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2019年02月23日

池袋母子飢餓事件


1996年4月27日、東京都豊島区・JR池袋駅に近い住宅密集地に近いアパートで、 77歳の母親と41歳の息子が餓死していた。

そのアパートへ別の事件の聞き込みに来た池袋署員に、アパートの隣人が

「最近おばあちゃんの姿を見かけない」

と連絡、署員が不動産屋の立会いの下、室内に入ったところ、母親は普段着姿で、おなかの上に手を組んだまま台所で横たわって死んでおり、息子も和室の布団の中で死んでいた。

母子とも栄養失調で、半ミイラ化の状態であった。

死亡推定は、4月4日頃。

老夫婦と息子の一家三人がここに越してきたのは1985年4月。

近所付き合いは少なく、寝たきりの父親や息子の存在を知る人はほとんどいなかった。

このアパートに越してきて以来、稼動収入はなく、夫が病気になった後、医療費に

「びっくりするように」

お金が出ていったという記述がある。

しかも少しも良くならなかったらしい。

その後、国民健康保険の保険料は納めていたが、自分も息子も病気であるにもかかわらず、病院には一切かかっていない。

母の日記(抜粋)1994年1月1日主人に、お正月のお供え、みかんと、干柿、羊かん、栗きんとん、だて巻、一口昆布、黒豆、ご飯、お煮しめ。

後で又、ご飯、梅干、昆布、お茶、お水。

子どもと私も主人に上げたものと同じものに、数の子、田作り、ご飯等でお正月を迎えた。

お蔭様でよいお正月を迎えさせて頂きまして有難うございました。

2月23日私は西武の鉄色に白花ガラうす地合ブラウスに、三越のアズキ色よこがら入りカーデガン、三越の黒紺厚地スラックス、茶ななめガラ冬コート。

先に第一勧銀に行って、年金の記入。

太子堂1,143円(串団子、ピーナッツあられ、雛あられ、吹雪、茶饅頭)。

西武3,090円(おきなこんぶ、えんどう豆、バナナ)。

ショッピング。

8月1日わずかなお金で、毎日はらはらした生活で、少しでも長くこの家におらなければ、外に家を借りるお金もないし、貸してもくれないだろう。

8月5日(35.9℃)昨日は特別きびしい暑さで子どもは一晩中寝ないで何回も何回も窓を開けても風は全然入ってこなくて苦しい晩だった。

・・・7月から1ヶ月以上だから、その苦しさはたまらない。

1995年3月29日朝、年金係の人からの手紙が入っていた。

・・・うちがお金に困り、後暫くしかここにおれないのを読まれて、相談するようにと区役所と西福祉事務所などを教えて書いてあるが・・・良い人が世話されるとよいが、悪い人にあたったら大変と聞いているので、今は最後までガマンする。

6月26日朝10時すぎ、不動産屋に行き、おられたので、家賃7月分納めた。

・・・今月もおさめ物、支払いなど全部無事にすませて頂き有難うございました。

また、来月も、何卒すべて、よろしくお願いします。

9月7日朝、7時半頃、区役所(民生委員)より敬老金(5千円頂く)。

今お金に心配している時に、5千円の大金を頂いて、大変助かります、有難うございました。

11月30日一銭も無い様に、なくなってしまったら、後は、飲まず食はずで、どんなにしたらよいのでしょうか、役所などに、たのむようにと、教えられましたが、私共は、普通と違うだけに、一般の人、同様には、してもらえないでしょう、今後どうして生きていくのでしょうか早く、死なせて下さい。

