オリコン最高位5位。
資生堂 ’81夏 キャンペーンソング
拓郎節サマーソング。オリコン最高位28位。
カネボウ ’81夏 キャンペーンソング
さわりを聴いただけですぐに堀内孝雄のメロディーとわかる曲。長身が売りのお兄さんたちだったと記憶してます。
作詞は山川啓介氏。
資生堂 ’81秋 キャンペーンソング
桃井かおりなればこそといった感じの曲。
三浦徳子さんの大胆な詞が印象的。
作曲は筒美京平先生。期待を裏切りません。
カネボウ ’81秋 キャンペーンソング
「作詞:阿木燿子 作曲:ベートーベン」というのがいつ見てもじわる。
資生堂 ’81冬 キャンペーンソング
夏っぽい感じだけど冬キャンペーン用の曲だったのね。アメリカンポップス調。
オリコン最高位14位。
花王 ’81 「リマーラ」CMソング
♪コットコットンコットンコットンコットン気分で 懐かしー!
2019年01月29日
岩崎宏美コンサート
年の瀬も迫った去る12月某日、とある企業のイベントに参加したら
トリのスペシャルライブが岩崎宏美だった。
ちなみに別企画のトークショーでは、デザイナーの高田賢三氏が登場したりして、個人的には盆と正月が一緒に来たような思いだった。
さて、話を少し元に戻すけれども、私は子どもの頃から岩崎宏美の歌が好きなのだが、これまで一度もコンサートを見に行ったことがなかった。なんどかチャンスはあったのだが、ある時はのっぴきならない事情に、またある時は職場のオニババに(無理やり仕事をねじこまれ)とことごとくその機会を阻まれ、一度はチケットを手に入れながら直前で涙をのんだこともあった。
そういうわけで「きっと私は一生岩崎宏美の生の歌声を聴くことはできないのだ」と半ばあきらめていたから、今回思いがけなくライブを観れることになったことは、もの凄くうれしいことだった。
ウン十年越しでの悲願達成。お菊ちゃん(人形)のような髪型で可愛らしかった宏美さまも、いつしか還暦を迎えられていた(MCでご本人談)。どうりで私も歳をとるはずだ。
だけど相変わらずの伸びやかな歌声と歌唱力はさすがだった。
はじめて生で聴く「聖母たちのララバイ」には、リアルタイムで聴いていた子どもの頃を思い出したり、その流れで不覚にも恐怖のオニババの顔までを久々に思い浮かべてみたりしてしまって、こんな私でも大なり小なりいろんなことがあったもんだと、今までの人生が走馬灯のように駆け巡って、鼻の奥の方がきゅるきゅるとなった。
さて、岩崎宏美の代表曲といえば、ぱっと思いつくのが「聖母たちのララバイ」「ロマンス」「思秋期」、コロッケのものまねでおなじみの「シンデレラ・ハネムーン」といったところかもしれないが、個人的には「シンデレラ〜」をはじめ、「万華鏡」「摩天楼」といった、シティポップ系のちょっと大人っぽい路線の曲を連発させていた頃が特に好きだった。
なかでも「女優」という曲が気に入っている。
詞、曲ともにドラマティックでとってもいい。
Prime Music対象曲(2019年1月現在):女優(岩崎宏美)@Amazon
アルバムの中にも隠れた名曲が多い。
たとえば、「パンドラの小箱」というアルバムに収録の「ピラミッド」という曲なんかは、出だしのイメージから全く想像できないような曲の展開をしていくからおもしろい。最初こそアース・ウインド&ファイアーの「宇宙のファンタジー」を思わせるちょっとミステリアスな雰囲気で始まるのだが、それが一転、途中からいきなり可愛らしい70年代アイドル歌謡風の曲調に変わる。思わずズッコケたくなるほどの変わりようだ。ご本人の歌で例えるなら、「シンデレラ・ハネムーン」を聴いてたらいきなりサビから「センチメンタル」になる感じ。全く趣向の異なる曲を組み合わせたような不思議な曲なのだ。歌詞も意味ありげなんだかないんだか、実にわけわからん感じで興味深い。
Prime Music 対象曲(2019年1月現在):ピラミッド(岩崎宏美)@Amazon
