2017年09月02日
J個体の恒常性とその調整機構【ポイント】
今日は、「個体の恒常性とその調整機構」についてお話します。
【細胞内情報伝達】
細胞外からの情報は、多くの場合はホルモン、神経伝達物質、増殖因子、
サイトカイン、エイコサノイドなどの化学的シグナルによって伝えられます。
これらは、リガンドとして細胞の受容体と特異的に結合することによって
ファーストメッセンジャーとして働きます。
【受容体】
〇細胞膜受容体(親水性リガンドの場合)
・イオンチャンネル内蔵型受容体
・Gたんぱく質共役型受容体
・酵素共益型受容体
〇細胞内受容体(脂溶性リガンドの場合)
【細胞内シグナル】
受容体からのシグナルを伝える細胞内の低分子をセカンドメッセンジャーといい、
cAMP、cGMP、イノシトール3リン酸、ジアシルグリセロール、Ca2+などがあります。
・cAMP-Aキナーゼ系
・cGMP-G-キナーゼ系
・イノシトール・リン脂質代謝、Ca2+系
【恒常性(ホメオスタシス)とフィードバック機構】
人体には、体外環境が変化しても、体内環境は一定に保とうとする仕組みが備わっています。
これを恒常性(ホメオスタシス)と言います。
フィードバック機構とは、恒常性を維持するための最も重要な気候です。
正と負がありますが、生体機能調節の中心は負のフィードバックで、
体内の環境変化の影響を弱める方向に身体の各器官系が共同して働きます。
【体液・電解質バランス、酸塩基平衡】
〇体液の区分
体液(水分)は体重の60%を占め、その内3分の2(体重の40%)は細胞内液であり、
残りの3分の1は細胞外液として存在します。
細胞外液の多くが細胞間に存在する間質液(組織間液)で、
他に血漿、脳脊髄液、リンパ液などが含まれます。
〇性・年齢別の水分量
・体重に占める水分の比率
男性>女性(女性は脂肪の割合が高い為)
新生児・乳幼児>高齢者
〇体内の水分バランス
成人の1日の水の出納量は、2000〜2500mlです。
1日の尿量が400ml以下の時を乏尿、100ml以下の時を無尿、2500ml以上の時を多尿と言います。
〇体液の電解質と非電解質
・電解質
電解質とは、水に溶けて正または負に荷電してイオンとなり、
電気的性質を有する物質の総称です。。
電解質は体液の浸透圧やpHを調節し、神経細胞や筋細胞が機能するために重要な機能を果たしています。
・非電解質
グルコース、尿素、クレアチニンなど
〇体液の酸塩基平衡
・酸塩基平衡
人の細胞外液のpHは、正常な状態では7.4±0.05(7.35〜7.45)に保たれており、
このような調整機構と酸塩基平衡と呼びます。
・酸塩基平衡の調節
体液の緩衝作用:酸性側に傾きそうになるとH⁺はHCO3⁻と反応してH2CO3となり、
アルカリ側に傾きそうになると塩基がH2CO3と反応してHCO3⁻
呼吸による調節:酸性側に傾きそうになると呼気量を置くして血中CO2濃度を下げ、
アルカリ側に傾きそうになると呼気を抑制して血中CO2濃度を上げます。
腎臓による調節:酸性側に傾きそうになると尿中にH⁺を排泄し、HCO3⁻の再吸収を促進し、
アルカリ側に傾きそうになると尿中にHCO3⁻を排泄し、H⁺の再吸収を促進します。
・酸塩基平衡の異常
血液のpHが7.35以下の酸性側に傾いた場合をアシドーシス、
7.45以上のアルカリ側に傾いた場合をアルカローシスと言います。
原因によって肺からのCO2の呼出以上による呼吸性とそれ以外の原因による代謝性に分けられます。
@代謝性アシドーシスをきたす要因:HCO3⁻の減少、酸の増加
腎不全、尿細管アシドーシス、激しい下痢、糖尿病アシドーシス、激しい運動
A代謝性アルカローシスを示す要因:HCO3⁻の増加、酸の減少
原発性アルドステロン症、低カリウム血症、激しい嘔吐
B呼吸性アシドーシスを示す要因:低換気によるPCO2の増加
気管支喘息、肺気腫などの閉塞性換気障害、筋無力症、気胸など
C呼吸性アルカローシスを示す要因:過換気によるPCO2の減少
過換気症候群、くも膜下出血、肺梗塞など
【体温の調節】
・体温の変動
体温は、測定部位によって若干異なります。
一般に、腋窩温>口腔温>直腸温です。
その他、時間帯、年齢、性など、個人差があります。
・体温の調整
体温調整は、間脳の視床下部にある体温調整中枢が行っています。
ここで自律神経とホルモンによって調整されています。
【生体機能の周期性変化】
〇サーカディアンリズム
生体には生まれつき備わっているリズムがある。
ヒトの生体機能の多くは1日、24時間を周期とするリズムで変動しており、
この24時間を周期とするリズムをサーカディアンリズムといいます。
〇サーカディアンリズムと生体機能
サーカディアンリズムは内分泌系や免疫系において著明に表れることが多いです。
・体温:早朝低く、夕方高い
・副腎皮質ホルモン:早朝高く、深夜低い
・カテコールアミン:早朝高く、夜低い
・メラトニン:昼低く、夜高い
・セロトニン:昼高く、夜低い
次回、問題を出題します。
