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2014年09月13日

ヤノマミ族〜赤子の精霊返し〜

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ヤノマミ族を知っていますか?ヤノマミとは「人間」という意味。
ヤノマミ族は、南米に暮らす先住民族です。1万年以上に渡る伝統と習俗を保持し続け、文化として独自の死生観を持っています。
森の中に50〜200人程の集落を作り、シャボノと呼ばれる藁葺きの家で原始的な生活をしています。
337.jpg
http://buzznews.asia/wp-content/uploads/2014/04/337.jpg

【出産と死に対する考え方。】
ヤノマミには‘避妊’‘中絶’という概念も、医療技術も当然ありません。
女性は平均14歳で妊娠・出産します。まだ臍の緒がついた赤ん坊は、人間ではなく「精霊」であると考えられています。

出産は森の中で行われ、 へその緒がついたままの状態(彼らの言うところの精霊)のまま返すか、人間の子供として育てるかの選択をしなければなりません。
「人間として迎え入れるか」「精霊のまま返すか」…全ては母親の判断に委ねられており、誰からも理由を尋ねられたりしません。

精霊のまま返すときは、へその緒がついた状態でバナナの葉にくるみ、白アリのアリ塚に放り込みます。
その後、白アリが赤ん坊を食べつくすのを見計らい、そのアリ塚を焼いて精霊になったことを神に報告するのです。
これが精霊返しの儀式です。
800px-Alto_orinoco5.jpg
出典 ja.wikipedia.org


また、寿命や病気などで民族が亡くなった場合も精霊に戻すため、同じことが行われます。

年間約200人の新生児が産まれ、半数近くが精霊のまま森に返されるそうです。
限られた資源の中で暮らしているヤノマミ族にとって、人口が増えすぎる事は致命的なことなのかもしれません。
(参考 http://matome.naver.jp/odai/2138698204108838301)

******************

この「精霊返し」を知ったとき、衝撃というか胸を打つというか、、、なんとも言えない気持ちになりました。

でも、これは近代社会における「妊娠21週までは、胎児は人間ではないから中絶できる」と同じような事なのですね。
そして、中絶という技術を持たない彼らは、「生きていく為」に産まれた赤子(精霊)を森に返すのですね。

1万年前から原始的な暮らしを守っているヤノマミ族。
どんどん発展していく日本。

自らの手で狩りをし、それを大事に食べるヤノマミ族。
加工された綺麗な肉を食べ、多くの廃棄を生む日本。

「死」が身近に感じられない現代社会は「生」にも疎くなります。
生きようとする力。生きたいと願う心。
弱ってきていませんか?


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