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2017年11月03日

Cエネルギー代謝【ポイント】

今日は、エネルギー代謝のポイントについてお話します。

【エネルギー代謝の概念】
〇エネルギーの単位
・1cal:1mlの水を1気圧の下で1℃あげるのに必要なエネルギー量。1cal=4.184J
・1J(ジュール):1N(ニュートン)の力で1m移動させるのに必要なエネルギー量。
〇物理的燃焼値と生理的燃焼値
・物理的燃焼値
 栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)をボンブカロリーメーター内で
 完全に酸化燃焼させた時に発生するエネルギー量。
 1g当たり:糖質 4.1kcal、脂質 9.45kcal、たんぱく質 5.65kcal
・生理的燃焼値
 生体内では、摂取した栄養素がすべて消化・吸収されるわけではありません。
 各栄養素によって異なる消化吸収率と、正解で利用されなかったエネルギー量を考慮したもの。
 1g当たり:糖質 4kcal、脂質 9kcal、たんぱく質 4kcal
 これらの数値はアトウォーター係数と呼ばれています。

【エネルギー消費量】
・基礎代謝量
 身体的・精神的に安静な状態で代謝される最小のエネルギー代謝量であって、
 生きていくために必要な最小のエネルギー代謝量。
 *基礎代謝量(kcal)=基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×体重(s)
 基礎代謝に影響を与える要因としては、
 体表面積、年齢、性別、体格、体温、ホルモン、季節、絵異常状態、妊娠。身体活動レベルがあります。
・安静時代謝量
 静かに休息している状態で消費されるエネルギー量で、基礎代謝量の10〜20%増しとなります。
 日常生活では、食物が完全に消化・吸収された状態ではないため、
 食事誘発性熱産生の影響を受けます。
・睡眠時代謝量
 睡眠時に消費されるエネルギー量のことであり、基礎代謝とほぼ同じとされています。
・活動時代謝
 身体活動レベル(PAL)=1日のエネルギー消費量/基礎代謝量
・食事誘発性熱産生(DIT)
 食物を食べることによってエネルギー代謝が亢進することいい、特異動的作用と呼ばれます。
 たんぱく質のみ単独で摂取した場合の代謝量は、
 エネルギー摂取量の約30%、糖質のみでは約6%、脂質のみでは約4%です。

【臓器別エネルギー代謝】
安静時における主な臓器・組織のエネルギー代謝をみると、骨格筋は体重の約40%を占めるため、
全身のエネルギー代謝からみた場合は最もエネルギー代謝が大きくなります。
単位重量あたりでは、心臓、腎臓におけるエネルギー代謝量が最も大きく、
脂肪組織におけるエネルギー代謝量が最も小さくなります。

【エネルギー代謝の測定法】
・直接法
 外気と熱との交流を完全に遮断した部屋に人が入り、
 身体から放出される熱量を室内に循環する水に吸収させて、
 その温度上昇から放出された熱量を直接測定します。
・間接法
 呼気や尿中に排泄された窒素量から、
 体内で燃焼した糖質、脂質、たんぱく質の消費量を算出して熱量を求めます。
・呼吸商
 体内で栄養素が燃焼した時に消費した酸素量に対する排出した二酸化酸素の割合。
 *RQ=CO₂排出量/O₂消費量
・非たんぱく質呼吸賞(NPRQ)
 NPRQ=全排出二酸化炭素―(N×4.75)/全消費酸素量ー(N×5.92)

次回問題を出題します。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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