2019年01月11日
出題予測問題<人体の構造と機能及び疾病の成り立ち>内分泌
昨日の問題の解説をします。
(2)クレアチニンは、糸球体で完全に濾過される。
(3)アミノ酸は、80%程度が近位尿細管で再吸収される。
(4)酸素の供給が不足すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が抑制される。
(5)炭酸水素イオンは、そのほとんどが尿中に排泄される。
【解説】正答(2)
(1)尿細管は、近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管で構成される。
(2)正しい。クレアチニンは、糸球体で完全に濾過され、尿細管で再吸収されることなく、
そのほとんどが尿中に排泄される。
(3)誤り。アミノ酸、グルコース、ビタミンは、ほぼ100%が近位尿細管で再吸収される。
(4)誤り。酸素の供給が不足すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が促進される。
エリスロポエチンは骨髄に作用して、赤血球の産生を増加させる。
(5)誤り。炭酸水素イオンは、尿細管でほぼ100%再吸収される。
(2)糖尿病腎症で顕性アルブミン尿がみられる場合の病期は、第2期である。
(3)ネフローゼ諸侯群では、血液凝固能が低下する。
(4)小児の微小変化型ネフローゼ症候群は、急性に発症する。
(5)慢性腎不全では、血液がアルカリ性に傾く。
【解説】正答(4)
(1)誤り。急性糸球体腎炎では、血中の抗ストレプトリジンO抗体(ASO)値が上昇する。
ASOは、溶血性連鎖球菌が産生するβ溶血毒素に対して作られる抗体である。
急性糸球体腎炎ではA群β溶血性連鎖球菌が原因菌となることが多いため、ASOが多く産生される。
(2)誤り。顕性アルブミン尿がみられる場合の病期は、糖尿病腎症第3期以上である。
(3)誤り。ネフローゼ症候群では、肝臓での血液凝固因子の産生亢進により、血液凝固能が亢進する。
(4)正しい。微小変化型ネフローゼ症候群は、糸球体にほとんど変化がみられないもので、
小児に多くみられ、急激な浮腫の出現に発症することが多い。
副腎非汁ステロイド薬が有効であるが、再発率が高い。
(5)誤り。慢性腎不全では、血液が酸性に傾く代謝性アシドーシスとなる。
腎機能低下により、尿細管でのHCO₃⁻の再吸収及びH⁺の分泌が障害されて、血漿pHが低下する。
(2)糸球体を支える結合組織を、メサンギウムという。
(3)糸球体を流れる血液は、静脈血である。
(4)β₂-ミクログロブリンは、糸球体基底膜を通過できない。
(5)アンギオテンシンTは、レニン分泌を促進する。
【解説】正答(2)
(1)誤り。糸球体は、腎臓の皮質にある。
(2)正しい。糸球体は、毛細血管が毛玉のようになっている。
メサンギウムは、その毛細血管を内側からつなぎ合わせている。
(3)誤り。糸球体を流れる血液は、動脈血である。
血液は、腹部大動脈かた分岐した腎動脈を通り、輸入細動脈から糸球体へ送られ、
輸出細動脈へ出ていく。
(4)誤り。β₂-ミクログロブリンは、分子量が小さいたんぱく質であるため、糸球体基底膜を通過し、
濾過されるが、その大部分は近位尿細管で再吸収される。
尿細管機能障害によって再吸収が妨げられると、尿中排泄量が増加する。
(5)誤り。レニンがアンギオテンシンTを産生する。
(2)IgA腎症では、約半数の患者に血清IgA値の上昇が認められる。
(3)小児の急性糸球体腎炎は、慢性化することが多い。
(4)CKD(慢性腎臓病)の重症度は、血中尿素窒素値により評価する。
(5)成人ネフローゼ症候群における低アルブミン血症の診断基準は、血清アルブミン値3.5g/dL以下である。
【解説】正答(1)、(2)
(1)正しい。慢性腎不全では、腎臓でのビタミンDの活性化が障害されるため、
血中カルシウム濃度が低下して、副甲状腺ホルモンの分泌が亢進する。
(2)正しい。IgA腎症は、何らかの原因で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、
糸球体メサンギウム領域に沈着し腎障害を生じる疾患である。
(3)誤り。小児の急性糸球体腎炎はおよそ90%以上が治癒し、慢性化することはまれである。
(4)誤り。CKDの重症度は、原因、GFR(糸球体濾過値)、たんぱく尿の3つにより評価する。
なお、血中尿素窒素は腎機能の低下により上昇するが、摂取たんぱく質量などの影響を受ける。
(5)誤り。血清アルブミン値3.0g/dL以下である。
今日は、「内分泌」の問題です。
毎年一問程度は出題されています。
(2)バセドウ病では、血清LDL-コレステロール値が上昇する。
(3)特発性副甲状腺機能低下症では、テタニーを起こす。
(4)原発性アルドステロン症は、アルドステロンの分泌低下により起こる。
(5)褐色細胞腫では、代謝が抑制される。
明日解説します。
Q1.腎と尿路系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)尿細管は、近位尿細管、遠位尿細管、集合管で構成される。(2)クレアチニンは、糸球体で完全に濾過される。
(3)アミノ酸は、80%程度が近位尿細管で再吸収される。
(4)酸素の供給が不足すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が抑制される。
(5)炭酸水素イオンは、そのほとんどが尿中に排泄される。
