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2017年04月25日

エールを送りたくなる川 

暗渠を知って以降、街のあちらこちらを横断している見えない川に敏感になりました。

桃園川(ももぞのがわ)の暗渠
5nakano.jpg

稲付川(いなづけがわ)の暗渠
FAN Akabane INA (4).jpg

出井川(でいがわ)の暗渠
ShimurasanchomeHAru (1).JPG

烏山川(からすやまがわ)の暗渠
BL setagaya10river (2).jpg
(どれも当ブログで紹介済の暗渠)

どの川も完全に街に溶け込んでます。日本の治水のレベルは本当に高いですね。

ただヘンなもので、関心する一方で、街で「整備が未完の川」を見つけると、何やら愛おしく思えてなりません。

暗渠が途切れたところ
kawanonaggori0425.jpg
ある日、暗渠に沿って歩いているうちに、こんな景色と出会いました。
私が立ち止ると、ザリガニが慌てて泥の中へと隠れ、驚いた魚が四方へ散っていきました。そんな光景を目にするのは久しぶりです。
この川、護岸に人の手が加えられている以外は、自然の川に極めて近い状態。川底もコンクリではありません。

何となくホッとします

まぁ僅か数十メートル下流は既にコンクリ暗渠。ここもいずれはコンクリで固められ、蓋をされるのでしょう。そして誰も川だと思わなくなる意識すらされなくなる
そう予感するからなのでしょうか。放っておかれたようなこの状態が、妙に愛おしく思えてなりません。
まだ人の都合と同化しきれていない姿に、どういうわけかエールを送りたくなります。


■お勧め本■
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暗渠マニアック ! (柏書房)
著者:吉村生/山英男

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posted by Isuke at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 川跡・暗渠

2017年04月24日

川の無い護岸 唱歌「春の小川」のその後

<春の小川>
harunoogawa (5).jpg
説明なしだと、ただの線路沿いの道。しかも狭くて、人と人がすれ違うのにも気を使う路地です。
ここは文部省唱歌「春の小川」の舞台であったとされる場所です。

<解説>
この歌の作者(作詞を担当した高野辰之)が、東京府豊多摩郡代々幡村に住んでいたことから、当時の田園地帯に流れる宇田川の支流である「河骨(こうほね)川」が歌のモデルの川と推定されています。場所は現在でいうと代々木3丁目。昔の雰囲気どころか、川の姿もありませんね。

■春の小川■
春の小川は、さらさら行くよ。
岸のすみれや、れんげの花に、
すがたやさしく、色うつくしく
咲けよ咲けよと、ささやきながら。
(以下省略)

口語調に変更される前はこんなです

■春の小川(オリジナル)■
春の小川はさらさら流る。
岸のすみれやれんげの花に、
匂いめでたく、色うつくしく
咲けよ咲けよと、ささやく如く。
歌え歌えと、ささやく如く。
(以下省略)

なるほど、、
オリジナルより、自分が聞きなれた方がしっくりきますね

<現地画像>
harunoogawa (4).jpg
岸のすみれやれんげの花もありませんね

harunoogawa (2).jpg

harunoogawa (3).jpg
付近はなんとなく川のなごりが漂う場所ではありまが、これがあの唱歌「春の小川」の現在の姿です。

この衝撃的な事実。暗渠に詳しい人の間では、既に有名な場所となっています。私もテレビや雑誌ではなく、その筋の皆様(暗渠界?)のFacebookで知りました。
とりあえず現地へ行ってみましたが、目の当たりにして、やや寂しくなりました。

<個人的感想>
作者の高野辰之さん。長野県の出身で、上京は大学進学時とのことです。手掛けた唱歌は「春の小川」以外にも多数。代表作にはあの故郷(ふるさと)も含まれます。

兎追ひし かの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川
・・・

私が地方の出だからでしょうか。感情移入できる川は少年期の記憶ばかり。そんな感覚ですので、「春の小川」も故郷の川に思いを巡らして創作したような気がしてなりません。仮にこの代々木の川がモデルだとしても、川を思う豊かな感性は、きっと故郷の川によって育まれたものでしょう。何となくそう思いました。

<川の痕跡>
harunoogawa (1).jpg
これ護岸の跡ですね。
まぁ春の小川のモデルがどこであれ、この代々木の小路が川だったことは間違いありません。その痕跡が、こうして黙って伝えてくれています。


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2017年04月23日

川の無い橋 (川の跡)

川の跡

痕跡を見つけて「そこに本来あったもの」を想像する。
これは廃城巡りの楽しみでもあります。

数年前、あるきっかけで「暗渠」という世界と出会ってしまいました。
それが城跡巡りと共通点が多かったことから、いまだにその世界に留まっています。

「暗渠」
普通なら見慣れないこの字では「あんきょ」と読みます。
いろんな定義がありますが「地下に埋設された川」という意味に受け取って下さい。
まぁ「もうなくなっちゃった川」とか「人の都合で本来の姿でなくなった川」といった感じになります。

とある林の中
kamidatenkshiro (6).JPG
土塁の跡ですね。開発されずに放っとかれたから残ったのでしょう。城だった痕跡です。

とある街の中
Kawanonagori shirokane (2).jpg
橋の欄干の跡ですね。工事の都合で残ったのでしょう。 川だった痕跡です。

どちらも「そこに本来あったもの
そのなごりと言えるのではないでしょうか。


<川の無い橋>
kawanonagori.jpg
意識するかどうかは別にして、皆さんも街でこんな橋を見かけているのではないでしょうか?橋はあるのに川はない。良く考えたらヘンな光景ですよね。

<暗渠の道>
kawanonagori2.jpg
川の姿はありません。ただ正確に言うと、このコンクリの下にあります。そう、地下へ埋設されました。
川の名は谷端川(やばたがわ)。豊島区・北区・文京区を流れていた川です。今も残る橋はそのなごりです。

田舎で育ったので、あるがままの川を沢山見てきました。その感覚でこういった暗渠を見ると、なにやら相当窮屈に感じてなりません。まぁ開発の都合で止むを得ないことですが、誰もその「存在にすら気づかない」ということが、廃城となって歴史に埋もれてしまった城跡と情緒的に重なってしまいます。

本来あった姿

それはきっと、それそのものが最も輝いている姿

そんな思いで、川だった痕跡を街中で見つけると、ふと足を止めてしまいます。


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