つわものどもが夢の跡・・・
[場所:谷戸運動公園]
ここが中世の城跡になりますが・・・ちょっと厳しい状況ですね。
よりによって、ここまで平坦にしますかね・・・
(運動公園ですから当然のこと。子供が楽しそうに野球をやってました)
一応見て回りましたが「城のなごり」を感じることはできません。
このエリア、地元では城山と呼ばれています。歴史については諸説ありますが、事実として、昭和の初期頃までは土塁や堀の跡が残されていました。また専門家による調査結果でも、中世の豪族・堀江氏の城館跡であることが確認されています。堀江氏館跡です。堀江氏についても諸説ありますが、戦国時代にこの付近の代官となり、江戸時代には地元の名主となっていたようです。
ん〜そんな館の遺構が昭和初期まであったのなら、土塁の隅っこだけでも良いので残して欲しかったですね。城跡好きとしては残念。痕跡どころか、もはや気配すらありませんでした。
終わり
ではありません。街の中の城跡巡り、ここでまた「暗渠」の出番です
桃園川緑道
これはただの道じゃありませんよ。暗渠(あんきょ)、つまり蓋をされた川です。桃園川(ももぞのがわ)といいます。
先程の公園のすぐ近く。館跡を中心に考えると南側です。外堀的な役割を果たしてくれる川だったと思われます。あるがままの川が、きっちりとこんな幅で流れていたはずもなく、付近は川沿いに低湿地となっていたことでしょう。これは防衛上は有利な条件ですね。更に、東には神田川、北には妙正寺川が流れています。この桃園川を含めると、城跡は三方が川だったことになりますね。
城の縄張りでは土塁や堀の配置が重要になりますが、それ以上に大切なのは場所の選定。ここ中野城山は、選ばれるべくして選ばれた場所だった。私にはそう思えます。江戸時代はともかく、堀江氏がこの地にやってきたのが戦国期であるなら、それは尚更のことです。
微妙な地形の高低差なども含めて、それらを現地に行ってみて肌で感じる。痕跡が少ない街の中の城巡りでは、そんなことを心がけています。
深読みと思い込みと肌感覚
これで勝手に楽しんでいます。
車止め
桃園川は杉並区と中野区を流れる川。全区間がこういう暗渠となっています。車止めがユニークですね。ここは通常の道路と違って、川に蓋をしただけの状態。人はOKでも、重量のある車両は入れないようにしています。耐久性の問題ですね。細い道で車止めを見かけたら、そこはもしかしたら暗渠かもしれませんよ。これは暗渠に気付くコツみたいなもの。そうやって川のなごりに敏感になると、市街化されて遺構のない城跡にも、城のなごりを感じられたりします。
つわものどもが夢の跡
城跡そのものには何もありませんでしたが、川跡を含むかつての地形のなごりに、城のなごりを感じました。
暗渠沿いの古民家カフェにて
不慣れな街ですが充分楽しみました。
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タグ:暗渠と城跡