2008年08月13日
ザトウクジラ、絶滅危機脱出
ザトウクジラ、絶滅危機脱出
国際自然保護連合(IUCN)は12日、ザトウクジラが絶滅の危機を脱したとして、「絶滅危惧種(II類):から外す方針を発表した。ただ、沿岸部や川などに生息する小型クジラなどの大半は絶滅の危機にあると分析している。同連合などの発表にやるとザトウクジラは商業捕鯨の禁止により、広い海域で数が増加、一時は1000頭近くまで減っていたのが、6万頭まで回復したという、IUCNのランドール・リーブス氏は「保護活動の偉大な成功例」と話している。
以上、2008年8月13日読売新聞より引用。
動物たちが絶滅の危機を脱したと聞くとほっとする。
ザトウクジラもこれで心配なく大海を泳ぐことができるだろう……しかし“鯨”に関しては理不尽さが残る。
捕鯨というと日本が悪いと頭から決められがちだが果たしてそうだろうか?
日本の捕鯨は無駄のない捕鯨だ。鯨を一頭獲ったら余すところなく全てを何かしらに使う。皮も肉も内臓も捨てるところはない。(ヒゲクジラ科の鯨のヒゲは伝統工芸に使われている)。脂をとるだけが目的で捕鯨をしているわけではない。日本の捕鯨はそういうものだ。
アラスカのイヌイット族の捕鯨も、無駄のない捕鯨だ。食糧として獲るのが目的でも、無駄を出すことはない。星野道夫氏の本を見るとよくわかる。
現在、絶滅の危機にさらされている鯨は“脂”目的で行なわれた商業捕鯨によって引き起こされたものが多い。目的の“脂”をとると残りは捨ててしまう。そういう捕鯨をしているのは欧米諸国なのだ。その昔たくさんいたオオウミガラスも脂と羽毛をとるためだけに乱獲されて絶滅している。
そういう事実を棚に上げ、日本の捕鯨に対して騒ぎを起こす人間や団体が非常に多い。“鯨が頭の良い動物だから殺してはいけない”という人たちもいるが、海が鯨だらけになって、オキアミも小魚もみんな鯨が食べてしまったら、海の生態系はどうなるか、考えているのだろうか。
捕鯨という行為はこの数百年で海の生態系に影響を及ぼしている=組み込まれているということだ。鯨が増えすぎないようにするために人間が獲るというのが当たり前に組み込まれているとしたら、捕鯨をしないことには海の生態系を狂わすということになる。乱獲はしてはいけないが、海の生態系を守り、他の海洋生物のことも考えれば、闇雲に捕鯨はいけないとは言い切れなくなるだろう。必要な捕鯨について少し考えてみるのがよい。
過剰な保護は他の種の絶滅を招く。
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