<堀切りとフセギ>
左手奥に土塁が見えています。そして斜面に刻まれた堀切り。右手前になにやらお札が掲げられていますね
<札のアップ>
フセギ?でしょうか
フセギとは、疫病や悪霊などの侵入を防ぐために、村堺などに縄を張ったり、札を掲げたりする習慣のこと。『道切り』または『辻切り』などとも呼ばれます。
ここは低地に面した台地の斜面です。右手の道路の向こう側は低湿地になっています。まさに村境と思いたくなる場所ではありますが、これはそのたぐいと受け止めて良いのでしょうかね
場所は高坂の高済寺さんの裏手になります。私は城跡(高坂館跡)として訪問したため、境内の土塁を眺めたあと、低地との高低差を味わうべく北側の斜面に回り込みました。お札をみつけたのは偶然です。
ここ東松山市には、フセギ(防ぎ)の習慣が受け継がれている場所がいくつか存在しています。ネット検索すると、市内のフセギ行事が『望月』『西本宿』『後本宿』『悪戸』といった地区こどに紹介されています(他にもあります)。ただ、調べ方が下手なせいか、高済寺さんの裏手のお札がどの地区のフセギ行事に含まれるのか分かりませんでした。あるいは、集落の出入り口に掲げる一般的なフセギとは、別な意味のものなのかもしれません。このあたり、曖昧で恐縮です。
ただ、ここを境界と定め、いわば結界の類をはっていることに変わりはありませんね。
内と外との間に隔たりを設け、侵入を防ぐ。そという意味では、土塁や堀も同じです。どちらも人の切実な思いが込められています。その両方を感じる光景でした。
■訪問:高済寺
(高坂館跡)
[埼玉県東松山市高坂]834
■参考:
東松山市ホームページ
→東松山市の指定文化財
(その一部を追記欄で紹介)
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---------■ 追 記 ■---------
フセギは疫病や悪霊などの悪いものが、地区に入るのを防ぐための民俗行事です。高済寺さんを訪問した日、東松山市内の別な場所でフセギを見つけました。
道路沿いの電信柱に備え付けられています。
こちらにも。これは公園入口です。
私がみつけたのは比較的簡易的なものです。行事のメインとなる所には、藁で作った立派なフセギが掲げられています。ご興味のある方は東松山市のホームページを参照下さい。勝手に画像を拝借するわけにもいきませんので、下記にページの一部を記しておきます。
後本宿のフセギ行事
http://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/soshiki/shougaigakushuubu/bunkazai/menu/shitei_bunkazai/1621836175286.html
タグ:道切り