2019年02月06日
出題予測問題<臨床栄養学>◎消化器系疾患(胃食道逆流症、過敏性腸症候群など)
昨日の問題の解説です。
(2)合併症予防のための血糖コントロール目標は、HbA1c6.0%未満である。
(3)栄養管理では、たんぱく質の摂取エネルギー比率を20〜25%Etosuru。
(4)肥満2型糖尿病患者では、スルホニル尿素薬(SU薬)が第一選択となる。
(5)シックデイの場合は、水分を十分に摂取する。
【解説】正答(5)
(1)誤り。インスリン抵抗性は、HOMA-IRなどで評価する。
HOMA-IRは、早朝空腹時の血中インスリン値と血糖値から計算される。
24時間尿中C-ペプチド排泄量及び空腹時血中C-ペプチド値は、インスリン分泌能の指標である。
C- ペプチドは、プロインスリンからインスリンが切り離される際にできるペプチドであり、
C-ペプチドの存在は、インスリンの産生量と比例する。
(2)誤り。合併症予防のための血糖コントロール目標は、HbA1c7.0%未満である。
血糖正常化を目指す際の目標はHbA1c6.0%未満、
治療強化が困難な際の目標はHbA1c8.0%未満である。
いずれも治療目標は、年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して、
個別に設定する。
(3)誤り。たんぱく質摂取エネルギー比率は20%Eまでとする。
また、指示エネルギー量の50〜60%Eを炭水化物から摂取し、食物繊維が豊富な食物を選択する。
残りのエネルギーを脂質とするが、25%Eを超える場合は、
飽和脂肪酸を減じるなど脂肪酸組成に配慮する。
(4)誤り。スルホニル尿素薬(SU薬)は、服用により体重増加をきたしやすいので、
肥満患者にはよい適応でない。
SU薬はインスリン分泌を促進して血糖降下作用を発揮する。
肥満2型糖尿病患者では、血糖コントロール改善に際して体重が増加しにくいビグアナイド薬が
第一選択となる。
ビグアナイド薬の主作用は、肝臓での糖新生の抑制であるが、その他、消化管からの糖吸収の抑制、
末梢組織でのインスリン感受性の改善など様々な膵外作用により、血糖を降下させる。
(5)正しい。シックデイの場合は十分な水分の摂取により脱水を防ぐ。
糖尿病患者が治療中に発熱、下痢、嘔吐をきたし、また食欲不振のため食事ができないときを
シックデイと呼び、著しい高血糖が起こったりケトアシドーシスに陥ることがある。
シックデイの場合は特別の注意が必要であり、主治医の指示を仰ぐ。
インスリン治療中の患者は、食事が摂れなくても自己判断でインスリン注射を中断してはならない。
(1)高浸透圧高血糖状態をきたしやすい。
(2)認知症やうつを発症しやすい。
(3)患者本人だけでなく介護者にも糖尿病教育を行う。
(4)厳格な食事制限を行う。
(5)運動療法として、バランス運動は有効である。
【解説】正答(4)
(1)・(2)正しい。
(3)正しい。いっっぱん的な糖尿病の教育だけでなく、高齢者総合機能評価(CGA)における
問題領域(ADL・IADLの低下、サルコペニア、転倒・骨折リスク、認知機能低下、うつ、低栄養、
重症低血糖のリスク、服薬アドヒアランス低下、独居、経済的問題)に対する対策も
教育の内容となる。
(4)誤り。高齢者では厳格な食事制限を実施すると、
体重減少に伴ってサルコペニアを悪化させる可能性がある。
十分なエネルギー摂取を確保するとともに運動療法を併用し、筋肉量を減らさないように指導する。
(5)正しい。運動療法として、歩行、レジスタンス運動に加えてバランス運動を行うと、
歩行速度、バランス能力、移動能力、下肢筋力、関節可動性などが改善する。
今日は、「消化器系疾患」についてです。
この項目も必ず出題されますので、必ず理解しておいてください。
Q2にもあるとおり、潰瘍性大腸炎とクローン病を比較した問題がよく出題されます。
どの問題集にもこの二つの疾患が比較された表が記載されていることが多いと思います。
それぞれの特徴を把握しておきましょう。
(2)たんぱく漏出性胃腸症ー高たんぱく質食
(3)弛緩性便秘ー水分制限
(4)急性肝炎ー炭水化物制限
(5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)−食物繊維制限
(2)好発部位は、直腸である。
(3)粘血便が高頻度にみられる。
(4)大腸がんを合併するリスクが高い。
(5)寛解期には、食事制限が不要となる。
(2)十二指腸潰瘍では、空腹時に心窩部痛を訴えることが多い。
(3)過敏性腸症候群では、粘血便がみられる。
(4)A型肝炎で黄疸がみられる場合には、炭水化物を制限する。
(5)非代償期の慢性膵炎では、エネルギー摂取量を制限する。
明日解説します。
Q1.糖尿病に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)インスリン抵抗性は、尿中C-ペプチド排泄量にて評価する。(2)合併症予防のための血糖コントロール目標は、HbA1c6.0%未満である。
(3)栄養管理では、たんぱく質の摂取エネルギー比率を20〜25%Etosuru。
(4)肥満2型糖尿病患者では、スルホニル尿素薬(SU薬)が第一選択となる。