【解説】正答(2)
(1)尿細管は、近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管で構成される。
(2)正しい。クレアチニンは、糸球体で完全に濾過され、尿細管で再吸収されることなく、
そのほとんどが尿中に排泄される。
(3)誤り。アミノ酸、グルコース、ビタミンは、ほぼ100%が近位尿細管で再吸収される。
(4)誤り。酸素の供給が不足すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が促進される。
エリスロポエチンは骨髄に作用して、赤血球の産生を増加させる。
(5)誤り。炭酸水素イオンは、尿細管でほぼ100%再吸収される。
Q2.腎疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)急性糸球体腎炎では、血中抗ストレプトリジンO抗体(ASO)値が低下する。(2)糖尿病腎症で顕性アルブミン尿がみられる場合の病期は、第2期である。
(3)ネフローゼ諸侯群では、血液凝固能が低下する。
(4)小児の微小変化型ネフローゼ症候群は、急性に発症する。
(5)慢性腎不全では、血液がアルカリ性に傾く。
【解説】正答(4)
(1)誤り。急性糸球体腎炎では、血中の抗ストレプトリジンO抗体(ASO)値が上昇する。
ASOは、溶血性連鎖球菌が産生するβ溶血毒素に対して作られる抗体である。
急性糸球体腎炎ではA群β溶血性連鎖球菌が原因菌となることが多いため、ASOが多く産生される。
(2)誤り。顕性アルブミン尿がみられる場合の病期は、糖尿病腎症第3期以上である。
(3)誤り。ネフローゼ症候群では、肝臓での血液凝固因子の産生亢進により、血液凝固能が亢進する。
(4)正しい。微小変化型ネフローゼ症候群は、糸球体にほとんど変化がみられないもので、
小児に多くみられ、急激な浮腫の出現に発症することが多い。
副腎非汁ステロイド薬が有効であるが、再発率が高い。
(5)誤り。慢性腎不全では、血液が酸性に傾く代謝性アシドーシスとなる。
腎機能低下により、尿細管でのHCO₃⁻の再吸収及びH⁺の分泌が障害されて、血漿pHが低下する。
Q3.腎と尿路系の構造に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)糸球体は、腎臓の髄質にある。(2)糸球体を支える結合組織を、メサンギウムという。
(3)糸球体を流れる血液は、静脈血である。
(4)β₂-ミクログロブリンは、糸球体基底膜を通過できない。
(5)アンギオテンシンTは、レニン分泌を促進する。
【解説】正答(2)
(1)誤り。糸球体は、腎臓の皮質にある。
(2)正しい。糸球体は、毛細血管が毛玉のようになっている。
メサンギウムは、その毛細血管を内側からつなぎ合わせている。
(3)誤り。糸球体を流れる血液は、動脈血である。
血液は、腹部大動脈かた分岐した腎動脈を通り、輸入細動脈から糸球体へ送られ、
輸出細動脈へ出ていく。
(4)誤り。β₂-ミクログロブリンは、分子量が小さいたんぱく質であるため、糸球体基底膜を通過し、
濾過されるが、その大部分は近位尿細管で再吸収される。
尿細管機能障害によって再吸収が妨げられると、尿中排泄量が増加する。
(5)誤り。レニンがアンギオテンシンTを産生する。
Q4.腎疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)慢性腎不全では、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が亢進する。(2)IgA腎症では、約半数の患者に血清IgA値の上昇が認められる。
(3)小児の急性糸球体腎炎は、慢性化することが多い。
(4)CKD(慢性腎臓病)の重症度は、血中尿素窒素値により評価する。
(5)成人ネフローゼ症候群における低アルブミン血症の診断基準は、血清アルブミン値3.5g/dL以下である。
【解説】正答(1)、(2)
(1)正しい。慢性腎不全では、腎臓でのビタミンDの活性化が障害されるため、
血中カルシウム濃度が低下して、副甲状腺ホルモンの分泌が亢進する。
(2)正しい。IgA腎症は、何らかの原因で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、
糸球体メサンギウム領域に沈着し腎障害を生じる疾患である。
(3)誤り。小児の急性糸球体腎炎はおよそ90%以上が治癒し、慢性化することはまれである。
(4)誤り。CKDの重症度は、原因、GFR(糸球体濾過値)、たんぱく尿の3つにより評価する。
なお、血中尿素窒素は腎機能の低下により上昇するが、摂取たんぱく質量などの影響を受ける。
(5)誤り。血清アルブミン値3.0g/dL以下である。
今日は、「内分泌」の問題です。
毎年一問程度は出題されています。
Q1.内分泌疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)尿崩症は、バソプレシンの分泌過剰により起こる。(2)バセドウ病では、血清LDL-コレステロール値が上昇する。
(3)特発性副甲状腺機能低下症では、テタニーを起こす。
(4)原発性アルドステロン症は、アルドステロンの分泌低下により起こる。
(5)褐色細胞腫では、代謝が抑制される。
明日解説します。
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