【細胞内情報伝達】
細胞外からの情報は、多くの場合はホルモン、神経伝達物質、増殖因子、
サイトカイン、エイコサノイドなどの化学的シグナルによって伝えられます。
これらは、リガンドとして細胞の受容体と特異的に結合することによって
ファーストメッセンジャーとして働きます。
【受容体】
〇細胞膜受容体(親水性リガンドの場合)
・イオンチャンネル内蔵型受容体
・Gたんぱく質共役型受容体
・酵素共益型受容体
〇細胞内受容体(脂溶性リガンドの場合)
【細胞内シグナル】
受容体からのシグナルを伝える細胞内の低分子をセカンドメッセンジャーといい、
cAMP、cGMP、イノシトール3リン酸、ジアシルグリセロール、Ca2+などがあります。
・cAMP-Aキナーゼ系
・cGMP-G-キナーゼ系
・イノシトール・リン脂質代謝、Ca2+系
【恒常性(ホメオスタシス)とフィードバック機構】
人体には、体外環境が変化しても、体内環境は一定に保とうとする仕組みが備わっています。
これを恒常性(ホメオスタシス)と言います。
フィードバック機構とは、恒常性を維持するための最も重要な気候です。
正と負がありますが、生体機能調節の中心は負のフィードバックで、
体内の環境変化の影響を弱める方向に身体の各器官系が共同して働きます。
【体液・電解質バランス、酸塩基平衡】
〇体液の区分
体液(水分)は体重の60%を占め、その内3分の2(体重の40%)は細胞内液であり、
残りの3分の1は細胞外液として存在します。
細胞外液の多くが細胞間に存在する間質液(組織間液)で、
他に血漿、脳脊髄液、リンパ液などが含まれます。
〇性・年齢別の水分量
・体重に占める水分の比率
男性>女性(女性は脂肪の割合が高い為)
新生児・乳幼児>高齢者
〇体内の水分バランス
成人の1日の水の出納量は、2000〜2500mlです。
1日の尿量が400ml以下の時を乏尿、100ml以下の時を無尿、2500ml以上の時を多尿と言います。
〇体液の電解質と非電解質
・電解質
電解質とは、水に溶けて正または負に荷電してイオンとなり、
電気的性質を有する物質の総称です。。
電解質は体液の浸透圧やpHを調節し、神経細胞や筋細胞が機能するために重要な機能を果たしています。
・非電解質
グルコース、尿素、クレアチニンなど
〇体液の酸塩基平衡
・酸塩基平衡
人の細胞外液のpHは、正常な状態では7.4±0.05(7.35〜7.45)に保たれており、
このような調整機構と酸塩基平衡と呼びます。
・酸塩基平衡の調節
体液の緩衝作用:酸性側に傾きそうになるとH⁺はHCO3⁻と反応してH2CO3となり、
アルカリ側に傾きそうになると塩基がH2CO3と反応してHCO3⁻
呼吸による調節:酸性側に傾きそうになると呼気量を置くして血中CO2濃度を下げ、
アルカリ側に傾きそうになると呼気を抑制して血中CO2濃度を上げます。
腎臓による調節:酸性側に傾きそうになると尿中にH⁺を排泄し、HCO3⁻の再吸収を促進し、
アルカリ側に傾きそうになると尿中にHCO3⁻を排泄し、H⁺の再吸収を促進します。
・酸塩基平衡の異常
血液のpHが7.35以下の酸性側に傾いた場合をアシドーシス、
7.45以上のアルカリ側に傾いた場合をアルカローシスと言います。
原因によって肺からのCO2の呼出以上による呼吸性とそれ以外の原因による代謝性に分けられます。
@代謝性アシドーシスをきたす要因:HCO3⁻の減少、酸の増加
腎不全、尿細管アシドーシス、激しい下痢、糖尿病アシドーシス、激しい運動
A代謝性アルカローシスを示す要因:HCO3⁻の増加、酸の減少
原発性アルドステロン症、低カリウム血症、激しい嘔吐
B呼吸性アシドーシスを示す要因:低換気によるPCO2の増加
気管支喘息、肺気腫などの閉塞性換気障害、筋無力症、気胸など
C呼吸性アルカローシスを示す要因:過換気によるPCO2の減少
過換気症候群、くも膜下出血、肺梗塞など
【体温の調節】
・体温の変動
体温は、測定部位によって若干異なります。
一般に、腋窩温>口腔温>直腸温です。
その他、時間帯、年齢、性など、個人差があります。
・体温の調整
体温調整は、間脳の視床下部にある体温調整中枢が行っています。
ここで自律神経とホルモンによって調整されています。
【生体機能の周期性変化】
〇サーカディアンリズム
生体には生まれつき備わっているリズムがある。
ヒトの生体機能の多くは1日、24時間を周期とするリズムで変動しており、
この24時間を周期とするリズムをサーカディアンリズムといいます。
〇サーカディアンリズムと生体機能
サーカディアンリズムは内分泌系や免疫系において著明に表れることが多いです。
・体温:早朝低く、夕方高い
・副腎皮質ホルモン:早朝高く、深夜低い
・カテコールアミン:早朝高く、夜低い
・メラトニン:昼低く、夜高い
・セロトニン:昼高く、夜低い
次回、問題を出題します。
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