2017年02月05日
JASRACの本音が聞きたい 戦う音楽教室!
日本音楽著作権協会(JASRAC)は2月2日、音楽教室でのJ−POP利用は著作権料がかかるとして料金を徴収する方針を決めました。来年2018年1月から徴収を予定しているということです。
それに対し「ヤマハ音楽教室」を始めとした音楽教室団体が反発し抗議をしています。
著作権ってなに?
芸術や音楽、映画など、作者の思想・感情を表現したものに対して権利が認められます。その自分だけが使用できる権利を用いて、他人が使用する際には許可を求めたり料金の支払いを発生させることができます。
この権利は原則として作者の死後50年続きます。そのあとは皆が使えるものとして自由な活用・改変ができるようになります。
著作権が切れたものは、たとえばクラシック音楽がそうです。CMでよく流れますし、JーPOPがアレンジしてよく使いますね。
音楽教室の現在
現在音楽教室では、モーツァルトやバッハといったクラシック音楽だけでなく、たとえばSMAPの「夜空ノムコウ」やジブリ映画「となりのトトロ」のテーマソング「さんぽ」など、誰もが知っているようなみんなが親しみやすい音楽を利用して生徒に楽器を教えています。
これによって、小さな子どもでも楽しく音楽に触れて自然と「上手く弾けるようになりたい」「みんなに自慢したい」と思えるようになります。
ぶつかり合う主張
今回JASRACは「著作権が残っている音楽を使用して音楽活動を行っているので料金を支払ってほしい」と言っているのです。
著作権に関する法律にはおおよそこのような内容が書かれています。
22条 大勢の場で演奏する権利は作者だけが持つものとする。
また、別の条文でこのようなことも書かれています。
38条 利益を目的とせず、演奏家が報酬を受けず、観客から料金をもらわない場合には自由に演奏することができる。
両者の意見が食い違うのは、この2つの解釈の違いによるものです。音楽教室側は「あくまで教育のために使っている」と反対しています。
この線引きをどうつけるのか、支払い方法はどうするのかが問題です。
徴収される場合は月謝が増えて利用者の負担になることも考えられます。
音を楽しむのが音楽
ここからは完全に私の気持ちです。
私は小さい頃にバイオリンを習っていました。クラシック音楽は習う時に初めて聞くものも多かったため、まず音を覚えるのが大変でした。クラシック音楽は技術を習得するためのプログラムが組まれていて、だんだんレベルアップするように練習も大変になっていきます。そんな練習の合間でも、発表会とは関係ないのに自分の好きなゲームの曲やアニメの曲、J−POPは好きでよく楽しく弾いていましたね。
「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、楽しんでこそ上達が早く、そして続けられるものです。そのために使うJ−POPなら、作者も喜んで承諾してくれると私は思います。
JASRACの判断の背景には、音楽家の減収がきっかけになっているのだと思います。YouTubeなどの動画共有サイトによって無料で音楽が手に入るようになりました。そのせいでCDや音楽ダウンロードの売上が下がり音楽家の活動に影響しているというのは分かります。
ですが「音楽を楽しみたい」という純粋な子どもの心や「豊かな感性を持ってほしい」という親御さんの思いを踏みにじるような今回のJASRACの主張はどうかと思います。
そもそも、音楽教室で採用される時点である程度有名になっていて作者も結構稼いでいるはずです。
これがもし、「音楽家への敬意」という建前を利用してJASRACが儲けようとしているのであれば、本当に幻滅ですね。
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