(5)シックデイの場合は、水分を十分に摂取する。
【解説】正答(5)
(1)誤り。インスリン抵抗性は、HOMA-IRなどで評価する。
HOMA-IRは、早朝空腹時の血中インスリン値と血糖値から計算される。
24時間尿中C-ペプチド排泄量及び空腹時血中C-ペプチド値は、インスリン分泌能の指標である。
C- ペプチドは、プロインスリンからインスリンが切り離される際にできるペプチドであり、
C-ペプチドの存在は、インスリンの産生量と比例する。
(2)誤り。合併症予防のための血糖コントロール目標は、HbA1c7.0%未満である。
血糖正常化を目指す際の目標はHbA1c6.0%未満、
治療強化が困難な際の目標はHbA1c8.0%未満である。
いずれも治療目標は、年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して、
個別に設定する。
(3)誤り。たんぱく質摂取エネルギー比率は20%Eまでとする。
また、指示エネルギー量の50〜60%Eを炭水化物から摂取し、食物繊維が豊富な食物を選択する。
残りのエネルギーを脂質とするが、25%Eを超える場合は、
飽和脂肪酸を減じるなど脂肪酸組成に配慮する。
(4)誤り。スルホニル尿素薬(SU薬)は、服用により体重増加をきたしやすいので、
肥満患者にはよい適応でない。
SU薬はインスリン分泌を促進して血糖降下作用を発揮する。
肥満2型糖尿病患者では、血糖コントロール改善に際して体重が増加しにくいビグアナイド薬が
第一選択となる。
ビグアナイド薬の主作用は、肝臓での糖新生の抑制であるが、その他、消化管からの糖吸収の抑制、
末梢組織でのインスリン感受性の改善など様々な膵外作用により、血糖を降下させる。
(5)正しい。シックデイの場合は十分な水分の摂取により脱水を防ぐ。
糖尿病患者が治療中に発熱、下痢、嘔吐をきたし、また食欲不振のため食事ができないときを
シックデイと呼び、著しい高血糖が起こったりケトアシドーシスに陥ることがある。
シックデイの場合は特別の注意が必要であり、主治医の指示を仰ぐ。
インスリン治療中の患者は、食事が摂れなくても自己判断でインスリン注射を中断してはならない。
Q2.高齢者の糖尿病に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)高浸透圧高血糖状態をきたしやすい。
(2)認知症やうつを発症しやすい。
(3)患者本人だけでなく介護者にも糖尿病教育を行う。
(4)厳格な食事制限を行う。
(5)運動療法として、バランス運動は有効である。
【解説】正答(4)
(1)・(2)正しい。
(3)正しい。いっっぱん的な糖尿病の教育だけでなく、高齢者総合機能評価(CGA)における
問題領域(ADL・IADLの低下、サルコペニア、転倒・骨折リスク、認知機能低下、うつ、低栄養、
重症低血糖のリスク、服薬アドヒアランス低下、独居、経済的問題)に対する対策も
教育の内容となる。
(4)誤り。高齢者では厳格な食事制限を実施すると、
体重減少に伴ってサルコペニアを悪化させる可能性がある。
十分なエネルギー摂取を確保するとともに運動療法を併用し、筋肉量を減らさないように指導する。
(5)正しい。運動療法として、歩行、レジスタンス運動に加えてバランス運動を行うと、
歩行速度、バランス能力、移動能力、下肢筋力、関節可動性などが改善する。
今日は、「消化器系疾患」についてです。
この項目も必ず出題されますので、必ず理解しておいてください。
Q2にもあるとおり、潰瘍性大腸炎とクローン病を比較した問題がよく出題されます。
どの問題集にもこの二つの疾患が比較された表が記載されていることが多いと思います。
それぞれの特徴を把握しておきましょう。
Q1.消化器疾患とその栄養管理の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)胃食道逆流症ー高エネルギー食(2)たんぱく漏出性胃腸症ー高たんぱく質食
(3)弛緩性便秘ー水分制限
(4)急性肝炎ー炭水化物制限
(5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)−食物繊維制限
Q2.潰瘍性大腸炎と比較したクローン病の特徴に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)非連続性の病変である。(2)好発部位は、直腸である。
(3)粘血便が高頻度にみられる。
(4)大腸がんを合併するリスクが高い。
(5)寛解期には、食事制限が不要となる。
Q3.消化器疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)胃食道逆流症では、食直後は仰臥位で安静にする。(2)十二指腸潰瘍では、空腹時に心窩部痛を訴えることが多い。
(3)過敏性腸症候群では、粘血便がみられる。
(4)A型肝炎で黄疸がみられる場合には、炭水化物を制限する。
(5)非代償期の慢性膵炎では、エネルギー摂取量を制限する。
明日解説します。
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