今回は浦和ゆかりの歌人のなごりです。
<長谷川かな女の歌碑>はせがわ かなじょ
女流俳句の先駆けである長谷川かな女の歌碑です。
<別所沼公園>
歌碑が設置されている場所はさいたま市(旧浦和市)の別所沼公園。沼は大宮台地からの湧水が低いところに溜まってできました。周辺を含めて公園として整備され、地元民の憩いの場となっています。歌碑はこの公園南側の入口を入ってすぐの管理事務所のそばです。
<説明板>
以下が歌碑に彫られた俳句です
曼珠沙華
あつまり丘を 浮かせけり
俳句に疎い私が解説するわけにはいきません。とりあえず言葉の通り、曼珠沙華(彼岸花)がまとまって生えている姿が、まるで丘を浮かせるかの如くだという意味に受け止めました(皆さんはもっと奥深く味わいましょう!)。歌碑がこの地に建てられている理由は、この句が別所沼付近を詠んだものと言われているからです。
長谷川かな女の生まれは東京ですが、諸々の経緯で浦和の岸町で過ごしました。1966年には紫綬褒章受章を授与され、浦和市の名誉市民になっています。
私も長らく浦和に住んでいますが、この歌碑に足を止めたのはつい最近のこと。別所沼公園は何度も来ていますので、ずっと素通りしていたわけですね。まぁずっと知らないままより、気付けて良かったです。
<曼珠沙華>マンジュシャゲ
別所沼公園の彼岸花です。今年(2020年)は例年より1週間くらい開花が遅かったような気がします。すみません、ちょっとだけ枯れ始めてますかね。これは仕事がなかった10月4日の撮影です。
こちらは9月29日の夜。仕事帰りに立ち寄って撮影しました。この日がピークだったかもしれません。
整備された公園の一角に過ぎませんが、長谷川かな女の句を参考にするなら、かつての別所沼の周りには、『丘を浮かせる』と形容されるほどの彼岸花が群生していたのでしょう。
さらに
ここからはちょっと想像の世界です。
別所沼は台地と台地の間にできた侵食谷に位置しています。下記は沼からみて西側。台地が沼を取り囲む壁のような状態になっています。
<大戸>おおと
さいたま市南区別所の別所沼公園の西側は中央区大戸。大戸は大宮大地が南側へ突き出た部分、つまり丘の上にあります。別所沼を訪れた長谷川かな女は、大宮台地の斜面に群生する曼珠沙華を見て、『丘を浮かせる』と詠んだのかもしれませんね。
勝手に想像して楽しむ。
そのヒントとなる有難い歌碑でした。
■訪問:別所沼公園
[さいたま市南区別所]4丁目
歌人に関する知識は皆無です。今回もWikiさんのお世話になりました
[参考:Wikipedia2020/10/4]
2020年10月04日
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お役に立てて幸いです。石碑の存在は以前から知っていたものの、肝心の長谷川かな女について何の知識もなく、足を止めたのはつい最近です。私も知らないことばかり。また街探索などを通して、いろいろ教えて下さい。
拙ブログにお越し頂き、ありがとうございました。
ISUKEさんの情報はいつも役に立ちます、ありがとうございます!