ビジネスにおいて、ロジカルシンキングが重要とよく言われますが、ロジカルシンキングには、三つの思考方法があるようです。
弁護士の方が法律学習に関して書かれた本で紹介されていましたので、確認してみましょう。
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@ ゼロベース思考
固定観念を捨て白紙で考えること
A フレームワーク思考
物事の全体を枠として押さえて考えること
B オプション思考
一つではなく複数の案(選択肢)を考えること
(金井高志『民法でみる法律学習法 知識を整理するためのロジカルシンキング』日本評論社 17頁)
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仕事に慣れてくると、仕事の進め方も板につき、その仕事の仕方が、所謂、固定観念になってしまいます。
実のところ、必要でなくなった業務であったり、無駄が多い業務であったり、生産性に寄与しない業務であったりしても、惰性で続けることがあります。
その時に、ゼロベース思考が必要となります。
固定観念を捨てて、改めて仕事を見直すと、必要のないもの、無駄なもの、生産性に寄与しないもの等々が明らかになります。
コンサルタントが適切に会社に改善策を提示できるのも、元々、その会社の人間ではなく、ゼロベース思考からスタートしているからでしょう。
時には、コンサルタントになった気持ちで、仕事、職場を見直すとよいでしょう。
あとは改善すればよいのですが、その際、仕事全体を一つの枠として捉えた上で、改善に取り掛かるとよいでしょう。
個別に改善しても仕事全体としてうまくいかないことがあるものです。
仕事は他の仕事との関係性の中で成り立っているといえますから、全体の枠組みの中で改善すべき仕事を適切に位置づけるという姿勢が重要ですね。
改善すべきことも一つだけに限るのではなく、複数考えることがよいでしょう。
ある方法がうまくいかなくても、ほかの方法があればいくらでも対応ができますし、慌てずにすみます。
この方法しかない、という思考では、すぐ壁にぶつかるでしょう。
このロジカルシンキングの三つの思考方法は、自分自身の人生設計を考える上でも活用できます。
将来のこと、新しいことを考えているようでも、今までの自分の固定観念で物事を考えているならば、大した変化もなく発展も見込めないでしょう。
難しいですが、ゼロベース思考は重要です。
その上で、目先のことに囚われず、自分の人生を大きな枠組みで捉え、物事を判断することでしょう。
視野が狭いということは、人生に大きな損失を与えます。
フレームワーク思考は大切ですね。
今後の生き方を考える際、この道しかない、というような考え方は好ましくありません。
いろいろな生き方があるという考え方がよいでしょうね。
実のところ、自分が思い描く通りに生きている人はほとんどいないでしょうし、自分が思い描く通りに生きることがよいかといえば、そうでもないでしょう。
思いがけないことがあるから、大変であっても興味深い人生となるものと思われます。
生き方には、しなやかさが必要ですね。