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2019年02月09日

出題予測問題<臨床栄養学>◎高血圧

昨日の問題の解説です。

Q1.非代償期肝硬変に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)夜間から早朝期に飢餓状態に陥りやすい。
(2)症状の悪化に伴い、フィッシャー比は上昇する。
(3)良質たんぱく質の供給源として、生の魚介類摂取が推奨される。
(4)出血傾向がみられる場合には、鉄を積極的に摂取する。
(5)腹水・浮腫に関しては、ラクツロースの投与が有効である。



【解説】正答(1)
(1)正しい。非代償期肝硬変では、エネルギー効率が悪く、
   グリコーゲンの貯蔵量も少なく慢性的なエネルギー欠乏状態である。
   絶食時間が長い夜間から早朝期は、飢餓状態(低血糖)に陥りやすい。
   分割食(4回/日)としての就寝前補食(夜食、LES:約200kcal相当)の有用性が報告されている。
(2)誤り。症状の悪化に伴い、フィッシャー比は低下する。
   肝機能が低下すると、肝臓での芳香族アミノ酸の代謝が低下するため、
   血中の芳香族アミノ酸濃度は上昇する。
   一方、筋肉における分岐アミノ酸の代謝は亢進し、血中の分岐アミノ酸濃度が低下する。
(3)誤り。ビブリオ・バルニフィカル感染症の予防のため、海産魚介類の生食は避け、
   適切に加熱処理したものを摂取する。
   これは、肝臓疾患などを基礎疾患として持つ人は、
   ビブリオ・バルニフィカル感染が重篤化することがあるためである。
(4)誤り。出血傾向は、肝機能低下による血液凝固因子合成能の低下や、
   脾臓機能亢進による血小板数の減少が原因となる。
   鉄の過剰摂取は、肝臓の病態を悪化させるために避ける。
(5)誤り。腹水・浮腫にに対する治療は、まず食塩制限(場合によっては水分制限も)行い、
   改善がみられない場合は利尿剤やアルブミン製剤を投与する。
   ラクツロースは、肝性脳症、高アンモニア血症に対する治療として、
   血中アンモニア濃度を低下させる目的で投与する。


Q2.肝・胆道系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)では、糖尿病を合併することは少ない。
(2)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝細胞の風船様変性を認める。
(3)脂肪肝では、血清コリンエステラーゼ値が低下する。
(4)胆石症では、痛風発作は左季肋部に起こりやすい。
(5)急性胆嚢炎の急性期では、流動食とする。



【解説】正答(2)
(1)誤り。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、糖尿病、肥満、脂質異常症、
   高血圧を合併することが多く、また、これらの疾患や心血管イベントの独立した発症リスクでもある。
(2)正しい。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、脂肪変性、炎症性細胞湿潤、
   肝細胞障害は特徴である。
(3)誤り。脂肪肝では、血清コリンエステラーゼ値は上昇する。
   コリンエステラーゼは、肝細胞で産生されるたんぱく質であり、その産生は高栄養状態、
   たんぱく質合成や脂質代謝の亢進を反映する。
   一方、産生低下をきたす肝硬変や肝細胞がん、低栄養では血清コリンエステラーゼ値は低下する。
(4)誤り。胆石が胆嚢頸部や胆嚢管に詰まったことにより生じる胆石発作は、
   右季肋部や心窩部に起こりやすい。
   胆石発作は、高脂肪食や過食後に誘発される。
(5)誤り。急性胆嚢炎の急性期では、絶飲食とし、静脈栄養補給とする。
   回復期では流動食から粥食へと食事を漸増していく。
   食事は低脂肪食(10g/日)を原則する。


今日は、「高血圧」の問題です。
高血圧は基本的な疾患です。
高血圧の診断基準はしっかり抑えておいて下さい。

Q1.高血圧症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)診断では、家庭血圧より診察室血圧が重視される。
(2)後期高齢者患者の降圧目標は、診察室血圧で130/80mmHg未満である。
(3)肥満患者の減量は、降圧効果が期待できる。
(4)栄養管理では、カリウムの摂取量を制限する。
(5)アンギオテンシンU受容体拮抗薬服用時には、グレープフルーツジュースの摂取を控える。




明日解説します。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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