今回のライブはイベント内のミニライブということもあって時間は限られていたが、それでもメドレーを含め、終わってみれば20曲近い曲を歌ってくれていた。それに宏美さまは歌のみならずトークも一級品に上手い。こうなれば欲にきりなしだ。いつかはぜひ単独ライブにも行ってみたいと思う。(オニババもいないし)
2018年11月15日
どきどき旅行
〇女性が歌っていた(たしかアイドル)
〇しきりにハワイに行きたいと歌うが、子どもが聴いてもなんだかへんちくりんな歌詞
〇そのハワイに行きたさ加減がなんとなくトイレに駆け込みたい焦燥感に似ていて、学校で、”ハワイ”の部分を”トイレ”に置き換えて歌う、いかにも子供らしいくだらない替え歌が横行していた。
たったこれだけだったのだが、このたび、ひょんなことからその歌が岩崎良美の歌う
「どきどき旅行」という曲だったことがわかった。
Prime Music 対象曲(2018年10月現在):どきどき旅行(岩崎良美)@Amazon
それにしても「どきどき旅行」って・・・
小学1年生の夏休みの作文みたいなタイトル
さらに言うなら改めて聴くとこの曲、なんかどっかで聴き覚えのあるメロディーだと思ったら、サビの部分がローリングストーンズの「黒くぬれ!(Paint It, Black)」にそっくりじゃないの・・・
というわけで、曲の大枠をとらえただけでもつっこみどころの枚挙に暇がなさそうなこの「どきどき旅行」なのだが、やはりいちばんおもしろいのは歌詞。
はじめての彼氏とのハワイ旅行を前に浮かれまくる女性の歌なのだが、
よくよく聴いていると、どうやら盛りに盛り上がっているのは女性だけな印象。
肝心の彼氏の方はというと、言い出しっぺは自分なものの、いざとなったら、彼女のあまりの興奮ぶりにいささか腰が引けているような感じが漂ってこなくもない。
しかし女性は畳み掛ける。「言い出したのはあなた」「黙りこんでるけど今さらやめる気じゃないでしょうね」「ハイビスカスを髪に飾りましょう!」(いやまだ行くと決まってねえし)などとなかなかのプレッシャーだ。極めつけには、なにがどうすればそんな心境に至るのかよくわからないのだが、恋愛感情が昇りつめたあげく「ハワイに行かせて!」とくる。「連れてって」ではなく「行かせて」。このフレーズから女性上位なふたりの恋愛関係が透けて見えてくるような気もするし、くわえて、なにやらセンシュアルな意味合いもわざと含ませているようにも受けとれるからおもしろい。
調べたところによると、この曲は安井かずみ(作詞)&加藤和彦(作曲)夫妻が作った曲とのこと。
なるほど「どきどき旅行」などといかにも拙い響きの曲名で一見おぼこい印象をあたえておきながら、いざふたを開ければコケティッシュな詞の世界がひろがっているあたりは、さすがは恋多き女でならした安井かずみ様の手によるものとはげしく納得。
加藤和彦&安井かずみ夫妻といえば、私にとってはだいぶ上の世代の方々だったのであまりお二人のことについてはくわしくないのだが、それでも昔から「仲睦まじいセレブなおしどり夫婦」という印象は持っていた。なので、安井さんが亡くなった後、たしか次の年だったかに加藤氏がわりとあっさり別な女性と再婚していたときはけっこう驚きだった。夫婦のことは夫婦にしかわからないというが、実際のところはどんなご夫婦だったのだろう。なんとなくこの「どきどき旅行」に登場するカップルにもお二人の関係性が投影されているような気がしなくもないが、このへんのことはなにやらくわしそうなドキュメンタリー本があるようなので、今度読んでみることにしよう。
それはそうと、肝心な歌い手の岩崎良美さんに言及するのをすっかり忘れてたが、歌がとってもお上手。
メロディが激しく上下するなかなか難しそうな曲ですが、なんなくサラリと歌いこなしておられます。
昔の歌はいろんな意味で聴きごたえがある。