1996年1月3日家は暖房もないし、今年はカーペットも何もない。

お湯もないので水だけだから、両手のしもやけもひどい。

今までにないほどの厳しい毎日の冷え込みで、私は敷布団もないし、掛布団もないので、身体を冷やしてしまったんだろう。

座布団を2枚つなぎ合わせて敷いているが、足元は何も敷くものがない・・・毎日寝ていても冷えがひどくて苦しい。

・・・まさかこんなにひどい生活をするとは、夢にも思っていなかった。

1月11日現状は、人間生活ではなく、動物以下の生活で、誰もしないような毎日。

風呂には、私は10年以上ほど入らない。

子どもは15年ほど入らない。

身体もぜんぜん2人ともふかない。

髪も10年ほど洗わない。

洗濯も7〜8年ぜんぜんしない。

電気も昨年からほとんど大きいのはつけないで、まめ電球だけである。

ガスも昨年からお茶のお湯だけを 1回か2回わかすだけで使わない。

節約されるだけしても、食事代は少ししか使われない。

ご飯やめん類、おかず等を食べたいが昨年からほとんど食べられない。

かるいお菓子等で、一時お腹をふくらせてはいるが、子どもも私もひもじくてガマンしているが苦しい。

1月28日3月分からは、家賃も生活費もありません、どんなに私と子どもは、なるのでしょうか、行くところもありませんし、区役所にたのんでも、私と子どもは生活できませんでしょう。

共同生活もできませんし、今後、私と子どもはどんなになるのでしょうか、不安でたまりません。

私も、子どもも、病人ですし、どうしたらよいのでしょうか、何卒お助け下さい、お願いいたします。

2月2日郵便局、先日1月31日の時の男の受付の人がおられましたので、おつり70円を上げて、おわびのあいさつをしたが、感じよく受け取って頂きましてありがとうございました。

2月5日牛乳、ヨーグルト2個、大根サラダ、ヤクルト、アメダマ、おにぎり2個 (854円)2月6日ハムヤサイサンド、いなりずし3個 (346円)2月7日わんぱくおかし20個、ソバボーロ、ソバ、うどん、おぼろこんぶ、みかん、しょうが漬 (1,333円)2月8日みかん20個、ハムヤサイサンド、いなりずし (746円)3月5日サンカクムシパン2個、コッペパンツブアンマーガリン。

今日で食べ物の買い物も全部終わりました。

残金は28円でこれだけが全財産です。

後、2.3日で食べ物も全部なくなります。

後、子どもと私はどうなるのでしょうか。

3月8日毎日、毎日、子どもも(何かほしい)(もう少しほしい)と言うのをガマンさせてはいるが、私自身も子どもより大分少なく食べているので、苦しさはたまらない・・・子どもがすいじゃくして死ぬのではないかと、それが心配である。

子どもと私は後、どんなにして行くのだろうか、いくら考えても、分からない。

区役所等にたのんでも、私共は、まともには、世話してもらえないし、どんな所にやられて、共同生活をしなければ、出来ないかを考えると、子どもも私も病気で苦しんでも、だれも、わかってもらえそうにないので、今日の自由のきく生活のままで、2人とも、死なせて頂きたい。

3月10日今日までで、私共の食事は、終わりと思っていたところ、子どもが明日からお茶だけでは苦しいからとて、毎日うすいせんべいを3枚食べているのに、1枚明日に残すと言って食べないで残したが、私は毎日1枚のせんべいだけを、朝と後からと2回に分けて食べているので、明日に残す物がない。

何時も、頭から食べ物のことが、はなれなくて困る。

3月11日とうとう今朝までで食事が終わった。

明日から何1つ口にするものがない。

少しだけ、お茶の残りがあるが、毎日、のみつづけられるであろうか。

・・・子どもも私も、身体がきつく苦しい、私はその上、(頭痛)(熱)で苦しいのを我慢しているが、第一起きることができるだろうか。

・・・私は、今朝、夢の中で(歯が全部ぬけた夢)を見ているが、これは身内に、死人がある知らせと聞いているので、子どもが先に死ぬのではないかと、心配である。

一緒に、死なせて頂きたい、後に残った者が、不幸だから。

posted by まとめ at 08:00 | 怖い話
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