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2022年06月19日
懐かCDを買うK 石井明美「熱帯夜」
熱帯夜(Brazilian Night)
石井明美
それまでアーバン系だとばかり思い込んでいたチャチャチャのお姉さん石井明美が、しばらく見ぬ間に、セクシーワイルドなランバダねえさんに変貌を遂げていた時には驚いた。しかし、褐色の外国人ダンサーをバックに従え、水を得た魚のようにいきいきとラテン歌謡を歌い踊る姿を見て、ああ、そもそもがこっちの人だったのだと妙に納得した。
1990年リリース。「CHA-CHA-CHA」の爆発的ヒットのあとは、セールス的に厳しい時期が続いていたらしい。そこで!ということになったのかどうかは知らないけれど、当時、世界的に大ヒットしていたカオマの「ランバダ」をカバーしたら、これが見事うまくハマったみたいで、売上14万枚超のスマッシュヒット。ついでにアルバムも出しちゃったみたいなのですが、これが意外と良いのです。
内容はラテン歌謡集。収録曲はランバダ調のものがメインだが、たまにボサノバっぽい曲やスパニッシュ系(中森明菜が歌いそうなやつ)の曲もある。あと、どさくさに紛れるようにしてちゃんと「オリーブの首飾り」を入れてくれてるあたりも個人的にはうれしい(昔の「世界・ふしぎ発見!」を思い出して懐かしいのです)。この石井明美さんという方は、声質や歌い方が実に塩梅がいいというか、変なくせがなく、ややもすればくどくなりがちなラテン歌謡もさらっと、かといって淡泊になりすぎない絶妙な色気加減で歌ってくれるのでとても聴きやすい。どの曲も飽きずに聴けるが、個人的に特に気に入っているのは「オフェーリア」「ダンスでランバダ」「蜃気楼」あたりです。
かなり前だが、一度、市中でお見かけしたことがある。たしかご結婚を機に一時芸能界を離れて、何か別なお仕事をされていた頃だったように思う。そこにはきらびやかなチャチャチャのお姉さんでもなければ、セクシーなランバダねえさんでもない、完全に市井に溶け込んでいるごくごく普通のひとりの女性がいた。まるで魔法が解けてしまったように。芸能界というのはつくづく不思議なところだと思った。
現在は再び表舞台に戻って歌手として活動されてるようだが、ちょっと前にケーブルテレビの音楽トーク番組に出ているのを見たけれど、歌声も歌い方も往時とほとんど変わっていなかった。もともと他になりたい職業があって、歌手デビューするつもりなどさらさらなかったというようなお話をなさっていたが、とどのつまりは歌を届けるために生まれてきた方なのでしょう。これからも変わらぬ美声で素敵な音楽を!・・・と、番組最後にMCの太川陽介氏が石井明美さんに贈ってた言葉をお借りしました<(_ _)>
タグ:懐かCD
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